当時から世界中のワイン生産者から1万銘柄も出品が集まるような大会で、審査員団が300人以上かかわっていましたが、日本のワイン業界関係者の審査員は一人もおらず、私たちにとって遠く雲の上のような大会でした。
ニュース&イベント2024/8/20 更新
阪急うめだ本店で毎年開催している春のお酒のイメベントはご存知でしょうか。春に開催する「旅するSAKE」はIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)でチャンピオン・サケに輝いた日本酒とともに、受賞した酒蔵がある都道府県の地酒をクローズアップしてご紹介するイベントです。
今回は「旅するSAKE」のキーワードとなっている「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)」についてご紹介します。世界的最大規模のワイン品評会「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)」になぜSAKE部門が存在するのか?を探るべく、SAKE部門創立に携わった平出淑恵さんにお話をお伺いしました。
インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)アンバサダー。日本酒造青年協議会による『酒サムライ』コーディネーター。

JALのCAだった私は1992年にソムリエの資格取得をきっかけに、ワインに夢中になり、海外ではワインばかりを買っていました。そんな日々を過ごす中で、ワインと同じ醸造酒である日本酒の可能性に気が付きました。ほぼ国内でしか飲まれていない日本酒を世界のSAKEにすることで、海外から全国に広がる酒処を訪問する人たちを増やしていくことができるのではないか、と考えるようになりました。
その考えは既にワインの世界が実現していました。世界中のワイン産地を訪問して楽しむワインツーリズムを経験した人たちがいるのだから、日本酒愛飲家を増やしていけば、間違いなく海外からの酒蔵のある地方を訪問する人を増やせるはずだ。そしてそれは、少子高齢化で縮んでいく日本の発展に役立つはずだと。
ワインは元々私たちの国にはないものでしたが、現在では私たちの生活に根付いています。これにはワイン産業の世界的な啓蒙活動があったはずです。それを日本酒でできれば良いのではないか?と考えるようになりました。
ワインの啓蒙活動として、彼らは大きく3つの活動をしています。教育活動、世界に通用する体系的なプログラムによるプロ専門家の育成。その専門家によるコンペティションで品質の良い銘柄を世界に発信すること。そして、その業界と消費者へのプロモーション活動です。JALの客室乗務員という立場だったので、会社に社外活動と報告をした上で、「SAKEから観光立国」の活動を個人的に始めました。
2000年にJALのグループ企業がロンドンに本校のある世界最大のワイン教育機関WSET(Wine&Sprits Education Trust)と連携をして日本でワインスクールを開講することになり、海外のワイン事情や関係者を知っていた私が社命で立ち上げスタッフとなりました。「世界70ヵ国以上に発展するこのワイン教育機関で日本酒の教育もしてくれたら、現地のワイン関係者の中に日本酒の専門家を育てることができる」という思いから、2003年、WSETのロンドン本校で有志の酒蔵のよる日本酒のレクチャーを企画、実施しました。
その日本酒講座の参加者の中に、その年最も良い成績でマスターオブワインという当時年に数人しか合格者がでないような世界最高機関のワインの資格を取得し、マークス&スペンサーのワインバイヤーをしていたサム・ハロップ氏がいました。彼は帰り際に私に名刺を渡して、「状態の良い日本酒を初めて飲んだ。日本酒には可能性を感じる」と言ってくれました。
その後、ロンドン便が入るたびに、彼に連絡をして持参した日本酒をレストランに持ち込んでは彼に日本酒の話をしました。2004年に彼が来日した際には、蔵の見学もしてもらいました。その翌年、2005年に彼は最年少で世界最大ワインコンペティションIWCの6人いる審査最高責任者の一人に就任。
