喪中で迎える新年に挨拶はつきものです。対面・LINE・メールでの挨拶をはじめ、神様への挨拶もあります。この記事では、喪中の新年の挨拶マナーについて徹底解説。また、喪中はがきの書き方や例文、年賀状を受け取った場合の対処法もご紹介します。

そもそも喪中とは?

池に浮かぶピンク色の蓮の花

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喪中とは喪に服す期間のことです。「喪」とは故人の死を悼(いた)み、一定期間の行動を慎むという意味。ただし、キリスト教や浄土真宗のように、宗教や宗派によっては喪中という概念自体がない場合もあります。

喪中の期間

喪中の期間は法令による定めはありませんが、一周忌が終わるまでの約1年間とするのが一般的です。しかし、故人との関係性や地域の慣例によっても異なり、地域の慣例がある場合はそれに従うのがよいでしょう。

喪中の対象となるのは「2親等までの親族」とするのが通例です。故人との関係による喪中期間の目安は以下の表を参考にしてください。

【故人との関係別】喪中期間の目安

故人との続柄別喪中期間の目安表

忌中(きちゅう)とは?

喪中には「忌中」と呼ばれる期間があります。「忌」とは故人をまつることに専念する期間という意味です。

忌中期間は故人が亡くなった日を1日目とし、仏教(浄土真宗を除く)の場合は四十九日法要が終わるまでの49日間神道は五十日祭が終わるまでの50日間のことをいいます。忌中は特に行動を慎み、お祝いごとは避けるべきです。

喪中は新年の挨拶を控えたほうがいい?

ピンク色の背景に置かれたさまざまな正月飾りやモチーフ

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喪中であれば、「明けましておめでとうございます」という新年の挨拶は控えるのが原則です。

故人が亡くなって一年も経たない喪中は、故人を偲(しの)び、悲しみから立ち直ろうとする時期。「おめでとうございます」のようなお祝いの言葉はふさわしくありません。

喪中に新年の挨拶をしたい場合は?

喪中に新年を迎え、対面で挨拶をする際は「おめでとう」という言葉は使わず、別の言葉で伝えればOKです。「今年もどうぞよろしくお願いいたします」「昨年はお世話になりました。本年もよろしくお願いいたします」などと挨拶すれば問題ありません。

ビジネスでの挨拶はどうしたらいい?

ビジネスシーンで取引先や関係先に新年の挨拶をする場合は、臨機応変に対応しましょう。

身内に不幸があり、自分が喪中であることを相手は知りません。そのため、割り切って通常の新年の挨拶をするというのも一案です。

ただし、心情として「おめでとう」という言葉を言いたくない場合は、「昨年はお世話になりました。本年もどうぞよろしくお願いいたします」と挨拶すればよいでしょう。

LINEやメールで挨拶してもいいの?

親しい友だち同士であれば、LINEで新年の挨拶をするケースも多いもの。この場合も対面での挨拶同様、「おめでとう」という言葉を控えれば特に問題はありません。

メールで会社の関係先や海外の方などへ新年の挨拶をする場合も同様です。

喪中に年賀状が届いたときの対応方法とは?

赤い郵便ポストにはがきを入れている様子

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新年の挨拶を控えるべき喪中期間は、年賀状は出さないのが鉄則です。

普段、年賀状のやり取りをしている相手には、新年を迎える前に喪中はがきを送るのがマナー。新年に年賀状が届いたときは、寒中見舞いを出して対応しましょう。

寒中見舞いとは?

寒中見舞いは冬の寒い時期に相手を気遣って送る季節の挨拶状ですが、喪中の場合の挨拶状としての役割もあります。

寒中見舞いを出す時期

寒中見舞いは、松の内(関東は1月7日まで、関西は1月15日まで)が明けてから立春(2月3日または4日頃)までに届くよう手配します。松の内が明ける1月7日または15日頃には投函できるよう準備するとよいでしょう。

寒中見舞い用のはがきの選び方

寒中見舞いには、通常はがき(切手不要タイプ)、または私製はがき(切手を貼るタイプ)を用います。年賀はがきを使うのはNGです。

喪中の際は干支や七福神などおめでたい絵柄付きのはがきは避け、シンプルなデザインで落ち着いた色合いのものを選びましょう。

寒中見舞いの書き方・例文

茶色のテーブルに置かれたはがきと黒のボールペン

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寒中見舞いでは、年賀状を受け取ったお礼を述べ、喪中のため新年の挨拶を控えたことを伝えます。寒中見舞いの例文をふたつ紹介します。

