ライフスタイル&ヘルス2024/12/10 更新
正月飾りは、新しい年を祝うお正月に欠かせない存在です。しかし、なぜ正月飾りを飾るのか知らない方も多いのではないでしょうか。この記事では、正月飾りの意味や飾る場所、いつからいつまで飾るとよいのかを詳しく解説します。
お正月は本来、年神様を家にお迎えし、その恩恵を授かるための行事です。正月飾りは年神様を歓待する意味を込めて飾られますが、年神様が訪れるための目印であり、滞在するための依り代(よりしろ)の役割もあります。
年神様とは、歳徳神とも呼ばれ、五穀豊穣や無病息災、家内安全など、新しい一年の福徳をもたらしてくれる神様です。年神様をお迎えするために飾る正月飾りには、家族の幸せや健康、繁栄を願う気持ちが込められています。
伝統的な正月飾りは、門松やしめ飾り、鏡餅などがあります。それぞれの意味合いと飾る場所について解説します。
門松は、家の門の左右に飾る伝統的な正月飾りです。年神様が訪れるための目印としての役割と、滞在してもらうための依り代、家を邪気から守る魔除けの意味合いがあります。また、家族の幸福や健康を願う気持ちも込められています。
昔は松だけを飾る簡単なものでしたが、時代が進むにつれて、松のほかにも竹や梅などの縁起の良い植物が加わり、門松は大型化しました。近年では、住宅事情の変化により、コンパクトなタイプの門松も流通しています。
松が縁起物とされるようになったのは平安時代ごろ。中国から伝わった歳寒三友(さいかんさんゆう)に由来します。
松は一年中葉を落とさず樹齢が長いため、不老長寿の象徴とされ、神を祀る(まつる)につながる、おめでたい意味を持つ木です。門松に使われる松は縁起が良く、神様との結びつきが深い植物とされています。
竹が縁起物として定着したのは室町時代ごろです。竹は成長が早く、一日で1メートル以上伸びることも。
冬でも枯れずに広く根を張り、青々とまっすぐに伸びる様子から、強い生命力と長寿の象徴とされています。このため、竹は健やかな成長や不老長寿、子孫繁栄を願う意味を込めて使われるようになりました。
梅が縁起物として定着したのは江戸時代ごろです。新春に開花する梅は、年始にふさわしいおめでたい花とされてきました。
寒さが厳しい時季に美しい花を咲かせることから、生命力の象徴とされる一面も。また、梅の実は健康に良いとされ、これらが健康や長寿を願う意味と結びつき、正月飾りに使われるようになったのです。
しめ飾りは、しめ縄に縁起が良いとされる裏白(うらじろ)や橙(だいだい)、ゆずり葉などをつけた正月飾りです。神社のしめ縄と同様、神様をお祀りする場所に穢れを持ち込まないための結界の意味があります。
しめ飾りを飾ることで、年神様をお迎えするためにふさわしい神聖な場所になります。しめ飾りは、穢れが入らないようにする結界としての役割を持つため、玄関先の軒下や神棚などのなるべく高い位置に飾りましょう。
鏡餅は年神様へのお供え物であり、神様が宿る依り代としての役割を持っています。餅は神事で使用される鏡に見立てたもので、神様にお供えする食べ物として欠かせないものとされてきました。
餅を2つ重ねるのには陰陽の意味があり、「福を重ねる」や「無事に年を重ねる」という意味が込められています。鏡餅は、神棚や床の間に三方(さんぽう)を置き、その上に半紙や奉書紙を敷いて飾るのが一般的です。床の間がない場合は、リビングやダイニングの机や棚でもかまいません。
正月花は、お正月に飾る縁起の良い花で、年神様をおもてなしするために飾ります。門松に使われる松や竹、梅のほか、難を転じる意味を持つ南天、商売繁盛の縁起物として人気のある千両や万両が一般的です。
気品があり邪気を払うとされる菊や、華やかでお祝いごとに欠かせない花である胡蝶蘭、寒い時期に美しく咲く水仙などもよく使われます。正月花は、家の門や玄関、または床の間に、家族の繁栄や健康を願う気持ちを込めて飾られます。
門松やしめ飾りなどの玄関飾りは、新年に年神様をお迎えするための目印や、年神様が滞在する依り代としての役割があります。マンションでは、共用部にあたる玄関の外に飾るのを禁止している場合もありますので、事前に確認しておきましょう。
近年、住宅スタイルの変化により、正月飾りを家の中に飾ることも増えてきました。コンパクトなタイプの門松や、リース、スワッグタイプのしめ飾りは、インテリアとして玄関の中に飾れます。
正月飾りはいつからいつまで飾るのが適切なのでしょうか。飾り始める時期と片付ける時期について解説します。
正月飾りは、正月事始めとされる12月13日以降であれば、いつ飾っても問題ありません。最近では、クリスマスを過ぎた26日から27日あたりに、クリスマス飾りと入れ替えて飾るのが一般的になっています。
末広がりの「八」で縁起が良い28日や、間に合わない場合は30日に飾ってもよいでしょう。避けたほうがよい日は、29日と31日です。29日は「二重苦」につながり、31日は葬式と同じ一夜飾りで縁起が悪いとされており、飾る日としてふさわしくありません。
正月飾りは、松の内を過ぎたころに片付けるのが一般的です。門松を飾る期間を「松の内」と呼び、昔は小正月にあたる1月15日までとされていました。近年では1月7日までを松の内とする地域が多くなっていますが、松の内の期間は地域によって異なります。
東北、関東、九州地方では1月7日までが松の内とされている一方、関西地方では1月15日の小正月までを松の内とする地域がほとんどです。正月飾りは、お住まいの地域の風習に合わせて片付けましょう。
使い終わった正月飾りは、神社でおこなわれる「どんど焼き」や「左義長(さぎちょう)」というお祭りで燃やして処分するのが一般的です。近隣の神社で、これらの行事がおこなわれているかを確認してみましょう。
もし、おこなわれていない場合や参加できない場合は、自分で処分することも可能です。新聞紙などの大きめの紙を用意し、塩やお酒で清めたあと、正月飾りを包んで処分します。自分で処分する場合は、地域のごみ処理ルールに従って、適切に処分してください。
門松やしめ飾り、鏡餅などの正月飾りは、年神様をお迎えし、新年の無事を祈願して飾るもの。正月飾りは本来、神道の習慣であり、神道において死は穢れと位置づけられています。
穢れのある時期に神様を家にお迎えするのはふさわしくないという考え方や、喪中ではお祝い事を自粛する風習があるため、正月飾りをするべきではないとされています。特に、外に飾る門松やしめ飾りは、人目に付くため飾るのを控えましょう。
正月飾りには、年神様をお迎えし、新しい一年の福徳を授かる意味が込められています。飾る場所や時期など、ふさわしい飾り方を知っておくと安心です。新しい年をお祝いするとともに、家族の幸せや健康、繁栄を祈願しましょう。
※商品情報や販売状況は2024年12月10日時点でのものです。
現在の情報と異なる場合がございますが、ご了承ください。
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