サーフィンをきっかけに現地とのつながりが生まれ、ついには移住したという市吉秀一さんと、仕事で訪れるうちにその魅力に気付き、高知本まで発刊した編集者 藤本和剛さん。まさに筋金入りの高知好きのふたりが、それぞれの視点から、その魅力を語ってくれました。
好きが高じて移住を実現
「the groceries shop Loka」市吉秀一
PROFILE 市吉秀一
株式会社ローカルズ代表。大阪府豊中市出身。広告代理店勤務を経て、関西の出版社に入社。雑誌『Meets Regional』に携わり、食の特集記事を担当するうちに農業への関心が高まり、自ら畑仕事をするように。その流れで高知の生産者と知りあい、彼らの作る農産物を県外に紹介したいと2013年に高知へ移住し起業。「KOCHI GOOD FOODS」の屋号で高知の食材を県外の飲食店に卸すほか、ジュースなど加工品の製造販売も行う。高知県観光特使。
「KOCHI GOOD FOODS」はこちら 詳しくはこちら
すべてはサーフィンからはじまった
2013年に大阪から高知へ移住しました。もともと趣味のサーフィンで、大阪から車で5時間かけて通っていたのですが、そこで地元農家の生産者と知りあう機会がありました。それから、その生産者の農作物を大阪や東京のお店に紹介したり、大阪で定期的に高知に関するイベントを開催するように。その頃は1年を大阪と高知半々くらいで過ごすようになっていました。それなら、もう移住しようって(笑)。気が付けば、今年でちょうど10年が経ちました。
人、自然。都会にはなかったモノ
じっくりと腰を据えて暮らしてみて、とにかく高知は“人と人との距離が近い”と思います。だから他者をきちんと思いやるし、一人ひとりが仕事も遊びもしっかりやって、人生を楽しんでいるという方が多いです。実際、私も自宅から徒歩15分くらいで海や山に行けるし、ハイキングなどアクティビティも楽しめる。ここには、大阪になかった場所が広がっています。豊かな自然があって、都会とは違う、ゆったりとした時間が流れています。
高知で見えてきた、私たちの未来
いまは私もこどもがいて、その未来も考えるようになりました。食べ物もそうだし、豊かに生きていける環境を未来に伝え、残していきたい。そのために生産者のみなさんに寄り添い、“100年先にも続く農業と地域”を目指して、行政とも連携しながら活動しています。周りとは、高知は「1週遅れの最先端」と言っています。経済だけを優先する社会ではなく、豊かな自然や独特の文化があり、人のつながりもある。このコミュニティーは、これからの未来に向けたひとつのロールモデル。可能性に満ちた場所が高知だと、私はそう思っています。
市吉さん&藤本さんトークイベント 詳しくはこちら
会場で待ってます!
高知の食と雑貨のショップ
「the groceries shop Loka」
“自然とのつながりを大事にできる場所”をコンセプトに、高知県産の商品をセレクト。インディペンデントで高知ローカルな生産者の食が並びます。繊細で爽やかな香りが楽しめるすじあおのりや、旨みいっぱいのしょうが粉、牧野富太郎博士ゆかりの植物をテーマにしたお茶など、見て楽しく、食べて楽しい、生産者の思いが詰まった商品をご紹介します。
「シーベジタブル」そのまま干したすじあおのり(7g)500円
「刈谷農園」しょうが粉(15g)650円
「tretre」Makino original blend tea(ティーバッグ、1パック(1.25g))330円
「刈谷農園」刈谷さん&「tretre」竹内さんの
トークイベント・セミナー
詳しくはこちら
ほかにもいろいろな商品をご用意
「自家製スモーク工房CaCooo」スモークナッツ
「上樫森」ボカナッツ
「Thumbs Up Works」Sawachina(クラフトコーラ)
「LASCO」コンフィチュール
「田野屋銀象」Ginzo Salt
「G&F」直七スパークリング(ジュース)
「ビミック」極旨 濃厚焼肉タレ
「みかん家にしごみ」温州みかんジュース
「イタドリカツオ」山の辣油
市吉さんからのお知らせ
私も制作に携わった、友人であり映画監督の杉岡太樹さんのドキュメンタリー映画「 SURFARMER」が6月11日(日)からYahoo!動画で公開!ぜひご覧ください。
出版するほど高知好き
編集者・藤本和剛さん
PROFILE 藤本和剛
1980年大阪生まれ。大阪大学卒業後に「京阪神エルマガジン社」に入社。月刊誌『Meets Regional』の副編集長として、特集企画・ファッションページ・広告制作に携わり、現在はメディア編集室にて雑誌・書籍・Web全般の制作を担当。各種トークイベントや講座・ワークショップへの出演、雑誌・Web媒体への寄稿も多数。大阪の建築や古典芸能といったクラシックなテーマから最新のファッションまで、温故知新をモットーに編集・執筆活動を行っている。
飛び込めば受け入れてくれる場所
私が高知の魅力に出会ったのは、2010年の頃。仕事で訪れたのですが、とにかく現地の人たちのおもてなしがありがたくて。いわゆる“おきゃく文化”の洗礼を受けました。いろんな方がやさしく接してくださり、飛び込めば懐に入れてくれる。そんな人の気風や食文化の豊かさ、そして自然のスケールの大きさに驚き、かつ魅了されました。それから3年後の2013年には『Meets Regional』で高知を特集。当時は震災後でローカルに意識が向いていた時期。遠い昔から次世代を切り拓く人物が出てくるこの土地に、何かしら未来へのヒントを探しに行くような気持ちだったのかもしれません。
時間を経ても変わらぬ魅力がここに
もう10年以上、現地に通っていますが、SNSの浸透もあり、都会風でオシャレになった部分もあります。しかし、今もなお雄大な自然が変わらずそこにあります。山と森、川と海が一体となった自然の魅力があふれています。朝は喫茶文化に触れ、昼は大自然に遊ばせてもらい、夜は郷土料理や地酒に舌鼓を打ち、満腹で星空を眺める。これだけでもう最高!と言えます。とはいえ、まだまだ未知のカルチャーや場所があります。今、個人的には、高知の“お茶のカルチャー”に注目しています。
秘訣は思い切って飛び込む!こと
高知を楽しむうえでみなさんにお伝えしたいのは、旅先で出会う地元の方と積極的にコミュニケーションを取りながら、“能動的に楽しむ”“飛び込んで体験する”のが大切ということ。最初は本を片手に巡って&食べて、2回目からは、例えば農家さんに連絡を取って訪ねてみる。そして繋がった縁がまた広がっていくのが大きな魅力です。高知のポテンシャルは私自身、身をもって体験してきました。私には第2の故郷であり、みなさんにとってもそういう存在になる可能性は十分にあると思います。
高知へのアツい思いを、この1冊に
最後に、今回の本は“人・食・自然”が魅力という軸足はキープしつつ、「関西からはるばる訪問したくなる個性や魅力がある」という視点でまとめました。記事の99%は、地元の方の話を実際に聞き、足を運んで取材した新ネタ。高知初心者の方のことを考えた、類書のないガイドブックです。あふれる思いを詰め込み過ぎたかもしれませんが(笑)。食祭テラスでは私も可能な日は店頭に立って高知の魅力をお伝えします。ぜひこの本を片手に高知に思いを馳せてください!
6月16日(金)発売!誌面で紹介している
モノも会場で販売予定です。
LMAGA MOOK『高知』(京阪神エルマガジン社刊)定価1,200円
藤本さんからのお知らせ
LMAGA MOOK『高知』出版記念トーク