スイーツ&グルメ2023/6/23 更新
グルメ大国フランス。フランス料理やワイン、チーズなど数えきれないほどの美食のなかで、どの世代にも身近な存在が「フランス菓子」です。この記事では、代表的なフランス菓子の特徴や簡単な歴史をカテゴリーに分けてご紹介します。
フランス菓子の発展において、重要な役割を果たしたのが婚姻による文化の流入です。
ヨーロッパ諸国からフランス王家や貴族に嫁いできた花嫁は、居を移す際、自国のパティシエや料理人を同行させました。彼らが作る異国のお菓子が上流階級から庶民にも広まり、フランス菓子として定着、発展を遂げたのです。
また、フランス菓子は教会や修道院の歴史とも密接にかかわっています。中世ヨーロッパでは、今と比べ物にならないくらい教会の力が強大でした。
そのため、お菓子作りに必要な材料や道具も潤沢で、祭日や礼拝に訪れた信徒にお菓子を振る舞う機会も多かったのです。このような背景から、フランスにはキリスト教にゆかりのあるお菓子がたくさん存在します。
フランス菓子の魅力といえば、バターたっぷりのリッチな味わい。海側のノルマンディー地方やブルターニュ地方では酪農が盛んなので、フランス菓子にはたっぷりの良質なバターや生クリームを使用できるのです。
また、広大な土地を有するフランスは、地方ごとに気候や風土、歴史が異なります。そのため地域ごとに特色あるおいしいお菓子がたくさん存在するのも大きな魅力といえるでしょう。
フランスの焼き菓子で有名なものといえばマドレーヌ。諸説ありますが、マドレーヌという名の女性が作ったお菓子といわれており、キリスト教で聖地巡礼の大切なモチーフとされているホタテ貝型が特徴的です。
卵とたっぷりのバターでふっくら焼き上げる、日本でもポピュラーなフランス菓子です。
「お金持ち」、「金融家」を意味する、マドレーヌと並ぶ人気のフランス菓子です。パリの金融街のパティシエが考案したといわれており、金の延べ棒のような形は忙しい金融マンがサッと食べられるようにという配慮の結果。
しっとりとした食感、たっぷりの焦がしバターとアーモンドプードルのコクがたまらない焼き菓子です。
フランスを代表する郷土菓子のひとつである厚焼きクッキー、ガレット・ブルトンヌ。酪農が盛んなブルターニュ地方の伝統菓子らしく、バターをたっぷり使用しているのが特徴です。
芳醇なバターの香りとリッチなコク、ザクザク食感が魅力の、風味豊かな焼き菓子です。
ワインで有名なボルドー地方のお菓子・カヌレ。女子修道院で生まれたとされる伝統菓子です。表面の香ばしさとモチモチとした生地、ほんのり漂うラム酒の芳醇な香りがたまりません。
「カヌレ(=溝が付いた)」という名前の通り、特徴的な銅製型に蜜ろうを塗って焼き上げる独特のスタイルが特徴です。
「猫の舌」を意味する、軽い食感が魅力の薄焼きクッキー。日本ではロール型の商品やチョコレートやクリームをサンドしたものが有名ですが、文字通り舌のような細長い丸みを帯びた形がもともとの形状です。
バターと卵白を使用した生地は、甘くリッチな味わい。どんな世代にも好まれる、食べやすいフランス菓子です。
シュークリームは、イタリアの名門・メディチ家からフランス王家に嫁いだカトリーヌ・ド・メディシスが持ち込んだお菓子がもとになっています。
「シュー」はキャベツという意味を持つ言葉。その名の通りふっくら丸い形に焼き上げ、クリームをたっぷり詰めたスタイルは、フランス風にイタリア菓子が発展した形なのです。
自転車のタイヤを模した形がユニークなパリブレスト。水平にカットしたシュー生地には、ナッティなコクと香りが魅力のプラリネクリームがたっぷりサンドされています。
パリとブルターニュ地方にあるブレスト間を結ぶ、世界で最も歴史のある自転車レースから着想を得たお菓子で、レースの象徴になるようなお菓子を作って欲しいと頼まれたパティシエが考案しました。
「稲妻」を意味するエクレアも、日本でなじみ深いフランス菓子。細長いシュー生地にカスタードクリームを詰め、表面にフォンダンやチョコレートをたっぷりかけて仕上げます。
