国民食といわれるほど、日本人の多くが好んで食べる「カレー」。カレーは国や地域によってさまざま特色があります。この記事では、日本だけでなく世界各国のカレーの種類を紹介!カレーの発祥・由来や日本に伝わったのはいつ頃なのかといった歴史についても解説します。

世界・日本のカレーの種類をチェック!

白い皿に盛られたバターチキンカレー、ひよこ豆カレー、グリーンカレー、キーマカレーとナン

iStock.com/subodhsathe

スパイスの香り高さと、深みのある味わいが魅力のカレー。辛さや具材を自由に選べて比較的簡単に作れるため、日本人に好まれる料理のひとつです。

一般的な家庭のカレーのほかにも、たくさんの種類のカレーがあることを知っていますか?この記事では、日本と世界各地の代表的なカレーの種類について紹介します。

【インド】カレーの種類

インドは地域により、気候や民族、採れる作物などが大きく異なります。そのため、インドカレーは北部・南部でそれぞれ異なる特色があるのが事実。

北インドは気温が低いため、身体を温めるこってりしたカレーが多いのに対し、暖かい気候の南インドでは、香辛料が効いたさっぱりしたカレーが多い傾向がありますよ。

バターチキンカレー【北部】

白い器に盛られたバターチキンカレー

iStock.com/Ravsky

トマトとバターを使った濃厚な味わいが特徴で、日本人にも人気が高いカレーです。チャパティやナンとの相性が良いですよ。一度食べるとクセになります。市販のものも人気なので、気になる方は購入してみてくださいね。

キーママタル【北部】

「キーマ」は挽き肉、「マタル」はグリーンピースを指す言葉。その名の通り、挽き肉とグリーンピースを使ったカレーです。トマトや玉ねぎなどの野菜に複数のスパイスで風味をつけた、辛口でコクのある味わいが特徴ですよ。

コルマカレー【北部】

コルマカレーは白っぽい色合いのカレーです。酸味のあるインド風ヨーグルトの「ダヒ」と生クリーム、ナッツペーストをベースに作られています。こってりした食材が多く使われているため、全体的にまろやかな仕上がりです。

パラクパニール【北部】

銀色の皿に盛られたパラクパニールとナン

iStock.com/vm2002

パラクパニールはほうれん草とチーズのカレーです。特徴は緑色の見た目。ほうれん草のなめらかな食感とチーズのコクにより、辛さが控えめになっているのが特徴です。とろみもあり、ナンにつけて食べやすいですよ。

サンバル【南部】

南インドの代表的なカレーです。サラサラしたスープのような形状で、ごはんに馴染みやすいのが特徴。北インドのカレーと違い、酸味がある味わいです。具材のベースは豆。ほかには大根やナス、オクラなどの野菜がたっぷり使われるのが一般的です。

アヴィヤル【南部】

アヴィヤルは、南インドのケララ州でよく作られています。ココナッツ、ヨーグルト、カレーリーフをベースにした野菜カレーです。まろやかでクリーミーなココナッツの味と、スパーシーなカレーリーフの香りがマッチしますよ。

ラッサム【南部】

ラッサムは、香辛料が効いたスパイシーなカレーです。南インドを代表するメニューのひとつで、酸味とスパイスのバランスが絶妙ですよ。ココナッツミルクを加えることで、クリーミーな口当たりに仕上げられます。

【タイ】カレーの種類

タイのカレーも種類が豊富です。清涼感のある風味とスパイシーな味付けが特徴で、辛いもの好きに人気の味わい。カレーの色も緑や黄色、赤などさまざまで、見た目のインパクトがありますよ。

グリーンカレー

白い丸い皿に盛られたグリーンカレー

iStock.com/ga-loff

タイを代表するカレーといえば、グリーンカレーを思い浮かべる人は多いでしょう。青唐辛子やコリアンダーのようなハーブ類、バジルなどをたっぷり使っているのが特徴です。ココナッツミルクを加えることで辛さをまろやかにし、濃厚な味わいに整えています。

イエローカレー

イエローカレーは、タイ料理のなかでもマイルドな味わいが特徴的なカレーです。ターメリックを使用して黄色く色付けされています。ココナッツミルクやレモングラス、ガランガル、コリアンダー、クミン、カルダモンなどのスパイスが効いていて、奥行きのある味わいです。

マッサマンカレー

白い皿に盛られたマッサマンカレーと銀色の皿に盛られたナン

iStock.com/pada smith

マッサマンカレーは、タイ南部のムスリムの影響を受けたカレーです。じゃがいもと鶏肉をじっくり煮込んで作られていて、香り高く濃厚な味わいが魅力。甘みとスパイスのバランスが絶妙で、日本人の舌にも馴染む味わいです。

レッドカレー

レッドカレーは、その名前からも想像できる通り辛口のカレーです。赤唐辛子を使って辛さを加え、濃厚なスープに仕上げています。辛いものが好きな方におすすめですよ。ココナッツミルクでまろやかさを足してもおいしく食べられます。

パナンカレー

パナンカレーは、タイ南部の料理。濃厚なココナッツミルクとレモングラス、コリアンダー、クミン、カルダモンなどの複数のスパイスを使用し、ピーナッツペーストでコクを加えたスパイシーなカレーです。ほかのタイカレーと比べると少し甘めの味わいとなっています。

【その他アジア圏】カレーの種類

インドやタイに近いアジア圏を中心に、それぞれの地域でよく食べられるカレーがあります。ここでは6つの国の代表的なカレーをピックアップしました。

ダルカレー【ネパール】

茶色い皿に盛られたダルカレーとスプーンに乗ったスパイス

iStock.com/Elena_Danileiko

ネパールで食べられている、豆のカレースープです。カレーではありますが、辛さはほとんどありません。子どもや辛いものが苦手な人でも食べられるでしょう。トマト、玉ねぎ、にんにくに加え、たくさんのスパイスが入っています。シンプルながら栄養価の高い料理で、ベジタリアンやビーガンの方にも人気がありますよ。

