一年を通して見かける鮭には、種類ごとに異なる旬の時期があります。この記事では、旬を知って鮭をおいしく味わいたい、という人のために鮭の旬について紹介。おいしい鮭の見分け方や保存方法、おすすめレシピも参考にしてください。

鮭の旬は何月?おいしい季節を知ろう

岩塩や黒胡椒、ローズマリーがまぶされたサーモン

iStock.com/OlenaMykhaylova

鮮やかな色とやわらかな身、口の中でじんわり広がる脂やうまみがおいしい鮭。食卓にのぼることが多い、日本人にはおなじみの魚です。

旬の時期を知っていれば、鮭をよりおいしく楽しめますね。この記事では、主な鮭の種類とその旬を紹介します。鮭をおいしく食べられるように、保存方法やおすすめレシピも取り上げるので、日々の料理に活用してください。

日本で獲られる鮭の種類と旬

氷の上のサーモン

iStock.com/amenic181

鮭にはいくつかの種類があり、そのなかでも日本で水揚げされる鮭は主に「白鮭」と呼ばれるものです。身は淡いオレンジ色をしており、鮭のなかでも比較的色が薄いことから名付けられた「白鮭」。脂は控えめで、あっさりした味わいが特徴です。

白鮭は、漁獲時期によって呼び名が変わります。次からは白鮭の別名と、漁獲時期でもある旬の季節を紹介します。

秋鮭

産卵のために川へ戻る、9〜11月頃に漁獲された白鮭は「秋鮭」と呼ばれます。卵や白子に栄養が使われるため、脂は控えめであっさりした味わいです。しかし引き締まった身には、うまみが凝縮されており、この時期が白鮭の旬といえます。筋子やいくら、白子がおいしいのもこの時期です。

秋鮭は脂が少なめなので、バターや油を使ったムニエル、フライなどの料理に使うことをおすすめします。

時鮭(ときしらず)

海を回遊している期間である、5〜7月頃に漁獲された白鮭が「時鮭」です。産卵期とは時期がずれているため、身に脂がしっかりのっていておいしいといわれています。秋鮭とはまた異なる味わいが楽しめる、旬の白鮭といえるでしょう。しかし時鮭は漁獲量が少ないため、価格が高くなる傾向があります。

時鮭を味わうなら、脂のりをシンプルに楽しめる刺身や塩焼きがおすすめです。

鮭児(けいじ)

「鮭児」は、生後2〜3年ほどの未成熟で小さな白鮭です。9〜11月頃に水揚げされる秋鮭の漁獲時に混ざっていることがあり、1万匹に1匹しか獲れないといわれるほど希少価値があります。産卵に栄養が使われる前の子どもの鮭であるため、全身に脂がのっているのが特徴です。

鮭児はそのまま刺身で食べるほか、冷凍して刺身のように切ったルイベもおすすめです。冷凍によって凝縮された、鮭児の強いうまみを楽しめます。

輸入ものの鮭の種類と旬

氷の上の3尾のサーモン

iStock.com/Matveev_Aleksandr

日本で流通している鮭には、白鮭以外にも多くの種類があります。それらはほとんどが外国産の輸入ものとして扱われている、海外で漁獲・養殖された鮭です。ここからは、海外から輸入される白鮭以外の鮭の特徴や旬を紹介します。

紅鮭

産卵前に身が紅色になることから名付けられた「紅鮭」は、6〜8月頃に旬をむかえます。国内で流通している紅鮭は、アラスカやカナダ、ロシアから輸入されたものがほとんどです。紅鮭は養殖できないため、天然物しか存在しておらず、比較的高値で取引されています。

ほどよく脂がのっていて、強いうまみとコクのある濃厚な味わいが紅鮭の特徴です。

銀鮭

スーパーなどでよく見かける銀鮭は、ほとんどがチリで養殖されており、一部ロシアやアラスカ産のものが流通しています。旬は8〜10月頃ですが、養殖で育てやすいため通年出回っている、手に入りやすい鮭です。コンビニのおにぎりや弁当のおかずにも、銀鮭がよく使われます。

白鮭よりも脂ののりがよい銀鮭は、身がふっくらしていてやわらかく、うまみが詰まっているのが特徴です。

キングサーモン

世界最大級の大きさを誇るキングサーモンは、アラスカ、カナダ、チリから輸入されているものがほとんどです。天然物の旬は4~6月頃ですが、養殖されたものは通年流通しています。

キングサーモンは脂肪が多く、とろけるような口当たりが特徴です。魚体が大きいため身が分厚く、食べごたえのあるステーキなどに向いています。

トラウトサーモン

トラウトサーモンは、本来は淡水魚であるニジマスを海で養殖したものです。旬の時期は6〜8月頃であり、チリやノルウェーから輸入されたものが流通しています。

鮮やかなオレンジ色と、しっかりと弾力のある身がトラウトサーモンの特徴です。味にクセがないので、刺身から味噌や酒粕などの漬け焼き、クリームシチューまで幅広い料理に使えます。

