赤ワインに使われるブドウの種類は世界中に数多く存在し、ブドウの特徴がワインの個性を作り出しています。この記事では、主な赤ワイン用ブドウの種類と特徴を解説します。あわせておすすめの赤ワインも紹介するので、贈り物や自分へのご褒美などの参考にしてくださいね。

赤ワインの分類方法は?

赤ワインがグラスに注がれている

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赤ワインには、いくつかの分類方法があります。大きく分けると、以下の3つの方法に分けられます。

・ブドウ品種
・産地
・味わい

この3つの違いを知ることで、自分好みの赤ワインを選びやすくなりますよ。

この記事では、赤ワイン用ブドウの種類を中心に解説しつつ、産地や味わいごとの赤ワインの特徴についても紹介します。

白ワインとの違いは?

赤ワインと白ワインの一番の違いは、使用するブドウの違いです。

赤ワインは、黒ブドウという表皮が紫色のブドウを使いますが、白ワインは表皮が黄緑色をした白ブドウを使用します。醸造方法も一部違いますが、大きな違いはありません。

また、赤ワインは表皮や種などから由来しているタンニン(渋味成分)が多く、白ワインはタンニンが少ないことも特徴です。

白ワインのほうが飲みやすくて好きという方は、タンニンが苦手な場合が多いです。そのため赤ワインが苦手な方は、タンニンがマイルドなものを選ぶと飲みやすいかもしれません。

以下では赤ワインの分類について、それぞれ掘り下げてご紹介していきます。

赤ワインのブドウ品種の種類一覧

木にブドウがなっている

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カベルネ・ソーヴィニョン

カベルネ・ソーヴィニヨンの原産地は、フランス・ボルドー地方です。濃厚で、重厚な赤ワインができ、世界中で愛され栽培されているブドウ品種です。

赤ワインの特徴でもあるタンニンはしっかりあり、色合いも黒に近い濃い紫色をしていますよ。また、長期熟成できるワインを多く造れることも大きな特徴です。

メルロ

メルロは、単体でもブレンドでもポテンシャルを発揮できる、バランスのよいブドウ品種です。

味わいは、カベルネ・ソーヴィニヨンよりもタンニンがマイルドで、ふくよかな果実味を楽しめます。また、なめらかでシルキーな口当たりが特徴です。

色合いは、濃いめの紫ですがルビーのようなキラキラとした色調を楽しめます。

ピノ・ノワール

ピノ・ノワールは、フランス・ブルゴーニュ地方で4世紀頃には栽培されていたといわれています。ブレンドではなく単一で醸造されることが多いブドウ品種です。

赤系果実味や花のような華やかな香りと、やさしい酸味が特徴的な味わいですよ。

ピノ・ノワールから造られるワインは繊細な味わいなので、濃厚というよりはやさしく、さっぱりとした印象の口当たりを楽しめます。

シラー

シラーの原産地は、フランスのローヌ地方です。スパイシーでジューシーな果実味が特徴的で、濃厚な赤ワインができます。色合いは、紫がかった黒に近い濃い色調。

世界各国で生産されていますが、オーストラリアでは「シラーズ」という別名で呼ばれています。オーストラリアのシラーズは、フランス産よりさらにパワフルでどっしりとしているのが特徴です。

サンジョベーゼ

サンジョヴェーゼは、イタリアワインを代表するブドウ品種。価格も安くカジュアルなものから高級ワインまで、バラエティに富んだワインを楽しめます。

色合いは紫がかったガーネットのようなやや濃い目の色調。しかし、味わいは果実味豊かで、フローラルなニュアンスも楽しめる、飲みやすいワインが多く造られています。

ネッビオーロ

サンジョベーゼに並び、イタリアワインの重要品種とされるネッビオーロ。高級ワインのバローロ、バルバレスコに使用されることでも知られています。

特徴は、淡い色調の割にタンニンが豊富なこと。長期熟成により渋みはなめらかになり、ベリーやバラを思わせる香りも、なめし革や腐葉土などの複雑みを帯びていきます。艶のある味わいが魅力的な赤ワインです。

ガメイ

品種名を知らなくても、ボジョレー・ヌーボーに使用されているブドウといえば、日本人にはなじみがあるのではないでしょうか?