そして連絡が来ました。「トシ。世界に日本酒をもっと発信しよう。IWCにSAKE部門をつくろう!手伝ってくれないか?」と。
17年後の現在でも日本酒は全生産量の7%しか輸出されていません。当時の彼の申し出が、日本酒の国際化に、どんなに大きなものだったのか。彼のメールを読んで私は鳥肌が立ちました。まだまだ世界に知られていない、日本酒が、ワインの檜舞台から毎年世界の発信されることになる。それも世界基準で選ばれたというお墨付きで。
若手の蔵元の全国組織「日本酒造青年協議会」(以降、日青協)がパートナーとなる形で、IWCのSAKE部門を支える事となり、2007年に、世界最大のワイン・コンペティションIWCにSAKE部門が創設されました。世界のワインキャピタルと言われるロンドンからワインと同じ舞台に日本酒が立ち、この大会によって毎年品質を保証された銘柄を世界に発信できるようになりました。
当時から世界中のワイン生産者から1万銘柄も出品が集まるような大会で、審査員団が300人以上かかわっていましたが、日本のワイン業界関係者の審査員は一人もおらず、私たちにとって遠く雲の上のような大会でした。
そのため日本酒の蔵元がこの大会を知るはずもなく、日青協の幹事蔵元が会議で出品数を心配して「日本酒を世界に発表する機会を得たのに、出品数が100に満たなかったらIWCに対しても面目ない。出品が少なかったら幹事が多く出品しよう」と話していたのを思い出します。日青協の幹事が汗をかいて集めた初年度のエントリーは228銘柄でした。
驚いたのはIWCの方で、IWCにとっても私たちと同じように、ほとんど日本国内で消費されている日本酒業界は遠い存在だったという事が、彼らの反応から感じることが出来ました。
2007年にIWCにSAKE部門が創設されてから今年で16年目を迎えます。
この間、SAKE審査会の日本での開催が3回ありました。第1回は2012年、前年の東北の震災で東北の酒がロンドンに送れなくなってしまったことに対応して、IWC主催で東京で開催され、世界各国から審査員が集りました。
その後、2016年には、日本酒の生産量日本一(全国の3分の1)を生産する兵庫県が、県が開発し酒米の王様と言われる山田錦の生誕80周年を記念し、SAKE審査会を誘致しました。2018年には2016年に県名でGI(地理的表示)を取得した山形県がIWCのSAKE部門審査会を誘致。この時には、初年度228銘柄だった出品酒は1600銘柄を超えるまでになっていました。この山形県でのIWC SAKE部門審査会では、審査員の見学会が山形県の魅力を伝え、海外から集まった審査員たちに大好評でした。
こうした自治体の国際大会誘致は、日本酒のような日本オリジナルのものを世界に広めていく方法として、海外のまだまだ小さな日本酒マーケットのキーマンでもある各国の審査員へのアピールにもなり、また地元にとっても酒処の意識が高まる効果を感じました。
日本酒にはその文化や歴史、地域性など、広く世界に通用する価値があります。
日本人自身が感じていないだけで、その価値は‟世界のSAKE"になることで、地方を救うほどの可能性があると信じています。この気持ちが私をいつも励ましてくれます。
「日本人が生まれながらに持っている宝『日本酒』が今のままでは、もったいない」と、ずっと思っています。日本酒を世界に広め、世界的な価値を高めたいという思いと、今までに日本酒に縁のなかった日本人に「美味しい日本酒に出会ってもらいたい。その価値を知ってもらいたい」という思いが大きくなっています。
日本酒の可能性を感じ、IWC SAKE部門設立に尽力をされた平出さん。お話をお伺いしていく中でもっと日本酒について知りたい!と興味が湧きました。日本で生活をしている私たちは、たくさんの日本酒に出会える機会が日常にあります。この日常を楽しみたいと思いました。日本酒が大好きな方もまだよく知らないという方も新たな日本酒の扉を開いてみてください。この記事がそのきっかけになれば幸いです。
IWC受賞酒とともに全国の地酒をご紹介する旅するSAKEページも公開中です。
詳しくはこちら> ぜひご覧ください。
※商品情報や販売状況は2024年08月20日時点でのものです。
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