高橋万太郎さんに聞く
木桶醤油の魅力

全国の数ある醤油蔵の中に、実は木桶のある蔵が点在しています。そんな蔵のつくり手は個性的な方が多く、醤油も決まって個性的。例えば豪快なつくり手の醤油は主張の強いタイプ。謙虚で控えめなつくり手の醤油は繊細で素材を活かすタイプ・・・など面白いですよね。また醤油業界は創業100年を超える蔵が多くありますが、時間を積み重ねた分だけ木桶に蔵オリジナルの微生物がすんでいます。ゆえに蔵独自の味わいが生まれているんです。今回は“4つの視点”で選んだ木桶仕込みの醤油をご紹介。味もつくり手も個性ある醤油との新しい出会いをお楽しみください。
Profile
「職人醤油」高橋万太郎
1980年群馬県生まれ。立命館大学卒業後、(株)キーエンスにて精密光学機器の営業に従事し2006年に退職。伝統産業や地域産業の魅力を追求していきたいとの思いから、180度転身して2007年に(株)伝統デザイン工房を設立する。現在は、蔵元仕込みの醤油を100mlの小瓶で販売する「職人醤油」を運営。今までに訪問した醤油蔵は400以上。
“若手”の蔵人が醸す蔵
後継者不足が懸念される醤油業界。その中で、木桶仕込みを大切にする若いつくり手たちが活躍しています。伝統の技と新しい感性が光る蔵をご紹介します。
“若手”の蔵人が醸す蔵①
奈良県奈良市「井上本店」

井上修平さんと遼さん兄弟が揃って家業に戻ったことをきっかけに、父の修さんが木桶を導入。両親の背中を見て育った2人が“本物の醤油づくりを次の世代へ”という想いを胸に造り上げた木桶仕込み醤油です。
木まじめ(100ml)540円
“若手”の蔵人が醸す蔵②
兵庫県多可郡多可町「足立醸造」

両親から経営を引き継いだ足立裕さん・学さん兄弟が社長と専務を務める「足立醸造」。全量を木桶仕込みにシフトをした先代の志を継承。さらに、有機原料の比率を増やすためにオーガニック専用の新蔵を構えるなど新しい挑戦を続けています。
木桶仕込み 国産有機醤油(100ml)648円
“素材”を引き立てる謙虚な醤油
スイカに塩をかけると甘く感じるように、醤油をかけることで素材を引き立てる醤油があります。淡い見た目と強めの塩味。その中に甘さ、香り、旨みを感じる白醤油や淡口醤油をご紹介します。
“素材”を引き立てる謙虚な醤油①
愛知県碧南市「日東醸造」

原材料は小麦と塩と焼酎のみ。白醤油の味と風味を追求し、大豆を使わずに仕上げた“しろたまり”。料理にほぼ色が付かない琥珀色が特徴で、卵料理のほかオイルや柑橘果汁と好相性です。
しろたまり(100ml)486円
“素材”を引き立てる謙虚な醤油②
香川県小豆島「正金醤油」

大豆と小麦を木桶で仕込んだ、煮物などの素材を生かす料理におすすめの淡口醤油。200本の木桶をきれいに保ち、諸味の細かな変化にも機敏に対応する。そんなつくり手の謙虚な姿勢が表われています。
天然醸造 うすくち生醤油(100ml)486円
“まるでソース”な濃厚醤油
熟成期間が長く、濃厚で旨みたっぷり。長いもので熟成3年以上、光沢感と漆黒の見た目が特徴で、再仕込醤油や溜醤油が代表的です。マグロなどの赤身の刺身のほか、ステーキ、揚げ物などソース感覚で楽しめます。
“まるでソース”な濃厚醤油①
三重県四日市市「伊勢藏」

三重県産大豆を使った木桶仕込み。溜醤油といえばひとクセある醤油が多い中、こちらはたっぷりコクがありながらもさらりとして色も艶やか。溜醤油が初めての方にも使いやすいバランスの取れた味わいです。
伊勢藏 丸大豆醤油(100ml)594円
“まるでソース”な濃厚醤油②
香川県小豆島「ヤマロク醤油」

約2年の熟成後、もう一度桶に戻して再び仕込みをしてさらに2年。超がつくほどの長期熟成。うまい醤油を造るために製法を工夫し、深いコクとまろやかさを追求した醤油はバニラアイスや刺身に。わさび醤油でお肉にも。
鶴醤(100ml)648円
ひと味違う“個性派”醤油
蔵の個性が際立つ木桶仕込み。木桶にすみつく微生物の生態系による独自の味わいを醸した醤油。その個性は、つくり手の性格にも似ています。
ひと味違う“個性派”醤油①
奈良県御所市「片上醤油」

つくり手の片上さんが手がけるのは、普通の発酵ではなく、理論的に説明できないような“発酵”をさせた淡口醤油。色と香りのバランスを保ちながら旨みを追求。普通の淡口醤油ではありません!お刺身に使ってみてください。
うすくち天然醸造醤油(100ml)540円
ひと味違う“個性派”醤油②
岐阜県岐阜市「山川醸造」

