チョコレートの主原料であるカカオ豆ですが、さまざまな種類や特徴があることを知っていますか。当記事ではカカオ豆の産地や特徴、種類、チョコレートになるまでの流れを解説していきます。チョコレート好きの方はぜひご覧になってください。

カカオ豆とは?産地やチョコレートになるまでの工程を知ろう!

カカオ豆とチョコレート

IStock.com/SEE D JAN

チョコレートやココアの主原料であるカカオ豆。カカオ豆には、いくつかの種類があり、産地などによって香りや味わいの特徴が異なることはご存じでしょうか。

当記事ではカカオ豆に関する基礎知識から、チョコレートになる工程まで詳しく解説していきます。チョコレート好きなら食べておくべき人気チョコレートも紹介するので、ぜひ最後までご覧ください!

カカオ豆とは。大きさや特徴は?

カカオがいっぱい転がっている

IStock.com/Narong KHUEANKAEW

カカオ豆とは、カカオという木に実る果実のなかにある種子のことです。カカオの木はアオギリ科・テオブロマ属の常緑種。枝だけでなく幹にも果実が実るのが大きな特徴です。

果実はカカオポッドと呼ばれ、大きさは直径10~15cm程度。ラグビーボールのような楕円形をしていて、実全体が硬い殻で覆われています。

カカオ豆はカカオポッドを割ると30粒〜40粒程度、採取が可能です。このカカオ豆を原料に使って、チョコレートやココアは作られています。

カカオ豆の食べ方。そのままでも食べられるの?

カカオポッドとカカオ豆が一面にある

IStock.com/SEE D JAN

カカオ豆は、胚乳を発酵・焙煎して粗く砕いた「カカオニブ」にすると食べられます。

カカオニブは加工工程が少ないことから変質度合いが低く、健康効果もあるといわれています。主な栄養素としてポリフェノール、テオプロミン、カフェイン、ミネラルなどが含まれているのが特徴です。

食べてみると、ほろ苦さと酸味が混じったクセのある味わいがあります。(※1)

カカオニブの食べ方は?

カカオニブは、そのままでは食べにくいのでアレンジ方法を紹介します。

1つ目はクッキーなどの焼き菓子に入れて使う方法です。焼き菓子全般と相性が良いので、フィナンシェ、マフィンなど好きなお菓子に合わせてみてください。

2つ目はヨーグルトやスムージーに混ぜて食べる方法です。バナナやはちみつなど、ほかの材料も一緒に加えることでよりおいしく食べられます。

カカオはどんな場所で育つ?

カカオの木になっているカカオポッド

IStock.com/MD Shahjehan

カカオの木は高温多湿の環境で育ちます。具体的には、気温は27度以上、日照時間が1日のうちに5〜7時間程度あり降雨量が多い地域が適しています。

主に中南米や西アフリカ、東南アジアなどの気温の高い地域で育てられていることが多く、コートジボワール、ガーナ、ナイジェリア、カメルーン、エクアドル、インドネシア、ベトナムなどがカカオ豆の主な生産国として挙げられます。

カカオ豆の主な種類・品種

カカオポッドと麻袋に入ったカカオ豆

IStock.com/eefauscan

カカオ豆にはいくつか種類(品種)があります。カカオ豆によって味わいや香りなどが異なるため、どのカカオ豆を使ってチョコレートを作るかで特徴が変わっていきます。

代表的なカカオ豆の品種である、クリオロ種、フォラステロ種、トリニタリオ種についてみていきましょう。

クリオロ種

クリオロ種は中南米で育てられていることが多く、外見的には長細い形状と、白色から黄紫色をしているのが特徴です。

生産量は全体の3〜5%程。病害虫に弱いことから栽培がむずかしく、カカオ豆のなかでも希少な品種にあたります。

クリオロ種の一番のポイントは、花のような華やかで豊かな香りです。その特性を活かして、フレーバービーンズとしても多用されています。苦味が少なく、甘味が強い味わいもポイントのひとつでしょう。

