このたび、東慎也・椿野成身・原田匠悟による展覧会「路傍のオデッセイ」を開催いたします。
三者に共通するのは、「記憶」と「イメージ」を扱っているという点です。表現手法や視点はそれぞれ異なりますが、絵画を通じ、日常の風景や体験の記憶をどのように捉えうるのかに関心が共通しています。
自己と他者、感覚と理論、物と現象──様々なものと相対し距離を取りながら近づいていくような営み。その過程こそが、本展のタイトル「オデッセイ(Odyssey)」に込められた意味です。本来は長い旅や放浪を指す言葉ですが、ここでは壮大な物語ではなく、日々の暮らしの中に潜む小さな出来事や個人的な体験を“冒険”として捉え直しています。
各作家が日常を過ごす中で体験した些細な「オデッセイ(Odyssey)」の記憶から描き出されたイメージを通して、世界の捉え方の方法を感じていただければ幸いです。
東慎也|Shinya Azuma
画家
1994年大阪生まれ。2020年京都造形芸術大学大学院修士課程修了。
現在は、京都を拠点に活動。
近年の展覧会に個展「身体突破:東慎也的破茶滅茶都市生存戦略」(Bao room/2025)、「YOROSHIKU 夜露死苦」(maruguo/2024)などがある。
自分の頭の中に蓄積された違う文脈を出自とするイメージ(例えばテレビから流れてくる戦争の映像、美術館で見 た巨匠の作品、テレビゲームの画面、鏡に映る自分のだらしない体 etc,...) から発展したイメージを絵画にすることで今私が存在している世界の輪郭を捉え直している。

『Sea memory』
530×450mm
キャンバスに油彩
2025
椿野成身|Narumi Tsubakino
画家
1995年大阪生まれ。2020年京都造形芸術大学大学院修士課程修了。
現在は、京都を拠点に活動。
主な展覧会に「6 Artists」(ギャラリー小柳/東京/2022年)、「覚えてるか -いや、覚えてない。」(yuge alternative space/京都/2024年)、「What I am」(mikke gallery /東京/2025年)など。
「視覚と記憶の揺らぎと曖昧さ」をテーマに主に絵画を制作している。
自身が撮影した異なる場所の断片を組み合わせ、重ねることで、時間や空間が交錯する風景を生み出す。目の前の景色を通じて記憶を辿ろうとするが、それは視界の隅で揺らめく残像のように曖昧だ。しかし、そうして構築された風景は、見知らぬものでありながら既視感を伴い、複数の視点が折り重なることで、新たな空間として立ち現れる。

『visions diagram #55』
530×455mm
キャンバスに油彩
2025

原田匠悟|Shogo Harada
画家
1997年京都生まれ。2022年京都芸術大学大学院美術工芸領域油画専攻修了。
現在は、京都を拠点に活動。
主な個展に「mtk+ vol.20 原田匠悟/Shogo Harada」(mtk+/京都/2024年)、
「SOLO SOLO SOLO vol.9 by grid next」(biscuit gallery/東京/2024年)など。
目の前の景色を、ベッドに寝ながら天井をただ眺めるように見る。そうすることによって、実際にいる地点より少し遠くにいるような気分になる。
同時に自分が今この場にいなくても何も変わらないだろうなという瞬間、自分の存在がなくなった後の、見られるはずのない景色を見ている気がする。そう感じた時によくスナップショットを撮影している。
スナップショットによってJPEGに上書きされた記憶のイメージから原体験を復元するように制作している。

『Untitled(Hand)』
1500×1000×35mm
Oil on canvas
2025
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