「とりあえずビール!」と言われるほど、ビールは日本人にとって親しみのある存在。ゴクゴクと飲んでしまいがちですが、アルコール度数はどれくらいなのでしょうか。この記事では、ビールのアルコール度数について詳しく解説。あわせて最近話題の「発泡酒」や「クラフトビール」の意味についても紹介します。

ビールのアルコール度数はどのくらい? 

傾斜したグラスにビールが注がれている

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日本の酒税法では、ビールのアルコール度数は1%以上20%未満と定められています。しかし、実際によく飲まれている国産ビールのアルコール度数は平均5%程度。海外にはアルコール度数が高いものもありますが、日本では比較的度数が低くすっきりとした後味のビールが好まれているようです。

最近では、見た目と味わいがビールによく似た「発泡酒」や「新ジャンル」と呼ばれるお酒もありますが、これらのアルコール度数もビールとそれほど変わりません。

ほかのお酒と比べてアルコール度数は高い? 

では、5%というのは高いのでしょうか、低いのでしょうか。ビール以外のお酒の一般的なアルコール度数と比べてみましょう。

・シャンパン:11%程度

・ワイン:15%程度

・日本酒:15%程度

・焼酎:2025%程度

・ウイスキー:40%程度

・ウォッカ:40%程度

・テキーラ:40%程度

このようにほかのお酒と比較すると、ビールのアルコール度数は低めであることがわかります。

「度」と「%」に違いはある?

アルコール度数とは、温度15度のときにそのお酒に含まれるエチルアルコールの割合を示す数値です。例えば、アルコール度数「5%」と表記されたビールであれば、100ミリリットル中に5ミリリットルのアルコールが含まれるということ。

お酒のアルコール度数を示すときは、「度」もしくは「%」と表記されます。これは表現が異なるだけで、どちらも同じ意味。一般的に、焼酎や日本酒には「度」が使われ、ビールやワインには「%」が使われることが多くなっています。つまり、アルコール度数15度の日本酒も15%のワインも、お酒の強さとしては同じなのです。

そもそもビールとは ?

木製のテーブルに、小麦と麻袋に入ったホップが並べられている

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ビールとは、麦芽、ホップ、水に酵母を加えて発酵させた、発泡性のアルコール飲料。世界でもっとも消費されているお酒です。海外ではアルコール度数が高いビールも多くありますが、日本ではアルコール度数が低めで後味がスッキリとした飲みやすいビールが主流。

ビールの起源

起源については諸説あるものの、ビールは紀元前4000年以上前に誕生したとされています。紀元前3000年ごろのメソポタミアではすでにビールが飲まれており、シュメール人が残した粘土板には当時の製法が楔形文字で描かれているのです。

また、紀元前2000年ごろにはエジプトのピラミッド内部の壁画にも、ビールづくりの様子が残されています。当時のビールはアルコール度数が10%と高く、栄養が豊富で、疲労回復にも効果があったそうです。

ビアスタイル(ビールの種類)

ビアスタイル(ビールの種類)は全世界で100種類以上存在し、発酵方法で大きく3つに分類されます。下面発酵でつくられるのが「ラガー」、上面発酵でつくられるのが「エール」。そして、これら2つ以外の方法でつくられる「その他」です。日本でもっとも親しまれているのがラガーで、すっきりとした爽快なのどごしが特徴。

ビールの定義

ひと口にビールと言ってもさまざま。ではどのようなものが「ビール」と名乗れるのでしょうか。ビールの定義は国ごとに異なり、日本では酒税法によって次のように定められています。

・麦芽使用比率が50%以上であるもの

・副原料には、麦、米、果実、コリアンダーなど法律で定められたものが使われているもの

・副原料の使用率が麦芽重量の5%未満であるもの

この基準を満たしていないものは「ビール」と表記することができません。

最近よく聞く「発泡酒」や「クラフトビール」とは?

木製のテーブルにグラスに注がれたビールが3種類並んでいる

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「ビール」と「発泡酒」の違いは? 

最近は「発泡酒」という言葉もよく耳にしますよね。見た目はビールとそっくりですが、違いはどこにあるのでしょうか。ビールと発泡酒の違いは、「麦芽使用比率」「副原料の内容」「副原料の使用量」にあります。ビールの定義は上述したとおりで、ここでは発泡酒の定義をご紹介。

・麦芽使用比率が50%未満のもの

・麦芽使用比率は50%以上であるが、ビールの製造に認められない原料を使用しているもの

・麦芽使用比率は50%以上であるが、副原料の使用量が麦芽重量の5%以上のもの

つまり、発泡酒の場合は、使用する副原料やその量をビールよりも自由に調整できるということ。また発泡酒のアルコール度数は、ビールと同程度で45%が主流です。

「クラフトビール」とは? 

そして最近は「クラフトビール」も人気ですが、実は日本では明確な定義はありません。英語の「クラフト(craft)」が「技術」「工芸」「職人技」などを意味することから、日本では一般的に「小規模醸造家がつくる、大量生産品にはない個性のあるビール」と捉えられています。

クラフトビールは少量でも醸造できることから、材料や副原料、醸造方法などにこだわってつくられたものが多いのが特徴です。ひとくちにクラフトビールと言ってもスタイルはさまざま。もっとも人気のあるピルスナーという種類はアルコール度数が35%ですが、バーレーワインと呼ばれる種類は714%とほかのビールに比べて高めです。

いつものビール以外も飲んでみませんか?

ほかのお酒と比較するとアルコール度数が低く、比較的飲みやすいのがビール。大手メーカーのものからクラフトビールまで、さまざまなビールが販売されています。普段はラベルに書かれているアルコール度数を確認することは少ないかもしれませんが、ビール好きの方は、アルコール度数が異なるビールを試してみるのも楽しいかもしれません。

※商品情報や販売状況は2022年04月08日時点でのものです。
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