パティスリーで必ずといっていいほど見かける「タルト」。手作りスイーツとしても人気の高いお菓子のひとつですが、実は大きさや生地の種類によって、名前が違うことをご存じでしょうか?そこでこの記事では、タルトの種類に加え、おすすめのレシピなどもお伝えしていきます。

そもそもタルトとは

木目調のテーブルにおかれたいちごのミニタルトといちご

iStock.com/FabrikaCr

タルトとは、小麦粉やバターで作った生地の器に、クリームやフルーツなどを入れた洋菓子のこと。ラテン語で「丸い皿のお菓子」を意味する "Tourte(トゥールト)" が語源とされる、フランス発祥のスイーツです。

歴史を遡ると、Tourteは古代ローマ時代から食べられていたお菓子。スプーンやフォークが発展していなかった当時、ゲル状やペースト状の食べ物を食べやすくするために考案されたのが「食べられる丸い皿」でした。その後、ヨーロッパなどへ伝わり、現在のタルトとなったといわれています。

代表的なタルトの種類・名前一覧

コバルトブルーの背景におかれた丸皿の上のタルトタタンとシルバースプーンとりんご

iStock.com/SGAPhoto

ひと口にタルトといっても、フレッシュな果物があしらわれた鮮やかなタルトや、フルーツも一緒に焼き上げられた甘酸っぱいタルト、ナッツが入った香ばしいタルトなど、その種類は実にさまざま。そこでここからは代表的なタルトの種類・名前を紹介します!

クラフティー

クラフティーは、フランスの伝統的なデザート。タルト生地に "アパレイユ" と呼ばれる牛乳・卵・砂糖・薄力粉などで作った液体とチェリーを入れて焼き上げるスイーツです。

地域によってはタルト生地を使わず、アパレイユのみを焼き上げる場合もあり、ぷるんとしたプリンのような食感とチェリーの甘酸っぱさが楽しめます。

タルトフリュイ

タルトフリュイは、タルト生地にカスタードクリームなどを入れ、鮮やかなフルーツをあしらったフルーツタルト。フレッシュな果物の食感と瑞々しさ、甘酸っぱさが楽しめるスイーツです。

果物には、艶やかさの演出と乾燥防止のために "ナパージュ" とよばれる透明なジュレが上掛けされています。日本でタルトといえば、こちらを思い浮かべる人が多いはず。

タルトタタン

キャラメリゼしたりんごを型にぎっしりと敷き詰め、その上にタルト生地をかぶせて焼き上げたスイーツ。食べる際には、りんごが上になるようにひっくり返します。

一説では失敗から生まれたデザートといわれていますが、りんごから溢れる絶妙な甘味と酸味、タルト生地のほのかな甘さがたまらない焼き菓子です。

タルトフロマージュ

フランス語で「チーズ」を意味する、フロマージュをたっぷりと使ったタルト。サクサクとした生地の食感とチーズケーキのような濃厚なコク・味わいが楽しめるスイーツです。

レシピによっては、ベリーやピスタチオなどをトッピングしたものもあるので、手作りの場合は好みに合わせてさまざまなアレンジが楽しめます。

エッグタルト

誰しも一度は耳にしたことのあるエッグタルトは、タルト生地にカスタードクリームを入れて焼き上げたスイーツ

主に中国や台湾などのアジア諸国で食べられていますが、もとはポルトガルやイギリスで食べられいたお菓子をアレンジしたものといわれています。ポルトガルのレシピを受け継ぐものはパイ生地でつくることが多いのだとか。

エンガディナー

エンガディナーとは、スイスのエンガディン地方でなじみの深い伝統的なお菓子です。ヌガーを絡めたクルミやナッツなどを、ビスケット生地に包んで焼き上げます。

表面は葉っぱや渦巻き模様などが描かれて、切り込みが入っているのが特徴。キャラメルの香ばしさと歯ごたえが人気のタルトケーキです。

バルケット

バルケットとは、小舟のような楕円形の形をしているタルトケーキの種類です。従来のタルトよりも小さな型で作られていながらも、焼き上がりが崩れにくいのが特徴。これはタルト生地に粘り気があることが理由です。

水分を多く含んだフルーツを使って焼くときに、最適なタルトケーキといえます。

タルトノルマンド

タルトノルマンドは、フランス・ノルマンディー地方の郷土菓子。特産品であるりんごをたくさん使うのが特徴です。

りんごで作られたお酒「カルヴァドス」で味付けされているため、フルーティーでまろやかな風味を楽しめます。砂糖を使わずにタルト生地を作ると、りんご本来のジューシーさが感じられますよ。

