ライフスタイル&ヘルス2023/11/17 更新
パーティやお祝いの席での乾杯によく登場するシャンパンとスパークリングワイン。この2つはどちらも発泡性ワインですが、「どこに違いがあるのだろう」と思ったことはありませんか?本記事では、シャンパンとスパークリングワインの違いを詳しく解説。あわせて、国ごとに異なるスパークリンワインの名称と特徴も紹介していきます。
スパークリングワインとは発泡性ワインすべてを指す総称です。3気圧以上の炭酸ガスを含んだワインを指し、1〜2.5気圧のものはセミスパークリングワイン(弱発泡性ワイン)と呼ばれます。
スパークリングワインはきめ細やかな泡が重要とされ、一般的には泡粒の大きさが小さければ小さいほど高品質。また白が基本ですが、ロゼや赤のスパークリングワインも造られています。
シャンパンとスパークリングワインは混同されがちですが、実はシャンパンはスパークリングワインの一種。
フランスのシャンパーニュ地方で造られ、フランスのワインの法律(AOC法:原産地呼称管理法)で定められた条件をすべて満たしたスパークリングワインのみをシャンパンと呼ぶことができます。
条件にはブドウの品種、栽培や製造方法、アルコール度数などが含まれ、たとえシャンパーニュ地方で生産されていても、条件を満たしていなければシャンパンと名乗ることはできません。
【まとめ】スパークリングワインとシャンパンの違い
ひと口にスパークリングワインといっても、さまざまな方法で造られています。主な製造方法が「トラディショナル方式」「シャルマ方式」「トランスファー方式」の3つです。
一次発酵を終えたスティルワイン(発泡していない通常のワイン)を瓶に詰め、糖分と酵母を加えて瓶内で二次発酵させる製法。ゆっくりとワインを発酵・熟成させていくため、きめ細かい泡が作られます。
時間と手間、コストがかかることから、高級スパークリングワインに用いられるのが特徴。シャンパン方式とも呼ばれ、シャンパンはこの製法で造られます。
スティルワインを大きなタンクに入れて密閉し、その中で二次発酵させる製法。短期間で大量生産できるため、手間とコストを抑えることができます。
製造過程でワインが空気に触れることがなく、フレッシュでフルーティな味わいに仕上がるのが特徴。泡のきめ細やかさや持続性はトラディショナル方式と比較すると劣ります。
瓶内で二次発酵させた炭酸ガスを含んだワインを、加圧したタンクに移し、冷却、濾過後に新しいボトルに詰め替える製法。トラディショナル方式の一部の工程を省いたもので、コストを抑えることが可能です。きめ細かい泡はできませんが、スッキリと飲みやすいスパークリングワインに仕上がるのが特徴。
これら3つの製造方法に加えて、スティルワインに炭酸ガスを注入して人工的にスパークリングワインを造る「炭酸ガス注入方式」と、発酵途中のワインを瓶詰めして発酵の続きを瓶内でさせる「リュラル方式」があります。
フランスのAOC法で定められた複数の条件をすべて満たしているスパークリングワインのみがシャンパンと名乗ることができます。それら条件のうち、ここでは「原産地」「ブドウ品種」「製造方法」について紹介します。
シャンパンはフランスのシャンパーニュ地方で生産されなければなりません。シャンパーニュはパリから北東約140kmのところに位置し、フランスで最北のワイン生産地です。
シャンパンの製造に使用できるブドウは7品種。主要3品種は、白ブドウのシャルドネ、黒ブドウのピノ・ノワールとピノ・ムニエです。一般的に、シャルドネが柑橘系の香りと酸味をもたらし、ピノ・ノワールとピノ・ムニエがふくよかさ、力強さ、丸みを与えるとされています。
主要3品種が全体の栽培面積の99%以上を占め、生産量は少ないですが、ピノ・グリ、ピノ・ブラン、アルバンヌ、プティ・メリエの4品種も使用可能。すべて白ブドウです。
シャンパンは手間と時間のかかるシャンパン方式で造られます。なかでも特徴的な工程が瓶内二次発酵です。一次発酵を終えたスティルワインを1本ずつ瓶に詰め、糖分と酵母を加えて約2ヵ月間かけてゆっくりと瓶内で発酵させることで炭酸ガスが発生。この工程でワインの香りがより複雑になり、きめ細やかな泡のシャンパンへと変化していきます。
その後、瓶の中で15ヵ月以上、ヴィンテージシャンパンにいたっては36ヵ月以上熟成させなければなりません。熟成後は、発酵で生まれた澱(おり)を抜く作業がおこなわれます。そして澱抜きで目減りした液体量と味のバランスを整えるためにリキュールを加えるとシャンパンが完成。このリキュールの量により、シャンパンの甘口辛口度合いが決まります。
シャンパンは一般的なスパークリングワインよりも高価です。これは、シャンパンの製造には保管場所、時間、手間がかかりコストが上がるため。またシャンパンに使用できるブドウの価格が高いことも理由のひとつです。
手頃な価格のスパークリングワインとシャンパンとの味の違いは、クリーミーできめ細やかな泡にあるといわれています。味わいはそれぞれのシャンパンによって異なりますが、一般的に洋ナシや桃、アプリコット、りんご、白い花、バニラ、カラメル、はちみつのような濃厚な香りが特徴です。
