煎茶やほうじ茶など、さまざまな種類が存在する日本の伝統的な飲み物、日本茶。種類によって香りや味に違いがあるのは、それぞれ異なる方法で作られているためです。この記事では日本茶の基本的な作り方や、主な種類と特徴などを解説します。

日本茶の種類

急須と、緑茶が入ったふたつの茶碗

iStock.com/Nishihama

日本で作られるお茶を「日本茶」と呼び、そのなかには緑茶、烏龍茶、紅茶が含まれます。これらはそれぞれ味が異なりますが、すべて同じチャノキという植物の葉が原料です。

日本茶は製造方法の違いにより「不発酵茶」「半発酵茶」「発酵茶」の3つに分けられます。半発酵茶に当たるのが烏龍茶、発酵茶は紅茶であり、緑茶に該当するのが不発酵茶です。日本で生産されるお茶の多くは、緑茶が占めています。

日本茶の特徴一覧

茶葉が入った3つのさじと急須、緑茶が入ったふたつの茶碗

iStock.com/Gyro

緑茶には煎茶やほうじ茶、玉露など、さまざまな種類があります。緑茶の作り方は、主に「蒸し」と「釜炒り」の2通りに分けられます。さらに製造工程の細かな違いによって、色や香り、渋みが異なる多彩な緑茶ができあがるのです。

以下は緑茶の種類一覧です。それぞれの特徴を知り、緑茶をより深く味わう手がかりにしてください。

煎茶

煎茶は、日本人にもっとも身近な緑茶といえるでしょう。静岡県や鹿児島県が主な産地であり、茶葉を蒸し、揉みながら乾燥させて作ります。蒸す程度により味や色調が変わりますが、ほどよく蒸したものはうまみや渋みのバランスがよく、一般的に広く飲まれています。

玉露

高級茶として有名な玉露ですが、実は製造工程が煎茶と同じ。栽培時に茶園全体を覆い、日光を20日間以上遮ることで、味わいに違いが現れます。茶葉に日光が当たらなければ渋み成分の生成がおさえられるため、玉露に特徴的なうまみと甘みが引き立つのです。

かぶせ茶

茶園で栽培されるチャノキ

iStock.com/ThuTruong

かぶせ茶は、煎茶と玉露の間をとったような緑茶です。玉露と同様の覆いを1週間前後かけて、煎茶と同じ製造工程で作られます。覆いをかける期間が玉露よりも短いため、玉露のようなうまみと特有の香り、煎茶らしいすっきりとした味わいを併せ持つお茶に仕上がります。

抹茶

玉露と同様に覆いをかけて育てた茶葉を乾燥させて、石臼で挽いて粉状にしたものが抹茶です。茶葉を煮出すのではなく、茶筅(ちゃせん)でたてて飲むのが特徴。さわやかな香りや上品なうまみ、奥深い渋みを楽しめます。茶葉の栄養を丸ごと取り込めることも魅力です。

番茶

番茶とは、新芽ではない硬い葉や、選別されて残った大きな茶葉などを使った緑茶です。苦味やうまみ、甘みが少なく、すっきりしていて飲みやすいお茶とされています。スモーキーな香りが楽しめる京都の「京番茶」など、製造方法が異なる「地方番茶」もあります。

ほうじ茶

急須で茶碗に緑茶を注ぐ

iStock.com/kuppa_rock

煎茶や番茶を高温で焙煎したものが、ほうじ茶です。強火で炒ることで色は茶色く、香りは芳ばしくなります。この香りには、リラックス効果があるといわれています。焙煎すると苦味成分が飛び、やさしく飲みやすい味わいに仕上がるため、人気のある日本茶です。

玄米茶

煎茶や番茶などの茶葉と炒った玄米を、1対1の割合で合わせたものが玄米茶です。炒った玄米の芳ばしい香りと甘みが感じられます。苦味のある抹茶が入ったものもありますが、基本的には茶葉が少ないため、渋みや苦味が控えめで飲みやすい日本茶です。

釜炒り茶

300〜400度に熱した鉄製の釜で、茶葉を炒って作るのが釜炒り茶です。主に九州地方の山間部で作られており、釜炒り茶特有の芳ばしい香りや、渋みが少ないすっきりとした味わいが楽しめます。茶葉が勾玉(まがたま)のような丸い形になることも特徴です。

日本茶の作り方

1. 蒸す

摘んだ茶葉はまず蒸気で蒸して、茶葉の中に含まれる酵素のはたらきを止めます。酵素の作用により、茶葉が酸化して茶色になるのを防ぐためです。蒸し時間の長さでお茶の色や香り、味わいが変わるため、重要な工程です。

2. 揉む

粗揉(そじゅう)、揉捻(じゅうねん)、中揉(ちゅうじゅう)、精揉(せいじゅう)といったいろいろな揉み方で茶葉をほぐします。茶葉を揉むと茶葉の組織が壊れるため、お茶の成分が抽出されやすくなります。

3. 乾燥させる

揉んだ茶葉は、水分量が5%ほどになるまで乾燥させます。水分を飛ばすことでお茶の長期保存が可能になり、お茶特有の香りが生まれます。そのあと、ふるいにかけたり裁断したりして、形を整えて完成です。

日本茶の人気商品おすすめ5選

1. 「茶匠 森半」玄米煎茶

「茶匠 森半」玄米煎茶
432円

「茶匠 森半」のルーツは、天保7年に京都宇治で創業した製茶所です。この商品は、煎茶に炒った玄米をブレンドしています。お湯を注いだ瞬間に感じる芳ばしく豊かな香りが、心を落ち着かせてくれるでしょう。

詳しく見る

2. 「中村藤吉本店」かぶせ茶ティーバッグ

「中村藤吉本店」かぶせ茶ティーバッグ
1,251円

安政元年の創業以来、お茶の個性を引き出すことに注力してきた「中村藤吉本店」。このかぶせ茶は苦味や渋みが穏やかで、ほんのり甘みを感じます。手軽に飲めて、日本茶をより身近に感じるティーバッグタイプであることもポイントです。

詳しく見る

3. 「一保堂茶舗」極上ほうじ茶 袋入り

「一保堂茶舗」極上ほうじ茶 袋入り
1,296円

京都に本店を構える老舗日本茶専門店が、伝統を大切にしながら丁寧に作り上げたほうじ茶です。心が落ち着く芳ばしい香りや、まろやかでやさしい味わいは、就寝前のリラックスタイムにもおすすめします。

詳しく見る

4. 「山本山」玉露「山本山」

「山本山」玉露「山本山」
3,240円

お茶と海苔で有名な「山本山」は、元禄3年創業の老舗です。数種類ある玉露のなかでも、この商品はほどよい甘みとまろやかさがあり、親しみやすさを感じます。気品のあるパッケージなので、贈り物にもぴったりです。

詳しく見る

5. 「一保堂茶舗」煎茶薫風 箱入り

「一保堂茶舗」煎茶薫風 箱入り
4,320円

濃厚なうまみと軽やかな渋み、茶葉の自然な甘みを堪能できる逸品です。少しの淹れ方の違いでも、味の印象が変わる繊細さも楽しめるでしょう。上品で豊かな味わいは、大切な人への贈り物にも最適です。

詳しく見る

種類で異なる日本茶の味わいを楽しもう

日本茶のなかでも多くのシェアを占めている緑茶は、細かな製造方法の違いでいくつかの種類に分けられます。それぞれ味わいに特徴があるので、この記事を参考にして好みの日本茶を見つけてみてください。

※商品情報や販売状況は2023年06月04日時点でのものです。
現在の情報と異なる場合がございますが、ご了承ください。