継承される職人性-ブリオーニが守り続ける仕事の哲学 ーイタリアの名門テーラリングメゾン、ブリオーニの伝統と革新ー

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updated on 2026.02.19
ブリオーニのスーツスタイル

優れた技術と築き上げてきた信頼を未来へ繋ぐ、老舗メゾンの矜持

1945年にローマで創業し、1952年に世界で初めてメンズファッションショーを開催したことでも知られるイタリアの名門「ブリオーニ」。イタリアンテーラリングの基礎を築きグローバルへと押し上げてきたその技術と伝統は、厳格な基準と対話にあるという。

ブリオーニのハンドメイドは、一人一着ではなくパーツ毎にエキスパートが手がける完全分業。スーツを一着仕立てるのに約200人に及ぶ職人の手が加わっています。一方で顧客から至高の一着を仕立てるべく採寸とフィッティングを担うテーラーが、最も大事にしているものは“対話”。高いクオリティはもちろんのこと、時間をかけて信頼関係を築き長く寄り添い続けることが、ブリオーニが最も大切にし、矜持としている価値観の一つなのです。

そんな老舗メゾンの哲学とビスポークの魅力について、阪急メンズ大阪のテーラーである宮﨑 創氏に伺いました。

目次

PROFILE

宮﨑 創氏

ブリオーニ阪急メンズ大阪 テーラー

宮﨑 創

都内服飾専門学校卒業後、オーダースーツ工場や銀座の老舗テーラーに勤務し、経験を積む。ブリオーニに入社後は、イタリアにあるアトリエでの研修を経て、現在はブリオーニ阪急メンズ大阪の専属テーラーとして勤務。

芝崎 優輔氏

阪急メンズ大阪 紳士ラグジュアリー・オーセンティック営業部 マネージャー

芝崎 優輔

株式会社阪急阪神百貨店入社後、紳士靴、ラグジュアリー部門のバイヤーとして阪急メンズ大阪3階のパーソナライズワールドの構築に取り組み、2025年より現職。自身でも様々なブランドでビスポークを経験している。

Bespoke――ブリオーニのオーダーは“対話”から始まる

芝崎: ラグジュアリーなオーダメイドスーツを提供し続けているブリオーニですが、メゾンとして根幹にあるものはなんでしょうか?

宮﨑: ビスポーク(Bespoke)は、「Be spoken」すなわち対話を重ねながら仕立てることを意味します。これから新たにご自身にふさわしい一着をお仕立てするのに、私たちが作るのではなく、一緒に作り上げていくということを意識しています。そのために最も必要なことがコミュニケーション――対話なのです。

芝崎: 具体的にどういった流れで対話していくのでしょうか。

宮﨑: お客様の中には明確なイメージがある方もいれば、漠然と「いいスーツが欲しい」という方もいます。まずは、その方々に共通している“どんなシーンで着たいのか”という、オケージョンから伺っていきます。聞いていく中で我々が知ることもできますし、同時にお客様が潜在的に求めているものをお客様自身が気づくきっかけにもなります。

ブリオーニの店内の様子
生地を選ぶ様子

芝崎: 自身のイメージや意識を言語化するのはなかなか難しいですもんね。

宮﨑: はい、そこは我々テーラーもお客様も一緒ですので。対話を重ねていく中で、真に欲しいスーツを伺い、そこから型や生地、ボタンなどを選んでいく流れになります。

芝崎: ブリオーニのさらに凄いところは、テーラーが全員縫うことができるということですね。

宮﨑: そうです。テーラーの多くは採寸までを行いますが、ブリオーニではすべてのテーラーが採寸からフィッティング後の最終仕上げまでを担います。1985年にテーラリング学校を開設して以来、これがブリオーニのテーラーになるために必要なスキルです。

芝崎: その違いは特に大きいですね。2024年の3月に実施した店舗リニューアルで我々が果たしたかったことの一つが、「パーソナライズの見える化」だったので、通常はバックヤードでおこなわれる縫いの仕事をお見せできる環境を作っていただけてありがたいです。

