どのコレステロールが引っかかった?

 皆さんから「健康診断でコレステロールが引っかかりました。油物控えたら大丈夫ですよね?」と相談されることが多いのですが、ちょっと待ってください! どのコレステロールが引っかかったのかにより、実践する項目が異なるので、まずはどの項目が引っかかったのか振り返りましょう。

 いかがでしょうか?そうそうこの項目が気になっていた!と思い当たるものはありましたか? 振り返ると、なんだか基準が厳しい気がする・・・と思う方もいるかもしれません。それもそのはず、病院で受ける血液検査の基準より、健康診断の基準の方が厳しくなっているのです。というのも、健康診断のコレステロールの項目の基準は、「将来、脳・心血管疾患の発症しうる可能性を考慮した基準範囲」として設けられています。

脳・心血管疾患というのは、脳梗塞や心筋梗塞といった動脈硬化により発症しやすい疾患です。コレステロールの値が引っかかった時は、ご自身の体の血管の変化について振り返るよいチャンスです。

 また、コレステロール値が基準から外れていることを、以前は「高脂血症」と呼んでいましたが、HDLコレステロールが低いことも問題となるため、コレステロール値の異常をまとめて、「脂質異常症」と呼ぶことに変わりました。コレステロール値で引っかかった!という時は、脂質の数値で異常がありましたよということなので、生活習慣を見直して改善を目指しましょう。

コレステロールを下げるために油って摂っちゃダメ?

バター オリーブオイル サラダ油

 コレステロールを下げよう!と思った時に、皆さん実践されるのが「油ものを控える」ことかと思います。しかし、コレステロールが高くなる要因は油ものというより、油の質が重要です。

油を分類する時に、どんな構造か脂肪酸の違いによって飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられます。

油の分類

飽和脂肪酸・・・常温で固体→肉の脂身、ラード、バターなど

不飽和脂肪酸・・・常温で液体→魚、亜麻仁油、大豆油、オリーブオイルなど

 巷でよく聞く健康によいといわれる油は、常温で液体の不飽和脂肪酸が多いです。反対に、控えめにするとよいといわれる油は、常温で固体の飽和脂肪酸が多く、飽和脂肪酸を摂り過ぎてしまうと、血管の中にコレステロールが溜まってしまい、血液の通り道が細くなったり詰まったりして、動脈硬化になるといわれています。

コレステロールを下げるには○○すべし!

 そのため、健康診断でLDLコレステロールが高いといわれた方は、飽和脂肪酸を多く含む食品をたくさん摂取するのは要注意です。また、体内でコレステロールがつくられるのは夜間に多くなるので、夕食の内容はLDLコレステロールの材料となる脂質・糖質を控えめにするのがオススメです。

 HDLコレステロールが低いと健康診断でいわれた方は、運動不足や喫煙で思い当たることがあるのでは? また、肥満もHDLコレステロールを下げてしまう要因ですので、運動習慣をつけることと減量がHDLコレステロール改善のキーポイントです。

また、不飽和脂肪酸の中のDHAEPAがコレステロールによいとご存知の方は多いのではないでしょうか。魚の油のDHAEPAには、血小板凝集抑制作用といって、血栓をつくらせにくくする働きがあるので、HDLコレステロールを増やし、LDLコレステロール・中性脂肪を減らして血液をサラサラにするといわれています。特にHDLコレステロールが低いといわれた方は、11回青魚(さんま・さばなど)を食べる習慣をつけるとよいですね。

カロリーバランスが重要

ご飯1杯

 そして、中性脂肪が高いといわれた方は、糖質のとり方が重要です。というのも、油だけでなく、糖質の摂取量が多いことも中性脂肪を増やす要因となるからです。中性脂肪は脂肪と名前についていますが、とり過ぎたエネルギーを保存する形が中性脂肪なので、中性脂肪が増える要因は、日ごろのカロリーオーバーが塵も積もれば・・・と溜まっていったことによります。

 1日に約250kcal余分に食べると、1ヶ月で脂肪が1kg増加するといわれています。250kcalというと、ご飯 茶碗1杯(150g)です。毎晩ご飯をおかわりしていると、おかわりで食べた分が脂肪として溜まってきてしまいます。また、お菓子でいうと250kcalは、ショートケーキ1個や大福1個、棒アイス1本です。ついつい食べてしまいやすいので、健康診断の結果とともに日ごろの食生活を振り返るチャンスにしてみてくださいね。

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