この記事では、ひな祭りに食べる伝統的なお菓子の由来や、近年食べられるようになったお菓子の特徴についてご紹介します。ひな祭りのごちそうのなかでも、お菓子はお子さまにとって楽しみな食べ物。ぜひ、ひな祭りのお菓子選びのご参考になさってください。

ひな祭りとは?食べ物に込められた意味

小さな雛人形の傍らに桝に入った雛あられ

iStock.com/gyro

33日の「ひな祭り」は、女の子の健やかな成長を願う日。23週間前からひな人形を飾り、当日にはちらし寿司やはまぐりのお吸い物などを食べてお祝いします。また、ひな人形に菱餅(ひしもち)やひなあられをお供えしたり、食べたりするのも伝統的な風習。これらの「ひな菓子」には、厄払いや健康祈願の意味が込められています。

ここでは、伝統的なひな祭りのお菓子とその由来、近年食べられているお菓子の特徴について紹介します。

ひな祭りに食べる伝統的なお菓子

ひなあられ

雛あられが淡い色の懐紙にのせられ、まわりに金平糖が散りばめられている

iStock.com/nikoniko_happy

ひなあられは、赤(桃)・白・緑などに色付けされたあられです。桃色は「魔除け・厄払い」、白色は「清浄・子孫繁栄」、緑色は「健康・長寿」などを表しています。ひなあられは関東と関西で違いがあり、関東ではおもにポン菓子に砂糖がけしたもの、関西では小粒のおかきに塩で味付けしたものが食べられていますよ。

ひなあられの由来は諸説あり、そのなかのひとつは江戸時代の「ひなの国見せ」に関係するものです。ひなの国見せとは、晴れた日にひな人形を外に持ち出し、山や海を見せてあげる風習。その際に持参し、食べられていたのがひなあられだと言われています。

菱餅

赤い折り紙の上にのせた菱餅と、傍らに手毬と桃の花

iStock.com/Wako Megumi

菱餅は、赤(桃)・白・緑の3色が層になった菱形の餅です。ひなあられと同じく、この3色には魔除けや子孫繁栄などの意味が込められています。また、赤は「桃の花」、白は「雪」緑は「新緑」を意味し、春の情景を表しているとも言われていますよ。江戸時代の菱餅は白と緑の2色でしたが、明治時代には現在の3色へと変化しました。

菱形になった理由は、「四角をのばして長寿を願った」「心臓の形を表した」などいろいろな説があり、はっきりとはわかっていません。

引千切

引千切(ひちぎり)は、京都でひな祭りに食べられる上生菓子です。引きちぎったような形の草餅に、赤や白の餡をのせているのが特徴。江戸時代の宮中で、来客が多く忙しいため、餅を丸めず引きちぎって作ったのが由来とされています。

形があこや貝(真珠貝)に似ていることから、「あこや餅」という呼び名も。真珠を育てるあこや貝にちなみ、「真珠のように大切な子」「子宝に恵まれるように」という思いが込められています。

近年食べられるようになったひな祭りのお菓子

桜餅

お皿に2個のせた桜餅とうしろに桜の花の枝

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ひな祭りの和菓子として定番の桜餅。実は、ひな祭りと直接的な関係があるお菓子ではありません。食べるようになった由来は諸説あり、淡いピンク色が女の子をイメージするからという説や、55日の子どもの日に食べる「柏餅」の対となる形で広まったとも言われています。

桜餅は、関東・関西よって種類が異なります。関東風は、小麦粉や白玉粉で作った薄い生地で餡を巻いたもので、「長命寺(ちょうめいじ)」とも呼ばれています。関西風は、道明寺粉で作った粒感のある餅で餡を包んだもので、別名は「道明寺」。どちらも塩漬けした桜の葉で包まれています。

ケーキ

いちごとひな人形の飴菓子でデコレーションされたケーキ

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近年のひな祭りでは、ケーキでお祝いするご家庭も。ひな人形や桃の花、いちごのデコレーションを施したものや、菱餅をイメージして、桃・白・緑のクリームやスポンジを使ったものなどが定番です。ホールケーキのほか、ロールケーキやカップケーキも人気。

お店で買う以外に、手作りのひな祭りケーキを楽しむご家庭も多くみられます。

てまり飴

懐紙をしいた小皿にのせた、カラフルなてまり飴

iStock.com/epp1969

小さな手毬玉(てまりだま)をモチーフにした「てまり飴」は、京都の名産品「京飴(きょうあめ)」の一種。ひな祭り用のお菓子として多く販売されています。

色とりどりで華やかなてまり飴は、おひなさまのお供えにもぴったり。かわいい小袋入りから、巾着やかご、ひな箪笥に入ったものまであり、プレゼントとしても人気です。

ひな祭りのお菓子に願いを込めて

伝統的なひな祭りのお菓子に使われる、赤(桃)・白・緑の3色には、厄払いや清浄、健やかな成長を願う思いが込められています。近年食べられるようになったお菓子も、伝統の3色を使ったものや、華やかでかわいらしいものが定番です。

ひな祭りには、由来や意味を思いつつ、お祝いのお菓子を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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