前述のとおり、シャンパンは定められた条件をすべて満たしたもののみが名乗れる、スパークリングワインの一種です。フランスのAOC法では、製造に関してさまざまな規定を設けて、シャンパンの品質を守っています。
シャンパンの定義と特徴は、以下のとおりです。
世界中のあらゆる国で生産されるスパークリングワイン。発泡性ワインの総称を英語でスパークリングワインといいますが、国によって呼び方が異なります。
フランスでは、炭酸ガスが3気圧以上の発泡性ワインをヴァン・ムスーと呼びます。シャンパンもヴァン・ムスーのひとつ。1〜2.5気圧の弱発泡性ワインはペティヤンと呼ばれています。
またクレマンと呼ばれるのが、シャンパーニュ地方以外の特定の認定地域において、シャンパンと同様に瓶内二次発酵によるトラディショナル方式で造られる発泡性ワインのこと。
イタリアで造られる発泡性ワインの総称がスプマンテです。代表的なものとして、ヴェネト州で造られるプロセッコ、ロンバルディア州のフランチャコルタ、ピエモンテ州のアスティなどが挙げられます。
特にプロセッコは、シャンパン、カヴァと並ぶ世界3大スパークリングワインのひとつ。プロセッコはシャルマ方式で造られるため新鮮な果実の風味が特徴で、普段ワインを飲まない方でも親しみやすい味わいとなっています。
スペインでは発泡性ワインのことをエスプモーソと呼びます。代表的なのが、主にカタルーニャ州で造られるカヴァです。カヴァにはスペイン固有のブドウ品種である、マカベオ、チャレッロ、パレリャーダがよく使用されます。これらの品種は比較的酸味が穏やかであるため、シャンパンと比べると酸味が少なく飲みやすいのが特徴。
またカヴァは製造過程であまり補糖をおこなわず、辛口のものが多く造られています。そしてシャンパンと同じ製法で造られますが、手頃な価格で流通しているのも特徴です。
ドイツの発泡性ワインはシャウム・ヴァインと呼ばれます。代表的なものがゼクトで、一次発酵あるいは二次発酵により3.5気圧以上の炭酸ガスが発生していること、アルコール度数10%以上という規定を満たされなければなりません。
ゼクトは大量生産された手頃な価格のものから、トラディショナル方式で造られる高級品までさまざまです。一般的に高級なのものは熟成期間が長く、まろやかな酸味に旨味と泡が溶け込んだ仕上がり。手頃な価格のものは熟成期間が短く、よりフレッシュな泡と酸味が特徴です。
またゼクトは甘さの段階が7つに分類されてボトルに表記されているため、ワインを選ぶ際の参考にすることができます。
シャルドネとピノ・ノワールを使用した、オーストラリアを代表するスパークリングワインです。伝統的な製法を用いた丁寧な作りと18ヶ月間の瓶熟成を経た、複雑で豊かなアロマが満足度を高めます。フレッシュなシトラスを思わせる果実味が、乾杯から食事、デザートまで寄り添いますよ。
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「テルモン」は1912年に創業した小規模な生産者です。ブドウの比率はシャルドネ43%、ピノ・ムニエ37%、ピノ・ノワール20%。2017年をベースに7ヴィンテージのシャンパンをブレンドしており、フレッシュさと芳醇な風味が共存しています。スモモやスパイスを感じる味わいです。
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1922年に創業した、家族経営の小規模な生産者が手掛けるワインです。ブドウの比率はピノ・ノワール65%、ピノ・ムニエ35%。かわいらしいロゼ色からも連想される、イチゴのようなベリー系の繊細な香りが印象的です。飲みごたえがある味わいで、程よい力強さを感じます。
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ブランドブランとは、白ブドウのシャルドネのみから造られたシャンパンを表します。このシャンパンは、減農薬農法を取り入れて栽培されたシャルドネを使用。りんごや洋ナシ、甘草やミントのアロマを感じます。最低5年以上熟成させた充実感のある味わいと、長い余韻を楽しんでください。
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2010年に収穫されたシャルドネとピノ・ノワールのみを使用して造られた、特別なシャンパンです。アカシアやスイカズラ、ケシの花のような繊細な香りと、ビスケットやトーストを思わせるやわらかなアロマがあります。豊かな果実味と、ミネラル感のある味わいが印象的です。
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シャンパンとは、フランスのシャンパーニュ地方で特定の条件下で造られるスパークリングワインのこと。本記事では、国や地域によってスパークリングワインの名称が異なり、使われるブドウ品種や製造方法によって味にも違いが生まれることをご紹介しました。このように違いがあることを知っていると、ワインを飲む時間がこれまで以上に楽しくなりそうですね。
※商品情報や販売状況は2023年11月17日時点でのものです。
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