<例文1>喪中に年賀状を受け取ったときの寒中見舞い

寒中お見舞い申し上げます
このたびはご丁寧なお年始状をいただきありがとうございました

私方 昨年〇月に〇(続柄)が他界いたしましたため 年頭のご挨拶を控えさせていただきました

なお時節柄一層ご自愛のほどお祈り申し上げます

令和○年○月 

<例文2>喪中はがきを出せなかったときの寒中見舞い

寒中お見舞い申し上げます
このたびはご丁寧なお年始状をいただきありがとうございました

私方 昨年〇月に〇(続柄)が他界いたしましたため、年頭のご挨拶を控えさせていただきました

連絡が行き届かず申し訳ございませんでした
なお時節柄一層ご自愛のほどお祈り申し上げます

令和○年○月 

喪中はがきを出した相手には寒中見舞いは送らなくていい

喪中はがきを送った相手から年賀状が届いた場合、基本的に寒中見舞いは不要です。ただし、喪中はがきを見落とした可能性もあります。

目上の方からの年賀状に対し、返信しないことが躊躇される場合は、寒中見舞いを送っても問題ありません。

喪中で新年を迎える前にやるべきことは?

喪中はがきの横に白い菊の花が置かれている様子

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喪中の人が旧年中にすべきことは、喪中はがきを出すことです。ここでは、喪中はがきの出し方について基本的なマナーをご紹介します。

喪中はがきを出す

喪中はがきとは、喪中期間の正月に新年の挨拶を控えさせていただくことを相手に知らせる「欠礼状」です。

喪中はがきを出す対象は、普段年賀状をやり取りしている相手。親や兄弟など、喪中であることを知っている身内へは出す必要はありません。

喪中はがきを出す時期

喪中はがきは、相手が年賀状の準備を始める前に届くよう手配するのがマナーです。11月中か遅くても12月上旬には届くようにしたいもの。

また、年末に身内に不幸があって喪中はがきを出せなかった場合は、松の内が明けてから寒中見舞いを送りましょう。前述した寒中見舞いの書き方、例文1を参照してください。

喪中はがきの選び方

喪中専用の通常はがきを使用するのが一般的。絵柄は花柄が多く用いられ、シンプルで控えめなものが基本です。色合いはモノクロ、淡いブルーや紫など落ち着いたものを選びましょう。

喪中はがきの書き方・例文

喪中はがきの横に紫色の花が置かれている様子

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喪中はがきには、書き出しに「新年の挨拶を控えさせていただく旨」の挨拶文を入れ、時候の挨拶は不要です。喪中はがきの例文をふたつ紹介します。

<例文1>故人の情報をいれた喪中はがき

喪中につき年末年始のご挨拶をご遠慮申し上げます

○(続柄)〇〇(故人の名前)が○月○日に他界いたしました
生前に賜りましたご厚情に心から御礼申し上げます

今後とも変わらぬご厚誼を賜りますようよろしくお願いいたします

令和○年○月

<例文2>故人の情報をいれない喪中はがき

喪中につき新年のご挨拶をご遠慮申し上げます

本年中のご厚情に深く感謝いたします
今後とも変わらぬご厚誼を賜りますようよろしくお願いいたします

令和〇〇年〇月

LINEやメールで喪中であることを伝える

LINEで新年の挨拶を交わしている相手へは、ごく親しい友達に限り、LINEで喪中であることを伝えてもよいでしょう。

ただし、相手の住所がわかっている場合は喪中はがきを送るほうが丁寧な印象を与えます。メールのみで新年の挨拶を交わしている場合も同様です。

喪中は神社仏閣への新年の挨拶は控えるべき?

新年を迎えたお寺と仲見世通り

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喪中で迎える新年、初詣に行ってもよいのか気になるところです。神社の場合、喪中であっても忌中を過ぎていれば参拝できますお寺の場合は喪中や忌中に限らず、参拝が可能です。

神道では死を「穢れ(けがれ)」と捉え、忌中の50日間は神様のいらっしゃる神社に足を踏み入れることを禁じています。神社で葬儀を執り行わない理由もそのためです。

仏教では宗派によっても死の考え方は違いますが、神道のように死を穢れとは捉えていません。そのため忌中であっても参拝できます。

喪中の新年の挨拶は故人と相手への配慮を忘れずに

喪中の新年であっても、「おめでとう」という言葉を使わずに挨拶はできます。新たな年の始まりだからこそ、気持ちよく挨拶を交わしたいもの。

そのためにも基本的なマナーは要チェックです。故人を偲びつつ、相手への配慮も忘れずに新年をお過ごしくださいね。

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