宮﨑: リニューアルに際し、私も東京からこちらに来たので、この話を伺った時には緊張しました(笑)。

芝崎: ははは。やはりテーラーさんがお客様と接点を持つことは重要だと私は考えておりまして。その点はブリオーニの哲学や対話の重要性と合致するのではないか、と感じました。

宮﨑: お客様が止まって見てくださる機会が増えましたし、オーダーしてくださるお客様は椅子に座って見ていただけるようになりました。

芝崎: 対話が増えそうですね。お客様の幅も広がるのではと感じております。

フィッティングの調整

ベースとなるモデルを着用し、フィッティングの調整。必要に応じてその場で手早く仮留めを行い、細部まで詰めていきます。その後本国へ送り、3週間ほどで仮縫いサンプル(テリーナ)が届くそう。

セカンドフィッティングの様子

届いたテリーナを再度着用し、セカンドフィッティングに。あえて袖を外し、ボディ部分のフィット感を細かく調整。この縫いの作業ができるのもブリオーニのテーラーだからこそ。

長い歴史を誇るブリオーニだから成し得る“ビスポークの継承”

宮﨑: 実際にお客様の幅は広がっていますね。もちろん、スーツに対する価値観が変わってきたことも大きいですが。

芝崎: それは私も感じます。ほんの十数年前までは毎日スーツを着るのが当たり前でしたが、それももう過去の話で。その分スーツへの価値が上がっているのかなと。

宮﨑: それもありますね。商談や会食、昨今では登壇して講義する方も増えました。その勝負服としてオーダーされる方もいます。そして何より、30〜40代のお客様がご来店くださることが増えました。

芝崎: 若い経営者をはじめ、人前に出る機会を持つ方が増えたことも影響しているかもしれませんね。

宮﨑: そうですね。昨今のビジネススタイルのカジュアル化が定着したことで、勝負服の側面が強くなった傾向にあります。

芝崎: 堅苦しいと言われればそれまでですが、やはり背筋がピンと伸びる、気持ちが入るというのはありますからね。

宮﨑: はい。さらにブリオーニでは新たに、継承されるお客様が増えました。

芝崎: 親から子へ、ということですね。そうなると新たなオーダーと共にお直しして使う方が増えたということでしょうか?

宮﨑: はい。昨年、創業80周年という節目を迎えましたが、一着一着を丁寧に仕立ててきたからこそ、長くご愛用いただけるのだと思います。そのため、一線を退いた親世代から、これから第一線で活躍していく次の世代へスーツを引き継ぐ方もいらっしゃいます。

芝崎: なるほど。それで再度お直しを。

宮﨑: もちろんお直しにも限界があります。ですが、できる限りご要望に応えられるように提案やお直しをさせていただいています。

芝崎: メゾンの歴史とこだわりである対話が紡いだからこそできることですね。

宮﨑: 極端な話、いきなりお預かりしてよければ、その場で糸を解いてどのくらい生地が残っているかが把握できます。その上で採寸をさせていただければ、対応の可否や新たなご提案をすることができます。

芝崎: 縫う技術をもつテーラーとパーソナライズの可視化によって、よりお客様に身近に感じていただけるんですね。

豊富な生地サンプル
生地を選ぶ様子

シーズン限定や新作生地を含め、約800種類の生地をご用意。選ぶ工程そのものがビスポークの醍醐味でもありますが、信頼関係を築いたテーラーが親身に寄り添い提案してくれるのでご安心ください。

高いクオリティの一着をいち早くお客様の元へ。そこにブリオーニのこだわりを見た

シャツやネクタイなどのアイテム
シューズ
カジュアルアイテム

同店にはスーツにぴったりなインナーやシューズも多数展開。シャツやネクタイのオーダーも可能なので、装いをトータルで仕立てることができます。そのほか旬なカジュアルアイテムもラインナップしています。

