甘納豆とは伝統的な和菓子のひとつ。どこか懐かしくやさしい甘味に癒されます。記事では、甘納豆の由来や納豆との違い、原料などの基礎知識に加え、料理やスイーツへのアレンジ方法や作り方など、役立つ情報をお届けします。

お取り寄せできる甘納豆も紹介しているので要チェックです。

「甘納豆」とはどんなお菓子?

ザルに盛られた大小さまざまな色合いの甘納豆

iStock.com/shironagasukujira

甘納豆はねっとりとした食感やしっかりとした甘味があるのが特徴で、伝統的な和菓子として広く親しまれています。そのままおやつとして食べたり、お茶請けにしたり、スイーツや料理に活用したりと楽しみ方はさまざまです。

甘納豆は主に豆類を使い、じっくりやわらかくなるまで煮込んでから蜜を加えて煮詰め、さらに砂糖をまぶして乾燥させたもの。材料はシンプルですが、手間と時間をかけた製法により甘納豆特有の風味や食感が生まれます。

また、使う豆の種類によって見た目や味わいが変わり、多様なバリエーションが生まれるのも甘納豆の魅力です。

甘納豆と納豆の違い

甘納豆というネーミングから「甘い納豆のこと?」と誤解をされがちですが、甘納豆と納豆は別物です。

納豆は大豆を発酵させて作られる「発酵食品」ですが、甘納豆は豆を発酵させず、甘く煮詰めて乾燥させた「和菓子」。そのため、甘納豆には納豆のような発酵の風味はなく、口に入れると深みのある甘味と素朴な豆の風味が広がります。

甘納豆の由来や歴史とは?

甘納豆の由来については諸説ありますが、ここでは菓子舗の榮太樓(現在の榮太樓總本鋪)が考案した「甘名納糖(あまななっとう)」発祥説をご紹介します。

甘名納糖が作られたのは、江戸時代後期の安政年間のことです。当時、榮太樓の3代目が、お菓子向きの原料ではなかったささげ豆を使うことに着目。試行錯誤を重ね、ささげ豆と蜜飴を使って庶民向けの手頃なお菓子「甘名納糖」を完成させました。

甘名納糖という名は、見た目が遠州浜松の名物「浜名納豆」に似ていたため、その名にあやかって付けられたものです。甘名納糖は日持ちがよくておいしいと瞬く間に評判に。明治10年、第1回内国勧業博覧会で優等賞受賞を機に、甘名納糖の名は全国に広まりました。

やがて甘納豆と略されるようになり、日本の伝統的なお菓子のひとつとして定着していったのです。

【原料編】甘納豆に使われる原料の種類

木のボウルとスプーンにさまざまな種類の豆が入れられている様子

iStock.com/Tanarch

甘納豆の主な原料は豆類です。長時間加熱しても皮が破れにくい大粒の豆がよく使われ、豆の種類によって風味や食感が異なるのも甘納豆ならではといえます。

たとえば、大納言小豆を使うとまろやかな甘さが楽しめる赤色の甘納豆になり、青えんどう豆は爽やかな香りと鮮やかな緑色が特徴的。黒豆はしっかりとした食べ応えがあり、白花豆は上品な風味と心地よい食感が魅力です。

また、栗やさつまいも、トマトといった豆類以外の原料を使った甘納豆も数多く登場しています。定番から新感覚まで、多彩な味わいを楽しめるのも甘納豆の醍醐味です。

【アレンジ編】甘納豆のいろいろな食べ方

白いガラスの器に盛られた抹茶のアイスクリーム

iStock.com/yumehana

甘納豆はそのまま食べるのはもちろん、料理やスイーツにアレンジするのもおすすめです。上手に活用すれば手軽においしい一品が完成しますよ。

甘納豆アイス

バニラや抹茶のアイスに、お好みの甘納豆をトッピングするだけで、ひと味違ったアイスに早変わり。甘納豆のやさしい甘さとほくほくした食感が、アイスに絶妙なアクセントを加えてくれます。お好みで黒蜜やきな粉をプラスすれば、本格的な和スイーツになりますよ。

甘納豆ゼリー

甘納豆を加えたゼリーは見た目も涼し気です。寒天やゼラチンでゼリー液を作り、型に流し込む際に甘納豆を加え、冷蔵庫で冷やし固めれば完成。ぷるんとしたゼリーの口当たりと甘納豆の甘味、豆の食感が調和し、ひと息つきたいときもってこいです。

