✔︎連載 『THE STYLE BOOK 』 VOL.2 [HAT]

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updated on 2025.11.30

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おしゃれを楽しむ人々のファッションのルーツやこだわりに迫る連載、 THE STYLE BOOK
今回はオーダーハットブランド・ NOZOMI KUROKAWAを手掛ける黒川 望さんに、ハットをテーマにお話を伺いました。

「身につけることで その人の個性やキャラクターが見えるものが好き」

──ファッションに興味を持ったきっかけを聞かせてください。

ファッションに興味を持ったのは中学生くらいで、「モテたいな」というよくある理由から入ったと思います(笑)。もともとものづくりに興味があったので、そこからいろいろ興味を持って調べていきましたね。当時からバンドTとか、身につけることでその人の個性やスタイル、キャラクター性が見えるものが好きでした。

──ファッションにおいて影響を受けたものは?

音楽が好きというのが根底にあったので、古いバンドのアーティストのファッションから影響を受けていました。特に70〜80年代はハットを被っている人が多かったので、真似することがありました。そして映画。『ギャング・オブ・ニューヨーク』はハットがたくさん出てきて、最初に観たときはそれが衝撃的で話があんまり入ってこないくらいでした(笑)。あとクリント・イーストウッドの作品とか、古いウエスタン映画も僕のものづくりの根底にあります。

──ハットをテーマにした今日のコーディネートについて、ポイントを聞かせてください。

ハットはどちらも自分が手掛けている NOZOMI KUROKAWA、フーディは BLACK WEIRDOS、パンツが IRENISA、スニーカーは VANSです。いつもハットを被るんですけど、「ハットってこれだけ遊べるアイテムなんだ」と知ってもらいたくて、抜きを作ったカジュアルなコーディネートにすることが多いです。パンツはスラックスで締めているのですが、ゆとりのあるサイジングを選んでバランスをとっています。白のハットは知り合いがやっている GARDEN OF EDENというジュエリーブランドのシルバー925のプレートをつけていて、カジュアルにもキレイめなスタイリングにも合わせられるアイテム。ブラックのハットはウエスタンスタイルで、日本だとコスプレ感を感じる方が多くて難しい形ではあるんですけど、ぜひいろんな方に挑戦してもらいたいし、こういうコーディネートにも合わせられるというのを見せたくて被りました。

「帽子ひとつで 自分の人生も気持ちも動かされた」

──ハットに興味を持ったのはいつ頃ですか?

ファッションを掘っていく中でハットを知って、高校生の頃に初めて買いました。被ったらおしゃれのレベルが上がるなと思って、誰よりも先に手に入れたかったんですよね(笑)。そこをきっかけに、被り物をいろいろ買うようになった気がします。上京してからヴィンテージに興味を持って、毎週のように高円寺や下北に行ったり、映画を観て古いファッションを掘るようになって。昔のマフィア映画を観ると、ハットを被っているスタイルが多くて、そこからブランドや歴史について調べたり、型名を覚えたりして、ディテールの面白さに興味を持っていきました。ハットって専門の器具がないと形にならないので、当時は「それを作るために存在しているものがあるって不思議だな」「どうしてそこまでして作るんだろう?」と考えたりして(笑)。そこは歴史を紐解いていくとわかっていくんですけど、そのときはすごく不思議で面白かったんです。

──これまでで思い出深いハットはありますか?

WESTBROOK MAKERのグレーのハットですね。アメリカのオーダーメイドのハットブランドで、雑誌で見ていつかオーダーしてみたいと思っていたんですけど、たまたま原宿のショップに置いてあって、お金のない中で買ってよく被っていたんです。そしたら、表参道の某有名ブランドに買い物に行ったときにお店のスタッフさんから『そのハット、 WESTBROOK MAKERのですよね』と話しかけられて。当時、インスタグラムでこのブランドについて検索すると、写真を上げていたのはほとんどアメリカの方だったんですけど、その中にぽつんと日本人の女性がいて、それがそのスタッフの方だったんですよね。そこで単純に『あれ、運命かな?』と思っちゃって(笑)、声をかけてデートを何回か重ねて付き合うことになったんです。

結局すぐ別れちゃったんですけど、その頃、何か新しい仕事をしたいなと考えていたときだったので、帽子ひとつで自分の人生が動いて気持ちも変わったし、「あ、帽子を作るのもありかもな……」と思って。自分が作ったもので誰かの人生を変えるというか、明るい方向に動かせる人になりたいと思ったきっかけになったのが、この帽子でした。余談ですが、自分が作っているハットではどちらが後ろかを知らせるマークをつけていて、それは WESTBROOK MAKERのハットについていた同様のマークをオマージュしたものなんです。それくらい僕にとって新鮮で、憧れのブランドでした。

「自分が着る意味のあるものを選び アイデンティティを表現したい」

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──服を選ぶときに大事にしていることや意識していることはありますか?

なるべく自分が着る意味があるものを着ようということですね。だからどういう経緯で作られたかや、デザイナーがどういうものを好きなのかを調べたり、聞いたりしています。あとはバンドTもそうなんですけど、自分が好きなものとか、ファッションでアイデンティティみたいものを表現することも意識しています。

──それは、ご自身がハットを作る上でも大事にしていることなのでしょうか。

言葉で伝えることはあまりしないんですけども、自分が納得したいので理由付けをして作っています。だから自分のブランドを知ってもらうきっかけになった黒のハット(注:壁にかけて撮影したもの)に反響があったことは、それが伝わったんだなと感じられてすごく嬉しかったですね。デザインは Stevie Ray Vaughanというギタリストが被っていたハットのオマージュなんですけど、たくさんの方から「ほしい」と言っていただけて、ある種、僕のアイコンともいえるアイテムになりました。

──お仕事や暮らしの中で、何か選択するときに大切にしていることは?

直感ですかね(笑)。好きか嫌いかは基準として大きいかもしれないです。仕事において迷ったときは、デメリットとメリットをちゃんと分解して考えます。デメリットがちょっとあってもやる意味が大きければやったほうがいいし、やってもその先がないんだったらやる意味はないし。そこは真面目に考えて、バランスを取るようにしています。

──ファッションスタイルや考え方において、年齢を重ねていく中で変化を感じることはありますか?

初めてハットを買ったときの「人と違うことをしてみよう」「人より先をいこう」みたいな部分は変わらないんですけど、そのときはチャレンジしすぎて自分にあわないものをいっぱい着ていたんですよ。でもそれを経てちょっと客観視できるようになったというか、自分がどういう人間なのかを表現できるものや、自分を魅力的に見せられるものを選ぶことを意識できるようになりましたね。そのあたりはちょっと成長したのかなと思います(笑)。

──10年後、どんな自分でいたいですか?

明日何が起きるかもわからないし、もしかしたらハットを作ってないかもしれないですけど(笑)、面白いと思われる人になりたいですね。やったことのないチャレンジをいっぱいして、今よりひと回りもふた回りもいい人になれていたらいいなと思います。

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(プロフィール)
黒川 望
1992年生まれ。バンタンデザイン研究所ファッションビジネス科を卒業後、販売員をしながら帽子づくりを学び、2015年にハットブランド〈KIJIMA TAKAYUKI〉に入社。2017年にオーダーハットブランド〈NOZOMI KUROKAWA〉を立ち上げる。

Instagram:https://www.instagram.com/nozomikurokawa_official/

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