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LOCAL PRIDE vol.4

バイヤー岸田が巡った 宮城県・気仙沼

バイヤー岸田が巡った、宮城県・気仙沼。地域の自然環境や伝統文化を守り育む「スローシティ」に認定されたこの地に暮らしながら、モノづくりに情熱を注いでチャレンジし続ける人々。現地の方々と触れ合い、目で見て、手で触れてバイヤー自身が感じた気仙沼をファッションで盛り上げます。

紳士服飾品担当
バイヤー岸田

スタイリストとして活躍したの ち阪急百貨店に入社、以来メンズ大阪一筋。シューズやバッグ、カジュアルウェアの担当を経て、現在はドレスシャツやネクタイなどの服飾雑貨を担当。 地域の文化や歴史に傾倒しており、プライベートでも城や寺社仏閣に赴く。気仙沼を訪れるのは昨年に続き今回が2度目。

気仙沼で活躍する人々が手がける商品を阪急メンズ大阪でご紹介するPOP UP「KESENNUMA PRIDE × HANKYU MEN‘S」。そこに登場するお店と、モノづくりに取り組む人々~Beyonder~の情熱や想いをご紹介します。

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気仙沼ニッティング by 御手洗 瑞子 TAMAKO MITARAI

プロの編み手さんによる、手編みのニット製品をつくる「気仙沼ニッティング」の代表である御手洗さんに会いに、気仙沼港を一望できる高台にあるお店 「メモリーズ」へ。細い坂道をのぼると見えてくる、青い建物。昨年に続いて、約1年ぶりの訪問です。

2013年6月、震災復興支援プロジェクトとして誕生した「気仙沼ニッティング」。「ニットを通して、うれしさを伝えていきたい」御手洗さんは言います。編むことのうれしさが、着てくださる人に伝わって、何年も、何代にもわたって、愛され続けていくような。そんな商品をつくり、お届けしたい、と。

使うのは、発色が美しくやわらかさのあるオリジナルの毛糸。糸を染める作業は独自技術を持つ京都の工房に依頼し、イメージした発色になるまで何度も試作を繰り返したそう。そんな毛糸を使って、1着のニットを、責任をもって1人の編み手さんが編み上げます。タグには編み手さんのイラストが。想いまで受け取ったような気持ちになり、ますます愛着がわきます。

着る人のことを想い、ひと針、ひと針。御手洗さんや編み手さんたちが生み出すニットには、温度だけでは測れない、人の温もりがあるように思います。

Film by 刑部信人

シャークス by 熊谷 牧子 MAKIKO KUMAGAI

漁業が盛んな宮城県。なかでもサメ類は日本一の水揚げ量を誇ります。県内では9割が気仙沼港に水揚げされるほど、気仙沼はサメの町。ひときわサメに熱い思いを寄せるのが、サメ革雑貨などを扱うお店「シャークス」を経営する気仙沼出身の熊谷さんです。

もともとはサメ革を買い付けている会社に勤めていて、 仕事を通してサメが大好きになったと言います。しかし、震災で家も仕事も失い、途方にくれていた時。プレハブの仮設店舗が空いているから、入らないか?と、復興商店街への出店の誘いがありました。

「不安な気持ちもあったけれど、サメの仕事が大好き。なんとか自分でやってみよう!と思ったんです」と熊谷さん。使うのは、気仙沼で一番多く水揚げされるヨシキリザメ。サメ革は、海の生き物だけあって水や傷にも強く、丈夫さがあるそうです。

ヒレ(フカヒレ)や、骨、革まで余すところなく使えるサメの魅力を皆さんに知っていただきたい。目を煌めかせながらサメの生態や特性をお話になる熊谷さんの扱うサメ革のアイテムには、サメへの愛情があふれています。

インディゴ気仙沼 by 藤村 さやか SAYAKA FUJIMURA

大正時代に建造された、半円アーチ窓が特徴の旧平野本店。その建物の一角にあるのが「インディゴ気仙沼」です。代表を務めるのは、結婚を機に気仙沼に移住した藤村さん。

「素手の方が、藍の感触を確かめながら染められるんです。」一般的に藍といえば、深いネイビーを連想しますが、「インディゴ気仙沼」が得意とするのは、澄んだターコイズの発色。

ここに至るまでは大変な道のりがありました。そもそも藍は、温暖な気候を好む植物。東北の気仙沼は、栽培には不向きな土地でした。藤村さんは、諦めずに可能性を探ります。藍に関する国内外のあらゆるものを調べ上げ、中世ヨーロッパで染料として使われていた寒冷地に育つ“パステル”という植物の存在を知ります。なんとか種を入手し、地元農家の協力を得てテスト栽培を繰り返しながら、試行錯誤の末に、ようやくこの色に辿りつくのです。

気仙沼は、移住者をあたたかく受け入れ、チャレンジさせてくれる土地だと藤村さんは笑います。そんな度量のある気仙沼で作られた染料、パステルが生み出すインディゴブルーは気仙沼の美しい海を想わせます。

高前田乾隆窯 by 齋藤 乾一 KENICHI SAITO

36歳のとき、気仙沼の山中に登り窯をひらき、気仙沼の土や釉薬を活かして用の美と創の美を目指し制作を続ける陶芸家、齋藤さん。火加減は非常に繊細であり、急激に温度が上昇すると作品が割れてしまうため、気温や自身の体調の変化にまで気を配るそうです。

齋藤さんは、日本人が潜在的にもっている、質素なものの中にある奥深さや豊かさなどの趣を感じる心“わび”を大切にしているそうです。それは、満月を待ちわびたり、小説の行間を読むのと同じ。「使っているうちに、足りないところがみえてくる、どうすればうまく使いこなせるかを考える。愛情がうまれる。それが、わびなんです。」

