ライフスタイル&ヘルス2022/7/27 更新
正月のおせちに出てくる筑前煮。具材一つひとつに意味が込められていたり、地域によって呼ばれ方が異なっていたりと、じつは知らないことがたくさん。本記事では、筑前煮の意味や由来、地域による呼ばれ方、人気レシピや阪急おすすめのおせち商品などをご紹介していきます。
筑前煮はもともと九州地方の代表的な郷土料理として親しまれており、その後全国的に有名になって、おせち料理として用いられるようになりました。
筑前煮の具材として使用されているものの共通点としてあげられるのは、「大根」「にんじん」「こんにゃく」のように、「ん」がつくという点。「運」がつくとされ、縁起の良いものと考えられています。
食材一つひとつに意味が込められていますが、代表的なものとして「れんこん」があります。れんこんには穴が空いており、向こう側を見通せることから、「将来への見通しが良くなるように」という願いが込められているのです。
筑前煮と同じく、里芋やにんじん、こんにゃくなどの食材を煮て作る「煮しめ」。煮しめという名前の由来は調理法の「煮しめる」から。「煮汁がなくなるくらいまで、時間をかけて煮る」という意味を持っている言葉です。
それが転じて「煮しめ」という料理名になったといわれています。「家族が仲良く一緒にいられるように」「みんなで末永く繁栄しますように」という意味が込められていて、筑前煮と同じく重箱の3段目に入れられるのが一般的です。
厳密には異なる料理である「筑前煮」と「煮しめ」ですが、"おせちにはこちらを入れる" という明確な決まりはありません。言葉の由来は違いますが、現在では混同して使われることも多いのが実情です。お家でおせちを作る場合は、家族が好む味付けの煮物を入れると良いでしょう。
里芋は、ひとつの種芋にたくさんの小芋がつくことから、子宝・子孫繁栄の願いが込められています。また、里芋の種類のひとつである「八つ頭」には、「八」という数字における "末広がり" の意味があり、縁起の良い食べ物とされています。
ごぼうは、地中深くまで根を張る野菜です。そのため、「家族・家業の土台が安定し、土地に根を張って繁栄するよう」にという願いが込められています。また、力強く成長する姿から「長寿」の象徴と考えられることも。
れんこんやふきは穴が空いている食材。「将来の見通しが良くなるように」という願いが込められています。また、れんこんは種が多く、多産を象徴することから、子孫繁栄の意味も。さらに、ふきは「冨貴」とも書けるため、豊かな生活を祈る意味もある食材です。
昔は採るのが難しく高級品とされていたしいたけ。そのため、昔から祝い事やお正月など特別な席では、縁起物として扱われてきました。筑前煮・煮しめに使用する際は「長生きできるように」という願いを込め、「亀の甲羅」のように六角形に飾り切りすることが多いです。
梅は寒い冬を越えて、春にどんな植物よりも先に花を咲かせることから縁起物とされてきました。にんじんを梅の花に見えるように飾り切りしたものを「ねじり梅」といい、生活の豊かさを願う象徴とされています。
真ん中をねじったねじりこんにゃくは、手綱をイメージして作られます。ちょうどねじったところが結び目に見えるのが特徴です。"結び目" と "縁結び" がかけられたねじりこんにゃくは、良縁や夫婦円満の願いが込められた具材です。
煮しめは、地域によって呼び方や作り方が異なります。北海道では「うま煮」と呼ばれたり、青森などの東北地方では山菜や豆腐を入れた精進料理として親しまれていたりと、じつにさまざま。
関西地方では薄口醤油が使われたり、京都では生麩が用いられたりすることもあります。
煮物料理であることは共通しているものの、ほかにも「がめ煮」「しゅんかん」などさまざま名称を持っている筑前煮。筑前煮のルーツは、福岡県の郷土料理「がめ煮」といわれています。
がめ煮はもともとはすっぽんと野菜の煮物。名前の由来は諸説ありますが、たとえば「亀煮」が「がめに」になったという説や、博多弁の「がめくりこむ(寄せ集める)」から来ているという説があります。
一方で、同じ九州地方でも南部エリアでは、鶏肉ではなく豚肉が用いられた「しゅんかん」と呼ばれる煮しめが正月の定番です。
最初から具材を煮汁で煮ていく煮しめと異なり、筑前煮やがめ煮は具材を油で炒めるところから調理がスタートします。
