高級食材としても知られる「ふぐ」。ふぐがおいしいのは冬であるといわれていますが、いわゆる「旬」の時期はいつなのでしょうか。この記事ではふぐの旬に関する疑問に迫ります。ふぐの旬は冬なのか、産地による旬の違いはあるのかなどについて解説するほか、おすすめの食べ方などもご紹介しますよ。

ふぐがおいしい旬の時期・シーズンをチェック!

ふぐ鍋の具材のふぐの身を箸で持ち上げる

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ふぐはフグ目フグ科に属する魚。世界中には100種類以上のふぐがいるといわれていますが、日本で見られるのは約50種類、そのうち食用可能なものは22種類です。

ふぐの食用可能な部位は「身(筋肉)」「皮」「白子(精巣)」。しっかりと引き締まった身はお刺身や唐揚げなど、コリコリ・プルプルとした食感の皮はポン酢で、クリーミーな白子は天ぷらや焼きものなどで食べられています。

毒があることで知られるふぐですが、食べられる部分の味わいは絶品!旬の時期やよりおいしく食べられる時期をチェックして、ふぐのおいしさを存分に堪能しましょう。

ふぐの旬の時期・季節

黒ベースの食器に盛り付けられ食卓に並ぶふぐ鍋、ふぐ刺し、ひれ酒

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ふぐは一年中流通していますが、一般的な旬は「秋の彼岸から春の彼岸まで」といわれています。特に冬が旬といわれているのは、産卵のために日本沿岸に近づき漁獲量が増えることや、ふぐ料理といえばふぐ鍋やひれ酒など体を温める料理であることなどが関係しているとされています。

冬以外の時期がおいしいとする説も

ふぐの旬が冬であるといわれる一方で、「冬以外の時期がおいしい」との考え方もあります。これは実際にふぐの身がもっともおいしいのは産卵期前であるといわれているためです。

たとえばふぐの代表品種である「とらふぐ」の産卵期は春から初夏。このことを踏まえれば、「ふぐの旬は冬である」とは必ずしも断定できるものではないといえるでしょう。

養殖ふぐには旬がない

一年中おいしいふぐを味わいたいという、ふぐ好きの方もいらっしゃるでしょう。天然のふぐには旬がありますが、養殖ふぐなら年中出荷されており時期を問わずいつでも食べられます。つまり養殖のふぐに旬はないといえるのです。

近年は養殖のふぐも多く流通しています。養殖のふぐは毒となるえさを与えられていないため、毒を持ちません。食べられる部位に変わりはありませんが、年中安心して食べられる養殖ふぐも味わってみてはいかがでしょうか。

主要産地別のふぐの旬

泳いでいるたくさんのとらふぐ

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ふぐは石川県や北海道などで多く漁獲されていますが、全国各地で獲られる魚。なかでも山口県はふぐが獲られるだけではなく、全国から多くのふぐが集まる地として知られています。また養殖ふぐの生産量が多いのは長崎県です。

ここでは山口県や長崎県など、さまざまな地域で生産されるふぐの特徴や旬をご紹介します。

山口県|とらふぐ

山口県で漁獲されるふぐの旬は12月〜2月。特にふぐを食べることに関して古い歴史のある山口県下関市は、天然・養殖問わず全国のふぐを処理する加工場や料理店が集まる「本場」として有名です。

山口県の萩や下関で漁獲されるふぐの多くは「とらふぐ」。「ふぐの王様」とも呼ばれるとらふぐはふぐ刺しやふぐちり(鍋)のほか、唐揚げや白子の天ぷらなどどんな食べ方でもおいしく食べられます。

福井県|若狭ふぐ

福井県の若狭湾で養殖されている身の締まったとらふぐは「若狭ふぐ」と呼ばれています。若狭ふぐは越前がにや越前・若狭のさばと並ぶ福井のブランド水産物のひとつで、旬は11月〜2月

プリッとした歯ごたえの若狭ふぐで作る「てっさ(薄造り)」や「てっちり(ふぐ鍋)」は絶品です。

長崎県|長崎ふく

長崎県で養殖されるふぐのうち、一定の基準を満たしたものが「長崎ふく」というブランド名で出荷されています。

さまざまな研究を重ね、天然に負けないほどの品質の良さを誇る長崎ふくは、弾力のある身とさっぱりとした味わいが人気。旬(出荷時期)は10月〜3月です。

石川県|輪島ふぐ

ふぐの漁獲量の多い石川県。そのうち輪島港で獲られるものが「輪島ふぐ」と呼ばれます。輪島港で水揚げされるふぐはとらふぐをはじめ、ごまふぐやしょうさいふぐ、まふぐ、しろさばふぐなど。

