フルーティーな香りがする日本酒をご存知でしょうか?甘く華やかな香りを持つ日本酒は、日本酒になじみのない人も飲みやすく、初心者におすすめです。香りを引き出す方法やおすすめ商品を参考にして、フルーティーな日本酒を楽しく飲んでみてください。

フルーティーな日本酒ってどんなもの?

枡に日本酒が注がれている

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原料である米の風味と清涼感があわさった、独特の香りが特徴的な日本酒。そのなかで大吟醸酒や純米大吟醸酒は、「吟醸香(ぎんじょうか)」というほんのり甘いフルーティーな香りが特徴です。

フルーツのような華やかな香りは、ほかの日本酒とは少しギャップが。日本酒特有の香りが苦手な方にも馴染みやすく、人気があります。

吟醸香が生まれる理由とは

一般的に日本酒は、精米して蒸した米に、米麹、水、酵母を加えて発酵させる方法で造られます。一方、"吟味"された素材を使い、こだわった造り方で日本酒を醸造するのが「吟醸造り」です。造る過程で酵母が生み出す香りは「吟醸香」と呼ばれています。

吟醸作りでは、精米歩合60%以下の白米が使用されます。大吟醸酒はさらに磨かれた、精米歩合50%以下のものを吟味して使用。低温でゆっくりと時間をかけて発酵させることで香りがもろみに閉じ込められ、吟醸香が生まれるといわれています。

発酵の際、酵母による香りの成分の発生を抑制させるのは、米の表面に多く含まれている脂質。米を磨けば磨くほど、脂質成分が削られて取り除かれます。つまり精米歩合の数値が小さくなるほど、フルーティーな香りのお酒になりやすいのです。

フルーティーな日本酒をより楽しむ「3つの方法」

冷たい日本酒と天ぷらがテーブルに並べられている

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【1】適温は8〜12℃!ぬる燗にするとまた違うおいしさに

フルーティーな香りをもつ大吟醸酒の適温は8〜12℃ほど。冷蔵庫で冷やしたあと、少しだけ室温に戻すとよりおいしく飲むことができますよ。キンキンに冷えた状態は、せっかくの華やかな香りを感じにくくなってしまいます。

日本酒は温度による味の違いを楽しめるのも魅力ですよね。ただし吟醸酒や大吟醸酒は、温めすぎると香りが損なわれてしまいます。人肌程度のぬる燗にして楽しむのがおすすめです。

【2】合わせる料理は「あっさり」したもので決まり!

フルーティーな日本酒には、お刺身やカルパッチョのように素材の味を生かした料理や、山菜の天ぷら、魚の塩焼きのようにシンプルな味付けのものがぴったり。ほかには湯豆腐、だし巻き卵などもよく合います。

反対に味の濃いものとの相性はあまり良くありません。あっさりとした味付けのメニューを合わせるのがおすすめです。

【3】開封後の保管は冷蔵庫へ!2週間程度で飲み切りましょう

開封前は、購入時に保管されていた場所を参考に保存しましょう。冷蔵庫の場合は、持ち帰り後すぐに冷蔵庫へ。常温で陳列されていたものは、なるべく涼しい場所で保存してください。お酒は紫外線がNGなので、電球の光や日光が当たらない冷暗所で保存することが大切です。

せっかくの華やかな香りが薄まらないよう、開封後は冷蔵庫で保存します。2週間程度を目安に飲み切るのがおすすめです。

初心者におすすめ!フルーティーな日本酒10選

フルーティーな香りを持つ大吟醸や純米大吟醸は飲みやすいため、日本酒初心者におすすめです。「これから日本酒を楽しんでみたい」という人に向けて、まず手にとってほしい日本酒を紹介します。

1. 新潟県「尾畑酒造」 真野鶴 大吟醸

鶴が描かれた真野鶴 大吟醸のパッケージと瓶
2,750円

新潟県の五百万石(ごひゃくまんごく)で仕込まれた日本酒です。香りはフルーティーで華やか、味わいは淡麗で軽快。まろやかな喉越しを楽しめます。新潟清酒の特徴である「淡麗辛口」を感じられる一本です。

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2. 京都府「キンシ正宗」瓢箪 純米吟醸 祝 720ml

和紙のようなラベルに包まれているキンシ正宗の瓢箪
1,540円

200年以上の歴史をもつ日本酒メーカー「キンシ正宗」の純米吟醸酒です。京都産のお米「祝(いわい)」を使用しており、華やかな吟醸香とフルーティーな味わいが特徴的。すっきりとしたキレの良い味わいを楽しめます。

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3. 広島県「白牡丹酒造」白牡丹 純米大吟醸 原酒 万年蔵杜氏 鹿島正

