スイーツ&グルメ2023/5/2 更新

100点のさらに上を目指して。「たねや」のおいしさへの追求【あのブランドが愛される理由 vol.5】

ブランドの想いや商品の魅力をご紹介する、HANKYU FOODオリジナルの連載企画です。今回は、「たねや」を取材しました。

今年で発売40周年を迎える「ふくみ天平」をはじめ、「栗饅頭」「斗升最中」など、創業当時からのロングセラー商品が多くある「たねや」。創業から150余年、いつの時代も"さらなるおいしさ"を求めて改良を重ね、進化を続けてきました。滋賀県の「ラ コリーナ近江八幡」にある本社を訪ね、そのこだわりをくわしく伺いました。

「たねや」について

「ラ コリーナ」は、イタリア語で「丘」という意味。監修者である世界的な建築家・デザイナー、ミケーレ・デ・ルッキ氏がこの地を訪れて名付けた。

1872年、滋賀県で誕生した「たねや」。元々は創業者が穀物類・根菜類の種子を扱う種屋を営んでいて、屋号をそのままに創業したのが店名の由来です。
1970年代は県内を中心に、1980年代以降は全国の百貨店に次々とお店がオープン。2015年には、"自然に学ぶ"をコンセプトとした「たねや」「クラブハリエ」(※たねやグループの洋菓子ブランド)のフラッグシップ店「ラ コリーナ近江八幡」をオープンしました。

「ラ コリーナ近江八幡」にある「たねや」では、通年商品から季節の商品、新商品まで全商品を取り揃えている。

おいしいお菓子と美しい自然を求め、「ラ コリーナ近江八幡」には全国からお客様が集まります。自然と人の営み、受け継がれてきた智慧や技を未来へ受け継いでいくため、「ラ コリーナ近江八幡」を起点としてさまざまなことに取り組みながら、歩んでいます。

教えてくれたのはこの方

今回お話を伺ったのは、株式会社たねや 製造本部 商品開発室 室長の松宮佐起子さん。入社以来、25年にわたって「たねや」の商品開発に携わり、これまでに「たねや寒天」や「ブルーベリーゼリー」、「トマトゼリー」など数々の人気商品を生み出してこられました。

手前が「ふくみ天平」、奥が「たねや最中」。上品に頬張れる大きさと形も人気の秘密だ。

松宮さん:仕事では主に新商品の開発、既存商品の改良などを行っています。ここ数年は、おいしさの部分だけではなく、環境負荷を減らすパッケージの企画・開発にも力を入れていますね。「たねや」の商品へのこだわりはたくさんあるので語り出したら止まりません(笑)。

商品を見る

人気商品へのこだわりその1・食べる直前に合わせる餡と最中種

餡と最中種がそれぞれ個包装になっているため、食べる直前まで最中種の食感と餡のみずみずしさが保たれている。

松宮さん:"職人だけが知っている、作りたての最中のおいしさをお客様にも味わってほしい"。そんな想いから誕生したのが、「ふくみ天平」です。最中種のパリッ、サクッとした食感と餡のみずみずしさは、食べる直前に最中種と餡を合わせるからこそ味わえるおいしさです。実は、餡と種が別々に個包装されたものを日本で最初に商品化したのが「たねや」なんですよ。

松宮さん:餡は、最中種にのせるときに崩れないように絶妙な炊き加減で調整してあります。中に包んだふくよかな味わいの求肥との相性も良く、口の中に入れたときにほろっとほどけるような食感を味わえます。「たねや」を代表する銘菓ですが、現在でも餡や最中種、餅も少しずつ改良を加えていて、さらなるおいしさを目指しています。

人気商品へのこだわりその2・素晴らしい小豆を最大限に活用

2020年に小豆皮パウダー入りの最中種にリニューアルした「たねや最中」。風味の部分に大きな変化はなく、以前と変わらないおいしさ。

松宮さん:「たねや最中」も「ふくみ天平」と同様、食べる直前に餡と最中種を合わせていただくお菓子。大きな違いは、「たねや最中」の最中種には小豆皮パウダーが入っていることです。

こし餡づくりの際に副産物として出る小豆の皮をどうにか有効活用できないだろうか、という想いがずっと私たちの中にあり、78年にわたって考え続けた結果たどり着いたのがこの小豆皮パウダーなんです。

松宮さん:私たちの素材への想いはとても強く、なかでも餡に使う小豆には特別なこだわりがあります。北海道の契約農家さんが丹精をこめて育ててくださっている小豆は、思わずうっとりしてしまうほどのきれいな色つやと風味の良さ。

この素晴らしい小豆と鈴鹿山麓の地下水を使って「たねや」の餡は作られています。きれいなお水も、おいしい餡づくりには欠かせない大切な要素ですね。

人気商品へのこだわりその3・環境にやさしい容器への切り替え

松宮さん:今後、私たちが特に注力していきたいのは、おいしいお菓子づくりと自然環境を守っていくことの両立です。最近の取り組みでは、本生羊羹やゼリー商品に使われる容器をプラスチック製からリサイクル可能なアルミック容器へと切り替えました。

お菓子を美味しく安全にお召し上がりいただくために、味わいや美味しさに影響する部分に必要な資源は大切に利用し、可能な限り環境負担の低い素材を使用したパッケージの採用に取り組んで行きたいと考えています。

皆さまへのメッセージ

松宮さん:販売している商品には、"100点のおいしさ"の自信を持っていますが、もしかしたらまだ進化できるかもしれないと思って、日々さまざまな観点から改良や工夫、微調整を続けています。これからもお客様から「美味しい」というお声をいただけるようにお菓子づくりに真摯に取り組んでいきます。

商品を見る

※商品情報や販売状況は2023年05月02日時点でのものです。
現在の情報と異なる場合がございますが、ご了承ください。