旬は3月〜5月ですが、たくさんの種類のふぐが獲られるため一年を通しておいしいふぐを楽しめます。

三重県|あのりふぐ

三重県志摩半島から伊勢湾、遠州灘にかけての沿岸地域で漁獲される重さ700g以上の天然とらふぐをブランド化したものが「あのりふぐ」。あのりふぐの旬の時期は10月上旬~3月上旬です。

あのりふぐは、えさとなるプランクトンや小魚が豊富な伊勢湾の安乗(あのり)岬で生まれ育ちます。のちに外海に出て荒波に揉まれたふぐは、引き締まった身に。噛めば噛むほど旨みが感じられるおいしいふぐになります。

▼【まとめ】主要産地別のふぐの旬

ふぐの種類についてまとめた表

白子の旬の時期は?

ふぐ刺しや皮刺し、唐揚げなどは食べたことがあっても、白子は食べたことがないという方も多いかもしれません。

ふぐの白子はとてもクリーミーでまろやかな味わいです。産卵期前1月頃〜3月頃の白子の味は特に濃厚。つまりこの時期がふぐの白子の旬であるといえるでしょう。

オスからしか取れない白子はとても貴重。濃厚な味わいの白子を楽しみたいなら、1月頃〜3月頃の旬の時期を逃さないことが最大のポイントです。

スーパーでおいしいふぐを選ぶコツ

店頭に並ぶ4匹のふぐと盛り付けられたフグ刺し

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ふぐの生産地に近い地域のスーパーなどでは、肝や卵巣など毒のある部位が取り除かれたふぐが販売されていることがあります。ほとんどの場合がお刺身や切り身の状態ですが、処理された状態からおいしいふぐを見極めるには、身の色と弾力に注目します。

透明感のある白色で、指で身を押したときに弾力のあるものが新鮮な証拠。身の表面が変色していたり弾力が感じられなかったりするものは避けたほうが良いでしょう。

お刺身の状態で売られている場合は、表面が乾いておらずみずみずしいものを選ぶのがポイントです。

旬のふぐを堪能!おすすめの食べ方

黒い皿に盛り付けられた2皿のふぐ刺しと小皿の薬味(もみじおろし・かぼす)と醤油

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ふぐといえばお刺身や鍋ですが、それ以外にもおいしい食べ方があります。ここでは、旬のふぐの味を堪能するためのおすすめの食べ方をご紹介します。

ふぐ刺し

ふぐ料理の定番といえば、ふぐ刺しを思い浮かべる方も多いでしょう。「てっさ」とも呼ばれるふぐ刺しは、シンプルにふぐの旨みや食感を楽しみたい方におすすめ。ごく薄くスライスしたふぐ刺しは、箸で数枚まとめてすくい取り、もみじおろしやねぎなどの薬味と一緒にポン酢やしょうゆにつけていただきます。

またふぐの皮を湯引いたものを細切りにした「皮刺し」も、コリコリとした食感がたまりません。ゼラチン質のふぐの皮はコラーゲンたっぷりですよ。

ふぐの唐揚げ

皮を剥いたふぐの身で作る唐揚げは、カリカリの衣とホクホクの身の食感が絶妙!片栗粉や小麦粉をまぶして揚げ、レモンをしぼったりおろしポン酢をつけたりして食べればお酒のお供にもぴったりです。

塩こしょうやにんにく、しょうがなどで軽く下味をつけて揚げてもおいしく食べられます。

ふぐチリ

ふぐ刺しと並ぶ、ふぐ料理の定番がふぐチリ(鍋)。「てっちり」と呼ばれることもあります。昆布だしにふぐの身やアラのほか、野菜やきのこなどを加えて作るふぐちりは、寒い時期にぴったり。