クリームがこぼれないよう稲妻のように素早く食べなければならないこと、シュー生地に入った亀裂が稲妻に似ていることからこの名が付いたといわれています。今ではさまざまなアレンジがされ、種類も豊富な定番菓子です。
大小の丸いシュークリームを重ね、フォンダンがけしたかわいいフランス菓子。修道女(=ルリジューズ)の服装から着想を得たといわれており、シュークリームのつなぎ目には、服の襟を模してクリームをぐるりと一周絞るのも特徴です。
現在ではカラフルなルリジューズもたくさん登場し、フランスではポピュラーなお菓子として愛されています。
パリ・サントノーレ通りにあった菓子店で働くシブースト氏が考案したといわれているサントノーレ。キャラメルがけした小さなシュークリームを土台にキャラメルで接着し、クリームでデコレーションしたお菓子です。
キャラメルを使用するのは、シューが湿気らないようにするため。土台の生地は当初は水分を吸い込みやすいブリオッシュ生地でしたが、今ではサクッとしたパイ生地が主流です。考え抜かれ、常にアップデートしてきたお菓子と言えるでしょう。
キャラメリゼしたリンゴをパイにのせたタルトタタン。このタルトはホテル経営をしていたタタン姉妹が生み出したものといわれています。
焦げたリンゴをリカバリーしようとしてフライパンごとオーブンに入れたところ、キャラメルのほろ苦さがリンゴの甘酸っぱさにマッチ。そのおいしさがゲストに好評で、のちに多くのパティスリーで作られるようになりました。
甘酸っぱいレモンクリームがたっぷり詰まったタルト。フランスのパティスリーでは大定番のお菓子で、レモン果汁と砂糖、たっぷりのバターを炊き上げることで、なめらかで濃厚に仕上がります。
レモンクリームのみのシンプルなものから、たっぷりメレンゲをのせたものまで、パティスリーのオリジナリティが発揮される、おいしく洗練されたひと品です。
卵と砂糖、牛乳、小麦粉で作る、プルンとした食感がおいしいフラン。クラシックでシンプルなタルトですが、近年そのおいしさが見直され、たくさんのパティスリーで見かけるようになった伝統菓子です。
ヨーロッパ各地で同じような卵生地のお菓子が作られていますが、パイタルトに流して焼き上げるのは、フランスで発展したスタイルだといわれています。
カスタードクリームとイタリアンメレンゲで作るシブーストクリームを使用したタルト。ふんわりした食感とやさしい甘みが魅力のひと品です。
加熱したシロップを卵白に合わせるイタリアンメレンゲとカスタードクリームを使用するのは、まだ冷蔵庫が無かった19世紀に、火を通した材料を使用することでケーキの保存性を高めるためのアイデア。フランス菓子の歴史と技が堪能できるひと品です。
幾重にも重なる折り込みパイに、カスタードクリームをサンドしたミルフィーユ。「千の葉」を意味する通り、層状になった香ばしく繊細なパイが口の中で崩れる食感がたまりません。
パイの歴史は長く、ヨーロッパ各地で古くから楽しまれていましたが、現在のミルフィーユは19世紀半ばごろにパリのパティシエが考案したものといわれています。
「スリッパ(=ショーソン)」というかわいい名前が付いたアップルパイです。
日本やアメリカのアップルパイとは異なり、ナイフで模様付けした半月型のパイの中に砂糖やシナモンと炊いたリンゴがたっぷり入っています。ブーランジェリーでも定番の、フランス人にとって欠かせない定番菓子です。
キリスト教の祭日である1月6日の公現節に食べられる伝統的なパイ菓子です。「王様のガレット」とう意味を持ち、パイを切り分け中に入っているフェーブと呼ばれる陶器の人形(以前は名前の通りフェーブ=そら豆が入っていました)を引き当てた人が、その日の王様になれるとされています。
イベント性はもちろん、レイエと呼ばれる美しいパイの模様や、中のしっとりとしたアーモンドクリームがパティシエの技を感じさせてくれるひと品です。
