和菓子店には色とりどりの和菓子が並んでいますが、一体どのくらいの種類があるのでしょうか。この記事では、製法の違いによる和菓子の分類方法やその特徴などを徹底解説!おすすめの和菓子もご紹介しますので、ご自宅用からギフトまで和菓子を選ぶ際の参考にしてくださいね。

和菓子にはどのくらいの種類があるの?

木目調の板にのせた彩りが美しい和菓子

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和菓子は日本の文化や四季とともに受け継がれてきた伝統的なお菓子です。その歴史は古く、縄文時代に木の実で作られた団子が起源と言われています。和菓子の特徴は、米や麦、豆など、おもに植物性の材料で作られていること。そのためバターや卵、牛乳など動物性の材料が多く使われる洋菓子とは風味が異なります。

また種類が非常に多いことも和菓子の特徴です。これは、長い歴史のなか全国各地でさまざまな食材を取り入れながら、製造や加工の方法を向上させたため。

例えば饅頭ひとつでも製法によって「焼き饅頭」や「蒸し饅頭」などがあります。皮の種類では「そば饅頭」や「葛饅頭」など、餡では「小倉餡」「うぐいす餡」「栗餡」などがあり、それら多数を組み合わせると数に限りがありません。

見た目や味わいの新しい和菓子が登場する一方で、古くからある団子のように素朴なものも途絶えることなく、現在も多くの人に好まれています。そのため、和菓子の種類は膨大なのです。

水分量によって3つに分けられる

和菓子にはさまざまな分類方法がありますが、一般的には水分量によって3種類に大別されています。水分量が30%以上のものは「生菓子」、10〜30%は「半生菓子」、10%以下は「干菓子」。それぞれがどのような種類の和菓子か、具体例を挙げてご説明します。

生菓子

黒いお皿にのせた豆大福2個

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水分が30%以上ある「生菓子」は餅や餡を使ったものが多く、日持ちする期間は当日中または2~3日です。これは、餅や団子のでんぷん質が時間とともに硬くなるため。さらに水分が多いほど傷みやすいためです。

「どら焼き」や「栗饅頭」など加熱して作った和菓子も、水分量が30%以上のものは「生菓子」に分類されます。

生菓子の種類

餅物

もち米や餅粉を使って作る「柏餅」「草餅」「大福」「おはぎ」「桜餅(関西風)」などが該当します。一般的には「餅」という字が入るものは餅物であると考えてよいでしょう。関西風桜餅は道明寺粉を使用した、つぶつぶ食感の桜餅です。

蒸し物

「蒸し饅頭」「蒸し羊羹」「蒸しカステラ」「ういろう」など、文字どおりせいろで蒸して作られる和菓子です。鹿児島県をはじめとする九州銘菓「かるかん(軽羹)」も蒸して作られています。

焼き物

「どら焼き」「きんつば」「カステラ」など、平なべやオーブンで焼いて作られる和菓子です。関西風桜餅が餅物であるのに対し、関東風の桜餅は薄く焼いた生地にあんを包むため焼き物として扱われています。

流し物

寒天やゼラチン、でんぷんなどの性質を活かし、材料を型に流し込んで固めて作る「羊羹」や「水羊羹」「錦玉羹(きんぎょくかん)」などが流し物と呼ばれます。水分量により半生菓子に分類されるものもあります。

練り物

餅粉などにあんや砂糖など、ほかの材料を混ぜて練り込んだ和菓子のことです。「練り切り」「こなし」「求肥(ぎゅうひ)」などが該当し、小麦粉を混ぜ込む「こなし」では蒸す工程が加わります。

揚げ物

文字どおり油で揚げて作る和菓子で「あんドーナツ」や「揚げ月餅(げっぺい)」などが該当します。本来蒸し物である饅頭を油で揚げた「揚げ饅頭」も、揚げ物に分類されています。

半生菓子

懐紙の上にのせた最中2個と傍らに湯飲み茶碗に入った緑茶

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「半生菓子」は水分量が10~30%の和菓子です。例えばひと口大に丸めたこし餡に砂糖がけした「石衣(いしごろも)」、餡を皮で挟んだ「最中(もなか)」など。「生菓子」より日持ちするので前もって手配しやすく、贈答品向きの和菓子です。

