新年の挨拶としてお世話になっている方に送る「年賀状」。感謝や幸せを願う気持ちを正しく伝えるためには、マナーを確認しておくことが大切です。この記事では、新年の挨拶の基本マナー解説し、年賀状の例文も相手別に詳しくお伝えします。

新年の挨拶の基本マナー

机の上に置いた年賀状とボールペン

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新年の挨拶は「松の内」中に送る

新年の挨拶は早めにおこなうのがよく、年賀状は元日から遅くとも「松の内」の期間に届くうよう出すのがマナーです。松の内とは年神様を迎えるための松を飾っている期間で、一般的には1月7日まで、関西では15日までを指します。

松の内を過ぎてから挨拶をする場合は、寒中見舞いとして送りましょう。

忌み言葉を避ける

「忌み言葉」は、その場面にとって縁起が悪い・ふさわしくないことから使用を避けるべき言葉を指します。

新年の挨拶での代表的な忌み言葉は「絶える・衰える・枯れる・去る・滅びる・切る・失う・終わる・離れる」など。前年を意味する「去年」も忌み言葉になるため、挨拶文では「昨年は~」や「旧年中は~」などを使いましょう。

喪中の人へは「寒中見舞い」か「年始状」にする

相手が喪中の場合は年賀状での挨拶を控え、寒中見舞いを送るのが一般的です。お見舞いの言葉や相手の健康を思いやる内容で、松の内が明けた18日(関西では115日)から、節分の前日である「立春」までに届くよう送ります。

また最近では、喪中の方や被災された方への新年の挨拶として、お祝いの言葉を使わない「年始状」を送る方法もとられています。その際は年賀状ではなく普通のはがきを使い、元日~松の内に届くように出しましょう。

新年の挨拶「年賀状」の基本ルール

年賀状のはじめに「賀詞」を記載する

年賀状には「賀詞(がし)」を記すのがルールです。賀詞とはお祝いを表す言葉のこと。喜びやおめでたい気持ちをひと言で表せる、新年の挨拶に適した賀詞がたくさんあります。

賀詞の正しい使い方

賀詞はさまざまな種類のものがあり、送る相手によって使い方を変える必要があります。目上の方や上司など敬うべき相手には、四文字や文章の賀詞を選ぶのがマナー。これは一文字・二文字の賀詞は簡略表現であることが理由です。友人や同僚、後輩などへの年賀状にはどの文字数を選んでも構いません。

また以前には、四文字の賀詞は男性的で女性は文章の賀詞を使うのがよいという風潮があったため、なかには気にされる方もいることを参考までに覚えておくと安心です。賀詞の書き方については、年賀状の最上部や右上に大きめの文字で目立つように記載するのが一般的です。

賀詞の種類と意味

前述のとおり賀詞は種類が多く、それぞれ異なる意味を持っているのが特徴です。ここでは、文字数別に具体的な賀詞とそれぞれの意味をまとめています。年賀状を書くときにお役立てください。

漢字一文字の賀詞

・福......幸せ

・賀......祝福

・春......新年

・寿......めでたい

・禧......祝福

漢字二文字の賀詞

・賀正(がしょう)......正月を祝う

・迎春(げいしゅん)......新しい春を迎える

・賀春(がしゅん)......春を祝う

・豊楽(ほうらく)......豊かに楽しむ

・献春(けんしゅん)......春をたてまつる

・福寿(ふくじゅ)......長命で幸福

・初春(しょしゅん・はつはる)......春を喜ぶ

・新春(しんしゅん)......春を喜ぶ

漢字三文字の賀詞

・賀新春(がしんしゅん)......新春のお祝い

漢字四文字の賀詞

・謹賀新年(きんがしんねん)......つつしんで新年を祝う

・恭賀新春(きょうがしんしゅん)......うやうやしく新春を祝う

・敬頌新禧(けいしょうしんき)......つつしんで新年の喜びをたたえる

・長楽萬年(ちょうらくばんねん)......幸福と長寿ずっとが続く

・瑞気集門(ずいきしゅうもん)......めでたい気が門に集まる

・敬賀新正(けいがしんしょう).....つつしんで正月を祝う

文章の賀詞

・謹んで新春のお慶びを申し上げます(フォーマルな年賀状向き)