ムルギカリー【パキスタン】

ムルギカリーは、骨つきチキンカレーで、スープのようにさらさらしています。鶏肉の骨を抜き、ほぐしてからごはんと一緒に混ぜ合わせて食べるのが一般的です。トマトや玉ねぎ、にんにくなどが入っており、加えるスパイスの種類も豊富!まろやかな味わいが人気です。

パリップ【スリランカ】

スリランカでよく食べられる、豆を使ったカレーです。ローカルフードとして多くの人たちに愛されています。レンズ豆がたっぷり入っているのが特徴です。ココナッツミルクと削り節が入っており、まろやかな味わいが楽しめますよ。

ソトアヤム【インドネシア】

ソトアヤムはにんにくとターメリックが効いた鶏肉のカレースープです。インドネシアの定番の料理で、インド発祥のパンであるパラタやトーストなどと一緒に食べられています。ハーブや香辛料をたっぷりと使っているため、独特の香りと風味がありますよ。

フィッシュヘッドカレー【シンガポール】

フィッシュヘッドカレーは、その名の通り大きな魚の頭が入っています。インパクトがある見た目のカレーです。魚のだしもよく効いており、味に深みがあります。辛さのなかにもレモングラスの酸味や魚の甘みを感じますよ。

ケタムマサラマ【マレーシア】

マレーシアのカレーは、魚介類が多く使われています。なかでもケタムマサラマは、蟹が入った少しめずらしいカレー。スープに蟹のエキスが含まれているため、強い旨味とコクを感じられる味わいです。

【ヨーロッパ】カレーの種類

数は少ないですが、ヨーロッパのカレーもいくつか種類があります。ここではイギリス、ドイツのカレーをみていきましょう。

チキンティッカマサラ【イギリス】

丸い皿に盛られたチキンティッカマサラとご飯とスパイス、半分に畳まれたナン

iStock.com/Lisovskaya

ヨーグルトとスパイスに漬け込んだ鶏肉を、タンドールと呼ばれる窯で焼いたものがチキンティッカです。チキンティッカマサラはチキンカレーに近く、トマトと生クリームをベースとしています。まろやかな風味が特徴で、イギリスでは人気の国民食です。

カリーヴルスト【ドイツ】

イギリス以外のヨーロッパでは、アジア圏ほどカレーが普及していません。しかしドイツでは、カレーパウダーを使ったカリーヴルストという料理があります。ドイツでよく食べられるソーセージに、ケチャップとカレーパウダーをかけたものです。いわゆるB級グルメとして人気を博しています。

【日本】カレーの種類

家庭や食堂でよく食べられるカレーのなかには、実は日本発祥のものがたくさんあることをご存じですか?ここでは日本のカレーを4種類紹介します。

カツカレー

カツカレーは、トンカツやチキンカツなどの揚げ物にカレーのルーをかけた料理です。揚げ物の香ばしさとカレーのコクが絶妙なバランスで調和しています。ごはんとの相性も良く、特に男性や学生に人気です。インパクトのある見た目で、食欲をそそります。

ドライカレー

ドライカレーは、キーマカレーよりさらに汁気の少ないカレーです。野菜や肉、魚介類を炒め、スパイシーな味付けをします。ルーではなく、カレーパウダーで作るのが一般的。使用する具材に決まりはないため、アレンジの幅も広がります。

スープカレー

北海道の札幌が発祥の、さらさらしたスープタイプのカレーです。スパイスを効かせて味付けをしています。大きめの野菜や肉、魚介類などがたっぷり入っているのが特徴。日本で一般的なカレーとは異なりルーを使用しないため、スープカレーは比較的ヘルシーです。

カレーの由来・歴史

二つの平皿に盛られたカレーライスと銀のグレイビーボートに入ったカレー、白い四角いさらに盛られたらっきょう

iStock.com/Gyro

日本のみならず世界で人気のカレーですが、そのルーツはどこにあるのかご存じですか?ここではカレーの歴史と、日本に伝わったおおよその時期を解説します。

カレーの由来・歴史

カレーはもともとインドで生まれました。語源については、南インドで話されるタミール語の「カリ=Kari」に由来するという説や、ヒンズー語で「香り高いもの」あるいは「おいしいもの」という意味で使われる「ターカリー=Turcarri」を英語にしてCurryになったという説など、さまざまです。

1600年にイギリスがインドに会社を設立したことをきっかけに、徐々に世界へ広がっていきました。そして、国や地域ごとにさまざまなカレーが誕生したのです。

日本にカレーが伝わったのはいつ頃?

日本にカレーが伝わったのは明治時代初期、文明開化の頃だとされています。西洋料理でありながらもごはんと一緒に食べられることから、日本でも瞬く間に人気に。明治末期にはカレーうどん、カレーそばなども登場しました。

さらに大正時代には玉ねぎ、にんじん、じゃがいもを使ったカレーが誕生し、一般家庭にも浸透。栄養も豊富で、調理がしやすいことが評価され国民食のひとつとなりました。

種類豊富なカレーを楽しもう

カレーは国・地域ごとに特色がある料理のひとつ。種類豊富なため、まだ食べたことがないカレーの種類も多いでしょう。現在はレトルトで販売されているものも増えてきています。この記事を参考に、気になったカレーを食べてみてくださいね。

※商品情報や販売状況は2023年04月18日時点でのものです。
現在の情報と異なる場合がございますが、ご了承ください。