ライフスタイル&ヘルス2024/12/10 更新
お正月にまつわる行事に「どんと焼き」というものがあることをご存じでしょうか。名前は聞いたことがあるけれど、具体的にどんな行事なのか知らないという方も多いかもしれません。この記事ではどんど焼きの起源や由来、語源、やり方などを詳しく解説します。
「どんと焼き」とは松の内までに飾っておいた正月飾りをお焚き上げする行事のこと。1月15日、または1月14日〜1月16日の3日間を「小正月」と呼び、そのなかで実施されます。
どんと焼きでは正月飾り、しめ縄、正月の書き初め、昨年のだるま飾りやお守りなどを神社の境内・田んぼなどで燃やします。自宅で処分しづらいものは、どんと焼きの時期に持っていくと良いでしょう。
どんと焼きには、「正月飾りを目印に家にきてくださった年神様を、正月飾りを燃やした煙とともに見送る」という意味があります。お盆の「送り火」に近いイメージです。
鹿児島県や長崎県などでは、「正月飾りに着いた悪霊(鬼)を追い払う」という意味から、鬼火焚きと呼ばれています。縁起物を燃やすことで無病息災、家内安全、商売繁盛、五穀豊穣など、さまざまなものを願う意味があるとされていますよ。
どんと焼きは「左義長(さぎちょう)」という平安時代の宮中行事が起源・由来といわれています。左義長とは、1月15日の夜に正月飾りや授与品などを燃やす行事のこと。宮中だけでなく庶民まで広まったことから、現代のどんと焼きの形に変化していったとされています。
どんと焼きの語源は、火を燃やすときに「尊と(とうと)尊と(とうと)」とはやし立てていたものがなまったという説や、"どんどん燃える様子" から名付けられたという説などがあります。
地域によってもさまざまな名称で呼ばれており、不思議な響きの名前ですよね。いずれにせよ、火が燃えるイメージから来ているといえます。
どんと焼きは地域によってさまざまな呼び方があります。たとえば東北地方では「どんと焼き」と呼びますが、関西では「とんど焼き」と呼び、濁点の位置が異なっています。ほかにも近畿や北陸周辺では平安時代からの名残りで「左義長」と呼ばれてて、静岡県では「さいと焼き」、九州地方では「鬼火たき」と呼ばれています。
長野県や山梨県では、村を悪霊から守る境の神・道の神を意味する「道祖神祭(どうそじんさい)」という名称が一般的です。
どんと焼きの基本は「正月飾りを焚き上げる」こと。しめ縄や松飾りなど、さまざまなものを燃やします。
正月飾りは、年末年始に人間界に降りてきた神様を家に迎え入れるための目印です。それらをお焚き上げすることで神様をきちんと天界まで見送るという意味が込められているのです。
正月飾りのほかにも、お守りやお歳暮でいただいた品の熨斗(のし)、だるまなどをお炊き上げすることもあります。
ちなみに書き初めを燃やした火が高く上がると、賢くなったり、字が上手くなったりするという言い伝えもあります。昔から炎は穢れ(けがれ)を清めると考えられてきました。そのためどんと焼きには、縁起の良い言い伝えがいくつか残っています。
どんと焼きの火で焼いた餅や団子を食べるのも、どんと焼きでよく見かける光景です。どんと焼きの火で焼いた食べ物は、一年間の無病息災に繋がると考えられています。
地域によっては、鏡開きした餅を焼くというところもあるようです。日本酒や豚汁、まゆ玉などが出てくることもあります。
どんと焼きで燃やした灰を自宅の庭などに撒くと、無病息災や家内安全などのご利益があると考えられています。家族と一緒にどんと焼きに参加できないときは、灰を活用すると良いでしょう。
火が燃えている最中に灰を取り出すのは危険なので、必ず管理している人に確認してから持ち帰るようにしてください。
どんと焼きは古くから地域の方たちの交流の場としても機能してきました。近年では近所の方と交流する機会が減ってきているため、このような場面を活用すると良いでしょう。
小・中学生のお子さんがいる場合は、神の使いとして招福や厄払いといった行事に携わることもあります。火を扱うため、服に煙の臭いがついたり火の粉が飛んだりしても大丈夫なように対策すると安心ですよ。
どんと焼きは、毎年1月15日に開催されるお正月の締めくくりとなる行事です。正月飾りによって迎え入れた年神様を天界まで見送るという意味が込められています。正月飾りを焚き上げたり、餅や団子を食べたりとさまざまなイベントを楽しめますよ。ぜひ今年は参加してみては?
※商品情報や販売状況は2024年12月10日時点でのものです。
現在の情報と異なる場合がございますが、ご了承ください。
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