ROOT C企画|糸に命を宿す、伝統のファクトリーへ。ヴォートレイル x 和歌山ニット 若き才能が挑む伝統の革新 〈ep.2〉

updated on 2026.09.09
ROOT C

HANKYU MEN'S OSAKA x OSAKA TAKASHIMAYA Joint Project

未来を紡ぐ、一本の糸。
ヴォートレイル x 和歌山ニット
若き才能が挑む伝統の革新

Ep.2 糸に命を宿す、伝統のファクトリーへ

VOUTRAIL THE FASHION ACADEMY ヴォートレイル ファッションアカデミー
x
WAKAYAMA KNIT 和歌山ニット産地

オーディションという試練を乗り越えた4名の若きデザイナーたち。
次なる舞台は、日本屈指の丸編みニット産地・和歌山。
100年以上の歴史を刻む工房で響く機械音と、職人たちの熱き魂。
既成概念を覆す生地との出会い、そしてプロとの対話を通じて、
一本の糸から服を生み出す本質に触れた挑戦の現場を追います。

現場で触れた、職人技とニットの概念を覆す体験

ヴォートレイル ファッションアカデミーの学生たちが訪れたのは、長い歴史と独自の進化を遂げてきた和歌山のニッター3社。工場内に足を踏み入れると、無数の糸が複雑に交差し、規則正しいリズムで編み立てられていく光景が広がっていました。糸の種類や機械の繊細な調整によって生まれるオリジナルの生地と、それを支える職人技。自分の知っていたニットのイメージを鮮やかに塗り替える体験に、学生たちは大きな刺激を受けました。

工場見学を経たデザイナーたちの生の声

大黒 翼さん:
「実際に工場さんに見学に行かさせていただいた時に、すごくびっくりしました。帆布のようなニットがあったり、超ハイゲージニットであったり自分の知っているニットの概念が崩されめちゃくちゃいい刺激になりました。」

宇髙 稜太さん:
「機械に対してそれぞれの編み方や、糸の種類があって、その調整の大変さや、機械の複雑な仕組みにすごく興味が湧きました。一つ一つの細かい調整によってオリジナルの生地が生まれ、それらがまさに職人技であり、みてて改めて日本の産地の素晴らしさを感じました。」

世古 樹さん:
「3社とも特色が分かれており、細かいこだわりと熱意が伝わってきました。独自の機械があったりと、その工場でしか作ることのできない生地の風合いであったりを感じることができて、服のデザインがより明確に意識できるようになりました。」

小薗 輝久さん:
「自分のブランドは産地の生地をよく使用するのですが、和歌山ニットを見てまだ自分の知らない日本の職人技があると感じました。」

プロフェッショナルの眼差しと、宿された試作の熱量

単なる見学にとどまらず、現場ではニッター代表者たちと学生デザイナーによる熱い対話が繰り広げられました。ニッター社に赴いたのは、学生たちがPOP-UP STOREで展開する洋服の生地を選ぶということも今回の目的の一つ。各社の生地の特性を聞きながら、自分が思い描く理想の作品に合う生地を対話を通して探しました。第一線で活躍する職人たちから掛けられたのは、一人のクリエイターとして対等に向き合う温かくも真摯なアドバイス。「自分のデザインに妥協せず表現していい」――プロの金言が、学生たちの胸に深く響きます。

プロの言葉がもたらした意識の変化

世古 樹さん:
「カネマサさんに『デザイナーならもっと積極的に良い意味でがめつく生地の提案をしても良いとも思う』と言われたことが印象に残っています。デザイナーなら自分のデザインに妥協せずに服を作らないといけないと改めて思いました。」

大黒 翼さん:
「多数のブランドさんからご依頼があるとお聞きして、恐れ多いのですがその一員に認められたと思い学生ブランドではなく、1ブランドとしてより一層頑張る気持ちが芽生えました。沢山のことをお聞きしたので、その思いを一緒に沢山の人に届けたいです。」

