スイーツ&グルメ2023/6/25 更新
漬物は身近なものから地域独自のものまで、種類が豊富。漬物にすることで野菜がよりおいしくなり、かつ長持ちさせることも可能です。この記事では、漬物の種類を「代表的なもの」「野菜別」「地域別」に分けて詳しくご紹介します。漬物を通して、日本の食文化の豊かさを実感できますよ。
漬物とは、その名の通り「漬けた物」のことです。漬ける食材は野菜や果物などで、漬ける材料には塩や調味料などが使われます。さまざまな食材、味付けが楽しめるのが魅力です。
日本では約二千年前には、既に塩漬けによる食品保存がおこなわれていました。平安時代には塩漬けのほか、酢漬け、醤(ひしお)漬け、かす漬けなどが作られるようになります。
漬物文化が発展したのは江戸時代。貯蔵や保存目的だけではなく、味を楽しむことにも重きが置かれ、漬物のバリエーションが増加しました。現在では多種多様な漬物が作られており、手軽に楽しめる市販品も広く流通しています。
漬物の分類方法はいろいろありますが、「何に漬けるか」または「漬ける期間」による分類がわかりやすいでしょう。
「何に漬けるか」とは、塩やしょうゆ、酢、ぬか、みそ、麹、酒かすといった漬ける材料によって分類する方法のこと。「漬ける期間」とはどれくらいの期間漬け込むかにより分類するもので、漬ける期間の短い「浅漬け」、長期に漬け込む「古漬け」に大別されます。
食材本来の味わいと漬ける材料の風味が混ざり合うことで、新たな味わいが生まれるのが漬物の魅力。ここでは、数ある漬物のなかから代表的な漬物の種類・名前をご紹介します。
塩で食材を漬け込む塩漬けは、古来より保存食に用いられてきた手法です。塩の防腐作用が保存性を高め、塩味がプラスされて風味もアップ。また、塩に漬けることで野菜の水分が抜け、しんなりとして食べやすくなります。
食材をしょうゆに漬け込むと、まろやかなしょうゆの風味やコクが食材に移り、ごはんに合う漬物ができあがります。しょうゆは比較的どんな食材とも相性がよく、また漬けだれに香辛料や調味料を加えるといったアレンジのしやすさも特徴です。
食材をお酢に漬け込んで作るのが、酢漬けです。梅酢やりんご酢など、使うお酢の種類によって味わいが変化します。お酢には殺菌作用があり、酢漬けは保存食としても用いられてきました。すっきりとした酸味が爽やかで、料理の箸休めにも最適です。
ぬか漬けは伝統的な発酵食品として知られています。米ぬかに塩を加えたぬか床に食材を漬け込むと、乳酸菌や酵母の働きにより発酵。旨味と酸味が混ざり合う独特の風味が生まれます。ごはんに合うのはもちろん、お酒のアテにもおすすめです。
みそ床にさまざまな食材を漬けて楽しむ、みそ漬け。みそ床は、みそにみりんを加えるのが一般的ですが、みそだけで漬けてもOKです。みその風味が食材にしっかりと入り込み、旨味が凝縮された漬物になります。
麹漬けは、麹または麹に砂糖や塩などを加えた漬け床に、食材を漬け込んだもの。麹の酵素によって発酵がすすみ、麹のやさしい香りや自然の甘味を食材にまとわせ、食感をやわらかくしてくれる効果もあります。
日本酒やみりん造りの工程後に出る副産物、酒かすやみりんかすを漬け床に使う漬物です。酒かすの豊かな風味や旨味、みりんかすのほんのりとした甘味が食材に染み込み、食材そのもののおいしさをより引き立ててくれます。
漬け込む期間が短い浅漬けは、あっさりとした味わいでサラダ感覚で食べられます。漬け込む期間は数十分から5日程度で、漬ける期間に応じて塩分量の調整が必要です。塩もみをして数十分置くだけのものは「即席漬け」、ひと晩漬け込むものは「一夜漬け」とも呼ばれます。
梅干しは、完熟した梅の実を塩漬けにしてから天日に干し、さらに梅酢に漬けた漬物です。伝統製法で作られた梅干しは塩分濃度が高く、常温で長期保存が可能。今では減塩タイプの梅干し、塩抜きして調味液に漬け込んだ梅干しなども多く出回っています。
たくあんは日本を代表する漬物です。天日で干した大根をぬかに漬けて作る昔ながらのたくあんは、大根の甘味やコリッとした歯ごたえが特徴的。保存食としても優れています。また、現在は大根を干さずに塩漬けする、ソフトな食感のたくあんが主流です。
漬物に使われるのは、ごく身近な野菜です。それぞれの野菜の特性を生かし、おいしさを引き立てる漬け方をぜひ押さえておきましょう。おうちで漬物を作る際にも役立ちますよ。
