少し前に買ったチョコレートを開けてみたら、表面が白くなっていた!これはカビでしょうか?白くなった原因や正体がわからないと、食べられるのか不安になってしまいますよね。この記事ではチョコレートの表面が白くなる原因や、食べられる状態なのか見分ける方法を解説します。

チョコレートが白くなる理由は?食べてもいいの?

白くなった板チョコ

iStock.com/IgorKovalchuk

チョコレートの表面が全体的に白くなっていたり、白い斑点(はんてん)が浮き出ていたりする状態を、ブルーム現象(ファットブルーム)といいます。カビとは違って食べても問題はありませんが、劣化の一種のため、味や香りは落ちてしまっています。ブルーム現象を防ぐ方法はあるのでしょうか。

チョコレートのブルーム現象はなぜ起こる?

チョコレートのブルーム現象は温度変化によって起こります。チョコレートの主原料のココアバター(カカオバター)は28℃に達すると溶け始めます。さらに温度が上がると分離して、白い結晶となって表面に浮き出します。そして再び温度が下がって固まる時に粉をふいたような状態になるのです。

ブルーム現象で白くなったチョコレートは食べることはできますが、見た目が悪いだけでなく、味も香りも落ちてぼそぼそとした食感になってしまうため、できるだけ避けたいところです。

ブルーム現象とカビを見分ける方法

白いブルーム現象のチョコレート

iStock.com/Trygve Finkelsen

ブルーム現象以外に、カビでもチョコレートが白くなる場合があります。ブルーム現象とカビには次のような違いがありますので、見分ける時の参考にしてくださいね。

ブルーム現象

・凹凸のない白い斑点
・全体的に均一に細かく広がっている
・触るとザラザラしている場合がある
・異臭はない

カビ

・ふわふわとした白い綿状
・一箇所に集中している
・触るとネバネバしている場合がある
・カビ臭い

チョコレートのブルーム現象を直す方法

ブルーム現象で白くなってしまったチョコレートは、テンパリングすることで元の状態に復活させることができます。

テンパリングとは、ココアバターの状態を安定した結晶にするために、チョコレートの温度調節をする作業です。テンパリングをすることで、なめらかでツヤのある状態になりますよ。

チョコレートの種類によって設定温度は変わりますが、一般的なミルクチョコレートの場合は次の方法でテンパリングをします。

<ミルクチョコレートのテンパリング方法>

1. 刻んだチョコレートをボウルに入れて湯煎にかけ、50〜55℃に温める
2. 湯煎から外し、冷水や氷水をあてて27~29℃に下げる
3. 再び湯煎にかけて31~32℃になるまで温める

チョコレートのブルーム現象は防げる?対策は?

チョコレートのブルーム現象は、保存方法に気をつけることで防げます。ポイントを3つご紹介します。

対策1.温度が高い場所で保存しない

ブルーム現象を防ぐ一番のポイントは''チョコレートを溶かさない''こと。チョコレートは高温に弱いため、22℃以下での保存が基本です。車の中に放置したり、火の近くに置いたりするのは厳禁ですよ。

対策2.急激な温度変化を与えない

高温の場所で溶けたあとに、急に冷やすとブルーム現象が起きることがあります。溶けてしまったチョコレートは、すぐに冷蔵庫に入れないようにしてください。気温が高くなる季節にはチョコレートの買い置きは控えたほうが安心ですね。

対策3.冷蔵庫で保管する場合はしっかりと密閉する

結露もチョコレートの変質や劣化の原因になります。開封後のチョコレートを冷蔵庫で保存するときは、アルミホイルなどで包んでから保存袋に入れてしっかりと密閉してください。

チョコレートの賞味期限と適切な保存方法

チョコレートは劣化の原因となる水分が少ないお菓子のため、一般的な商品の賞味期限は半年から一年程度と長めです。保存は常温が基本ですが、室温が22℃を超える場合は野菜室での保存がおすすめですよ。野菜室は冷蔵庫よりも温度が高めで湿度は低く、チョコレートの保存に適しています。結露とにおい移りを防ぐために、しっかりと密閉して保存してください。

ガナッシュの入ったチョコレートや生チョコレート、トリュフチョコレートなどは生クリームなどの水分を多く含んでいるため、賞味期限は短め。2週間〜1ヶ月程度のものが多いです。このようなタイプのチョコレートは冷蔵庫での保存が基本です。

どんな種類のチョコレートも開封後は賞味期限に関わらず、なるべく早めに食べ切りましょう。

ブルーム現象で風味が落ちたチョコレートのアレンジ方法5選

ブルーム現象で白くなってしまったチョコレートに、ひと手間加えておいしく食べる方法もあります。

簡単にできておいしいアレンジ方法を5つご紹介します。気になるものがあったらぜひ試してみてくださいね。

1. ホットチョコレート

白いカップに入ったホットチョコレート

iStock.com/Norasit Kaewsai

温めた牛乳に刻んだチョコレートを加えて混ぜるだけ。トッピングとしてシナモンパウダーを振ってもおいしいですよ。

2. 焼きチョコ

チョコレートを焼くだけで、さくっとした食感がクセになるおやつが作れます。アルミホイルにチョコレートをのせて、表面がふつふつとするまでトースターで焼いてから粗熱をとってくださいね。余熱でも火が入るため、焼き過ぎには注意です。

3. チョコレートソース

チョコレートソースをつけているいちご

Liudmila Chernetska

チョコレートを刻み、牛乳と一緒にレンジで加熱するだけで、チョコレートソースの完成です。パンケーキにかけたり、バナナやいちごなどのフルーツにつけたりと、使い道はさまざまです。

4. チョコトースト

食パンに細かく刻んだチョコレートをのせて焼くだけ。お好みで、マシュマロやスライスしたバナナを一緒にのせて焼くのもおすすめです。

5. 簡単チョコパイ

冷凍パイシートとチョコレートがあれば、簡単にチョコパイが作れますよ。食べやすい大きさに割ったチョコレートを冷凍パイシートで包み、オーブンでこんがりと焼くだけで完成です。

チョコレートを上手に保存しておいしく食べよう!

チョコレートの表面が白くなるブルーム現象は、体に害はないことが分かりました。食べられるとわかってひと安心ですが、風味が落ちてしまうので、できれば避けたいですよね。

正しい保存方法でブルーム現象を防いでチョコレートをおいしく食べましょう。


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