また、煮汁が少なくなるまで煮込む煮しめと比較すると、汁気が多く、あごだしで煮ることも。がめ煮には、鶏もも肉ではなく、骨つきの鶏肉を使用する場合もあります。
おせち料理は日持ちするものから先に作っていくのがセオリー。煮しめ・筑前煮などの煮物料理は、30日、31日ごろに作るご家庭が多いです。
濃い味付けにし、しっかり水分を飛ばした煮しめであれば、冷蔵保存で3〜4日ほど日持ちさせることができます。ただし、菌の繁殖を防ぐためにも、一日数回は火を入れておくようにしましょう。
筑前煮・煮しめは、お重の三段目に詰めるのが一般的。里芋やこんにゃく、くわいなども合わせて詰めましょう。基本的に一段目には前菜的な意味合いを持つかまぼこや数の子、二段目には海老や鯛、ローストビーフなど見映えするメイン料理を入れるとバランスが取れます。
二段重のおせちにしたいときは、筑前煮・煮しめは二段目に入れるのが一般的。似た色のものは離したり、飾り葉を使ったりすると美しい盛り付けになるでしょう。
たくさん作ったからどうしても余ってしまう......そんなときは煮しめを使ったアレンジレシピがおすすめです。冷凍保存をすると、根菜類やこんにゃくなどの食感が変化してしまうため、おすすめしません。
基本的な味付けはしっかりされているので、カレーにリメイクしたり、少し小さく刻んで炊き込みご飯にしたりと、アレンジしてお楽しみください。
れんこんやごぼうなどの根菜を中心に使った、たっぷり野菜の筑前煮です。具材は飾り切りにするのがポイント。見た目の華やかさはもちろん、味が染み込みやすくなるためおすすめです。また最初にしっかりと炒めることで、コクの深い味に仕上がりますよ。
レシピはこちら|macaroni
時短で作れる圧力鍋の筑前煮。30分ほどで作れるにもかかわらず根菜がやわらかくなり、しっかりした味に仕上がります。圧力鍋を使うと煮崩れしやすいため、食材を大きめの乱切りにするのがコツ。こんにゃくや干ししいたけは、ひと口大のカットでも問題ありません。
レシピはこちら|macaroni
食材のうま味をめんつゆで引き立てる、お手軽な筑前煮もおすすめ。味付けに悩んだときでも、めんつゆだけでしっかりと味が決まります。まろやかな風味に仕上げたいときには、煮上がる直前にみりん大さじ2杯を加えるのがポイント。ツヤが出ておいしく作れますよ。
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かまぼこや伊達巻、黒豆、栗きんとんなど、おせちの定番具材が小分けで入った単品パック「おせち 8品目セット『寿』」です。分量は2~3人前。お皿に盛り付けるだけで、名店の味わいが楽しめます。紅白のなますやかまぼこで、お正月らしい華やかな彩りになりますよ。
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いくらや海老のつや煮、合鴨ロースや鮭の幽庵焼きなど、豪華な食材がたっぷり入ったおせちです。京都の大自然を感じる料亭「わらびの里」が手掛けています。重箱にぎっしり詰まっており、高級感があるのもポイント。冷凍保存できるため、日持ちの心配をしなくて済むのもうれしい点です。
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「ホテルオークラ」が誇る、多彩な食材が詰まった「和洋おせち一段重」。パッと目を引くロブスターを始め、ローストビーフ、真鯛のガランティーヌなど、食べ応えのある食材がたくさん詰まっています。ホテルで食事しているかのような、贅沢な品々が堪能できますよ。名門ホテルの味わいを楽しみたい方にぜひ。
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一年に一度、新しい年の健康や幸福を願って食べるおせち。一つひとつの食材に願いが込められているだなんて、とても素敵ですよね。親しみやすい味付けでさまざまな食材が入っていて、老若男女だれでもおいしく食べることのできる煮しめ・筑前煮。次のお正月は、日本の伝統食「煮しめ」「筑前煮」をご自身で作ってみるのも良いかもしれませんね。
※商品情報や販売状況は2022年07月27日時点でのものです。
現在の情報と異なる場合がございますが、ご了承ください。
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