すだちとかぼすは、さわやかな香りと強い酸味が特徴の「香酸柑橘類」。この記事では、見た目がよく似ている、すだちとかぼすの違いについて多角的に解説します。すだちとかぼすの保存方法やおすすめのレシピも紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

すだちとかぼすの違いとは?項目別に解説

カゴに入ったかぼす

iStock.com/Green Planet World

すだちとかぼすは料理に欠かせない「香酸柑橘類」です。すがすがしい香りと強い酸味が特徴で、料理の引き立て役として使われます。すだちとかぼすの違いについて、外見や味わいの特徴とともに詳しく解説します。

見た目

果皮の色がよく似ているすだちとかぼすですが、大きさの違いで見分けられます。すだちはゴルフボールほどの大きさであるのに対し、かぼすはテニスボールほどの大きさがあります。個体差はありますが、一般的にかぼすはすだちの3~5倍の大きさです。

香り

すだちは香酸柑橘類のなかでも特に香りの成分が多く、12種類にも及びます。果皮の香りが高く、クセのない酸味と強い香りが特徴です。

実が熟す前の青い状態で収穫されるため、みずみずしいさわやかな香りが楽しめます。一方、かぼすはフルーティーでさわやかな香りが特徴。マイルドで上品な香りが楽しめます。

味わいや合う料理

すだちの香りはさわやかで、苦みが少なく、どんな食材にも合います。特に松茸やサンマなど香りの強い食材との相性は抜群です。かぼすの上品な香りとまろやかな酸味は、白身魚や繊細な味わいの食材にぴったり。かぼすの代表的な生産地である大分県では、ふぐ料理によく使われています。

産地

すだちのおもな生産地は徳島県で、全国の生産量の98%を占める代表的な特産物です。かぼすのおもな生産地は大分県で、こちらも全国の生産量の98%を占めています。

栄養素

すだちとかぼすにはビタミンCやクエン酸が多く含まれているので、風邪対策や肌の調子を整えるために積極的に摂りたい食材です。

すだちとかぼすの独特の香り成分は「リモネン」に由来し、リラックスも作用も期待できます。(※1,2,3,4,5)

おいしい時期

すだちは8月から12月に旬を迎えますが、熟していない青い状態のほうが香りが良いため、9月ごろに収穫されます。かぼすも同様に、風味と香りが良い青い状態が好まれ、収穫されるのは9月から10月ごろ。すだちとかぼすはどちらも果皮の青いころに、もっともおいしい風味が楽しめます。

すだちとかぼすに似た柑橘類との違いと使い方

白い背景とゆず

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すだちやかぼすのほかにも、香酸柑橘類にはさまざまな種類があります。代表的なものとしてあげられるのが、ゆずやシークワーサー、ライムなど。それぞれの特徴と味わい、香りの違いについて紹介します。料理や飲み物に適した使い方が見つかるでしょう。

ゆず

ゆずは高知県の特産品で、11月~12月にかけて流通する黄ゆずが一般的です。冬至にはゆず湯としても利用されます。豊富な果汁と香り高い皮は、さまざまな料理に活用されます。

8月から10月には青ゆずも流通しており、酸味と苦味が強く複雑な味わいが特徴です。ゆずの皮には「ユズノン」という香り成分が含まれており、料理のアクセントとして食卓を華やかにしてくれます。

シークワーサー

シークワーサーはおもに沖縄県で生産されている柑橘類で、かぼすと大きさが似ていますが、やや扁平な形状が特徴です。熟す前の青い状態は、酸味のある果汁が料理のアクセントに。

完熟すると黄色く色づき、糖度も上がるため、生でもおいしく食べられます。ジュースやゼリーなどの加工用としても用いられ、独特の風味から多くの料理やデザートで活躍します。

ライム

日本で流通しているライムは、おもにカリフォルニアやメキシコから輸入されており、通年で出回っています。レモンよりも酸味が控えめで、ほんのりとした苦味とさわやかな香りが特徴です。

ソーダとの相性が抜群で、香りづけとして活用されています。カクテルにもよく合い、モスコミュールやモヒートなど、ライムを使ったさまざまなカクテルを楽しめます。

すだちかぼすはそれぞれ代用可能?

