
試されているかのように訪れる試練。しかし「輪島キリモト」七代目 桐本泰一さんと妻 順子さんは力を合わせて困難を乗り越え、希望を見出してきました。これまでの1年を振り返り、現在の活動と今後の展望についてお話を伺いました。
不撓不屈の精神で漆器の未来を築く
「輪島キリモト」

震災と能登半島豪雨、二重の試練を乗り越えた「輪島キリモト」。工房やみなし仮設住宅が水に浸かる被害に見舞われた当時を振り返り、桐本泰一さんは「さすがに一度、心が折れました」と静かに語ります。しかし順子さんや仲間の支えを得て、工房は10月半ばに復活。商品点数を半数ほどに絞り漆器の安定供給を図りながら、インテリアとしての御前や高足膳など漆器の新たな活用法を提案。人材確保や新しい仕事を生み出すため、国内外の展示会やイベント、講演などに精力的に参加し、魅力を発信し続けています。

直す、ではなく、生まれ変わる、という選択
ある時、宿「ふらっと」を営むベンジャミン・フラットさんと船下智香子さんご夫婦に出会いました。2人はまだ使えるのに捨てられている輪島漆器を引き取る活動をしていましたが、あまりの数の多さに困り、桐本さんに相談を持ち掛けます。桐本さんは「単にRepair(修理)するのではなく、今様で使いやすい“透き溜”へとReborn(生まれ変わらせる)してみるね」と提案。のちに“輪島塗レスキュー&リボーン”と呼ばれる取り組みは、約100年以上~50年前の漆器を現代のライフスタイルに合わせて蘇らせることで、木地に命を吹き込むだけでなく、職人の生業を確保。蒔絵を施さずとも奥行きのある模様が楽しめる“透き溜”の器は、新たな場所で活用される機会を増やし、輪島漆器の価値を再定義しています。

「輪島キリモト」
透き溜シリーズ(椀・皿など)18,700円から
銀彩シリーズ(椀・皿など)16,500円から

後進を育て、道を切り拓き、再興へ導く
現在、桐本さんは業界全体を俯瞰し、様ざまな取り組みを進めています。輪島クリエイティブデザイン塾の塾長に就任し、産地内での交流を促し、互いに切磋琢磨する場を創出しました。さらに、デロイトトーマツ復興応援チームと連携。これまでにない専門的な知見を取り入れながら、業界全体の底上げを図ろうとしています。これは漆器に携わる方々の生の声を集約し、今後10年、20年先の輪島漆器の生き残りに向けた戦略を立てる重要な一歩です。職人の技を継承しつつ、柔軟な発想で事業と地域を活性化させる。まさに「革新してこそ伝統は続いていく」という未来に向けた強い提言と言えるでしょう。
若手職人に光を当てる
「わじま工迎参道」



桐本泰一さんが中心となり、積極的に輪島に足を運んでもらうことを目指して2017年から始まった「わじま工迎参道」。能登半島豪雨を乗り越えた若手作家の作品が登場します。「輪島キリモト」の3名の職人さんの器をはじめ、シンプルかつ現代的なデザインで表現された「atee」鳳至那美さんや「ヌシヤ」浦出真由さん、横山美穂さんのアクセサリーは、これまでの漆器のイメージを覆すものです。“新しい視点を取り入れ、若手を育成し、輪島塗の魅力を積極的に発信する”というコンセプトから生まれるアイテムにご期待ください。
【出店予定者】
小路貴穂さん
今瀬風韻さん
久保田啓介さん
横山美穂さん
鳳至那美さん
浦出真由さん

「atee」
shunuri ring 8,800円
KURO ring 8,800円
HARU UMIピアス 11,000円
キューブネックレス3連 12,000円
キューブネックレス1連 9,900円
「ヌシヤ」
リボン本塗りラペルピン 25,300円
プラネットチョーカー 27,500円
うるし珠ブレスレット 6,600円
ニュアンスゴールドピアス/イヤリング 13,200円
“にっぽん食むすび”のリコメンド
塗の技法によって、様ざまな表情をみせる輪島漆器。艶っぽさがあったり、逆にドライな表情だったり・・・スタイルに合わせてお好みが見つかるはずです。“身に着ける漆”“私を彩る漆”って素敵だなと思います。

「輪島キリモト」
住所:石川県輪島市杉平町大百苅70-5

@wajimakirimoto
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