この記事では、アイシングの意味やアイシングを使うお菓子の種類・簡単にできるアイシンクッキーの作り方をご紹介します。そのほか、アイシングの着色方法からよくある失敗の原因まで、わかりやすく解説するので、チェックしてみてくださいね。

アイシングとはどのようなもの?

パステルカラーのアイシングが塗られたクッキーが置かれたテーブル

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アイシングとは、粉糖や卵白・水・牛乳などを練ってペースト状にしたものです。クッキーやケーキなどの焼き菓子に塗ったり、文字や模様を描いたりして使います。

なぜアイシングというの?

王室用のお菓子として誕生した経緯から

アイシングの正式名称は「ロイヤルアイシング」といいます。14~18世紀頃、イギリス王室用のお菓子としてケーキをデコレーションしたことから「王室=ロイヤル」と名付けられました。

当時は砂糖の精製技術が発達していなかったため、砂糖は非常に希少価値が高く、高価な代物でした。砂糖を多く使うアイシングは、豊かさを表すシンボルとされていたのです。

見た目が氷に似ているから

また、アイシングのつややかな見た目が氷に似ていることから「アイシング」と呼ばれるようになったともいわれています。

なお、日本やイギリスでアイシングと呼ばれているペーストは、アメリカで「フロスティング」と呼ばれることも。こちらは「フロスト=霜」が由来といわれています。フロスティングは、アイシングにバターやチーズなどを混ぜて、やわらかなクリーム状にするものもあります。

クッキーだけじゃない!アイシングを楽しめるスイーツの種類

アイシングを使うスイーツの代表といえば、クッキーを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?ほかにも、ドーナツやマフィン・カップケーキなどのデコレーションに活用できます。

パウンドケーキやクグロフ、ガトーショコラなどにかける、ナチュラルなアイシングもおしゃれでおすすめ。基本的に焼き菓子であればアイシングを楽しめるので、ぜひ試してみてくださいね。

アイシングの味や見た目は?

カラフルなアイシングが塗られたカップケーキ型のクッキー

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アイシングは砂糖に水分を加えて作るため、甘みが強く非常にまろやかな味わいです。

細かい模様や植物、顔・キャラクターなどのイラストを描くことから、お菓子の見た目はカラフルで華やかになりやすいのが特徴。ドーナツやケーキにかけるだけでも、上品で美しい見た目になります。

【基本】アイシングの作り方

ピンクの皿にのったクリスマスモチーフのアイシングクッキー

アイシングとはどのようなものなのか、味や見た目はわかりましたが一体どのように作れば良いのでしょうか?ここからは、アイシングの基本的な作り方を紹介します。ひとつずつの手順や必要な材料などをまとめているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

アイシングの材料は?

アイシングの基本的な材料は、粉糖・卵白・水の3つです。水は牛乳で代用することも可能。卵白はなしでも作れます。

風味を付けるために、お好みでレモン汁やバニラエッセンスを入れるのも良いでしょう。材料はそれぞれ少しずつ混ぜ合わせていくのがポイント。食紅(食用色素)を入れると、カラフルな色を付けることができます。

アイシングの作り方

白い皿にのったクリスマスモチーフのアイシングクッキー

アイシングの作り方は簡単で、ボウルや深さのある容器に粉糖を入れて、卵白・水を少量ずつ加えて泡立て器などで混ぜるだけ。

材料を混ぜるときに生地が固かったり、乾燥してしまったりした場合は、水を1滴ずつ加えましょう。反対に生地がゆるい場合は、粉糖を加えて調節します。

スプーンですくって落としたときに、ゆっくり落ちるくらいの固さまで混ぜたら完成です。

コルネに入れてクッキーなどをアレンジ!