ふぐの旨みが出たおだしは、鍋の締めとしてぞうすいにしたりうどんを入れたりして余すことなく堪能しましょう。

焼きふぐ

フライパンやオーブン、魚焼きグリルなどで「焼きふぐ」を作るのはいかがでしょうか。焼くことで余分な水分が抜けて身が締まり、プリプリで旨みたっぷりのふぐが楽しめます。

塩だけでもおいしいのですが、お好みのたれに漬け込んで焼くのもおすすめですよ。しょうゆとみりんの和風だれのほか、にんにくだれや梅だれなどいろいろな味で楽しんでみてください。

ふぐの煮こごり

湯引きしたふぐの皮を細切りにしてしょうゆ、みりんなどを加えただし汁で煮込み、冷やし固めた料理がふぐの煮こごりです。

コラーゲンたっぷりでプルプル食感のふぐの煮こごりは、きざみねぎともみじおろしを添え、ポン酢をかけて食べればまさに料亭の味。あらかじめ細切りにされたふぐ皮を購入すれば、とても簡単に作れますよ。

阪急セレクト!ふぐを味わう商品5選

1. 「吉田水産」天然ふぐ、天然真鯛の生茶漬け

白いパッケージに入った吉田水産の「天然ふぐ、天然真鯛の生茶漬け」
3,744円

天然ふぐと鯛を使ったお茶漬けを楽しめる詰め合わせギフトです。どちらも奥深い味わいで、食べ応え抜群。ふぐ茶漬けは国産のまふぐをベースに、柚子と青ゆず胡椒、阿波尾鶏エキスでさわやかな風味に仕上げられています。さっぱりとした後味がポイント。鯛茶漬けには九州産の鯛を使用しており、ごまや昆布の風味が、また違った雰囲気を醸しています。

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2. 「吉田水産」まふぐ詰合せ

青い皿にのった吉田水産の「まふぐ詰合せ」
4,536円

まふぐの刺身と唐揚げの2種類が入った、贅沢なふぐセットです。ふぐはじっくりと時間をかけて低温熟成されているため、身がキュッと引き締まっています。ふっくらとした食感と、自然な甘味がクセになること間違いなし。付属のふぐ味噌やポン酢、もみじおろしを付ければ、さまざまな味わい方を楽しめますよ。

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3. 「玄品」大阪法善寺 「玄品」とらふぐ雑炊セット

茶色い容器に入った玄品の「大阪法善寺 「玄品」とらふぐ雑炊セット」
5,400円

とらふぐ専門店の「玄品」が販売する、高級感あふれるとらふぐの雑炊セットです。ふぐのプリプリとした弾力のある歯ごたえを感じられます。ほんのり感じる柚子の香りがアクセントに。やわらかな身がたっぷり入っており、満足感を得られます。ギフトボックスもおしゃれなデザインですよ。

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4. 「吉田水産」養殖とらふぐ盛り合せセット

青と黒の皿にのった吉田水産の「養殖とらふぐ盛り合せセット」
5,400円

ふぐの専門市場である下関唐戸魚市場養殖のふぐを使用した、とらふぐ盛り合せセットです。とらふぐ本来のうま味を実感できる刺身や、ふぐ味噌、鍋用切身アラなどがセットに。ポン酢、もみじおろしや小ねぎも付属していて、食卓を華やかに彩ってくれます。個食タイプになっているので、好きなときに、好きな分だけ食べられますよ。

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5. 「玄品」福楽節度(2~3人前)

黒い皿にのった玄品の「福楽節度(2~3人前)」
10,000円

とらふぐをさまざまな角度から味わえる贅沢なギフトです。てっちり(ふぐ鍋)用のアラ・切り身、ふぐの身の湯引き、焼きひれ、とらふぐコラーゲンジュレ(鍋用)が入っていて、どれも食べ応え抜群。プリッとした歯ごたえがクセになります。奥深い味わいは、まるでお店で食べているかのようです。

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ふぐは年中おいしい!シーズン問わず楽しもう

ふぐは一般的に「秋の彼岸から春の彼岸まで」が旬であると認識されていますが、産卵期前の春から初夏にかけてのふぐもおいしいとされています。また養殖ふぐの流通も増えたことから、現在は一年中おいしいふぐが味わえますよ。産地に出向いたりお取り寄せを利用したりして、おいしいふぐを存分に味わってください。

※商品情報や販売状況は2024年09月01日時点でのものです。
現在の情報と異なる場合がございますが、ご了承ください。

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