水なすの漬物は、泉州の伝統野菜「水なす」をぬかや調味液に漬け込んだ、風味豊かな漬物です。この記事では水なすの漬物の概要や種類、おいしい食べ方などを解説。水なすのみずみずしい甘みと乳酸菌発酵のうまみが織りなす味わいをぜひお試しください。

大阪・泉州の名物「水なすの漬物」とは

水なすの漬物

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大阪・泉州の名物である「水なすの漬物」とは、泉州地域で栽培されている伝統野菜である水なすを漬け込んだもの

水なすは皮が薄く、みずみずしい味わいを楽しめます。この記事では泉州の水なすの漬物について、歴史や特徴、おいしい食べ方などをくわしく紹介します。

泉州水なすの歴史や特徴

水滴がついたなすが3本ある

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泉州水なすの歴史

泉州水なすの発祥は諸説あり、室町時代の書物『庭訓往来』には、水なすのもとになったと思われる「澤茄子」の記述が残っています。江戸時代初期には、泉州地域で水なすの栽培が始まりました

かつての水なすは今よりも皮が薄く、色も良くありませんでしたが、品種改良が進み、現在では鮮やかな濃い紫色の品種が主流となっています。これにより、泉州水なすは全国的に知られるようになりました。

泉州水なすの旬

泉州水なすの旬の時期は4月から11月とされています。夏に旬を迎え、4月から6月がもっともおいしい季節です。水なすを使った漬物ギフトは、夏の贈答品として広く親しまれています。

近年ではビニールハウスの活用により、12月から2月を除く期間でも栽培されており、ほぼ一年中食べられるようになりました。泉州の水なすの漬物は、地元では通年で食べられる食材として愛されています。

泉州水なすの特徴

泉州水なすは、ほかのなすと比較して丸みを帯びた形をしています。皮が薄く水分を多く含んでおり、柔らかい果肉が特徴です。

質量の約90%を水分が占めるため、手で絞ると水がたっぷりと出て、昔は水分補給の食材として利用されてきました。アクが少なく甘みがあり、ほかのなすと違って生でもおいしく食べられます

泉州「水なすの漬物」の特徴

店頭に並べられたたくさんのぬか漬け

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製法

泉州水なすの漬物は、水なすを軽く塩もみしてぬかに漬けた浅漬けが一般的です。漬ける期間は1日から7日の短期間で、長期間漬けこまないため「浅漬け」と呼ばれます。水なすは皮が薄く傷つきやすいため、ぬか漬けする際の塩もみは手作業で一つひとつ丁寧におこなわれるのが特徴です。

見た目

泉州水なすの漬物は丸くてずんぐりした卵型で、濃い鮮やかな紫色の皮が特徴です。水分が多く含まれた水なすは、みずみずしくつややか。皮の濃い紫色と、果肉の薄い黄緑色とのコントラストが美しく、食卓を彩るひと品として親しまれています。

味わい

泉州水なすの漬物は、水なす本来の甘みとぬかの乳酸菌発酵のうまみが楽しめます。水分が豊富で、みずみずしい味わいを堪能できるのも魅力のひとつ。果肉は柔らかく、とろけるような食感が特長です。

水なすは鉄を嫌うため、包丁を使わず手で割くのがおすすめ。手で割くことで、水なすの風味を逃さず、素朴な味わいを存分に楽しめます。

泉州「水なすの漬物」の種類

泉州水なすの漬物は、ぬか漬け、液漬け、塩麴漬けなど種類が豊富。ぬか漬けは、ぬかの乳酸菌発酵の風味と水なすの甘みが絶妙に調和し、漬け込む日数による風味の変化を楽しめます。

液漬けはお店によって液の原料が異なり、柚子風味のものや、ショウガや大葉などの薬味を加えたものがあります。

なかには泉州水なすと、泉州のご当地製品である河内ワインを組み合わせためずらしいひと品も。果肉の甘みとワインの風味が奥深い味わいを演出します。

泉州「水なすの漬物」のおいしい食べ方

なすやにんじんなど、さまざまな漬物が器に盛られている

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水なすの漬物は空気に触れると色も風味も落ちるので、食べる直前に冷蔵庫から出すのがおすすめです。ぬか漬けは水洗いしてぬかを落としましょう。液漬けは袋から出せばそのまま食べられます。

水なすは包丁でヘタを落として6〜8等分に切り込みを入れ、手で縦に割ると、風味を逃さずおいしく食べられます。

製造日から2日目は生の食感が楽しめ、3日目から4日目はうまみが増します。濃い味が好きなら5日目以降がおすすめです。

泉州「水なすの漬物」をアレンジして楽しむには

天ぷら

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水なすの漬物は白ごはんとの相性が抜群ですが、意外なアレンジ方法があるのをご存じでしょうか。そのまま食べるだけでなく、多彩なアレンジも楽しめますよ。メインのおかずやおつまみにもなるアレンジ方法3つをご紹介します。

醤油やかつお節をかけて

水なすの漬物に醤油やかつお節をかけると、ひと味違った味わいを楽しめます。醤油にわさびやしょうがを加えるのもおすすめです。

さらに、すりごまやすりおろしたしょうがをかければ、お酒のお供にも最適。好みに合わせていろいろなアレンジを試してみてください。

天ぷらに

水なすの漬物を天ぷらにすると、メインのおかずとして楽しめます。サクッとした衣と水なすのトロリとした食感がくせになる味わい。

衣をつける前に水なすの表面に小麦粉を薄くまぶすと、衣がはがれにくくなります。170℃の油で両面1〜2分程度揚げるだけで、カラリとしたおいしい天ぷらが完成します。

サラダに

水なすの漬物にきゅうりやみょうが、大葉を加えて簡単サラダに。材料を切って混ぜるだけなので、忙しいときのおかずとしておすすめです。ごま油とすりごまを混ぜればコクのある味わいに。

水なすの漬物は洋風の素材との相性も抜群で、トマトや生ハム、モッツァレラチーズを加えてイタリアンドレッシングを混ぜれば、ワインのお供にもなりますよ。

多彩にアレンジできる水なすの漬物を活用しよう

「水なすの漬物」は泉州地域の伝統野菜である水なすを漬物にしたもの。みずみずしく甘みのある水なすの味わいを存分に楽しめます。水なすの漬物は白ごはんのお供になるだけでなく、多彩なアレンジができるのも魅力。ぜひそのおいしさを存分に堪能してくださいね。

※商品情報や販売状況は2024年04月11日時点でのものです。
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