アイシング用のコルネ

アイシングをするとき必要な小さな絞り器のことを「コルネ」といいます。コルネは市販もされていますが、自宅で簡単に作ることもできますよ。

まずはクッキングシートやオーブンペーパー、OPPシートなどを用意。シートを対角線上に斜めにカットして三角形を作り、くるんと円錐状になるよう巻き付けます。重なった部分はホッチキスなどで固定。袋の中にアイシングを詰めて、先端をお好みの細さにカットすれば準備OKです。

あとはクッキーや焼き菓子に好きなようにデコレーションしましょう。コルネの作り方、デコレーション方法は下記記事で詳しくチェックできますよ。

初心者さんにおすすめ!クリスマスアイシングクッキーの作り方&アイデア集

アイシングのコツ・ポイント

覚えやすいアイシングの割合

アイシングに使用する粉砂糖と水の割合は、3:1を目安にしましょう。また、塗り方やデザインによってアイシングの硬さを調整するため、水を加える際は少しずつ足すのがポイントです。

アイシングの固さはデザインによって調整

線を描くときの固さは、アイシングのツノが折れ曲がるぐらいが目安。スプーンですくって落とすとゆっくり流れ落ちる状態にしましょう。

面を塗る際の固さは、線を描くときよりもややゆるめに。スプーンですくって落とすととろりと垂れる程度を目安にしてくださいね。

面を塗るときは縁取りしたあとにスプーンで塗る

面を上手に塗るときは、最初に外側を縁取りをしてから、中側をスプーンで塗るのがおすすめ。ある程度枠を決めておくことでスムーズに塗ることができます。

シュガーペンを活用するのもおすすめ

「コルネを作るのがむずかしい」「なるべく手間を省きたい」という方は、すでにアイシングが中に入っている「シュガーペン」を活用するのがおすすめです。

便利なペン型になっているものが多く、先端をはさみでカットするだけで使いはじめられます。すでに着色されているものも多いため、色を付ける手間も省けますよ。

基本の材料が足りない場合のレシピ

白いテーブルに並べた卵と輪切りレモン

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アイシングを作ろうと思ったら材料が足りなかった......というときは、代用品を活用しましょう。少量だけアイシングを使いたいときにも覚えておくと重宝しますよ。

卵白なしのアイシングレシピ

卵白がない場合は、粉糖と水だけで作ることができます。粉糖と水の割合は3:1が目安。ボウルに材料を入れたら、つやが出るまで丁寧に混ぜてから使用しましょう。

レモンなしのアイシングレシピ

レモン果汁は卵白入りのアイシングを作る際に使用することがあります。卵白の凝固速度を早めて生地の黄ばみを防ぐために使用されるので、レモン果汁がなくてもアイシングを作ることは可能です。

風味付けとしてレモン果汁を使う場合は、いちご果汁で代用できますよ。淡いピンク色になり、ほんのりいちご味がプラスされます。

なお、レモン果汁の代わりに水やいちご果汁を使っても、アイシングが早く固まったり、黄ばみを防いだりする効果はありません。濃度の調整や風味付けとして代用すると良いでしょう。

その他アイシングに関する疑問

ピンクやグリーンなど袋に入ったパステルカラーのアイシングがたくさん置かれている

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アイシングの基本的な使い方は分かったものの、気になることもいくつかありますよね。ここでは、アイシングに関する疑問を解決します♪

アイシングカラーって何?どうやって使うの?

アイシングカラーは、食品用の着色料です。ジェル状のため液だれしにくいのが特徴。つまようじで取り、アイシングに混ぜて使います。スカイブルーやレモンイエローなどさまざまなカラーがあり、量によって濃淡を付けられます。

アイシングカラーがない!別のもので代用できる?

アイシングカラーを使わずにアイシングを作りたいときは、以下のアイテムで代用可能です。

・ココア・抹茶・紅茶・コーヒーなどの粉末
・果物のジャム
・果物・果物パウダー
・野菜パウダー
・野菜ペースト(にんじんや芋など)
・果汁100%のストレートジュース
・かき氷のシロップ

作ったアイシングはいつまでもつの?

砂糖と水で作るアイシングは、冷蔵庫で4~5日保存できます。卵白入りのアイシングは傷みやすいため、翌日までに使い切りましょう。

どちらも、におい移りや乾燥を防ぐため、密閉容器に入れて表面をぴったりとラップで覆ってください。なお、冷蔵保存したアイシングは固くなっているので、水を1滴ずつ加え、よく混ぜてから使用しましょう。

アイシングクッキーの失敗の原因は?