ただし同じ種類の「半生菓子」でも、水分量が10%の商品と30%の商品では日持ちする期間が違います。購入の際は賞味期限を確認するのがおすすめです。

半生菓子の種類

あん物

砂糖などを加え、生菓子よりも保存性を高めた和菓子で、代表的なものが「石衣」。関西地方では関西で松露(しょうろ)と呼ばれるこの和菓子は、上品な味わいが特徴の和菓子です。また「ぜんざい」も半生菓子のあん物に分類されます

おか物

特定の生地などを、加熱せずそのまま使用して作られる和菓子のことです。「最中」や求肥とあんを使った「鹿の子(かのこ)」、煎った大豆や青豆を粉末にして砂糖や水飴を加えて練り上げた「州浜(すはま)」などがおか物に分類されます。

焼き物

生菓子の焼き物同様、平なべやオーブンを使い焼いて仕上げる和菓子です。「茶通(ちゃつう)」「草紙(そうし)」「桃山」「黄味雲平(きみうんぺい)」などが半生菓子の焼き物に分類されています。

流し物

半生菓子の流し物には生菓子と同様羊羹や錦玉羹があります。もちろん流し物としての製法も同じです。羊羹や錦玉羹のうち、水分量が少ないものがこの分類に該当します。

練り物(小見出し)

練り物のうち練り切りは生菓子に分類されますが、求肥は水分量によっては半生菓子となります。ほかにも桃太郎でおなじみの「きびだんご」が半生菓子の練り物に該当します。

干菓子

お皿にのせたひなあられと、まわりにちりばめられた金平糖

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「干菓子」は水分量が10%以下で、もっとも水分が少なく日持ちする和菓子です。穀物の粉と砂糖、水あめなどを混ぜ型にはめて乾燥させた「落雁」、米や粟を水あめで固めた「おこし」や「金平糖」などがあります。

また「あられ」や「おかき」といった塩味のある米菓子も「干菓子」の一種。甘いものが多い「生菓子」や「上生菓子」とは異なる特徴があります。

干菓子の種類

うち物

和菓子の原料となる粉に砂糖を加え、型に入れて固めたものがうち物。「落雁(らくがん)」や「懐中汁粉(かいちゅうしるこ)」などが、うち物の和菓子に該当します。

押し物

粉に砂糖やあん、羊羹などを加え押し固めた和菓子は「押し物」に分類されます。米粉と砂糖のベースに赤しそを加えた「しおがま」や、小豆を加えた「むらさめ」などは押し物に該当する和菓子です。

掛け物

「おこし」など、原材料となるものにシロップをかけたり、シロップ漬けにしたりして作る和菓子のことです。おこしをはじめ「芋けんぴ」や「砂糖漬け」などが掛け物に当たります。

焼き物

干菓子としての焼き物には「落とし焼き」「ボーロ」「小麦せんべい」「米菓」などがあります。米菓には、家庭のおやつとしても親しみのあるせんべいやあられ、かきもち(おかき)などが含まれています。

あめ物

砂糖を煮詰めて固めた和菓子があめ物です。ポルトガルから伝わり飴細工にも利用されている「有平糖(あるへいとう、ありへいとう)」や、新潟みやげの定番「翁飴(おきなあめ)」などがこの種類に分類されます。

和菓子の分類のむずかしさ

ガラスのお皿にのせた水ようかん2切れ

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前述では、さまざまな和菓子を水分量の違いで3種類に大別しました。しかし同じ「羊羹」や「求肥」でも、水分が多くやわらかめのものは「生菓子」に、水分を減らし硬めに仕上げたものは「半生菓子」に分類されるため、和菓子の種類ではなく個々の商品によって異なるのが現状です。

また小分類を見ると「焼き物」「練り物」のように製法による分類もあれば、「餡物」といった材料による分類もあり、分類法が混在しています。材料の配合や製法が多岐にわたるため単純に分類することはむずかしく、これは和菓子の奥深さを表す一面でもあるのです。