小薗 輝久さん:
「ニットの素材を扱うのが今回初めてだったのですが、デザインするために仕様などアドバイスをいただきました。」

一本の糸から着想する、生地選定のセッション

工場見学の後半では、実際に店頭で販売するコレクションのための生地選定が行われました。丸編み一筋の歴史と独自技術を誇る丸和ニット、超ハイゲージで布帛のような美しさを生み出すカネマサ莫大小、難易度の高い素材へ挑戦し続けるオカザキニット。ニッター3社が誇る膨大な生地アーカイブの中から、デザイナーたちは手触りやドレープ感を確かめ、自らの世界観を体現する生地を吟味していきました。

モノづくりの現場を支える和歌山ニッター3社

■ 丸和ニット株式会社(代表取締役社長:辻 雄策 氏)

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「『Balancircular(バランサーキュラー)(R)』(*)の生地は織物とニットのハイブリッドです。トレンドや価格に縛られない、学生デザイナーさんが自身で表現したいもの、それを自身でクリエイトする姿勢に感心いたしました。『もっと自由でいい』という想いには、同じく自由で固定観念で縛られない生地が相応しいと考えています。『生地がデザインを生み出す』ケースもありますので、丸編みニットの特性をもっともっと知っていただければ幸いです。」
(*)自社改造した丸編機により技術確立した、丸和ニット特有の編み構造を持つ生地。


■ カネマサ莫大小株式会社(取締役:百間谷 浩平 氏)

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「当社は36G〜46Gのハイゲージ丸編み・ジャカードに注力し、ニットでありながら布帛のようなハリ感、光沢、仕立て映えを表現できることを強みとしています。糸づくりから編み、加工、製品化までを一貫して考え、糸・編み・仕上げの組み合わせで素材を追求しています。単に生地を作るだけでなく、ブランド様の企画や表現したい世界観に寄り添いながら、素材開発の段階から一緒にものづくりできる点も大きな特徴です。次世代の皆さまと一緒に、新しい価値を生み出していけることを楽しみにしています。」


■ 株式会社オカザキニット(代表取締役社長:岡崎 秀昭 氏)

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「強みとしては、こんな生地を作りたいというデザイナーのイメージを生地に落とし込む開発力です。リネンやカシミアといった編むことが難しい素材への挑戦をし続け、年間約400マーク以上の生地開発を行っております。機械に合わせて生地を作るのではなく、作りたい生地に合わせて機械や編み方を考える。困った時やこんなものを作ってみたいと思った時には、和歌山には一緒に考えてくれる工場や職人が居ますので、皆さんが考える新しいファッションと私たちの技術が出会った時に、新たなモノ作りが生まれると思います。」

INDEX / 今後の連載ロードマップ

POP-UP STORE 開催概要

開催期間

9月30日(水)〜10月6日(火)

開催場所・参加ブランド(学生デザイナー)

【阪急メンズ大阪 5F ガラージュ D.エディット】

  • 世古 樹(セコ イツキ)
  • 大黒 翼(ダイコク ツバサ)

【大阪髙島屋 3F CSケーススタディ】

  • 宇髙 稜太(ウダカ リョウタ)
  • 小薗 輝久(コゾノ テルヒサ)

協力・生地提供ニッター(和歌山県)

  • 株式会社オカザキニット(丸編み)
  • カネマサ莫大小株式会社(ハイゲージ)
  • 丸和ニット株式会社(バランサーキュラー)

ABOUT “ROOT C”

「ROOT C」は、関西発の若きクリエイターを支援し、はじめの一歩を共に創り出すコミュニティプロジェクトです。ROOT(根)と、CREATION(創造)・CREATOR(創り手)・COLLABORATION(協力)・CHEER(応援)など様々な“C”を掛け合わせ、地域産地や店舗との持続可能な循環と新しい価値の創造を目指しています。

詳しくは、売場スタッフまでお問合せください。

■阪急メンズ大阪 5F ガラージュ D.エディット