アイシングクッキーが失敗してしまう一番の理由は、アイシングの濃度。水分量の多い、ゆるめのアイシングを重ねてしまうと、乾いてから表面に穴が開いたり、色がにじんだりすることがあります。

また、乾燥時間にも注意が必要です。フードドライヤーに長時間かけてしまうとアイシングにひびが入ってしまうことも。こまめに様子をみながら乾燥時間を加減しましょう。逆に乾燥不足だと、アイシングを重ねたときに色が混じってしまうため注意が必要です。

アイシングはとても繊細。濃度や乾燥時間に気を付けて丁寧に作業してくださいね。

アイシングクッキーはどれくらいで乾く?

クッキーに塗ったアイシングが乾く時間は、天候やデザインにもよりますが半日~1日程度かかる場合があります。クッキーから手作りする際は、完成までに2~3日かかることも。プレゼントする場合は、余裕をもって作業するとよいでしょう。

なお、アイシングクッキーを早く乾燥させるためにはフードドライヤーが便利です。たとえば、ベースを塗ってから線を描きたいときに、短時間で次の工程に進めることができますよ。最大半日程度の時間短縮につながるので、ぜひ活用してみてくださいね。

アイシングを使うスイーツレシピ5選

1. ひな祭りアイシングクッキー

ひな祭りアイシングクッキーが

鞠やぼんぼり、梅の花などかわいらしいモチーフが盛りだくさんのひな祭りアイシングクッキー。丸型と花型が基本なので作りやすいデザインです。

表情をかわいい雰囲気にするには、やや眉を下がり気味に描くのがポイントです。お雛様は口を小さ目にしてまつ毛を描くとバランスが取れます。

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2. シナモンロールパイ

器に置かれたシナモンロールパイ

シナモンの濃厚な甘さとスパイシーさを効かせるロールパイのレシピ。香ばしく焼き上げたパイは、サクサクと軽い口当たりで繰り返し食べたくなる味わいです。

お店のようなおしゃれな見た目が魅力。アイシングを作るときは、水の量を少しずつ加えるのがコツです。全体になじませつつ、固さをチェックしてから使いましょう。

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3. はちみつレモンマフィン

器に置かれたはちみつレモンマフィン

国産レモンを皮ごと贅沢に使用するひと品。すっきりとした酸味と、ほのかな苦味が口の中に広がります。ふわっとしたマフィン生地は、ボリュームがあり食べ応え抜群です。

生地の甘みがレモンの酸味と絶妙なバランス感。アイシングはレモン果汁を入れるのがポイントです。ほんのり香るレモンがより風味を引き立てます。

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4. 抹茶マフィン

カットボードに置かれた抹茶マフィン

抹茶を使った控えめな甘さが上品な和スイーツ。ふんわりとしたマフィン生地のやわらかさに思わずうっとりしてしまいます。最後にかける抹茶風味のアイシングがアクセントに。

アイシングは粉砂糖と抹茶を先に混ぜてから、少量ずつ水を加えるのがコツです。生地に練り込む抹茶とアイシングの抹茶で、違ったテイストを楽しめるのもうれしいところ。

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5. ウィークエンドシトロン

お皿にカットされたウィークエンドシトロンが置かれている

「ウィークエンドシトロン」とはフレンス生まれのレモン風味ケーキです。表面をアイシングでコーティングすることで、層が生まれ上品な見た目に。アイシングとスポンジ生地の食感の違いを楽しめるのが魅力です。

アイシングは、ホイッパーに絡みゆっくり流れ落ちるくらいの固さにします。トッピングのピスタチオが見た目、風味のアクセントとして活きますよ。

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スイーツを彩るアイシングをマスターしよう♪

スイーツを鮮やかに彩るアイシング。クッキーをはじめ、ケーキやマフィンなどの焼き菓子のデコレーションに活躍します。少ない材料で作れるので、スイーツをおめかししたいときにおすすめです。この記事で紹介したコツ・ポイントを意識して、トライしてみてください。

※商品情報や販売状況は2022年10月19日時点でのものです。
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