フォラステロ種

フォラステロ種は西アフリカを中心に、広く栽培されている品種です。ラグビーボールのような楕円形の見た目が特徴的で紫色をしています。

病害虫に強く栽培しやすいことから生産量は全体の80%程度。日本では聞きなじみのあるガーナも西アフリカにある国のひとつで、フォラステロ種の栽培に積極的に励んでいます。

またフォラステロ種は、カカオ豆特有の苦味と酸味、そして渋味がすべてそろったバランスの良い品種でもあります。

トリニタリオ種

トリニタリオ種はクリオロ種とフォラステロ種の交配によって生まれた品種です。中米を中心に栽培が進んでいて、色味はものによってさまざまです。

生産量は全体の15〜20%程度。病害虫に強いうえに、クリオロ種の香りの良さとフォラステロ種の渋味を受け継いでいるところが特徴です。

とくに香りの豊かさはポイントで、フルーツ、ハーブ、ナッツなどさまざまな香りを楽しめます。

【まとめ】カカオ豆の主な種類と特徴

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カカオ豆の産地別の特徴

色とりどりのカカオポッド

IStock.com/pierivb

カカオ豆は産地によって特徴が少しずつ異なります。

代表的な生産国のなかからコートジボワール(西アフリカ)、ガーナ(西アフリカ)、エクアドル(中南米)、ベトナム(東南アジア)で採れるカカオ豆の特徴をみてみましょう。

コートジボワール(西アフリカ)

コートジボワールは、カカオ豆の世界トップクラスの生産量を誇る国です。

西アフリカではフォラステロ種という品種のカカオが主に育てられており、苦味が強く、酸味や渋味のある味わいが特徴です。

香り高く、スパイスに似た香りをもっていることも特徴のひとつでしょう。

ガーナ(西アフリカ)

ガーナで採れるカカオ豆は、コートジボワールと同じくフォラステロ種という品種が多いです。そのため苦味・酸味・渋味がすべてそろったバランスの良い味わいがポイント。

食べたあとに残る香ばしさも特徴で、日本人も慣れ親しんでいるチョコレートです。

エクアドル(中南米)

エクアドルのある中南米では、クリオロ種という品種のカカオが多く栽培されています。

クリオロ種は栽培がむずかしいため、カカオのなかでも高品質な品種です。フレーバービーンズとして活用されるほどの、花のような独特な香りが特徴のひとつ。

苦味が少なく甘味が強い味わいを、華やかな香りとともに楽しめるカカオ豆です。

ベトナム(東南アジア)

東南アジアのベトナムでは、トリニタリオ種のカカオ豆が主に栽培されています。渋味を感じる味わいとフルーティーで華やかな香りが特徴です。

フルーツの香り、ベリーの香り、ハーブの香り、ナッツの香りなど、複雑な風味を感じられるのが大きなポイントでしょう。

【まとめ】カカオ豆の産地別の特徴

表.png

カカオ豆が原料として出荷されるまでの流れ

手のひらにのったカカオ豆

IStock.com/Narong KHUEANKAEW

カカオ豆は、カカオの木に成る果実の種子ですが、出荷されるまでどのような工程があるのでしょうか。以下で詳しくみていきましょう。

成木~結実

カカオの木は高温多湿な地域だと育ちやすいです。しかし強い直射日光は苦手なので、ほかの木を植えて日陰を設け、最適な育成環境を作るところからカカオ豆の栽培ははじまります。

適した環境が整ったらカカオの幼木から育成スタート。水をあげながらやさしく育てていくと、3〜5年間のうちに成木へ成長を遂げ、枝や幹から白い花が咲きはじめます。

はじめは1〜2cmの小さな花ですが、受粉が成功して結実すると約半年間かけて15cm程もある大きな果実(カカオポッド)に姿を変えていきます。

収穫~発酵・熟成

枝や幹から直接カカオポッドをもいで収穫していきます。硬いカカオポッドを割ると、中には実(パルプ)と種があるため、どちらも取り出して選別したら次は発酵作業の段階です。

