ライフスタイル&ヘルス2025/4/15 更新
新盆に招かれたら、お供え物を持参するのがマナーだということをご存じですか。この記事では、新盆とは何かをはじめ、お供え物の選び方や相場、渡し方・贈り方のマナーについてわかりやすく解説します。どうしたらよいか困ったときはぜひ参考にしてくださいね。
新盆とは、故人が亡くなって四十九日の忌明け(きあけ)後に初めて迎えるお盆のことです。新盆の読み方は「にいぼん」「しんぼん」「あらぼん」など地域によって異なります。西日本では新盆を初盆と呼び、「はつぼん」「ういぼん」といった読み方が一般的です。
故人の霊を初めて自宅に迎える新盆は、通常のお盆より手厚くおこなわれるのが習わし。一般的に、新盆では親戚や故人と親しかった人が招かれ、お寺や自宅で新盆法要がおこなわれます。法要後には僧侶を交え、会食をする場合が多いでしょう。
新盆法要に招かれた際はお供え物を持参するのがマナーです。お供え物にはこの世に戻ってきた故人の霊をもてなし、供養するという意味合いがあります。
お供え物は、香・灯燭(とうしょく)・花・浄水・飮食(おんじき)の「五供(ごく)」が基本です。なかでも、新盆に贈る場合におすすめしたいお供え物をご紹介します。
五供の「香」とは線香やお香のこと。仏教では故人は香りを食べるという考えがあり、香りにはお参りする人やその場を清める役割もあります。新盆には香木を使った格調高い線香をはじめ、やさしい香りのものや桐箱入りのものなどを選んではいかがでしょう。
五供の「灯燭」とはろうそくを指し、ろうそくの火はあの世とこの世をつなぐ架け橋と考えられています。日々のお参りに使える白ろうそくをはじめ、絵柄入りや蜜蝋入り、LEDタイプのものなど種類も豊富。新盆には高品質なろうそくを贈るのがおすすめです。
お供え用の花は故人の慈愛や忍耐を表わすもの。五供のなかでも、香・灯燭・花の3つは「仏の3大供養」と呼ばれる大切なお供え物です。新盆の供花は白い花をベースに淡い色合いでまとめるとよいでしょう。香りが強いものやトゲのある花は不向きです。
季節の果物はお供え物の定番です。新盆にお供えする果物は丸い形のものや旬のもの、常温保存できるものを選ぶのがポイント。丸い形は縁を連想させ、故人との縁を大切にするといった意味合いがあります。丸くても、ドリアンやマンゴーなど匂いの強い果物はNGです。
和菓子・洋菓子を問わず、お菓子は故人へ感謝の気持ちを伝えるお供え物のひとつ。せんべいや落雁、羊羹、せんべい、ゼリーといった常温で日持ちのするものを選ぶとよいでしょう。のちのちお裾分けをしやすいように、個包装のものを選ぶという心遣いも大切です。
果物やお菓子以外の食べ物としては、海苔や高野豆腐、干ししいたけ、麩などの乾物、黄桃やみかんなどの缶詰などがお供え物の定番です。素麺をお供えする地域もあり、故人の霊があの世へ戻る際にお土産をくくる綱に見立てているなど、由来は諸説あります。
飲み物には、この世に戻って来た故人の喉の渇きを潤し、お供えする人の心を洗い清めるという意味があります。お茶やコーヒー、無添加のフルーツジュースなどがおすすめです。お酒についてはお供えには好ましくないという考えもあり、避けたほうが無難でしょう。
新盆のお供え物には避けるべきアイテムもあります。よかれと思って選んだ品がマナー違反とならないよう、事前にチェックしておきましょう。
お祝いごとに使われる縁起物は新盆のお供え物にはふさわしくありません。たとえば、引き出物の定番である鰹節や昆布などが代表格です。鰹節には夫婦円満や長寿などの意味があり、昆布は「よろこんぶ(喜ぶ)」の語呂合わせから縁起物として定着しています。
仏教では生き物を殺す殺生(せっしょう)を禁ずる考えがあり、魚や肉などをお供えすることはタブーです。また、生ものは傷みが早いためお供えには向きません。料理をお供えする場合は、魚や肉を使わない精進料理や地域の行事食などを用意するのが一般的です。