思考する男女

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すだちとかぼすは、どちらもさわやかな香りと豊富な酸味がありそれぞれ代用可能です。いずれも特徴を活かした使い方で、料理や飲み物の味わいを引き立てます。

ほかに代用できる柑橘類としてはレモンやゆず、ライムなどがあります。レモンはすだちやかぼすと比べて香りが弱いため、香りを楽しみたい場合はゆずがおすすめです。

おいしいすだちとかぼすの選び方

おいしいすだちとかぼすは見た目で判断できます。すだちは濃い緑色で、ツヤとハリがあり、ずっしりと重みのあるものがおすすめ。果皮にシワがあるものは鮮度が落ちている可能性があります。青い状態のほうが香りが高く、黄色くなっているものは酸味が少なく香りも弱くなっています。

かぼすは色むらが少なく濃い緑色のものを選びましょう。果皮にハリとツヤがあり、重みがあるのもおいしいかぼすの特徴です。穏やかな酸味が好みなら、少し黄色いものを選ぶと良いでしょう。

すだちとかぼすを保存するときのコツ

野菜がたくさん入った冷蔵庫の野菜室

iStock.com/gyro

すだちやかぼすを購入しても余らせてしまうことがありませんか。常温のまま保存すると、果皮が黄色くなって酸味が失われ、劣化も早まります。鮮度を保ったまま保存するには、冷蔵または冷凍保存がおすすめ。簡単にできる保存方法を紹介します。

冷蔵で保存する場合

すだちとかぼすは同じ方法で冷蔵保存できます。保存状態を良くするため、表面の水分をふき取りましょう。すだちはひとつが劣化すると周りの果実も影響を受けるので、2~3個ずつ少ない個数でジッパー付きの保存袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存します。

保存期間は約1週間で、果皮が緑色のうちに使い切るのがおすすめです。

冷凍で保存する場合

すだちとかぼすは丸ごと冷凍すると2ヶ月ほど保存可能で、凍ったまま皮をすりおろして使えます。ほかには横半分に切って冷凍保存する方法も。断面がラップにつくように包み、ジッパー付きの保存袋に入れて冷凍します。切ったものは1ヶ月ほど保存でき、自然解凍すれば使えます。

果汁を絞って冷凍したものも1ヶ月程度保存可能です。製氷皿などの小分けの容器で冷凍し、ジッパー付きの保存袋に入れて保存しましょう。

すだち・かぼすを使うおすすめのレシピ4選

1. すだちシロップ

保存容器に入ったすだちシロップ

すだちがたくさん手に入ったときにおすすめのレシピ。すだちの風味を楽しめるシロップは常温保存が可能で、水やソーダで割って飲むのはもちろん、ドレッシングやソースにも活用できます。清潔な密閉保存容器に入れて、シロップを取り出すときは清潔なスプーンを使いましょう。

レシピはこちら|macaroni

2. すだち香る濃厚クリームパスタ

スライスしたすだちがのったクリームパスタ

魚や麺類の添え物としてのイメージが強いすだちを使った意外なレシピ。すだちのさわやかな香りとクリームの濃厚な味わいがマッチした絶品パスタです。

最後にスライスしたかぼすをのせると彩りよく仕上がります。パスタをクリームと和えるので、袋に記載されているゆで時間より1分短めにゆでるのがポイントです。

レシピはこちら|macaroni

3. 自家製かぼすポン酢

保存容器に入った自家製ポン酢

手軽に作れる自家製かぼすポン酢は、市販のものとはひと味違う酸味とまろやかさが特徴です。醤油は熱し過ぎると香りが飛んでしまうので、最後に加えます。小さく切っただし昆布を入れてもおいしく仕上がりますよ。冷蔵保存で2~3日を目安に使い切りましょう。

レシピはこちら|macaroni

4. 旬のかぼすで作る♪さわやかウイークエンドシトロン

ウイークエンドシトロン

旬のかぼすと米粉で作るグルテンフリーのさわやかスイーツです。レモンで作るウイークエンドシトロンと比べて、よりすっきりした酸味とさわやかな香りが楽しめます。

生地にアーモンドプードルを加えることで、香ばしくしっとりした食感に。生地に加えるかぼすの皮は緑色の部分をすりおろすのがポイント。白い部分は苦味があるため注意が必要です。

レシピはこちら|macaroni

すだちとかぼすの違いを知って風味を堪能しよう

見た目がそっくりなすだちとかぼすは大きさや特徴が違います。冷蔵や冷凍保存もできて、さまざまな料理に使える万能食材。使い道がいつも同じになってしまう方は、この記事で紹介したレシピを活用して、香りと風味を楽しんでくださいね。

【参考文献】

文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」果実類/(かんきつ類)/すだち/果汁/生

 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」果実類/(かんきつ類)/かぼす/果汁/生

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