クッキーの種類はバリエーションが豊富です。使う材料や製造方法によってたくさんの種類に分類され、地域独自のクッキーも存在します。この記事ではクッキーの概要と種類別の特徴、家で気軽に手作りできるクッキーの簡単レシピを紹介します。

そもそもクッキーとは?基本をチェックしよう

いろいろな種類のクッキー

iStock.com/Promo_Link

クッキーとは、小麦粉・砂糖・卵・油脂などの材料を混ぜ合わせて生地を作り、オーブンで焼いた小さい形のお菓子です。

フレーバーパウダーやチョコ・ナッツ類などの副材料を混ぜたものや、型抜きタイプ・カットしたタイプなど、クッキーは材料や製法によって食感や風味が変わり、いくつかの種類に分類されます。

クッキーの分類方法は主に3種類!

発祥国で分類する

国によってクッキーの名称には違いがあり、アメリカではクッキーやサブレはすべて「クッキー」と呼ばれ、ビスケットは軽くてフワフワしたパンを指す名称です。

イギリスではクッキーという言葉が存在せず、焼き菓子全般は「ビスケット」という名称で親しまれています。

原材料で分類する

日本では、クッキーを原材料別に分類するケースも。全国ビスケット協会によると、糖分と脂肪分の合計が40%以上で手作り風のものがクッキー、40%未満のものがビスケットと定義されています。一方、クッキーやビスケットより油脂を多く使っているものがサブレの特徴です。

このほか、チョコレートクッキーやココナッツクッキー、抹茶クッキーなど、味わいの決め手となる原料名で分類する方法もあります。

製造方法で分類する

クッキーを製造方法で分類する方法もあります。生地を型抜きして作るのが「型抜きクッキー」です。ひとまとめにした生地を棒状にしたものをカットして焼き上げたものは「アイスボックスクッキー」、袋に入れて絞り出して焼いたものは「絞り出しクッキー」と呼ばれていますよ。

このように、クッキーの種類にはさまざまな分類方法が存在しますが、以降では製造方法別にクッキーの種類を紹介します。

【型抜き】人気・有名なクッキーの種類/名前

1. アイシングクッキー

カラフルなアイシングクッキー

iStock.com/TorriPhoto

アイシングクッキーはいろいろなアレンジができて、そのかわいらしい見た目から季節のイベントやプレゼントにおすすめです。きれいに作るにはアイシングの固さがポイント。アイシングの材料となる卵白と粉糖をなめらかになるまで混ぜ、しっかりかき混ぜることで崩れにくく乾きやすいアイシングができます。

2. レモンクッキー

別名「サブレ・オ・シトロン」とも呼ばれるレモンクッキーは、型抜きしたサブレ生地にレモンのアイシングをかけたもの。サクサクとした食感のサブレ生地とレモンアイシングの酸味の相性は抜群です。生地自体にレモンの皮を入れるレシピもあり、さわやかなレモンの風味と酸味を楽しめます。

3. ジャムサンドクッキー

ジャムサンドクッキーはイギリスでは定番のクッキーです。好みに合わせていろいろなジャムを使ってアレンジできます。手作りするときはジャムの水分量に注意する必要が。水分量が多いとクッキー生地が湿気る原因になるため、ジャムを適度な固さになるまで煮詰めて水分を飛ばすのがポイントです。

4. ステンドグラスクッキー

箱に入ったステンドグラスクッキー

iStock.com/manyakotic

型抜きした生地の中にキャンディーを入れて焼き上げるステンドグラスクッキーは、カラフルな見た目が美しく、ギフトに最適です。クッキー生地のサクッとした食感とキャンディーのパリッとした食感の違いを楽しめます。箱に詰めて簡単にラッピングするだけで、プレゼントにぴったりのひと品に。

5. ガレット・ブルトンヌ

ガレット・ブルトンヌはフランス発祥の焼き菓子で、バターをたっぷり使った丸い厚焼きの形状が特徴です。「ブルトンヌ」にはブルターニュ風という意味があり、酪農が盛んでバターの生産地としても有名なブルターニュ地方ならではの名前です。粉と同じ量のバターを使って焼くことで、リッチな風味を楽しめます。

【絞り出し】人気・有名なクッキーの種類/名前

1. メレンゲクッキー

ガラスの器に入ったメレンゲクッキー

iStock.com/Natalya_Yudina

メレンゲクッキーは卵白と砂糖があれば作れるのが特徴で、他のお菓子作りで余ってしまった卵白を使えます。サクサクとした軽い食感と、しゅわっとしたくちどけの良さが魅力。ツノが立つまで卵白をしっかりと泡立てるのがおいしく作るコツです。アイシングカラーを使えば、カラフルなメレンゲクッキーを作れます。

