
1. ネック
Tシャツのネックは主に、クルー・Vネック・Uネックに分類され、ヘンリーネックなどの変わり種も。Vなら色気を、Uならこなれ感を、ラフな着姿をもたらすヘンリーネックと言ったようにネック一つとってもスタイルの印象は大きく変化します。好みやバランスに合わせて使い分けたいところ。
スタイルやシーズンに捉われない、トップクラスの汎用性を誇る白Tシャツ。ではなんでもいいのかというと、全くそんなことはなく。汎用性が高いからこそ、自身にフィットする一着を選ぶ必要があるのです。便利さにかまけて適当に選んでしまっては、お洒落を真に楽しむとは言えませんから。逆にここにこだわることができるかどうかが重要なのです。本特集では、簡単に見えて侮れない白Tシャツ選びの極意を伝授。白Tシャツの着こなしをものにして、シン・ファッショニスタを目指していただきたい次第。
一番のお洒落な装いとは何かを突き詰めていくと、シンプルでベーシックなコーディネートに行き着くもの。ミニマルなスタイリングで、相手にお洒落だと感じさせることができれば、これ以上はない究極のお洒落と言えます。その着こなしの中で最も重要なのが、Tシャツをはじめとするインナーです。
Tシャツと言えば、春夏は1枚で着られて、秋冬はコートやジャケットのインナーに合わせられる最も汎用性が高く身近なアイテム。中でも白の無地Tシャツは、何枚あってもいいほど有能。多くのブランドが手がけていることからも、白無地の重要性は押し計れると思います。では、ブランドはどこで差別化を図っているのか。それが、冒頭のTシャツ選びのキモで挙げた、ネック・生地・サイズ感なのです。
アメカジにピッタリなものや細身の体型に合うもの、成熟した男性に相応しい一着など、Tシャツ1枚とってもその方に似合うアイテムは千差万別。しかもごまかしが効かないので、より自身のセンスが問われます。というわけで、ここでは4つのジャンルに分類して、オススメのTシャツをご紹介します。
真のファッショニスタは、白Tシャツを知っている。普段何気なく着ていたTシャツを改めて見直して、ワンランク上のお洒落を楽しんでくださいませ。
ベーシックだからこそ役に立つ、
永久不変の1着
まずは、白Tシャツの中で最も万能と言える、オーセンティックなアイテムをご紹介します。アウターはキレイめなジャケットから男らしいブルゾンまで、ボトムスならスラックスから太いデニムまで、と幅広くマッチする1枚です。シルエットは、オーバーサイズでもないレギュラーフィットが基本。主にネックや素材で差別化できるアイテムをピックアップしています。
休日のカジュアルはもちろんのこと、昨今 のビジカジスタイルとも好相性なので、押さえておいて損はありません。オンオフ問わずに楽しめる、センスある白Tコーデのエントリーモデル的存在です。
私の白TEEのこなし方 Style.1
星加 精二郎さん
HANKYU MEN’S Merchandiser
爽やかさを強調するべく、ボトムスは淡いベージュ系のスラックスをセレクト。ノームコアなスタイリングのスパイスとして、ジャケットやシューズにシックなカラーをチョイス。ネイビーなら上品な印象を与えます。
ストレッチの効いた滑らかな生地感が特徴。度詰めのジャージー素材を採用し、透けにくい上にニットのような着心地を楽しめます。身幅や袖周りをややシャープにすることで、クリーンな印象をさらに後押し。
AOURE ¥11,000
Osaka B1F AOURE / Tokyo 4F AOURE
ネックのリブ部分は編み立てにしており、上質でストレスフリー。ジャージー素材とは言え、布帛のようなハリとコシがあるのも見どころです。
裾には僅かにスリットを入れることで、動きの際の型崩れを軽減します。着姿にこだわった意匠も魅力の一つ。
ポイントとなるのは、洗練されたモダンな雰囲気を醸し出すということ。
シルエットもレギュラーからややスリムなものまで、ベーシックなアイテムを取り揃えています。
今ドキなスタイルも、
まずは白TEEから!