【まとめ】代表的なタルトの種類一覧

タルトの種類の表

タルトの種類の表

大きさによるタルトの種類分け

白いテーブルの上の白い丸皿に乗ったホイップクリームとミントがトッピングされた小さなレモンタルト

iStock.com/GreenArtPhotography

パティスリーなどに並んでいるタルトには、手の平サイズのものから、みんなで分ける大きなものまで、さまざまな大きさのものがあります。すべて「タルト」という括りではありますが、大きさによって名前が少し異なるので、ぜひこちらもチェックしてみてください。

タルト

タルト(Tarte)とは、直径おおよそ20cmほどの、複数人で食べる大きいもの

20cmのケーキサイズは7号前後となり、目安人数は810名用となりますが、お店によってサイズが異なることもあります。そのため、お祝いやパーティーなどで食べる場合には、購入前に目安人数を確認しておくとよいでしょう。

タルトレット

タルトレット(Tartelette)とは、ひとり用の小さなサイズのもの直径はおおよそ7〜8cmで、手の平におさまるサイズです。

タルトと同じく、鮮やかなフルーツがのったものやガナッシュが入ったもの、濃厚なチーズが入ったものなど、さまざまな種類があります。ひとりでゆっくりと楽しみたいときには、タルトレットを探してみてはいかがでしょうか?

タルトレットフール

タルトレット・フール(Tartelette four)とは、タルトレットよりも小さな、ひと口サイズのもの

パーティーなどで食べられることが多いスイーツで、小さくカットされたフルーツやフロマージュがトッピングされたものなどがあります。製菓コーナーなどに置いている小さめのタルトカップは、こちらにあてはまるものが多いです。

【まとめ】大きさによるタルトの種類

タルトの種類の表

タルト生地の種類

木目調の台に乗った生のタルト生地と卵や小麦粉などの原料

iStock.com/margouillatphotos

タルト生地には、さまざまな種類があることをご存じでしたか?実は、材料の配合などによって生地の種類が異なり、それぞれ違った特徴やメリットがあります。ぜひ以下を参考にしつつ、好みの生地を見つけてみてくださいね。

パートシュクレ

フランス語で「生地」を意味する "pâte(パート)" と「甘い」「砂糖入りの」を意味する "sucrée(シュクレ)"。2つを並べることで、その名の通り "甘い生地" という意味になります。

砂糖・バター・卵・小麦粉などを使用することで、サクサクとした食感に。砂糖を多めに使うため、しっかりとした甘さが感じられるのもパートシュクレの特徴です。

パートブリゼ・パータフォンセ

フランス語で「もろい」を意味する "brisée(ブリゼ)" からくるパートブリゼと、「底に敷く」を意味する "foncer(フォンセ)"からくるパータフォンセ。パートブリゼやパータフォンセは甘さが控えめのため、キッシュなどにも使われます。

バターや砂糖の使用量がほかの生地よりも少ないため、パートシュクレに比べてカリッとした食感が楽しめるのが特徴です。

パートサブレ

フランス語で「砂の」を意味する "sablée(サブレ)"。その名の通り、口に入れるとサクッと、また、砂のようにほろっと崩れるような食感が特徴の生地です。

ほかの生地に比べて脂肪分が多いため、バターの風味を感じられるのが特徴。また、包丁が入りやすい固さであるという点も、パートサブレの特徴のひとつです。

【まとめ】タルト生地の種類一覧

タルトの種類の表

基本のタルト生地のレシピ

いちごタルトにフォークが刺さっている様子のクローズアップ

基本のタルト生地なら「パートシュクレ」がおすすめ。アーモンドプードルと粉砂糖を使用することで、生地のサクサク感をさらに演出することができます。やさしい甘さの生地なので、フルーツタルトやタルトタタン、タルトフロマージュなど、どのようなタルトにも合う、汎用性の高いタルト生地レシピです。

詳しく見る

種類別に紹介!手作りタルトのレシピ5選

1. いちごのタルト

白い背景に置かれたいちごがたくさん乗った円形のタルト

鮮やかな赤色が美しい "いちごのタルト" はパーティーやお祝いにぴったり!芳醇なバターの風味と濃厚なカスタードクリームの甘味、いちごのフレッシュな甘酸っぱさは、子どもから大人まで、多くの人に喜ばれること間違いなしです。カスタードクリームはレンジで簡単に作れるので、初めての方でも挑戦しやすいレシピです。