朝生菓子と上生菓子

お皿に花をかたどった練り切りが4つのせてある

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おもてなしや手土産に生菓子を用意するとき気になるのが、日持ちする期間ではないでしょうか。その際に知っておくと役立つ分類に「朝生菓子(あさなまがし)」と「上生菓子(じょうなまがし)」があります。

「朝生菓子」は、桜餅、大福、団子など、賞味期限が当日中の生菓子のこと。生菓子はでんぷん質の材料を使うものが多く、ほとんどが「朝生菓子」です。時間が経つと硬くなるため、毎朝作ることから「朝生菓子」と呼ばれています。

一方の「上生菓子」は2~3日は日持ちする生菓子。白餡につなぎの食材を練り込み季節の風物をかたどった「練り切り」が代表的です。彩りや形が美しく、おもてなしや茶道によく使われています。

また「生菓子」のなかには「栗饅頭」のように、できたてよりも作った翌日のほうがおいしいくなるものも。これは、時間が経つことで種と餡がなじんでくるためです。

ギフトやおもてなしに!おすすめ和菓子8選

1.「黒船」カステラ1本入り

1,512円

しっとりとした食感とやさしい甘さが特徴の黒船カステラ。厳選した材料を使用し作られたカステラは、シンプルながらも素材の旨みを感じられます。ご自宅用に、ギフトにとさまざまなシーンで重宝する一品です。

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2.「風雅」風雅巻き詰め合せ

1,728円

のりと豆にこだわった「風雅巻き」の、いろいろな味が楽しめる詰め合わせです。上質なのりと厳選した豆の味わいは相性抜群。賞味期限は製造日より10ヶ月と長いので、ギフトとして安心できる一品です。

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3.「小布施堂」栗かのこどら焼き5個入

1,750円

長野県小布施町の老舗栗菓子店「小布施堂」の人気商品です。食べやすい小さめのサイズでありながらも、栗の粒入りで食べごたえは抜群。日持ちは製造日から15日なので、手土産にもおすすめです。

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4.「たねや」ふくみ天平・たねや最中詰合せ

2,052円

「たねや」の最中は皮とあんが別包装。食べたいときに作りたてを味わえます。こちらの商品は求肥入りのあんをはさむ「ふくみ天平」と、最中の皮にも小豆皮の粉末を混ぜ込んだ「たねや最中」の詰め合わせ。それぞれのおいしさを食べ比べてみてくださいね。

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5.「京都祇園 あのん」京はんなり

2,430円

「京はんなり」は老舗茶園の抹茶をふんだんに使用したお饅頭。皮にもあんにもたっぷりと抹茶が混ぜ込まれています。上質な抹茶の風味としっとりとした食感は、コーヒーや紅茶とも好相性です。

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6.「とらや」最中9個

2,482円

和菓子の老舗「とらや」定番の最中です。桜、梅、菊をかたどった皮に、白あん、小倉あん、こしあんを詰めました。手土産やギフトのほか、お祝いの贈り物としてもぴったりの一品です。

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7.「桂新堂」海老づくし

2,592円

一味違った和菓子を食べたいなら、国産のえびをふんだんに使用したせんべいはいかがでしょうか。一尾ずつていねいに手焼きしたえびせんべいは、えびそのもののを味わっているよう。高級感があり、贈答用としてもおすすめの品です。

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8.「アンドオコシ」&OKOSHI アソートギフト24個入

3,300円

今までにない「おこし」のスタイルを確立した「アンドオコシ」の詰め合わせギフトです。多彩なフレーバーと、スティック状の食べやすいおこしは幅広い世代に親しまれるでしょう。おこしが和菓子であることを忘れてしまいそうな一品です。

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多種多様な和菓子の種類

和菓子は日本の長い歴史とともに、季節の農作物や風習、新しい文化や製造法を取り入れることで種類が膨大に増えました。一般的には水分量によって「生菓子」「半生菓子」「干菓子」に大別されますが、同じ和菓子でも商品によって水分量が異なるため、実際は単純に分類できません。

3つの分類法を参考に、ギフトやお土産、自分用にぴったりな和菓子を選んでみてくださいね。

※商品情報や販売状況は2022年04月03日時点でのものです。
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