国内の鮭の名産地と旬

国内でもっとも鮭の漁獲量が多いのは北海道であり、国内では8割のシェアを誇っています。2位と3位を争うのが青森県と岩手県ですが、北海道の漁獲量には及びません。

鮭は回遊魚であるため、旬の時期は産地によって少しずつズレが生じます。北海道は9〜10月、青森県は10〜11月、岩手県は9〜1月の秋から冬にかけてが鮭の旬です。

おいしい鮭の見分け方

氷の上に並ぶたくさんのサーモンスライス

iStock.com/zozzzzo

おいしい鮭の見分け方を知っておくと、スーパーなどで鮭を購入するときに便利です。

新鮮でおいしい鮭を見分けるポイントは「色」です。皮が銀色に光り、身の色が鮮やかなものを選びましょう。「サシ」と呼ばれる、身に入った白い筋が真っ白ではっきりしているものは、脂ののりがよくおすすめです。

また、皮と鮮やかな身の間の薄茶色の部分に、厚みがあるものもよいでしょう。

鮭の保存方法と保存期間

保存容器に入ったサーモンの切り身を冷蔵庫に入れるところ

iStock.com/cookelma

鮭は生鮮食品なので、保存方法や保存期間が気になりますね。鮭は冷蔵だけではなく、冷凍保存も可能です。鮭の上手な保存方法を知り、鮭をより長く、おいしく味わいましょう。

冷蔵保存方法

購入した当日中に調理するのなら、パックのまま冷蔵保存してかまいません。しばらく使わない場合は、キッチンペーパーなどで鮭の身についた水分を拭き取りましょう。この水分には生臭さがあるため、においが鮭へ移らないように水分を取り除きます。

そのあとはひと切れずつラップでぴったりと包み、冷蔵庫のチルド室で保存してください。保存期間の目安は2〜3日です。

冷凍保存方法

冷凍する場合も、鮭の身についた水分をキッチンペーパーなどで拭き取ります。ひと切れずつラップでぴったりと包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍しましょう。使うときは冷蔵庫に移し、ゆっくり時間をかけて解凍してください。5〜6時間ほどで解凍できます。

冷凍した場合の保存期間の目安は2〜3週間ですが、冷凍している間も劣化するため、できるだけ早めに使いましょう。

旬の鮭を味わうためのおすすめレシピ3選

旬の鮭が手に入ったら、おいしく調理して鮭を味わい尽くしましょう。ここからは、旬をむかえた鮭をおいしく食べられるおすすめレシピを紹介します。

1. コクのある味に満足!秋鮭とじゃがいものみそバター炊き込みごはん

秋鮭とじゃがいものみそバター炊き込みごはん

秋鮭とじゃがいも、調味料を一緒に炊飯するだけで作れる炊き込みごはんです。味噌とバターのコクのある味わいが秋鮭によく合い、箸が止まらなくなります。

バターは香りを活かすために、炊き上がったごはんにあとから混ぜ込みましょう。じゃがいもは加熱すると形が崩れるので、大きめにカットして炊き込むこともポイントです。

詳しく見る

2. 秋を堪能できる!鮭ときのこの海苔バターしょうゆ炒め

鮭ときのこの海苔バターしょうゆ炒め

秋に旬をむかえる鮭ときのこを使う、炒めるだけの簡単おかずレシピです。みりんやしょうゆ、バターの甘辛くコクのある味付けと、青のりの香りが鮭にとてもマッチします。

レシピではエリンギとしめじを使っていますが、舞茸やえのきなど好みのきのこを使ってかまいません。いろいろなきのこを使って、風味豊かに仕上げてください。

詳しく見る

3. 食べごたえ抜群!鮭とれんこんの鮮やかアヒージョ

秋鮭とれんこんの鮮やかアヒージョ

鮭とれんこん、ブロッコリーがごろごろ入る、食べごたえのあるアヒージョです。鮭の鮮やかな色合いで、見た目も楽しめます。鮭のうまみが溶け出たオイルは味わい深く、バゲットを浸して食べるのもおすすめです。

オリーブオイルににんにくと赤唐辛子を入れたら、弱火でじっくり加熱して、香りをしっかり引き出しましょう。

詳しく見る

鮭の旬を見逃さずにおいしく食べよう

鮭は年間を通してスーパーなどの店頭に並んでいますが、おいしく食べられる旬があります。種類や獲られる場所によって時期が異なることに注意して、旬を把握し、鮭をよりおいしく楽しみましょう。

※商品情報や販売状況は2023年04月15日時点でのものです。
現在の情報と異なる場合がございますが、ご了承ください。