第20回阪急蔵元まつりの特集企画は「日本酒を未来へつなぐ蔵人たち」。
その中には女性杜氏・蔵人として熱き想いで日本酒と向き合う蔵元も。
今回は、山口県の女性杜氏を訪ねに、周南市にある「はつもみぢ」に行ってきました。
はつもみじの魅力をさらに感じていただけますように...!

山口県「はつもみぢ」について

1819年に創業、200年以上の歴史を誇る酒蔵です。
酒蔵は瀬戸内海が見える徳山駅から徒歩10分、山口県周南市に位置します。
四季醸造*を行い、常に新しいフレッシュなお酒を提供している「はつもみぢ」。
山口県産の山田錦、西都の雫を原料米とし、中国山脈鹿野地域の伏流水を使用。地元ならではの良質なものにこだわって日本酒造りを行っています。
「移りゆく自然を日本の酒で届ける」という思いのもと、定番銘柄「原田」や季節のお酒「て、咲く」などを醸造しています。
*四季醸造とは、一年を通して日本酒を醸造すること。

女性杜氏誕生の経緯

現在杜氏を務める阿部さんは2年の副杜氏期間を経た頃に杜氏の打診を受けました。当時は責任の重大さから悩んでいたと話す阿部さん。
しかし、2022年の3月に行われた山口県新酒鑑評会で目指していた最優秀賞を逃したことをきっかけに「副杜氏としての逃げがどこかにあったのではないか?」という思いを感じ、そのあまりの悔しさにその日に杜氏になることを決意。
2022年4月から山口県内4人目の女性杜氏として酒造りに邁進しています。

杜氏としての責任

日々仕込んでいるお酒の分析を行いながら安定した日本酒造りに努めている阿部さん。毎日状態を見ながら加水のタイミングや量、温度調整等の判断を行っています。

今日やるべきか、明日やるべきかの微妙な差で味わいが左右されるため、その決断には悩みがつきもの。なかなか踏み出せない時もあり、優柔不断になることも少なくはないそうですが、基準をみながら思い切って判断することもあるそうです。良いお酒を造るためには長年の経験からなる判断力が必要になると感じました。

杜氏としての思い

女性目線だからこそできる酒造りを目指していると話す阿部さん。

今は四季醸造ならではの醸造の難しさ、季節ごとに変わる温度や小さなタンクで仕込むことにより生まれる味のブレをなくす努力を重ねて、年間を通して安定した日本酒造りを目指しながら、新しい商品造りへのチャレンジも行っています。
そして、日本酒を多くの方に愉しんでいただくためのきっかけになっていく酒造りを続けたい、と日々努力を重ねています。

あとがき

熱い思いを持って日本酒造りに取り組む阿部さんの姿がとても印象的でした。
季節によって変わる酒造りの難しさや、日々の判断の大変さは到底想像することはできませんが、その結果良いお酒が生まれているのだと知ると、より一層おいしさが増してきました。

今後のチャレンジにも注目です!
蔵元の熱い思いを受け止めて「はつもみぢ」のお酒を楽しんでいただければと思います。

※商品情報や販売状況は2022年12月22日時点でのものです。
現在の情報と異なる場合がございますが、ご了承ください。