“売れない”をゼロに。
「営業の仕組み化」とは
阪急メンズが届ける対談企画「WORK STYLE」では、異業種のリーダーの仕事観と美意識に触れることで、働く男性へ新たな視点を提案していく。
今回のゲストは、株式会社キーレイズ代表取締役・齋田真司氏。株式会社キーエンスの営業として、13年にわたり第一線で活躍し続けてきた氏が、新たな挑戦として掲げたのが「営業の“仕組み化”」。属人的なスタイルではなく、誰もが商品を売れる営業になれるよう支援するもので、大手から中小まで、延べ3000人を支援してきた実績を持つ。
PROFILE
株式会社キーレイズ代表取締役。2007年、キーエンス入社。営業として13年半在籍し、最下位から全社1位へと駆け上がり、史上初の3期連続1位を含む5度の個人総合1位を記録。営業責任者としてもチームを複数回1位へ導き、海外赴任も経験。属人的な営業に疑問を抱き、再現性ある「営業の仕組み化」を構築。
2022年に独立し、延べ3000人以上の営業人材を支援。「売れない営業をゼロに」を掲げ、日本企業の底上げに挑む。『キーエンス最強の働き方』を2025年にPHP研究所から出版。
阪急百貨店に入社以来、一貫して紳士領域を担当。シャツやネクタイ、バッグ、シューズなどの洋品雑貨バイヤーを経て、2015年からは館内スタイリストに抜擢。顧客起点でショップ横断のコーディネート提案を行う「スタイルメイキングクラブ」にて活動。個々のニーズに即した提案力で支持を集めている。また、「ビジネススタイルセミナー」や「カジュアルスタイルセミナー」を通じ、装いのルールや背景を伝える“服育”にも注力している。
挫折から導き出した「一流営業マンの作り方」
高倉: 株式会社キーエンス(以下キーエンス)から独立されて、起業されたのはいつの頃ですか?
齋田: 2022年ですね。新卒から13年半ほどキーエンスでは営業として勤務していました。
高倉: 13年、しかも一流企業のトップセールスマンでありながら、営業マン育成支援の会社を立ち上げたきっかけはなんだったのでしょうか?
齋田: トップセールスと言っても、新卒で入社した頃からは同期の中でも成績は最下位で、全くと言っていいほど営業力がありませんでした。周囲からも「あいつは大丈夫か」なんて言われるほどで(笑)。
高倉: そこから這い上がるとなると並々ならぬ努力が感じられます。
齋田: 当時は、1番に出社して最後に帰社するような生活を続けていました。人より営業力が劣っている分、とにかく努力が必要と感じていて。同期や先輩方にたくさん教えてもらった上で実践と改善を続けることで、キーエンスで個人総合1位獲得できていたと思います。
高倉: 挫折からトップにまで上り詰めた経歴が、株式会社キーレイズ(以下キーレイズ)の立ち上げにつながったんですね。
齋田: そうですね。誰もが成績を上げられるようになれば、部署がレベルアップして会社全体のレベルアップにつながると考えるようになりました。
高倉: 営業マンと聞くと、属人的なイメージがあります。例えば、「○○さんとなら契約します」といったような。そのため、その人が転職したり転勤してしまうとそこで契約が終わってしまうことがあると聞きます。
齋田: 多くの企業が営業のノウハウを個人の裁量に任せている部分があると思います。私は優秀な先輩のもとについていましたし、その人は丁寧に教えてくれる人でもありました。しかし、実際、「見て覚えろ」が基本の会社は多いです。教わったこと、見ていた背中の影響を受けてしまいますよね。全ての先輩や上司が優秀ということではありませんから、サボり癖のある人につけばそのように育ってしまうんです。
高倉: 新卒ともなれば尚更ですよね。
齋田: はい。それに、デキる営業マンはほんの一握り。企業がその人の能力に頼ってしまえば、仰っていたように、いなくなった時に契約が続かなくなってしまいます。そうしたリスクを回避する意味でも、誰もが一定以上の成果を出せる仕組みを作るのが重要だと考えました。ノウハウやロジックがわかれば、超一流は作れなくても、一流の営業マンは作ることができると考えています。
高倉: そこをしっかりとサポートしてもらえると、新卒からでもいきなり即戦力になってくれるかもしれませんね。
齋田: そうですね。わかりやすくいうと、ゲームの攻略本をイメージしてもらえれば。どんなスタートを切ればいいのか、どういうアプローチをしたらいいのか、手順がわかれば結果を出しやすいと思います。
高倉: キーエンス時代にそういった経験はありましたか?
齋田: 入社8ヶ月くらいの頃に、ある大きい案件の引き合いをお客様からもらったことがありまして。私1人では売れないと思って、当時の先輩に「助けてください」と同行してもらったことがあります。
その時、先輩は見事に商談を決めてくださり、契約を取ることができたんです。また、その後に資料の使い方や、顧客に出すタイミング、論理的な説明方法などを理由とともに細かく教えてくれました。
高倉: それはすごく身になりますね。
齋田: はい。聞きながら「なるほど!」と納得しました。その時、「あとは同じようにやるだけだ」って言われまして、以降その商品を売るのが得意になりました。おそらく、その商品を売ることに関してはキーエンスの中でも一番だったんじゃないかなと思います。
高倉: そのノウハウをさらに磨いていったんですね。
齋田: 当時50ヶ所ほど営業所があったんですが、営業成績のランキングに出たことでその商品を売ったことが話題になりました。すると、違う営業所の面識のない先輩からいきなり電話が来て、「どうやったらそんなに売ることができるんですか? 教えてください!」と聞かれたこともあります。営業マンへのノウハウの伝授という意味では、ここがスタートだったのかもしれません。
キーエンスでは新卒から13年勤め上げ、その後転職を経てキーレイズの創業へ。営業を科学するをモットーに、デキる営業マンの手引き書とも言える再構築支援を行なっている。凛とした佇まいの裏には並々ならぬ努力が。
営業のレベルアップに必要な「企業体制へのメス」
高倉: ノウハウの伝授というのは、企業として取り組む方がいいと感じますが、これまで実践してきているところは少なかったのでしょうか。
齋田: マニュアル作成から考えると細かいところもあるので面倒な部分が多いのではないでしょうか。
高倉: 営業に力を入れている企業は、競争が激しくギスギスしているイメージがあります。
齋田: 多くは個人インセンティブを出している会社ですね。自分の数字を取られないようにする、っていうものがありますから。キーエンスはその点ちょっと違っていて、個人インセンティブがないんですよ。
高倉: そうなんですか!