ワインは明るい紫色をしており、渋みも控えめ。チェリーやラズベリーのような香りや、程よい酸味のあるフルーティーな味わいを楽しめます。一方で、複雑な香りやなめらかなタンニンを感じる長期熟成タイプのワインも存在します。

テンプラニーリョ

スペインワインを象徴する品種、テンプラニーリョ。ほかの品種よりも早く成熟するため、スペイン語の「Temporano(早熟な)」から名付けられました。

生産者や作り方により、さまざまな表情を楽しめるのが魅力のひとつ。若いワインは、プラムやベリー系のフルーティーな味わいがあります。樽熟成させるとタバコやなめし革の香りが現れ、複雑で重厚なワインへと変わります。

マルベック

マルベックはフランス原産のブドウですが、現在はアルゼンチンで盛んに栽培されています。

色合いは濃く、味わいも凝縮感があります。ブラックベリーやプルーンのような濃厚な風味が印象的。酸味や渋みをしっかり感じる飲みごたえのあるワインに仕上がります。一方で、アルゼンチン産のマルベックは味わいが比較的やわらかく、華やかな香りと豊かな果実味が魅力です。

マスカット・ベーリーA

1927年、川上善兵衛氏により開発された日本固有のブドウ品種です。O.I.V.(国際ブドウ・ワイン機構)にも登録されており、国際的に認められた品種でもあります。

ベーリーAの特徴は、イチゴを思わせるフルーティーな風味です。渋みが控えめの軽やかなワインに仕上がることが多く、甘いキャンディのような香りと相まって、カジュアルに楽しめます。

【まとめ】赤ワイン用のブドウ品種と特徴

赤ワイン用ブドウ品種一覧

赤ワイン用ブドウ品種一覧

赤ワインの主要産地とその特徴

ぶどう畑が広がる

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フランス

3大ワイン生産国のひとつであるフランス。北から南までさまざまな場所でワインが生産され、地方によっても特徴の違うワインが造られています。

フランスでまず覚えてほしい産地は、「ボルドー地方」「ブルゴーニュ地方」ボルドー地方は、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロなどのブドウ品種が使用され、濃厚なワインが多い産地です。

ブルゴーニュ地方は、ピノ・ノワールを単体で使用し、繊細な赤ワインを造り上げる産地。

このように、フランスとひと言でいっても、産地ごとにタイプの違うワインが造られていますよ。

イタリア

イタリアは、全州でワイン造りに取り組んでいます。3大ワイン生産国のひとつでもあり、近年ではフランスの生産数を上回っています。

とくに有名な州は、ピエモンテ州トスカーナ州。どちらも北部の産地ですが、ワインの特徴は違います。ピエモンテ州は、バローロやバルバレスコなどのタンニンのしっかりした重厚な赤ワインを生産しており、トスカーナ州は、カジュアルなキャンティやカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロを使用して造られた濃厚なワインなど幅広く手掛けてます。

州によって栽培されるブドウ品種が異なり、土着品種も豊富なので、いろいろ試してみると面白い生産地ですよ。

スペイン

3大ワイン生産国の最後のひとつであるスペイン。スペインは、テンプラニーリョというブドウ品種が多く栽培されています。しかし、生産地によって別名が使われることがあり、ワインを購入する際は、ブドウ品種を見分けるのが少しむずかしいかもしれません。

テンプラニーリョの味わいは、果実味豊かでフルーティーなものが多く、渋味・果実味・酸味のバランスがとてもいいですよ。

アメリカ

アメリカは、古くからワインを造り続けているヨーロッパに対して、比較的歴史の新しいニューワールド(新世界)というカテゴリーに分けられています。

ワインのタイプは、濃厚で濃いめのワインから果実味豊かでフルーティーなものまでさまざま

また、生産量が少なく希少で、評価の高いワインであるカルトワインも有名。1本10万円前後と高級なワインですが、ワインラヴァーにファンが多いです。

そのほか

上記以外でワインの有名な生産地として、ドイツ、オーストラリア、チリ、アルゼンチン、南アフリカなどが挙げられます。これらは日本にも輸入されています。近年では、中国やブラジルなど、ワインを生産していなかった国も多く参入してきていますよ。