あまり手をかけすぎず、少し足りないくらいを目指して。81歳になられた今でも、春と秋の年2回、窯に火入れして、作陶を続ける齊藤さん。そのひたむきな努力と美学が、美しさに磨きをかけています。

KESENNUMA PRIDE
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Hankyu MEN'S OSAKA

バイヤー岸田が気仙沼で出会ったBeyonderの皆さんの商品が、期間限定でメンズ大阪にやってきます。こだわりと情熱を、見て触れて、感じてください。

期間中、対象商品をご購入のうえLINEお友だち登録をしていただいた方に、プレゼントをお渡しします。
※数に限りがございます。なくなり次第終了いたします。

「気仙沼ニッティング」POP UP

●10月25日(水)~11月7日(火)

●阪急メンズ大阪4F イベントスペース

セーターやマフラーのカラーオーダー会。お選びいただいたお好きな毛糸で、気仙沼のプロの編み手さんが編み上げます。

カラーオーダー承り

ウールセーター(全12色) 110,000円
※お渡しは約2ヵ月後となります。

カシミヤセーター(全11色)
S・Mサイズ 159,000円/Lサイズ 165,000円
※お渡しは約3ヵ月後となります。

カシミヤマフラー(全14色) 53,900円
※お渡しは約2ヵ月後となります。

BUYBUY

「シャークス」POP UP

●10月25日(水)~11月7日(火)

●阪急メンズ大阪4F イベントスペース

丈夫で傷や水にも強く、使うほどにしなやかに増していくツヤ。なめしの工程は高い技術と時間がかかるため希少価値の高いサメ革を使った財布やベルトなどをご紹介します。

コインケース 6,600円

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「インディゴ気仙沼」POP UP

●10月25日(水)~11月7日(火)

●阪急メンズ大阪4F イベントスペース

藍から抽出した染料を使い、手作業で染め上げるストールやTシャツ。肌にやさしく心地いい着用感、美しい発色が魅力です。

ボタニカルストール 19,800円
1色染めTシャツ 13,200円

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「高前田乾隆窯」EXHIBITION

●10月25日(水)~11月7日(火)

●阪急メンズ大阪4F イベントスペース

1978年の制作開始から一貫して、地元気仙沼の素材にこだわり生み出される齋藤乾一氏の作品をご覧いただけます。
※商品は展示のみ、販売はございません。あらかじめご了承ください。

気仙沼には、地域に根差し、地元への愛を込めて活動しているお店がまだまだたくさん。今回の訪問で出会った人々をご紹介します。

MAST HANP by 宍戸 正利 MASATOSHI SHISHIDO

東日本大震災の2年前の2009年、気仙沼港に近い南町に、帆布生地のバッグや小物などを扱う店を開いた宍戸さん。それまで店舗のテントや船のシートの縫製工場を家族で経営していた経験を活かして、宍戸さんが自らデザインし、裁断から縫製まで手がけます。

「どんなものがいいか、お客さんの声を聞きながら作っていこうと店をオープンしました。」その小さな店が津波の被害に。震災直後こそ将来を案じて悩んだそうですが、1ヵ月後には、高台にあった自宅の工房で仕事を再開。

宍戸さんが作るアイテムは、豊富な色のバリエーション、気仙沼らしい柄の生地など、帆布生地の組み合わせでデザインは無数にあります。その組み合わせが、面白い。情熱は今も変わらず、むしろ時を重ねるほどにどんどん増していっている様子。

気仙沼の人の声、お客さんの声。ユーザーに寄り添って作られた、使い勝手のいいバッグは今日も人々の生活のなかに溶け込んでいます。

BLACK TIDE BREWING by 丹治 和也 KAZUYA TANJI

気仙沼の復旧・復興の一助のなればという想いと、クラフトビールによるコミュニティづくりを、というコンセプトで立ち上げられたクラフトビールのマイクロブルワリー「BLACK TIDE BREWING」。そのメンバーの1人、震災を機に気仙沼でボランティア活動をしていた、丹治さん。このプロジェクトの存在を知り、新潟から気仙沼に移住してきました。

新しいものを好む方が多い土地柄もあり、お客様の新しいテイストへの要望に応えている間に、これまで作ったクラフトビールは約150種類。個性的なラベルも魅力で、デザイン制作は、気仙沼在住のデザイナーが手がけます。それも、気仙沼の人と一緒に作り上げていきたいという想いから。

「BLACK TIDE BREWING」のメンバーには、気仙沼にUターンし働いている人も。「少しは気仙沼のためになったかな。」これからも気仙沼のためにビールを作り続けます。

SPECIAL THANKS 気仙沼市産業部観光課 by 齋藤 岳大 TAKEHIRO SAITO

震災後、地元の気仙沼にUターンし気仙沼市役所に勤務。市の魅力を全国に発信すべく熱意を燃やされています。気仙沼の町の魅力、旬の味、四季折々の風景など、嬉しそうに答えてくれる齋藤さん。気仙沼愛にあふれています。

新しいものを受け入れ、多様性を尊重する。自然を敬い、ともに生きる。固定概念や、枠組みを越えて。これらをまちの「誇り」として次代に伝え、ひとりひとりが心豊かに、ポジティブに生きていく。そんな前向きなパワーにあふれる、気仙沼。

私たち阪急メンズは、その矜持を少しでも皆さまにお伝えできればと思います。

※表示価格は消費税を含んだ税込価格です。
※イベントは事情により中止・変更する場合がございます。
※写真はイメージです。