甘納豆のぜんざい

材料は甘納豆、切り餅、水の3つだけ。小鍋で甘納豆と水を煮立たせて好みの甘さに調整し、椀に盛り、焼いた切り餅を加えればOKです。仕上げに加えるひとつまみの塩が、甘味を引き立たせるコツ。豆の食感や餅の香ばしさも楽しめる、素朴で甘いおやつです。

甘納豆入り蒸しパン

黒いトレイに置かれた3色の色とりどりの蒸しパン

iStock.com/kudou

甘納豆を生地やトッピングの両方に使うと、見た目も食べ応えもアップします。生地をマフィンカップに流し入れ、蒸し器で約15分蒸せば、ふんわりとした蒸しパンのできあがり。ホットケーキミックスを使えば手軽に作れ、抹茶やココアなどを加えるのもおすすめです。

甘納豆入りサラダ

甘納豆はサラダとも好相性。彩りや食感のアクセントになるだけではなく、甘納豆の甘味が加わることで、シンプルになりがちなサラダの味に奥ゆきがプラスされます。葉物野菜やにんじんのサラダをはじめ、じゃがいもやかぼちゃをマッシュしたサラダにもぴったりです。

甘納豆の赤飯

赤飯にはささげ豆を使うのが一般的ですが、北海道など一部の地域では甘納豆を使います。ご飯は食紅でほんのり赤く色付けし、甘納豆は水にさらして砂糖を洗ってから加えるのがポイント。仕上げにごま塩を振りかければ、甘さと塩気が相まってごはんがすすみます。

【実践編】自宅でできる!甘納豆の作り方

黒っぽい和皿に盛られた3色の甘納豆
photo by macaroni

自宅でオリジナルの甘納豆を作ってみませんか。

材料は豆、砂糖、水、塩、仕上げ用の粉砂糖やきな粉だけでOK。作り方は大きく分けると「豆をひと晩水に漬ける」「豆をやわらかく煮る」「豆を甘く煮詰める」「豆を冷まして乾燥させる」「豆の表面に粉糖やきな粉をまぶす」という5工程です。

豆は好きなものを選んでOK。砂糖も好みに応じて選べます。深いコクのある甘味にしたい場合は三温糖を、すっきりとした甘さが好みならグラニュー糖を使うのがおすすめです。

また、何もまぶさないプレーンなもの、粉糖やきな粉をまぶすもの、少しの塩を振ったものなど、まぶし方を変えると味のバリエーションがグンとアップ。ぜひお試しくださいね。

レシピはこちら|macaroni

阪急で買える!おすすめ甘納豆ギフト3選

1, 「京の黒豆 北尾」京丹波産黒豆しぼり10入

白いギフト箱入り食べ切りサイズの黒豆甘納豆
2,739円

京都・丹波産の黒豆のなかでも大粒で甘味がある「新丹波黒(しんたんばぐろ)」という品種を使ったドライタイプの甘納豆です。豆のおいしさを引き立てる上品でコクのある風味が印象的。

手でつまんで食べられ、食べ切りサイズであることも嬉しいポイントです。15個入りもありますよ。

詳しく見る

2. 「京の黒豆 北尾」京丹波産黒豆菓子、幽玄詰め合わせ

白いギフト箱入り3種の黒豆甘納豆と3種のまま入りジュレスイーツ
3,236円

ドライ甘納豆は「黒豆しぼり」「抹茶黒豆しぼり」「親子黒豆しぼり」の3種。さらに黒豆・ほうじ茶小豆・抹茶黒豆を上品なジュレで包み込んだ和スイーツ「幽玄」3種も入っています。

黒豆を伝統的にも斬新なアプローチでも楽しめる、ワクワクするラインアップです。18個入りもあります。

詳しく見る

3.  「京の黒豆 北尾」京丹波産黒豆菓子3種詰め合わせ15入

白いギフト箱入りフレーバーの異なる3種の黒豆甘納豆の詰め合わせ
4,249円

黒豆一筋160年。老舗自慢のドライ甘納豆3種のアソートです。独自手法でふんわり仕上げたプレーンの「黒豆しぼり」、香り高い抹茶をまぶした「抹茶黒豆しぼり」、そして香ばしい黒豆きな粉をまぶしたのが「親子黒豆しぼり」です。

食べ比べるのも楽しくなること間違いなし。20個入りもあります。

詳しく見る

甘納豆をもっと身近に!

「最近、甘納豆を食べていないな」という方も多いかもしれません。食べればやさしい甘さにほっこりするはずです。お茶と合わせたり、アレンジしたり、自分で作ったりと楽しみ方はいろいろ。この機会に甘納豆の魅力を再発見してみませんか。

※商品情報や販売状況は2025年04月21日時点でのものです。
現在の情報と異なる場合がございますが、ご了承ください。