2. ロミアスクッキー

ロミアスクッキーは、リースのような華やかな見た目が特徴で、サルタン口金と呼ばれる特別な口金を使って作ります。生地が固くならないうちに手早く絞り出すのが、きれいな形にするポイント。真ん中にアーモンドヌガーが入ったものが一般的で、サクサクのクッキー生地とパリッとしたヌガーの食感の違いを楽しめます。

3. サブレ・ポッシュ

かわいらしい花の形が特徴的なサブレ・ポッシュ。生地を成形したり切ったりする工程がなく、完成まで時間がかからないので、お菓子作り初心者にもおすすめです。絞り出すときは口金の位置に気をつけることで、きれいな形を保ったまま焼き上げられます。均等な形で絞り出すのが形を崩さず焼くポイントです。

4. ラングドシャ

英字新聞の上に複数のクッキーが積み重ねられている

iStock.com/BirdShutterB

ラングドシャはフランス語で「猫の舌」という意味を持ったお菓子で、文字通り猫の舌のような薄い形状が特徴です。全卵を使うクッキーとは違い、ラングドシャは卵白のみを使います。卵白を混ぜた生地を焼き上げることで、サクッとした軽い食感が生まれますよ。チョコレートなどを挟んだタイプも人気です。

5. ヴィエノワ

「ウィーン風」という意味のヴィエノワは、波型に絞り出した形が特徴です。きれいな形にするコツは絞り出すときの口金の位置。天板に対して口金を垂直にするときれいに絞り出せます。チョコレートや砕いたピスタチオでトッピングすることも多く、見た目の華やかさも魅力です。

【手・道具で成形】人気・有名なクッキーの種類/名前

1. スノーボールクッキー

水色の器に入ったスノーボールクッキー

iStock.com/AmalliaEka

生地に卵を使わないスノーボールクッキーは、口の中でほろほろと崩れる食感が特徴です。フランスでは「白い雪の玉」という意味を持つ「ブールドネージュ」という名前で親しまれています。粉砂糖を2回に分けてまぶすことで真っ白な雪玉を表現できますよ。ナッツや抹茶、きな粉を混ぜてアレンジするのもおすすめです。

2. ドロップクッキー

生地をスプーンなどで天板に落として焼き上げるドロップクッキー。ワンボウルで材料を混ぜるだけで簡単に作れるので、手も汚れにくくお子さんと一緒に作れるのが魅力です。チョコチップやナッツ類を混ぜるなどアレンジも多彩。スプーン2本を使って生地を天板にのせて、丸く平らに形を整えて焼き上げます。

3. シガレットクッキー

布の上に置かれた数本のシガレットクッキー

iStock.com/guy-ozenne

ラングドシャ生地で作る軽い食感のシガレットクッキー筒状に巻いた生地が巻きたばこに似ていることが名前の由来。焼き上がった生地に箸をクルクルと巻き付けて形を作ります。スリムですっきりとした見た目をしているので、ラッピングをしてプレゼントにするのもおすすめです。

4. アマレッティ

アマレッティはイタリアの伝統的なクッキーで、マカロンの原型ともいわれています。日本では杏仁を使ったリキュールであるアマレットを風味付けに使うのが一般的です。生地にバター・小麦粉は使わず、アーモンドプードルと卵白を使います。ほろほろと崩れるような食感と、ひび割れた見た目がアマレッティの魅力です。

5. フロランタン

皿にのったフロランタン

iStock.com/Promo_Link

フランスの伝統菓子であるフロランタンは、厚みのあるサブレ生地にキャラメルコーティングしたスライスアーモンドをのせたクッキーです。生地とスライスアーモンドの食感の違いを楽しめます。表面に見える艶やかなアーモンドがきれいで、上品な雰囲気のビジュアルも魅力的です。

【カットして作る】人気・有名なクッキーの種類/名前

1. アイスボックスクッキー

生地を冷やしてからカットして焼き上げるアイスボックスクッキーは、成形や型抜きの必要がなく初心者でも作りやすいクッキーです。ココアパウダーや抹茶などを混ぜ込んでアレンジするのもおすすめ。冷蔵庫でひと晩寝かせて生地をしっかり冷やすことで、きれいな見た目に仕上がります。生地は冷凍保存できるので、食べたいときに焼けるのも魅力です。

2. ディアマンクッキー

アイスボックスクッキーの一種で、棒状に成形した生地にグラニュー糖をまぶして焼き上げます。まぶしたグラニュー糖が、フランス語でダイヤモンドを意味するディアマンに似ていることからついた名前です。クッキー生地のサクサク感と、グラニュー糖のシャリシャリとした食感を楽しめるクッキーですよ。