・新年のお祝詞(のりと)を申し上げます(フォーマルな年賀状向き)

・新年おめでとうございます

【基本】新年の挨拶の例文 

祝詞と挨拶文が書かれた年賀状

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賀詞に続いて書くのは、新年の挨拶の言葉です。日頃お世話になっていることへの感謝や今後のお付き合いを願う言葉、相手の健康や繁栄を願う気持ちを書きます。ここからは、新年の挨拶の例文を、基本・親しい間柄・ビジネスシーンの3パターンに大別し、さらに相手別に詳しく紹介していきます。

例文

新春のお喜び申し上げます

昨年は大変お世話になり誠にありがとうございました

皆様にとりまして幸多き一年となりますよう

心からお祈りいたします

本年もどうぞよろしくお願いいたします

【親しい間柄】新年の挨拶の例文

年賀状を書く手元

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親しい間柄といっても両親や義両親、親族、友人、恩師など相手との関係性はさまざま。相手に適した挨拶文を書くのがマナーであり、より良い関係に繋がります。健康を気遣う言葉や近況報告など、関係性によってアレンジするとさらに気持ちが伝わりやすくなりますよ。

【両親・義両親】新年の挨拶の例文

いつも温かいお心遣いに感謝しております

笑顔あふれる一年となりますようお祈り申し上げます

まだまだ寒さ厳しい毎日が続いておりますが、くれぐれもご自愛ください

本年もどうぞよろしくお願いいたします

【親族】新年の挨拶の例文

すっかりご無沙汰しておりますが皆様お元気でしょうか

おかげさまで家族一同元気に新年を迎えました

皆様のご健康とご多幸を心からお祈りいたします

本年もどうぞよろしくお願いいたします

【友人】新年の挨拶の例文

昨年は大変お世話になりました

いつも楽しい時間を本当にありがとう

今年もお互いに心豊かな一年になりますように

【恩師】新年の挨拶の例文

ご無沙汰しておりますがお元気で過ごされていることと存じます

向寒の折くれぐれもご自愛ください

○○先生のご多幸と益々のご活躍をお祈り申し上げます

【ビジネスシーン】新年の挨拶の例文

社会人同士がデスクの上で握手をしている

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ビジネス関係の年賀状は上司や同僚、取引先など、送る相手の立場に適した言葉を使うよう、特に注意が必要です。また、会社によっては年賀状についての規則がある場合も。事前に確認しておきましょう。

【上司】新年の挨拶の例文

昨年中は並々ならぬご厚情を賜り厚く御礼申し上げます

本年はさらなる飛躍の年となるように努めてまいります

昨年同様ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします

【同僚・後輩】新年の挨拶の例文

昨年は公私ともに大変お世話になりました

今年もともに仕事ができること楽しみにしています

またお互い切磋琢磨していきましょう

本年もどうぞよろしくお願いいたします

【取引先】新年の挨拶の例文

ますますご健勝の事とお慶び申し上げます

旧年中は格別のお引き立てに預かり厚く御礼申し上げます

貴社ともども発展していけるよう精進する所存です

本年もより一層のご愛顧のほどよろしくお願いいたします

新年の挨拶で良好なコミュニケーションを

新年の挨拶は松の内におこなう、忌み言葉を避けるといったマナーがあります。年賀状の賀詞や挨拶文も送る相手に適した内容で書くことが、良好なコミュニケーションに役立ちますよ。例文を参考にして、大切な相手に新年の挨拶で気持ちを伝えてみてください。

※商品情報や販売状況は2024年12月10日時点でのものです。
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