原材料に小麦を使わないグルテンフリーの醤油は、原材料の大豆と同じ量の水を使う“十水仕込”という製法で。塩水量は一般的な濃口醤油よりも少ないですが、濃厚な溜醤油よりは多いため、コクを活かしつつまろやかな味わいに。加熱しても旨みが落ちないのが特徴です。
長良(100ml)594円
木桶仕込みの醤油は
まだまだこちらも!
秋田県湯沢市「石孫本店」
宮城県塩竈市「太田與八郎商店」
福島県白河市「根田醤油」
埼玉県坂戸市「弓削多醤油」
群馬県みどり市「岡直三郎商店」
静岡県掛川市「栄醤油醸造」
愛知県武豊町「中定商店」
滋賀県彦根市「水谷醤油醸造場」
京都府京都市「澤井醤油」
和歌山県有田郡「カネイワ醤油本店」
広島県豊田郡大崎上島町「岡本醤油醸造場」
島根県奥出雲町「森田醤油店」
山口県防府市「桑田醤油」
福岡県糸島市「ミツル醤油醸造元」
福岡県飯塚市「金芳醤油醸造元」
岩木みさきさんが語る
木桶味噌の魅力

木桶味噌は、みそ探訪家岩木みさきさんからご紹介。岩木さんは2016年のイベント出演時に味噌の面白さに触れたことをきっかけに全国の味噌蔵を訪問。その時に木桶仕込みの味噌の希少さを知り、応援したいという想いから味噌探訪がスタート。自身が手がける“ガチみそシリーズ”の誕生につながったそう。そんな岩木さんがセレクトした14種類の木桶仕込みの味噌が登場!選び方のアドバイスとともに、おすすめの味噌をご紹介します。
Profile
実践料理研究家・みそ探訪家 岩木みさき
“生産と消費を紡ぐ”をテーマに、レシピ考案・撮影、取材執筆、企画構成、料理教室、ラジオやTV等のメディアにも出演。小豆島の桶プロには7回参加。
日本の伝統調味料 “みそ”に魅せられ日本各地のみそ蔵約80ヶ所140回以上訪問、手作りみそは130種類以上試作するなど、みその魅力を伝えたいと活動中。木桶仕込み味噌の輸出サポートも行う。代表著書『みその教科書』『1分美肌みそ汁』。
木桶味噌の
選び方、楽しみ方アドバイス

香りに個性があり、旨みが強く感じられる木桶仕込みの味噌。選ぶ時は例えば・・・
①普段使っている味噌に似ているタイプを選び、香りや味の違いを発見!
②熟成期間を表す色の濃淡を目安に初めてのタイプを選び、味噌の使い方を探求!
③味噌の種類別(米味噌、麦味噌、豆味噌)に食べ比べしてみる!
といった選び方はいかがでしょうか。
甘さのある味噌はそのまま使いやすく、辛さのある味噌は料理の味が決まりやすいなどそれぞれの味噌に特長があります。毎日作る味噌汁やお料理に活用してみてください。
今回販売する木桶仕込みの味噌は、米味噌(白・黄・赤)、麦味噌(淡色)、豆味噌(焦茶)、合わせ味噌(赤)が揃う14種類。いろいろ試せるように200~300gと小さめサイズでご用意しています。米・麦・豆の3種類からおすすめをピックアップしてご紹介します。
木桶仕込み唯一の“白味噌”
京都府亀岡市「片山商店」

木桶仕込みの米味噌の分類の中で、唯一の甘い白味噌がこちら。木桶の中心部分“とろみそ”だけを詰めた上品な甘さとなめらかなテクスチャーが特徴です。乳製品の代用や和え物のベースに。つくり手の片山さんの“人情味”あるお人柄を感じる白味噌です。
ガチみそ白(200g)1,080円
珍しい辛口の“麦味噌”
熊本県熊本市「貝島商店」

麦味噌のイメージを覆す辛口ですっきりとした味わいなので決め手になり、料理に特に使いやすいタイプの味噌です。オリーブオイルと相性が良いのでオイルパスタに加えたり、麦独特の風味がエスニック料理にも。おちゃめな店主 貝嶋さんの麦味噌作り講座もお楽しみに。
ガチみそ麦(200g)648円
カカオ風味の“豆味噌”
三重県四日市市「伊勢藏」

長期熟成が生み出すコク、旨みが強い豆味噌の中で、式井さんが造るのはカカオ風味の豆味噌。お肉のソースやデザートに使ったり、シェフたちからのラブコールが続出!主役にも引き立て役にもなれる木桶仕込みならではの香りと味わいを持つ個性派のお味噌です。
豆麹味噌(200g)702円
木桶仕込みの味噌は
まだまだこちらも!
秋田県湯沢市「石孫本店」
東京都練馬区「糀屋三郎右衛門」
新潟県上越市「丸久味噌」
長野県埴科郡坂城町「新田醸造」
岐阜県岐阜市「芋慶」
愛知県武豊町「中定商店」
京都府京都市「加藤商店」
兵庫県多可郡多可町「足立醸造」
岡山県真庭市「河野酢味噌」
徳島県鳴門市「井上味噌醤油」
大分県玖珠郡九重町「麻生醤油醸造場」