90年代のリバイバルトレンドが継続する中、ルーズな着こなしをはじめとするオーバーサイズシルエットもすっかり定着。今シーズンもしっかりと今どきな着こなしは押さえたいところ。無地のTシャツでオーバーサイズをチョイスする時に大事なのが、素材感です。クタクタのヨれたTシャツでは、上質さやこなれ感は伝わらず、ただだらしなさだけが際立ってしまいますから。周囲との差別化や清潔感をしっかりと得るためには、ツルッとした滑らかな肌触りの一着を選ぶのが必須条件です。
上質な無地Tなら、1枚で着られるのはもちろん、レイヤードスタイルにも有効。ここでは、軽量でありながらタフさも併せ持つアイテムをご紹介。クリーンなオーバーサイズの白Tで、大人に相応しいストリートを楽しんで。
私の白TEEのこなし方 Style.2
龍ヶ江 凜平さん
HANKYU MEN’S Buyer
カーゴパンツに白Tを合わせただけのシンプルコーデ。とは言え、ドロップショルダーやボリュームスニーカーが、旬なムードを演出。大胆なグラフィックや装飾的なデザインがなくとも、トレンドスタイルをモノにできる好例です。同時に上質素材の無地の洗練さが大人っぽさをアピールします。
着丈68cm、身幅66cmのボクシーなシルエットが特徴。インドの限られた農家でしか栽培できないと言われる希少なコットンを使用し、シルクのような滑らかさが魅力です。だらしなくない大人のためのルーズTとは、まさにこのこと。
CABaN ¥19,800
Osaka B1F THE STORE TOMORROWLAND
ネック幅4cmのクルーネック仕立ては、コーディネートのさり気ないアクセントに。ポリウレタンをわずかに混紡しており、ストレッチが効いています。
落ち感のあるシルエットは高級感ある素材と相まって、上品なドレープを構築します。ハーフスリーブのような長めの袖も、今っぽさを強調。
単にデカければOKというわけではありません。レイヤードをメインに考えるなら、ルーズフィットではなく着丈の長さで吟味する方が吉。使い方でセレクトも変わるので、しっかり狙いを定めてくださいませ。
ヴィンテージライク&復刻も
今狙い目!
ヴィンテージデニムを中心に古着市場も大いに盛り上がっています。ともすれば、合わせるトップスもそれに相応しい一着を選びたいですよね。中には、肌に直接触れるTシャツは古着だと気後れする方もいるでしょうから、復刻モデルやリメイクのそれがオススメです。
キレイめな着こなしを助けるこれまでの白Tシャツとは一転して、くたっとしたユーズド感や肉厚な生地感が有力候補。アメカジと言えばヘンリーネックも選択肢に取り入れたいところ。モダンな仕立てではなく、無骨な雰囲気のアイテムをチョイスするのをお忘れなく。
私の白TEEのこなし方 Style.3
田中 大士さん
HANKYU MEN’S Buyer
ミリタリーライクなワイドデニムに合わせたTシャツは、「ナイジェル・ケーボン」のポケットT。肉厚な生地感が男らしさを加速させ、タバコカラーのスニーカーとも好相性です。斜めにカッティングを施したユニークなポケットのフォルムがアクセントに。
定番リリースを続けるTシャツはこれまで5.6ozコットンでしたが、昨シーズンより定番となったこちらは9.5oz。2倍近い重量を持ち、これまでとはまた違ったラギッド佇まいに。ボタン留めのポケットの口を斜めに仕上げることで取り出しやすいのも魅力です。
Nigel Cabourn ¥10,450
Tokyo 7F Nigel Cabourn THE AMY GYM
サイドに縫い目のない丸胴編みを採用し、快適な着心地を助けます。袖周りはラグランスリーブに仕立てることで、立体感をもたらすとともにリラックスした雰囲気を演出します。
男らしい装いには、やはり男らしいトップスが欠かせない。同じ無地TでもこれまでのTシャツと雰囲気がまるで違うとあれば、まさに白Tシャツは侮れない! と言ったところではないでしょうか。
パックも絵になる!
チープイメージを払拭する進化したパックT
何枚あってもいいからこそ、最も重宝するパックT。ビッグメゾンも展開するほど、世界中で人気なわけですが、一方でチープなイメージをお持ちの方も少なくないはず。とは言え昨今その概念は覆され、中身のTシャツ本体はもとより、パッキングされたケースさえも絵になるほど進化しているんです!
複数枚が封入されているものから、上質なものが1枚だけなど、パターンもより取り見取り。各ブランドの強いこだわりが最も如実に現れるのも、パックTの見どころです。初めての買い物にも最適なエントリープライスのパックTの進化を、ぜひ体感してみてください。
箱型や筒型、エコな紙パックまで!
インテリア重視も捨てがたい!?
ズラリと並んでいるだけでお洒落に見えるから、バリエーションで揃えるのも一興です。阪急メンズでは多彩なラインナップを取り揃えておりますので、自身のパックTコレクションを作り上げてみてはいかがでしょう。単に着るだけで終わらない、お洒落の最先端はパックTにあるのかも!