小箱に入れたあと、麻袋などで包んで1週間程度かけて発酵・熟成をおこなっていきます。適度にかき混ぜて空気を取り込み、香りを作りあげていくことも大事です。

乾燥~出荷

発酵・熟成が完了したら、乾燥させていきます。発酵しつづけると水分量が増え、腐敗してしまう可能性があるため、乾燥は重要な工程です。この工程で水分が7〜8%以下になるよう調整します。

乾燥させたら、いよいよ出荷です。できあがったカカオ豆を麻袋などに詰め入れて出荷します。そうして巡り巡っておいしいチョコレートに形を変えて、わたしたちのもとにやってくるのです。

カカオ豆からチョコレートになるまでの流れ

チョコレートと粉々のチョコレート

IStock.com/bit245

カカオ豆がどういった工程を経たら、濃厚なチョコレートになるのでしょうか。ここからは、カカオ豆からチョコレートになるまでの流れをみていきましょう。

カカオ豆をカカオマスにする

まずはカカオ豆をカカオマスにしていきます。

カカオマスとは焙煎したカカオ豆を砕き、種皮を取り除いたもの(カカオニブ)を細かくすりつぶした、ペースト状のもののことです。

カカオニブにはカカオバターが含まれているため、すりつぶしていくうちに、やわらかくなめらかになっていきます。

カカオマスからチョコレートへ

カカオマスが完成したら、そこに砂糖やバター、乳製品などを加えて生地を作ります。次に生地が20ミクロン以下になるよう微細化。細かくすることで、チョコレートの舌触りがなめらかになります。

その後、チョコレートを長時間練り込んでいきます。練ることによって硬さがほぐれ、口どけの良いチョコレートに仕上がるのです。

最後にチョコレートの温度調節をおこなってカカオバターを安定させ、型にチョコレート生地を流し込み成形します。

そうしてできあがったものが、わたしたちがいつも食べているチョコレートです。

【まとめ】カカオ豆の栽培からチョコレートになるまでの流れ

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カカオ豆にこだわりあり!おすすめチョコレート商品3選

1. 「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」プラリネ 6粒入

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3,348円

とろける甘さと風味豊かなナッツの味わいが人気のプラリネ6粒セット。カリカリとした食感もお楽しみいただけるチョコレートです。毎日を頑張っている自分へのご褒美に、家族や友人へのプチギフトに選んでみませんか。

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2.「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」タブレット ボックス

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4,644円

食べやすく正方形にカットされた、タブレット型のチョコレートボックスです。「ペカン ブロンディネ」や「パッション ヴィブラント」など4種類の味わいが楽しめる詰め合わせ。濃厚なコクのあるカカオの風味と、ナッツのザクザクとした歯ごたえを楽しめます。なめらかな舌触りと、とろけるような甘さがクセになりますよ。

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3.「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」トリュフ プレーン 90g

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4,644円

ほろ苦いカカオパウダーを贅沢にまぶした、トリュフチョコレート。濃厚でとろけるようなガナッシュムースがベースになっており、味わい深さを感じられます。カカオのおいしさをしっかり楽しみたい方におすすめ。甘味と苦味のバランスが絶妙で、大人の風味に仕上げられています。

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カカオ豆に注目してチョコレートを選んでみよう!

カカオ豆とは、カカオの木に実る果実の種子のこと。産地によってカカオ豆の味や香りも異なります。普段、食べているチョコレートがどの産地のカカオ豆を使っているのかに着目してみると、チョコレートを選ぶ時間が楽しくなるかもしれませんよ。

【参考文献】

※1 スーパーフード「カカオニブ」とは?|Dandelion Chocolate 公式サイト

(2022/08/25参照)

※商品情報や販売状況は2022年08月23日時点でのものです。
現在の情報と異なる場合がございますが、ご了承ください。