きゅうりはいろいろな漬物に使える万能野菜です。きゅうりを大量消費したいときにも、漬物はうってつけ。「塩漬け」「しょうゆ漬け」「酢漬け」「みそ漬け」「浅漬け」などにすることで、きゅうりのさっぱりとした味わいに深みが加わり、おいしくいただけます。
大根のみずみずしい甘さやシャキシャキとした歯触りのよさは、漬物にもってこいです。「酢漬け」や「麹漬け」「浅漬け」などにするのが一般的で、家庭でも手軽に作れる漬物として親しまれています。柚子やレモン、唐辛子などで風味をプラスするのもおすすめです。
やわらかい食感でクセのない味わいのかぶは、漬物の定番食材のひとつ。形状や大きさ、色合いもさまざまで、葉の部分も一緒に無駄なく漬けられることも嬉しいポイントです。「塩漬け」「浅漬け」「ぬか漬け」「酢漬け」などに向いています。
なすは、細長いタイプや丸いもの、小ぶりなものなど種類が豊富。漬物に使うなら、皮が薄くて身がやわらかい小なす、水なすなどがぴったりです。「ぬか漬け」をはじめ、「みそ漬け」「かす漬け」「浅漬け」など幅広い漬物に使えます。
葉物野菜のなかでも、アブラナ科の野沢菜、高菜、すぐき菜といった漬物向きの菜っ葉のことを漬け菜と呼びます。漬け方は「塩漬け」が基本。漬ける期間が短い「浅漬け」にするとさっぱりとした味わいに、長期間漬ける「古漬け」の場合は酸味が強めの漬物になります。
漬物は土地の気候風土や特産品と深い関わりがあります。寒冷地域では保存食として、温暖な地域ではごはんのお供としての役割が強い傾向も。特色あるご当地漬物をぜひチェックしてくださいね。
「松前漬け」は北海道を代表する漬物で、松前とは発祥地の名です。細切りにした昆布やするめ、にんじんをしょうゆ漬けにしたもので、唐辛子が味の引き締め役。また、間引きされた夕張メロンを活用し、かす漬けにした「夕張メロンの漬物」もメロンの産地ならではです。
寒さが厳しい東北地方は、もともと漬物作りが盛んです。大根を燻製させてから麹に漬け込む秋田県の「いぶりがっこ」は、茶色い色合いと独特のスモーキーな風味が特徴。青森県では、日本一の生産量を誇るにんにくを酢やしょうゆに漬け込んだ「にんにく漬け」が有名です。
各地で特産物を生かした漬物作りがおこなわれています。練馬大根を塩漬けにし、麹に漬けた「べったら漬け」は東京名物。ピンク色をした「桜の塩漬け」は神奈川県が一大生産地で、群馬県では嬬恋高原キャベツを丸ごと浅漬けにした「嬬恋高原キャベツの漬物」が評判です。
野沢菜を塩漬けにした「野沢菜漬け」は長野県に深く根づいた伝統の味。日本三大漬物のひとつに数えられます。静岡県の名産「わさび漬け」はわさびの葉や茎をかす漬けにしたもの。愛知県では、伝統野菜である守口大根をかす漬けにした「守口漬け」が知られています。
京都三大漬物とは、なすやみょうがを赤しその葉で塩漬けした「しば漬け」、かぶを昆布と塩に漬けた「千枚漬け」、すぐき菜を乳酸菌発酵させた「すぐき漬け」のこと。奈良県発祥の「奈良漬け」は、塩漬けにした白うりを酒かすに漬け込んだもので、何度も酒かすを替えながら作られます。
広島県の伝統的な漬け菜、広島菜を塩漬けにした「広島菜漬け」は、日本三大漬物のひとつ。山口県の「寒漬け」は、塩漬けした大根を寒風にさらして作られます。また、国内生産量トップを誇る高知県の特産品・しょうがを梅酢に漬けた「しょうが漬け」も人気です。
熊本県の高菜を塩で漬けた「高菜漬け」は、長野県の野沢菜漬け、広島県の広島菜漬けと並ぶ日本三大漬物と称されます。鹿児島県には干し大根を壺の中で塩漬けにした「壺漬け」が、沖縄県には塩漬けした青パパイヤをしょうゆやみそで漬ける、ちょっとめずらしい「パパイヤ漬け」があります。
日本は漬物大国です。使う食材や漬け方、地域によっても、種類に富んだ漬物があります。市販の漬物を買ったり、残り野菜を自家製漬物にしたり、旅先でご当地漬物を味わったりと、楽しみ方もいろいろ。ぜひ日々の食生活に漬物を上手に取り入れてみてくださいね。
※商品情報や販売状況は2023年06月25日時点でのものです。
現在の情報と異なる場合がございますが、ご了承ください。
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