アイショウ ナカジマ

卓越した歌唱力、グラマラスな肉体美から繰り出される圧巻のパフォーマンスで、昨今話題を呼んでいるAisho Nakajimaさん。シンガーソングライティングをはじめ、ダンスパフォーマンスのすべてを自らこなすスーパーアーティストだ。19歳からの2年間をオーストラリアで過ごした経験を持つが、国境や性別を超えた彼独自の感性は、オーストラリア独特のオープンかつ多様なカルチャーの中で育まれたのだろう。帰国後、2020年から東京を拠点に音楽活動を開始し、その年の4月に初の楽曲をリリースした。モットーは、自分に素直になって「やりたいことをやる」というシンプルなもの。ゲイという自身のセクシュアリティを全面的に取り入れた個性的なスタイルから、今では“クィアアイコン”としても人気を博している。インタビュー当日も、衣装とメイクはもちろん本人仕様。スタジオの妖しいライティングに合わせ、Aishoワールドに仕上げてくれた。その誰にも真似のできない世界観に魅せられた著名人は多く、これまでに数々のコラボ楽曲も発表している。それでも現状に甘んじることなく、進化し続けているAishoさん。今、もっとも気になるアーティストのひとりである。

Q:あなた自身の夢はお持ちですか。
A:はい、あります。

Q:その夢はどんな夢ですか。
A:人間として成長すること。アーティストとして成長することと、自分の音楽を世界中の人に知ってもらうことです。

Q:今、その夢はどんな状況ですか。
A:毎日少しずつ叶っています。こうやっていろんなプロジェクトに呼んでもらったり、ライブにも呼んでもらったり。音楽制作も今いい感じで順調に進んでいて、毎日自分がやりたいことができています。

Q:あなたにとって、夢とは?
A:目標でもあり、ゴール地点だと思っていて。自分の中でもいろんな夢、いろんな目標、ゴールとかたくさんあるんですけど、音楽の面でも、プライベートの面でもいろいろあって。それこそ将来40代くらいになったら、旦那さんと犬と猫と一緒に海外に住んで、いつか子どもも欲しいなとかも思っています。自分にとっての夢は、目標であり、ゴール地点。自分を信じれば、絶対に何でも叶うんじゃないかなと思っています。

Q:音楽に目覚めたきっかけは?
A:音楽は、ずっと小さい頃から大好きでした。最初はすごい音痴だったし、自分が音楽をはじめるなんてまったく思ってもいなくて、趣味でYouTubeとかSNSに歌っている動画を載せたりするくらいでした。高校生になると、ウェディングパーティとかフェリーで歌うお仕事をさせてもらうようになったんですけど、それでも自分が曲を書いて曲を出すとかアーティストになるっていうことはまったく、本当に思っていなくて。それは自分に自信がなかったっていうのもあるし、どうやってはじめれば良いかもわかっていなかったし。本格的に音楽を始めたきっかけは……。僕、19歳の時からオーストラリアに2年間住んで、21歳で東京に来たんですけど、最初はメイクアップアーティストになりたくてメイクを始めて、ちょっとやっているうちになんか違うなと。人にメイクをしたいんじゃなくて、自分にメイクをしたいんだなって。クリエイティビティを自分から発信したいっていう気持ちが強いことに気づいたんです。そして音楽もやってみたいなと思いはじめたところに、ちょうどそのタイミングで、イベントオーガナイザーの友人に「ライブに出ないか」って誘ってもらって。それで初めてライブをしたときに、これが本当にやりたいことだって確信した。そこから音楽のプロデューサーを探しているって周りの友達とかに言いまくって、しっかりプロデューサーを引き寄せました(笑)。それが2020年のことで、その年の4月に初めて自分の曲をリリースしました。

