“尊い生産と食卓をつなぐ”をコンセプトに、九州各地の美味しくてカラダが喜ぶものを独自の編集で伝える「&LOCALS(アンドローカルズ)」。
スタートは、女性チームの地域ブランディング会社で、いまでは福岡市内に3店舗の地域を伝えるカフェ・グロッサリーストアも運営しています。
今回は、縁のあるローカルの中でも、一番のお墨付きエリア、長崎県雲仙市の南串山町に注目。海からは「天洋丸」、山からは「なんぐしデジマプロジェクト」をご紹介します。
雲仙・橘湾からのお届けもの
「天洋丸」
1947年から、雲仙市南串山の橘湾でまき網漁業を営む「天洋丸」。ここ数年、煮干しは生産量が減少しており、将来的には“幻の煮干し”となる可能性も。今からより多くの人に橘湾の煮干しを知ってもらい、ふるさとの魚食文化を守っていきたい。そんな思いから「天洋丸」は、漁業だけではなく、加工品の開発や販売、『一年漁師』という漁業インターンシップや海外技能実習生の受け入れ、食育のワークショップなど積極的に取り組んでいるユニークな船団です。
カエリイリコ(赤ちゃん煮干し)と、九州産の人参・牛蒡・椎茸が入った炊き込みご飯は、昔からこの地で愛される郷土飯。
昭和2年、自転車競技会が行われた際、沿道に多くの応援団が駆けつけました。その時に、漁師町で常備食だったイリコを醤油で炊き込んだご飯をおにぎりにして振舞ったことで、“じてんしゃ飯”という名がつきました。『自転車が走るように素早く作れる』じてんしゃ飯は、今でも漁師町で愛される地元めしです。
もうひとつご紹介するのは、まき網漁に10年ほど使用していた網をカットし、洗浄・殺菌して作った“漁網エコたわし”。出漁をしない期間に網の破れを繕い、大切に使用した網。そんな網をまだまだ役立たせたいとの思いから生まれました。昔から漁師には重宝されており、少しの洗剤で泡立ち、汚れがすぐ落ちて、乾きやすく、清潔に保てます。
じてんしゃ飯の素(20g)471円
漁網エコたわし(1個)321円
湧き出る温泉ガスでたくさんのプランクトンが育つ橘湾は天然のいけす。そこで育ったカタクチイワシは旨みたっぷりです。その魅力をぎゅっと閉じ込めたいりこは、だしだけではもったいない。電子レンジにかけてそのまま食べたら天然のおやつ。バナナやアーモンドなどと合わせた商品は「&LOCALS」でもロングセラーです。
ほかにも、インドネシアからの技能実習生が故郷の調味料が恋しくて、自ら獲った煮干しを加えて作った“ニボサンバル”などアイデアたっぷりの商品が揃います。
ぼらけのいりこ(120g)601円
橘湾のOYATSU(40g)各441円
ニボサンバル(50g)581円
でじまを愛する青年部が集結
「なんぐしデジマプロジェクト」
古くからじゃがいもの産地として知られる雲仙市南串山町。通称なんぐし。水はけのよい棚畑と酸性で鉄分を含む赤黄色土が太陽をたっぷり浴び、ミネラルを含んだ海風が吹くこの土地で、50年以上前から栽培されてきた“デジマ”。
昔は、流通の主流で多くの農家で栽培していましたが、現在は栽培の難しさから生産農家が減少し、ごくわずかの栽培となり“幻のじゃがいも”と呼ばれていました。それを復活させようと、3年前に馬鈴薯“デジマ”を愛するJA島原雲仙の青年部からプロジェクトチームが発足。今では、雲仙市のふるさと納税人気NO.1商品にまで成長しています。
今回の目玉のひとつが、掘りたて、新じゃが“デジマ”の実演販売。
なんぐし流のエタリ塩でいただく“揚げじゃが”と「&LOCALS」のカフェでも人気の地元民が愛するお肉屋さん「フレッシュミート」が手づくりするトロトロのコロッケ。雲仙もみじ豚や地野菜を贅沢に使用した“デジマトロッケ”は、揚げたてをどうぞ。
揚げじゃが(約200g)551円
デジマトロッケ・揚げじゃが
(デジマトロッケ2個・揚げじゃが100g)881円
“世界一おいしいパン”と地元で評判の小浜温泉街に佇む昔ながらの小さなパン屋「パック」。
そこで絶対に外せないもちもちずっしり、滋味深い雲仙じゃがブレッドは、島原半島のじゃがいもを蒸かし、40%も練りこんだという手の込んだパン。そのままでもしっとりとやさしい味わいですが、軽く焼いてバターをのせて、じゃがバター風のアレンジもおすすめです。
じゃがブレッド(1個)1,001円
[販売予定数:各日20]
にっぽん食むすび
「そ/s/かわひがし」中東篤志オーナー
による発酵料理教室
◎6月9日(日)・10日(月)
各日午前10時30分~ 、午後2時~(各回約120分)
◎6階 コミュニティスタジオ
■参加費:9,900円
■定員:各日各回8名さま
「One Rice One Soup」中東篤志オーナーが選んだ発酵調味料や野菜などをふんだんに使用し、ご家庭ですぐに作れる一汁三菜を習いませんか。長崎県雲仙市のじゃがいも“デジマ”を使った料理をお教えします。
中東篤志(なかひがしあつし)
京都で代々料亭を営む家系に生まれる。現在は京都、福井小浜、N.Y.を拠点に飲食店経営やプロデュースをしながら日本の食のすばらしさを啓蒙する活動にも注力。2022年1月から阪神梅田本店でスタートした日本の食を深く楽しむイベント『にっぽん食むすび』は予約の取れない人気コンテンツとなる。