2017/03/17 10:00
その時代でもっともオーソドックスな襟型で長さや開きが極端でない襟型を総称して「レギュラーカラー」といいます。時代毎に基準は変化しますが、襟羽の長さ70~75mm、開き角度75~90度、衿幅は30~38mmが標準的な形です。この襟型が一般的には広く流通しており、特にVゾーンが縦に長いジャケットと相性が良好です。
襟の開き角度が100~140度で、襟羽の長さはレギュラーよりも長めの襟台が高めの襟型のことを「ワイドカラー」といいます。フォーマル性の高い襟型で、襟の開きが広いため、結び目が大きく仕上がるウィンザーノットで結んだタイと相性が良く、別名ウィンザーカラーとも言われます。
襟先に穴をかがり、身頃にボタンで留めるタイプの襟型を「ボタンダウンカラー」といいます。ソフトでフラットな仕上がりが特徴で、ポロの競技用の服の襟をヒントに作られました。典型的なアメリカンスタイルの襟型で、アイビーを象徴するアイテムでもあります。カラーを大きく3分類すると、「ロールド・ボタンダウン」と呼ばれるタイを包むようなゆったりとしたカーブが特徴的なタイプと、平面的な「フラット・ボタンダウン」。そして、襟先が長く襟腰もやや高い「ハイロールド・ボタンダウン」があります。
左右の襟羽の裏から持ち出した小さなタブ(つまみひも又はループ状のもの)の上にネクタイを通して、襟元を引き締めるカラーを「タブカラー」といいます。タイの結び目の下でタブを留めることでタイが持ち上がり、Vゾーンを立体的に見せ、クラシカルでドレッシーな印象を与える襟型です。
襟の剣先を丸型にカットした襟型を「ラウンドカラー」と言います。丸みを帯びた形状から柔らかな印象を与える襟型で エレガントな印象の強いクレリックシャツに遊び心を加える為に使用されることが多いです。
襟の外に折れず首筋に沿ってバンド状に立てた襟を総称して「バンドカラー」といいます。襟羽や折り返しがないため、タイを使った着こなしをしないスタイルとなります。また、広くはスタンドカラーと呼ばれます。補強・防寒の為に付けられたバンドが起源と言われ、襟自体の原型ともいわれるクラシックな襟型です。
礼装用のシャツの一種で「前折れになった立襟」俗に言う「前折れ襟」の襟型の物を「ウイングカラー」と言います。クラシックな雰囲気が魅力の襟型で、まるでウイング(翼)のような前折れの部分からこのように命名されました。この襟を特徴としたワイシャツがウイングカラーシャツと呼ばれ、型崩れを防ぐための芯が入っており、正式なものには襟の後ろ側にボウタイ(蝶タイ)を通すための細いテープがついています。
襟羽先の中程に開けられた穴からピンを通し、その上からネクタイを引き出して着用する襟型を「ピンホールカラー」と言います。また、ピンの両端をクリップ状にして留める形状のカラーもあります。襟にピンを通すことで小さな結び目のタイの崩れを予防し、さらに立体的に見せることで、襟元をドレッシーに引き締める効果があります。
身頃が柄(主にストライプ)か色無地で、襟とカフスを白無地にしたワイシャツのことを「クレリック・シャツ」と言います。もともとクレリックとは僧侶、神父の意でクレリック・シャツは彼らの来ていた衣服に似ていることから作られた和製英語です。正しくは「カラー・セパレーテッド・シャツ」「ホワイト・カラード・シャツ」と言います。
ワイドスプレッドカラーよりもさらに襟先が広く開き、180度近く開いたものを「カッタウェイカラー」と言います。着用時の襟先が水平にみえることから英語で水平線という意のこの名前がつけられました。タイの結び目を大きく作り、タイドアップして着るのが一般的ですが、第一ボタンを開けた際のゆったりとした曲線も魅力的で襟先が目立たずすっきり見えることから、近年ではノータイで着用されることも多いです。
見返しと表襟が一枚続きになった襟型を「イタリアンカラー」と言います。1931年代中頃に南イタリア(カプリ)で流行しはじめたリゾート・シャツに由来し、水兵服のシャツの襟からヒントを得たところから「ミディ・カラー」とも言われます。第一ボタンを開けた際に、襟の返りに生まれる曲線の美しさが魅力的です。類語に「ワンピース・カラー」「アングルド・カラー」「コンチネンタル・カラー」があります。