「白い山」を意味するフランスのモンブランは、万年雪に覆われるアルプス山脈に近いイタリア・ピエモンテ州の家庭菓子がルーツとされています。
イタリアのモンブラン(=イタリア語でモンテビアンコ)は、栗に雪を模したクリームをかけた、名前の通りの白い山のようなスイーツでした。現在日本でもよく作られるマロンクリームを表面に絞った茶色いモンブランは、パリの老舗パティスリー「アンジェリーナ」が考案したといわれています。
どっしりとしたチョコレートの味わいと、カカオの豊かな香りが食欲をそそるガトーショコラ。焼成したチョコレート菓子の発祥は18世紀ごろといわれており、長い歴史を誇ります。
フランスのガトーショコラは濃厚でトロリとした半熟状態のものも多く、無糖のシャンティクリームと相性抜群。フランスのブラッスリーやビストロのデザートとしても定番のお菓子です。
アーモンド香るビスキュイジョコンドと、コーヒークリーム、ビターチョコレートを積み上げ、仕上げに光沢が美しいグラサージュをかけたオペラ。
グルメな大人も唸る完成度の高いケーキです。パリの老舗パティスリー「ダロワイヨ」のオーナー婦人が、オペラ座をイメージしたケーキを作ってほしいとリクエストしたことから生まれました。
「ビスキュイ・キュイエール」と呼ばれるふっくらした棒状のビスキュイを、洋梨ムースに貼り付け、表面に薄切りの洋梨をたっぷり飾った可憐なひと品。
隣国・イギリスの王妃シャルロットが身に付けていた帽子に形状が似ていることからこの名前が付いたといわれています。名前はイギリス風、発祥はフランスの、ユニークな歴史を持つケーキです。
コルク型が特徴的なババ・オ・ラムは、王家お抱えパティシエだったストレー氏が生み出したお菓子です。王のリクエストで乾燥したブリオッシュを何とかおいしく食べられるように考えたストレー氏は、ブリオッシュをお酒に漬けてアレンジ。
彼がパリでパティスリーを開店した際に、ラム酒入りのシロップを使用するなどの改良が加えられました。そのおいしさはパリジャンたちに評判となり、現在でもパティスリーやビストロの定番菓子として人気です。
日本でも人気のフランス菓子・マカロンは、上述したメディチ家の花嫁カトリーヌがフランスに持ち込んだものといわれています。
マカロンと同様の、メレンゲにアーモンドプードルを合わせた砂糖菓子は、実はヨーロッパ各地に存在します。しかし、私たちになじみ深い、カラフルで洗練されたフォルムのマカロンは「マカロン・パリジャン(=フランス人のマカロン)」と呼ばれ、フランスで発展したものです。
マシュマロのようなふわっと弾力のある砂糖菓子・ギモーヴ。「ウスベニタチアオイ(=ギモーヴ)」という植物の根から採れるでんぷん質を凝固剤代わりとして使用していたことに由来しています。
現在ではゼラチンが使用されていますが、ギモーヴには一般的にマシュマロのように卵白は入らず、シロップとフルーツピューレなどの水分、ゼラチンのみで作られるのが特徴です。雑味がなく、口の中でスッととろける軽さが魅力です。
フルーツのピュレをゲル化剤のペクチンで固め、表面に砂糖をまぶしたフランス定番の砂糖菓子です。
ゼラチンで固めたグミとは違う、歯切れの良いやわらかな食感が特徴で、フルーツを凝縮したようなみずみずしさが楽しめます。10世紀にフランスのオーヴェルニュ地方で生まれたとされる、歴史ある伝統菓子です。
長い歴史のあるフランス菓子。伝統的な製法が守られるだけでなく、新しい技術や味を取り入れたお菓子が日々登場し、常に進化を続けています。本記事でご紹介できなかったものも含め、おいしく考え抜かれたフランス菓子の種類や歴史に詳しくなれば、もっとティータイムが楽しくなるはず。この記事をきっかけに、ぜひいろいろなフランス菓子にチャレンジしてみてくださいね。
※商品情報や販売状況は2023年06月23日時点でのものです。
現在の情報と異なる場合がございますが、ご了承ください。
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