3. チェッカークッキー

チェッカークッキー

iStock.com/Promo_Link

こちらもアイスボックスクッキーの一種で、プレーン生地とココア生地で作る市松模様が特徴です。野菜やフルーツのパウダーを使ってフレーバー生地を作ると、色鮮やかなクッキーができてギフトにも最適。各フレーバー生地の厚みと幅をそろえ、しっかりくっつけて形を整えると、きれいな市松模様ができます。

4. ビスコッティ

イタリアの伝統菓子であるビスコッティは、「2度焼きした」という意味の言葉が名前の由来です。棒状にひとまとめにした生地を一度焼いたあとに取り出して、冷めてからカットしたあと、もう一度焼いて仕上げます。ざっくりとした硬めの食感が特徴で、コーヒーに浸してもおいしく食べられます。

5. ショートブレッド

皿にのったショートブレッド

iStock.com/Promo_Link

スコットランド伝統のクッキーであるショートブレッドは、バターの豊かな風味と味わいが特徴です。発酵バターを使うと、よりバター本来のおいしさを楽しめます。生地に卵を使用していないため、サクサクほろほろした食感が特徴的です。手作りするときは、生地をカットする前に冷蔵庫で1時間以上休ませると、その後の作業がしやすくなります。

手作りで簡単に作れるクッキーの種類は?

家庭で簡単に手作りできるものは、型抜きや成形の必要のないクッキーです。手に入りやすく、シンプルな材料でできるかどうかもポイント。材料や工程が多いと大変なので、なるべくシンプルな材料・工程で作れるレシピを選ぶと安心です。

このことから、メレンゲクッキーやドロップクッキー、アイスボックスクッキーなどが初心者に向いているといえます。

手作りクッキーの簡単レシピをチェック!

1. 基本の型抜きクッキー

型抜きクッキー

バターに空気を含ませながら混ぜ、室温に戻した卵を少しずつ加えるのが生地が分離しないポイントです。薄力粉の一部をアーモンドプードルにするとより香ばしい風味を楽しめます。型抜きの途中で生地がだれてしまったら、いったん冷蔵庫で冷やすと扱いやすくなりますよ。かわいらしい型で型抜きすればプレゼントにもぴったりの仕上がりに。

詳しく見る

2. 基本の絞り出しクッキー

絞り出しクッキー

花のような見た目がおしゃれな絞り出しクッキーは、たくさん作ればブーケのような印象になり、母の日のプレゼントに最適です。口金を天板に対して垂直にして絞り出すと、きれいに仕上がります。中央にジャムやチェリーをのせれば、さらに華やかな雰囲気になりますよ。

詳しく見る

3. うずまきアイスボックスクッキー

うずまきクッキー

かわいい模様が特徴のうずまきアイスボックスクッキーは、日頃のお礼を伝えたいときの贈り物や手土産などにおすすめ。作るときは生地をしっかり冷蔵庫で冷やすと成形しやすくなります。ラップをきつめに押さえて、空洞ができないように巻いていくときれいな渦巻き状に仕上がります。

詳しく見る

4. 抹茶クッキー

抹茶クッキー

アイスボックスクッキーのレシピを応用して作る抹茶クッキーは、お菓子作り初心者の方にもおすすめ。上手に生地を作るポイントはしっかり冷やすこと。冷蔵庫でしっかり休ませることでカットしやすくなります。薄力粉の20%をアーモンドプードルに替えると、より風味豊かに仕上がります。

詳しく見る

5. レンジで作るソフトクッキー

レンジで作るソフトクッキー

オーブンがなくても作れるソフトクッキーは、お子さんと一緒に手軽に作れるレシピです。手で生地を成形したら、あとは電子レンジにおまかせ。ホットケーキミックスやチョコレートなど材料がシンプルで、手軽に作れるのがポイントです。ほろほろした生地とチョコレートのトロっとした食感の組み合わせを楽しみましょう。

詳しく見る

クッキーの種類を知って自分好みのクッキーを見つけよう

小麦粉・砂糖・卵・油脂を使ったクッキーは、原材料や製造方法がさまざまで、非常にバリエーションが豊かな焼き菓子です。風味や食感、形もいりいろとあり、食べる楽しみだけでなく作る喜びも味わえます。ぜひ自分好みのクッキーを見つけてくださいね。

※商品情報や販売状況は2023年03月26日時点でのものです。
現在の情報と異なる場合がございますが、ご了承ください。