また、日本も多くのワインを生産しており、山梨、長野、北海道など、世界のワインコンクールで受賞歴のあるワインも増えてきています。

赤ワインの味わいの種類

ワイングラスが机にズラッと並ぶ

iStock.com/Giovanni_Magdalinos

フルボディ

フルボディとは、力強く濃厚で重厚な味わいのワイン。渋味やアルコール感も強く、飲みごたえのある味わいが特徴です。また、色合いも濃い紫から黒に近いものがありますよ。

ミディアムボディ

ミディアムボディは、フルボディとライトボディの中間程度の味わい。濃厚さ、渋味、アルコール感などもバランスがよく飲みやすいタイプのワインが多いです。

初心者さんは、ミディアムボディから飲み始めるのがおすすめ。色合いは中程度です。

ライトボディ

ライトボディは、あっさりフルーティーで、軽やかなタイプの味わいです。やや酸味が強く感じるものもあり、さっぱりとしているものが多いですよ。少し冷やして飲むと、よりおいしく味わえる赤ワインです。

色合いは、ライトで明るいルビーのような色調です。

プロが選ぶ、赤ワインの人気商品5選

1. 「シャトーマルス」穂坂 マスカット・ベーリーA樽熟成

シャトーマルス 穂坂 マスカット・ベーリーA樽熟成の外観
2,429円

ブドウの名産地である、山梨県穂坂町産のマスカット・ベーリーAを使用。ベーリーAのワインは、ライトでチャーミングな印象になりがちです。しかし、このワインは樽熟成により凝縮した果実味にやわらかな樽香を重ね、ボディ感のある味わいに仕上げています。華やかながら落ち着いた味わいは、家庭料理にもよく合いますよ。

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2. 「カステッロ・モンテリナルディ」キャンティ・クラシコ

カステッロ・モンテリナルディ キャンティ・クラシコの外観
3,080円

サンジョベーゼを90%使用した、イタリア・トスカーナ州のワインです。ラベルの亀のイラストには、ワイン造りに関してゆっくりと着実に成長したいワイナリーの想いが込められています。赤い果実に、スミレやバラを思わせるフローラルな香りが印象的。甘酸っぱくフルーティーな味わいを、きめ細やかなタンニンが包み込みます。

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3. 「ボデガス・ヴィニャ・マガーニャ」バロン・ド・マガーニャ

ボデガス・ヴィニャ・マガーニャ バロン・ド・マガーニャの外観
3,300円

フランス・ボルドーの名門「ペトリュス」に由来するブドウの樹からできたワインです。メルローやカベルネ・ソーヴィニヨンのほか、スペインを代表する品種であるテンプラニーリョも使用。黒い果実の香りや深いコク、繊細なタンニンを感じます。購入しやすい価格ながらしっかり飲みごたえがあり、ワイン好きをうならせる味わいです。

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4. 「バレイアワインズ」バレイア ピノノワール

バレイアワインズ バレイア ピノノワールの外観
5,500円

南アフリカ・ケープサウスコートで作られたピノ・ノワールを100%使用。ベリー系の果実や紅茶、バラのような香りを感じます。熟成感があるものの、口の中に広がる華やかな果実味がエレガントな印象を与えます。ポルトガル語の「Baleia(クジラ)」という名前にふさわしい、海の青色を思わせるラベルが爽やかですね。

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5. プピーユ

プピーユの外観
6,050円

ワインの名前を隠したコンテストにて、有名な「ペトリュス」と張り合ったことで有名な実力派のワインです。プラムやカシス、ブラックベリーの力強く濃密な香り。口当たりはなめらかで、液体に丸みを感じます。豊かな果実味としっかりとした酸味、きめ細やかなタンニンがバランスよく調和し、思わずため息をつきたくなる贅沢な味わいです。

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赤ワインの種類をたくさん飲み比べてみよう!

赤ワインは味わいやタイプの種類によって、さまざまな違いがあります。濃厚、あっさり、甘口、辛口など、ブドウ品種や生産地などから考えて、飲んでみたいと感じる赤ワインを選んでみてください。いろいろな赤ワインを試していくうちに、自分の好みが分かり、よりワインを味わうことが楽しくなりますよ。赤ワインの魅力を、存分に堪能してみてください。

※商品情報や販売状況は2024年09月15日時点でのものです。
現在の情報と異なる場合がございますが、ご了承ください。