齋田: 極端に1人で売り上げても給料が全然上がらないんですよ。会社インセンティブ、つまり業績連動給みたいなものがあって。営業利益を社員の人数で割って、一人当たりの営業利益がいくらでetc……その中から階級や評価によって多少差がつくというものです。
高倉: それなら確かに「みんなで頑張ろう」という気持ちになりますね。
齋田: そうなんです。ですが、確か私が在籍していた最後の頃は、私自身3期連続1位を取っていたにもかかわらず、給料がちょっとずつ下がっていきました。
高倉: そんなことがあるんですか?
齋田: 会社の利益が上がると同時に、社員が急速に増えまして……。分母が多くなったことや、当時、米中貿易摩擦で利益の伸びが鈍化したことなども原因だったと思います。
そこで気づいたのが、「私1人がたくさん売るよりも、自分がビリでもみんなに売らせるようにした方が, 給料が上がる」ということです。それで、私自身勝手にいろんな人を教育し出したっていう(笑)。
高倉: ははは。個人インセンティブがないからこそできる取り組みですね。
齋田: 個人インセンティブもそうなんですが、どんな会社も社員全員で売り上げを向上させないと、全体の給料が上がらないことはわかっているので、根底は同じはずです。
高倉: 今ご自身の会社で提供される再構築支援の中にも、ギスギスしないためのシステムは導入されているんですか?
齋田: 給与体系や評価体系の見直しも提案しています。もちろん会社の方針があるので、強制はできないですけども。こうした方がメリットとデメリットがありますよ、とお伝えしています。一般的な会社ですと、売上高だけで見てしまうので、「引継ぎラッキー」みたいなもので、良いお客さんを引き継いだから売れる、みたいな人も一部出てきてしまいます。担当の奪い合いや、数字は自分のものだという意識があると、社内の空気にも影響しますから。
自身のキャリアを元にした営業マンの攻略本とも言える著書がこちら。その著書にも記載されているが、スーツは濃紺、シャツは白。売れない営業と売れる営業、どちらも経験している齋田氏だからこそ、着こなし一つとってもそこには明確な意図と理由があるそう。詳細は後編にて。
日本のGDPを倍に。
今この瞬間の頑張りが価値を生む
高倉: 営業マンとして、経営者としてご自身で大事にしていることはありますか?
齋田: できない理由を考えるのではなく、できるようにするためにはどうすればいいのか、ということに重きを置いています。
高倉: ポジティブな考えですね。
齋田: 先ほどの営業の話にもあるのですが、できない理由なんてたくさんあります。時間がない、知識や能力がないなど。それを考えるよりも、自分が売れなかった商品を次は売れるようにするために動く方が、できない理由そのものが消化されると思っています。アドバイスや指南を求めることも含めて。今頑張れない人は一生頑張れないですから。
高倉: 最終的な目標はありますか?
齋田: 大きなところで言えば、日本のGDPを倍にしたい、と言う思いがあります。
高倉: 素晴らしいですね!
齋田: 小さい頃テレビで、NYのタイムズスクエアの年越しカウントダウンに、大きく東芝の看板が立てられていたことに衝撃を受けて。「日本の企業はすごいんだ!」って漠然と思ったものです。今はそれが少し弱くなっていますが、今の若い子たちや生まれてくる子どもたちに日本がダメな国だと思われたくない。豊かでいい国だと思ってほしいので、全ての日本企業が、更に利益が出るよう支援できたらと考えています。
高倉: 素晴らしい目標ですね。その目標に向かって今やっていることも積み重ねていくことで、力になるんだと感じました。ところで、新卒、ベテラン関係なく、今すぐできる大事なことってありますか?
齋田: わかりやすく言うと、身だしなみの部分です。
高倉: そこにも齋田さんのこだわりがあるんですね。
齋田: はい。一言で言えば“ノイズを入れない”ことです。
高倉: なるほど。それではその身だしなみ―装いについては、このあとの後編でじっくり聞かせてください。
キーエンスでの挫折から営業トップセールスを生み出した自身の経験をもとに、キーレイズ創業に至った経緯とスタイルを伺った前編。後編では、その壮大な目標のための第一歩とも言える装いにフォーカスする。これから新社会人となるフレッシャーズはもとより、ベテランの営業マンも必見。
「スタイルメイキングクラブ」に関するお問い合わせ
本記事や「スタイルメイキングクラブ」に関するお問い合わせは、阪急メンズ東京 4F スタイルメイキングクラブのスタッフまでお気軽にご連絡ください。
- 阪急メンズ東京 4F スタイルメイキングクラブ
- 03-6252-1381 (代表)
- 公式LINEでのお問合せはこちらから>>>
※表示価格は消費税を含んだ税込価格です。商品売り切れの節は、ご容赦くださいませ。
※イベントや商品情報は、変更・中止になる場合がございます。