Q:ファッションに目覚めたきっかけは? 
A:ファッションはずっと好きでした。小さい頃は、もうお姉ちゃんの服をめっちゃ着まくって(笑)。洋服を買うお金はあんまりなかったから、自分では着回せる服ばっか揃えて、あとはお姉ちゃんの服を勝手に合わせてました。中学2年生くらいでギャルサーに入ったんですけど、その頃はヤマンバで(笑)。そこから本格的にファッションが大好きになって、メイクにもハマりましたね。ヤマンバをやめてからは、いろんなファッションを楽しんできました。

Q:ご自身のスタイルを一言で表すとしたら? 
A:特になくて、自分が可愛ければ良いっていう、ただそれだけで。自分が可愛いと思う服を着たいだけなんです。もし一言で表すとしたら……派手、なのかな?

Q:自己表現におけるアイデンティティが固まってきたのは?
A:音楽をはじめてからだと思います。だから結構最近なのかな。何もわからない状態で音楽をはじめたので、毎日が勉強。今でもそれは変わってなくて、毎日いろんなことを学んでいます。で、やっと最近になって、自分をもっと理解できるようになってきましたね。

Q:ご自身のセクシュアリティに気づいたのは?
A:小5、小6とか。最初は受け入れられなかったですね、まったく。17歳までは隠してました。それは恥ずかしさもあったし、男が好きってバレたら友達がいなくなるって思ってたから。それに自分はキリスト教で育ったから、小さい頃からずっとゲイは地獄に行くって教わっていたので、それもすごく大きくて、言えないっていうのがあったんです。でも17歳の頃に、ものすごいストレスで1年くらい微熱が続いて。高校生の頃って、友達と遊んでいても恋愛の話ってすごく多いじゃないですか。なのに自分だけそういう話にまったく入れないっていうか、避けていた部分があって。それで友達に自分の感情を素直に伝えられないのもすごく嫌だったし、周りというより、自分に嘘をついている感じもすごい嫌で、それが我慢できずにカミングアウトしました。そこから少しずつ自分を受け入れられるようになったかなと思います。でも、ちょっと時間はかかりましたね。

Q:これまでに、夢が叶った!と思えた瞬間は?
A:目標はたくさんあるから、それが叶ったことは何度もあります。毎年1年の終わりになると、色紙に自分の目標をズラーって単語を並べて書くんですね。で、去年は半分くらい叶いました。それこそ、青山テルマさんのライブで武道館のステージに立てたことは自分の中でもすごく大きかったし。一昨年は「キコキカク」っていう、Amazonプライムの水原希子ちゃんの番組にも出させてもらったり。色紙は今も家にあって、できるだけ毎日見るようにはしているんですけど、最近はあまり見れていないかもしれません。

Q:Aishoさんの生活に欠かせないものは?
A:パソコンかな。と、ヘッドフォン。あとマイク(笑)とかAirPodsとか。音楽を聴くものと作るためのツールがないと。イヤフォンがなかったら、本当に生きていけないです。常に何か聴いているので。

Q:作品やパフォーマンスを通して伝えたいことは?
A:本当に何でも良いんだよ、って伝えたいです。なりたい自分になって良いんだよっていうのが、自分が伝えたい一番のメッセージかなと思います。

Q:今後挑戦してみたいことは?
A:演技はすごくやってみたい。ただ、自信はないので、しっかり勉強して、ちゃんとした演技をしてみたいと思います。NetflixとかHBOのシリーズもののドラマも全然やってみたいですけど、やっぱり一番出たいのは映画ですね。

Q:最後に、オーディエンスの皆さまに一言お願いします!
A:今、日本の社会ではいろんなことが起きていて、プレッシャーが毎日毎日かかってしまう部分もたくさんあると思うんですけど、自分の嫌なところとか弱みとかコンプレックスとか、そういうのはすべてあなたの強みになるから、自分を信じて頑張ってほしいです。で、夢とか目標とかがなくても、実際大丈夫だから。今自分が楽しければ大丈夫だし、今生きている人生を精一杯楽しんで、今生きている自分をたくさん大事にしてあげてください!