芝崎: ブリオーニのオーダースーツはおよそどのくらいの期間で完成するのでしょうか。

宮﨑: 内容や時期によって異なりますが、およそ10週間の期間をいただいています。

芝崎: ラグジュアリーブランドの中では異例の速さですね。

宮﨑: 速いと思います。それを叶えているのは、職人が1人で一着をお仕立てするのではなく、各工程のエキスパートたちによる完全分業にしているからです。

芝崎: 部位に合わせて各職人たちでバトンを繋いでいくんですね。

宮﨑: その通りです。一着のスーツで約200人もの職人の手が加わっています。

芝崎: それだけ多くの人の手が加わる分業ゆえに、クオリティとスピードを担保しているんですね。既製品含めハンドメイドで量産レベルの生産数可能にしつつ、手作業ならではの温もりがある。他ではできないことですね。

宮﨑: 私自身、イタリアの工場を訪れたことがあるのですが、これだけ多くの職人を抱えていられるのも、地域に根ざした企業であることと、職人を育成する学校などの環境が整っていることだと思います。

芝崎: それもブリオーニが大事にしているものですね。

宮﨑: ブリオーニには、これからテーラーを志す人材を育成するためのテーラリング学校があります。ブリオーニのチーフマスターテーラーでプロダクトの責任者を務めているアンジェロ・ペトルッチという方がいます。ブリオーニのトップテーラーですが、彼はその学校の一期生なんです。技術の継承もきちんと環境を整えている。こうした継承も我々がお客様に寄り添う姿勢を支える大切な要素の一つになっているのかな、と感じています。

芝崎: 対話を通じて導き出したお客様の要望をパターンに反映し、各工程の職人たちの手で仕立て、それをお客様が着こなし、今度は次の世代へと繋がっていく……壮大ですね。

宮﨑: 一着のスーツが生むストーリーを感じていただければ幸いです。ただ、決して敷居が高いわけではありません。スーツはもとより、シャツやネクタイ、ソックスなどのオーダーも可能ですので、いきなりスーツでなくても自分だけの一着を作る楽しみを感じていただけると思います。

芝崎: 実際に選べる生地はどのくらいあるのでしょうか?

宮﨑: シーズン物やエクスクルーシブな生地が提供できることもあるので断定はできませんが、全てを含めると約800種類ご用意しています。

芝崎: スーツやジャケットの生地だけでも幅広い選択肢がありますし、シャツやネクタイなどを含めると装い全体でのご提案が可能になるわけですね。さまざまなご要望に応えられるのも納得です。

宮﨑: お客様ご自身の至高の一着、装いを提供できるよう対話し、ご提案するのが我々の使命です。

対話が紡ぎ着る人を昇華する唯一無二のラグジュアリー

対話に始まり、各分野の卓越した職人たちの手によって作り上げられるブリオーニのビスポーク。着る人を一段も二段も格上げしていく至高の一着は、今もなお世界中で愛され続けています。しかしそれは単に上質な生地や技術があるからだけではありません。個人の技量に依存せず、世界中どこでも変わらぬ体験と安心感を提供するための明確な価値観と判断基準があってこそ。厳格な基準と哲学をベースに、宮﨑さんをはじめとするテーラーがお客様とのコミュニケーションを通じて信頼関係を築き、真に欲しい一着を引き出し提供する。それこそが、ブリオーニが定義するラグジュアリー―“誇示するものではなく、着る人を自然に引き立てること”なのです。

ブリオーニの世界観

ご案内

Brioni<ブリオーニ> ビスポークのご案内

阪急メンズ大阪 3階 ブリオーニでは、専属テーラーによるビスポーク(オーダーメイド)を常時承っております。

スーツやジャケットはもちろん、シャツやネクタイに至るまで、約800種類の豊富な生地の中から、お客様のライフスタイルや所作に寄り添う至高の一着をお仕立ていたします。
店頭にて、ぜひお気軽にご相談ください。

詳しくは、売場スタッフまでお問合せください。

■阪急メンズ大阪 3F ブリオーニ

06-6363-5122(直通)

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