詳しく見る

2. ベイクドチーズタルト

白い丸皿に乗った1ピースのチーズケーキがフォークで切られている様子

タルト生地のやわらかなバターと濃厚なチーズの風味が絶妙にマッチした "ベイクドチーズタルト"。奥深い味わいは、まさに「お店の味」です!生地だけでなくフィリングの部分も焼き上げるタルトのため、持ち運びしやすく、ギフトにもぴったり。チーズケーキが好きな方は、ぜひ一度トライしてみてください。

詳しく見る

3. チョコレートタルト

クローズアップされた粉糖がかかったチョコタルトに包丁の刃が入っている様子

チョコレートをたっぷりと使った "チョコレートタルト" は、濃厚な味わいと香りが特徴のタルト。むずかしい工程はないため、初心者にも作りやすいレシピです。生地だけでなくアパレイユも焼き上げるため、型崩れしにくいことからギフトにもおすすめ。バレンタインギフトにもぴったりのタルトです。

詳しく見る

4. 洋梨タルト

白い背景に置かれた洋梨とミントがトッピングされた円形のタルト

美しく並んだ洋梨が見栄えする "洋梨のタルト"。秋ごろに旬を迎える洋梨を使った贅沢なタルトは、おもてなしやお祝いにぴったりです。タルトをさらに美しく仕上げるコツは、焼いたあとに粗熱を取って、アプリコットジャムを薄く塗ること。ツヤをプラスすることで、より食欲をそそるひと品となります。洋梨がない場合にはりんごなどでも代用可!

詳しく見る

5. 抹茶のチーズタルト

白い丸皿に乗った1ピースの抹茶を使ったタルト

"抹茶のチーズタルト" はタルト生地にホットケーキミックスを使う簡単レシピ!芳ばしい抹茶の香りと濃厚なクリームチーズの風味がたまらないひと品です。よりおいしく仕上げるコツは、ケーキが完全に冷めてから抹茶クリームをトッピングすること。簡単なのに見栄えするので、急な来客や初めてお菓子作りに挑戦する方におすすめです。

詳しく見る

阪急でお取り寄せ!人気のタルトケーキ3選

1.「パティスリー モンシェール」タルト・ローズポワール

白いテーブルにのったパティスリー モンシェールの「タルト・ローズポワール」
4,968円

まるで花束のようなデザイン性の高いバラがおしゃれな、タルトケーキ。洋梨をバラの花びらに見立ててアレンジしているため、写真映えすること間違いなしのひと品です。甘酸っぱいフランボワーズソースと、ヨーグルトクリームの濃厚なコクがマッチします。サクサクとした食感、さっぱりとした味わいが魅力的です。

詳しく見る

2.「アンリ・シャルパンティエ」和栗のモンブラン・タルト

黒い皿にのったアンリ・シャルパンティエの「和栗のモンブラン・タルト」
5,508円

ゴロゴロと大粒の国産栗が贅沢なモンブランタルト。栗のやさしい甘味が絶品です。和栗クリームと生クリームが組み合わされていて、上品な味わいが感じられます。土台のタルト生地とスポンジ生地も歯ごたえがありボリューム満点。モンブランをお腹いっぱい楽しみたい方におすすめのタルトです。

詳しく見る

3.「フリュテリー果坊」果の実タルト

白い皿に乗ったフリュテリー果坊の「果の実タルト」
8,154円

キウイフルーツやオレンジ、いちご、ブルーベリーなど、瑞々しいフルーツを一度に食べられる人気のフルーツタルトです。フレッシュな甘さと酸味がバランスよく楽しめるひと品。国産果実にこだわる「フリュテリー果坊」の品なので、果実のおいしさが存分に味わえます。サクサクの生地と濃厚なカスタードも絶品!

詳しく見る

タルトは種類が豊富!

タルトは大きさや生地の種類によって、見た目や味わいがさまざまに変化します。ひと口に "タルト" といっても、実に多くの種類がありますので、パティスリーなどへ訪れた際には、ぜひその違いにも着目しながら味わってみてくださいね。

※商品情報や販売状況は2023年03月14日時点でのものです。
現在の情報と異なる場合がございますが、ご了承ください。