高級感のある箱に入っている白牡丹酒造の白牡丹
5,500円

広島の酒米や酵母など、「広島らしさ」にこだわった材料のみを使用した純米大吟醸酒。フルーティーな甘みや酸味と、広島もみじ酵母が生み出すキレが、独特の味わいを醸し出します。広島杜氏によって仕上げられたこだわりの一本です。

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4. 岡山県「菊池酒造」燦然 純米大吟醸 雄町 磨き50 1,800ml

岡山県「菊池酒造」燦然 純米大吟醸 雄町 磨き50 1,800ml
3,701円

50%まで磨いた岡山県産雄町を使用し、華やかな香りとふくよかな味わいを兼ね備えた純米大吟醸です。芳醇な香りからは、ブドウやアプリコットがイメージされます。口に含むと甘みやうまみが感じられ、繊細な酸とほのかな苦味でキレのよい味わいです。全国新酒鑑評会などで数多くの受賞歴を誇る酒造が醸す日本酒を、ぜひ味わってみてください。

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5. 新潟県「尾畑酒造」真野鶴 純米大吟醸 佐渡山田錦

和紙のようなラベルが貼られている真野鶴の純米大吟醸 佐渡山田錦
3,850円

国内外で数々の受賞歴をもつ純米大吟醸酒「真野鶴(まのつる)」。佐渡産「山田錦」で仕込まれており、イチゴやオレンジピールのような軽やかな香りと、深みのある味わいを楽しめます。

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6. 秋田県「佐藤酒造店」天之美禄 純米大吟醸

秋田県「佐藤酒造店」天之美禄 純米大吟醸
2,640円

「酒米の王様」と呼ばれるほど、醸造のしやすさと味わいのよさを兼ね備える優秀な酒米、山田錦。加えて、軽やかですっきりとした味が特徴的な美山錦を用いて、華やかな香りときめ細やかな味わいが楽しめる飲みやすい日本酒に仕上がっています。鳥海山のふもとにある小さな蔵元が醸す、雪深く清浄な気候風土が感じられる1本です。

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7. 青森県「六花酒造」純米大吟醸じょっぱり華想い

青森県「六花酒造」純米大吟醸じょっぱり華想い
3,740円

「インターナショナル・ワイン・チャレンジ2020」純米大吟醸酒部門にて、ゴールドとリージョナルトロフィーを受賞した、世界に味わいが認められている日本酒です。青森県原産の酒米「華想い」を40%まで磨き上げ、酒蔵でゆっくり熟成。大吟醸ならではの優雅な香りと、米のうまみがバランスよく感じられます。

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8. 岩手県「酔仙酒造」純米吟醸 酔仙

岩手県「酔仙酒造」純米吟醸 酔仙
3,850円

岩手県の酒米を50%まで磨き、低温発酵させて造られた、雑味のないきれいなうまみと穏やかな吟醸香が特徴的な日本酒です。やや甘口でコクがあり、ふくよかでやさしくきれいな味わいは飲み飽きしません。技術とともに心を伝え、風土に合った美しい酒造りを目指す酒造が手掛けた1本を、ぜひ堪能してください。

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9. 鳥取県「稲田本店」純米大吟醸いなたひめ強力

鳥取県「稲田本店」純米大吟醸いなたひめ強力
2,599円

鳥取県原産の酒米「強力(ごうりき)」は、山田錦や雄町のルーツともいわれており、香り高くコクのある味わいが特徴です。マスクメロンを思わせる優美な香りと、やさしく濃醇な風味が楽しめます。この日本酒は「インターナショナル・ワイン・チャレンジ2017」純米大吟醸酒部門にて、シルバーを受賞しています。

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10. 宮城県「株式会社一ノ蔵」一ノ蔵 純米大吟醸 松山天

宮城県「株式会社一ノ蔵」一ノ蔵 純米大吟醸 松山天
3,668円

山田錦を40%にまで磨き上げ、長期間に渡る低温発酵と涼温での熟成を経て完成した、こだわりの純米大吟醸です。穏やかな吟醸香と、ブドウやリンゴをイメージさせる味わいを感じます。「インターナショナル・ワイン・チャレンジ2018」純米大吟醸酒部門にてシルバーを受賞した、実力派の日本酒です。

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華やかな「吟醸香」で日本酒をもっと好きに♪

日本酒初心者の方や、苦手な方も虜にする「吟醸香」。和食の文化に欠かせない「米」から作る日本酒のなかでも、工程のすべてを"吟味"して作る「大吟醸酒」や「純米大吟醸酒」からのみ感じられる贅沢な香りです。ご紹介した商品や香りをより楽しむ方法を参考に、もっと日本酒を楽しんでみてくださいね。

※商品情報や販売状況は2022年04月05日時点でのものです。
現在の情報と異なる場合がございますが、ご了承ください。