「五辛(ごしん)」と呼ばれる、匂いや辛味が強い食べ物はお供えには避けましょう。にんにく、ねぎ、ニラ、らっきょう、はじかみ(しょうが、山椒等)などが該当します。宗派や地域によってはたまねぎが含まれることもあり、念のため避けたほうが無難です。
常温で保存できないものはお供え物には適しません。お供え物は、仏壇や精霊棚(しょうりょうだな)に一定期間飾られるものです。そのため、冷蔵や冷凍が必要なお菓子や食品などは品質が劣化する恐れがあります。常温で保存が可能なお供え物を選ぶのがマナーです。
新盆のお供え物に、故人が生前好きだったものやゆかりのあるものを選ぶのは控えましょう。新盆は亡くなってからまだ日が浅いうちに迎える法要です。故人の供養になると思って選んだ品物が、かえって遺族に辛い思いをさせてしまう可能性にも配慮しましょう。
新盆のお供え物を選ぶ際、気になるのが相場ではないでしょうか。ここではシーン別の相場について解説します。
新盆法要に参列する場合、お供え物と香典の両方を持参するのがマナーです。相場は生前の故人との関係性によっても変わります。近親者の場合、お供え物・香典それぞれ5千〜1万円、遠縁の親戚や知人であればお供え物・香典それぞれ3千〜5千円程度が目安です。
新盆法要のあとに会食の席が設けられることも少なくありません。僧侶や参列者が食事をしながら故人に想いをはせることも供養のひとつ。新盆法要と会食の両方に出席する場合は、香典に食事代として5千〜1万円程度をプラスした金額を包むのが望ましいでしょう。
新盆法要に招かれても、やむを得ず出席できない場合もあります。その場合は、お供えの品を贈り物として郵送・宅配で送るか、供物料(お供え物の代わりの現金)を現金書留で送るのが一般的。近親者は5千〜1万円、遠縁の親戚や知人の場合は3千〜5千円程度が相場です。
新盆でお供え物を渡したり贈ったりする際は失礼のないようにしたいもの。基本的なマナーを確認しましょう。
新盆用のお供え物を渡すのはお盆の時期です。全国的にお盆は8月13日~8月16日頃が主流ですが、東京をはじめ一部地域では7月13日~7月16日頃、沖縄地方では9月4日~9月7日頃にお盆を迎えます。故人が住んでいた地域のお盆の時期に合わせましょう。
新盆法要を自宅でおこなう場合、焼香を済ませたあとに施主へお供え物を渡します。お寺の場合は、受付や親族控室などで挨拶をした際に渡すとよいでしょう。「本日はお招きありがとうございます。心ばかりですが仏前にお供えください」とひと言添えるのも忘れずに。
新盆に出席できない場合は、お供え物や供物料を郵送・宅配・現金書留などで送ります。その際、新盆の1週間前から遅くとも前日までに届くよう余裕をもって手配しましょう。欠席のお詫びと故人を偲ぶ気持ちを綴った手紙を添えると丁寧な気持ちが伝わります。
お供え物には「結び切り」の水引がついたかけ紙を用います。結び切りは一度きりにしたい行事に使われる水引で、色は白黒、双銀などのほか、関西では黄白や黄銀が一般的です。上段に「御供物(おくもつ)」と書き、下段には贈り主のフルネームを濃墨で書きましょう。
供物料や香典はお札の裏面が袋の表を向くように不祝儀袋に入れ、表書きは濃墨で書きます。香典は上段に「御仏前」または「御供料(ごくうりょう)」、供物料の場合は「御供物料」または「御供」などと書き、下段には名前をフルネームで記入しましょう。
新盆には招かれた側がお供え物を持参するという特有のしきたりがあります。新盆という節目に、お供え物を通じて故人への感謝の気持ちを表し、遺族へは思いやりの心を伝えたいものです。あらかじめマナーを確認し、心静かに新盆法要に臨みましょう。
※商品情報や販売状況は2025年04月15日時点でのものです。
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