【あの店のツウな味:美々卯】 あまから手帖コラボ

●名物は「うどんすき」だけにあらず



みなさん、こんにちは。関西のグルメ雑誌『あまから手帖』でライターをしている柴田です。

このコーナーでは、阪神百貨店のお店の"隠れた名物"やあまり知られていない逸品などを深掘りしてご紹介しようと思います。


今回お邪魔したのは、和を基調とした高級感のある、大人の味処と呼ぶにふさわしい落ち着いたムードの『美々卯』さん。ご存知のように「うどんすき」の名店ですが、今日のお目当は "美々卯推し"の知人から教えてもらった「太巻きそば寿司」。

迂闊にも知らずにいた、こだわりのそばで作る「太巻きそば寿司」は、知る人ぞ知る名物料理なのだとか。どの店舗にもあって、もちろん同じ原料、同じ作り方で出しているメニューですが、知人曰く「阪神で食べるのが一番」とのこと。阪神百貨店に入って半世紀以上!という長〜い歴史も、そう感じさせる理由かもしれませんね。


待つこと数分。やってきたそば寿司は、名前通りの堂々たる太さ。具は、ピンッと尾っぽの立った海老天を中心に、椎茸や焼き穴子など。タレをちょっとだけつけてパクリッ。うーん、香り高いそばと海老天の旨み。ポリポリとしたキュウリの食感や大葉の清々しい香りも重なって箸が止まりません。


ボリューム満点なので、もうお腹はいっぱいだけど、せっかくならもう一品。"自家製"の謳い文句にそそられ「わらび餅」を注文。きな粉を纏った餅を口に運べば、ひんやりぷるるん。柔らかいのに、やんわりと歯を押し返す弾力もあってかなりいける味。添えられた黒蜜をかければ、ねっとりコクのある甘みが加わって、また趣の違う味に。「そば寿司」の後のわらび餅。この組み合わせ、ちょっとクセになりそうです!


〇太巻そば寿司1120円

北海道幌加内にある契約農場で栽培する玄そばを中心に、年間を通して良質なそばを仕入れ、毎朝、自社工場の石臼で製粉。各店で打ちたての二八そばをふるまっている。そば寿司のタレは、めんつゆをベースに土佐醤油などをブレンドしたもの。

〇自家製わらび餅650円


文・写真/柴田くみ子

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