豚肉や牛肉の部位でよく目にするロースとヒレ。それぞれの違いを知っていますか?この記事では、食感や味わい、カロリーや価格など、ヒレ肉とロース肉の違いを詳しく解説します。それぞれの特徴を知っておくと、メニューを選ぶときや料理をするときなどに役立ちますよ。

ロース肉とヒレ肉の違いとは?

白い皿の上に並ぶスライスしたロース肉

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とんかつやステーキを食べるとき、ロースとヒレのどちらを選ぶか迷うことはありませんか?また料理をするとき、どちらの部位にすべきか悩んだことがある方も多いはず。

脂の量や味わい、食感やカロリーなど、ロース肉とヒレ肉にはさまざまな違いがあります。それぞれの特徴を押さえて、日々の生活に役立てましょう。

ロース肉とヒレ肉はどこの部位?

牛肉の部位について記載されたイラスト

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ロース肉とは、肩から腰の部分にある背肉のこと。薄切りでも厚切りでもおいしく食べられるため、すき焼きやステーキなどさまざまな料理に使われています。

一方のヒレ肉は、背骨の両側にある棒状の肉のこと。一頭から少量しか取れないため、希少部位として扱われています。

脂の量・食感・味わいの違い

ロース肉は適度に脂がのっており、赤身と脂のバランスのよい味わいを楽しめます。旨味がとても強い部位なので、肉のおいしさをしっかりと感じたいときにおすすめです。

比べてヒレ肉はほとんど脂身がなく、あっさりとした味わい。きめ細かい肉質が特徴で、豚・牛ともにしっとり柔らかな食感を楽しめます。

【豚肉】ロース肉とヒレ肉の特徴・違い

豚ロース肉とは

塩やブラックペッパー、ハーブなどがまぶされた豚ロース肉

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前述したように、豚ロース肉は肩から背中にかけての部位。「ロース肉」と「肩ロース肉」の2種類があり、それぞれ特徴が異なります。

ロース肉

ロース肉は豚の背中の部分にあります。赤身と脂身がくっきりと分かれており、柔らかな食感と豚の旨味を楽しめるのが特徴。生姜焼きやとんかつ、しゃぶしゃぶやローストポークなど、さまざまな料理に適しています。

肩ロース肉

肩ロース肉は、ロース肉より肩に近いところにある部位。赤身に脂が網目状に広がっているのが特徴で、ロース肉と比べると比較的安く購入できます。薄切り・厚切り・角切りといろいろな形状で販売されており、生姜焼きのような炒め物からカレーといった煮物まで、幅広く活用できます。

豚ヒレ肉とは

茶色い紙の上に豚ヒレ肉が2本のっている

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ヒレ肉はロースより内側にある部位。一頭の豚から800gほどしか取れないため、希少部位として知られています。脂肪が少なくあっさりとしていて、とても柔らかな食感。火を通しすぎると硬くなってしまうので、煮込み料理ではなくトンカツやソテーなどに使うのがおすすめです。

【牛肉】ロース肉とヒレ肉の特徴・違い

牛ロース肉とは

木のトレーにのった牛ロース肉の塊とスライス

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牛ロース肉は「肩ロース」「リブロース」「サーロイン」の3つに分かれます。それぞれどこにある肉なのか、特徴やおすすめの調理法とともに見てみましょう。

肩ロース肉

肩ロース肉は、ロース肉の頭側、肩から背中にかけてにある部位です。比較的よく動かす場所にあるので、ほどよく柔らかな食感を楽しめます。適度に脂がのっており、薄切りにしてしゃぶしゃぶやすき焼きに使うのが人気です。

リブロース肉

リブロースの「リブ」は、ろっ骨やあばら骨という意味。リブロースは肩ロースとサーロインの間の「胸最長筋(きょうさいちょうきん)」という筋肉を指します。霜降りが多い、筋が少ない、肉質が細かいなどの特徴を持ち合わせており、ステーキやローストビーフなどの料理に最適です。

サーロイン

牛肉の高級部位としても知られる「サーロイン」。牛の背肉にある部位で、筋肉が少なく柔らかな食感が特徴です。濃厚な肉の旨味と柔らかでジューシーな食感を堪能できるので、ステーキにするのが定番。そのほかしゃぶしゃぶやすき焼きなどにもおすすめです。

牛ヒレ肉とは

牛ヒレ肉と横に並ぶガーリックやハーブ、スパイス

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サーロインの内側にある部位が「ヒレ肉」です。脂肪が少なくあっさりとしていて、上品な味わい。またしっとり柔らかな食感を楽しめるのも魅力です。

一頭からごく少量しか取れないため、サーロインと並ぶ高級部位として扱われています。王道のステーキのほか、さっくりと揚げて牛ヒレカツにしても美味!

どっちが柔らかい?値段が高いのは?

パックに入った肉を手で持ち上げている様子

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柔らかいのは?

ロース肉とヒレ肉は、それぞれ柔らかさが異なります。

肉の硬さは筋肉をよく使うか・使わないかが関係しているといわれており、体の内側のほとんど動かない場所にあるヒレ肉は、しっとりと柔らかな肉質です。一方のロースは、ほどよく脂がのっている部位。そのため口に含むと、トロッと溶けるような柔らかさを楽しめるのが魅力です。

値段が高いのは?

肉は希少性が高いほど値段も高くなる傾向にあります。豚ヒレ肉は一頭のうち2%、牛ヒレ肉は3%ほどしか取れないため、ロース肉より高値で販売されることが多いです。牛ヒレ肉の一部であるシャトーブリアンは、150g程度で1万円以上、ブランド牛だと5万円を超えるものも......!

とんかつやステーキにしたときの違い

【とんかつ】ロース肉・ヒレ肉の違い

スライスしたとんかつを箸で持ち上げている様子

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前述したように、ロースとヒレは脂の量に大きな違いがあります。ヒレ肉はほとんど脂がなくしっとり柔らかな食感の部位。ロース肉は適度に脂がのったジューシーな味わいが魅力の部位です。

よって脂身が苦手な方やさっぱりとしたとんかつを食べたい方はヒレ肉、ガツンとジューシーな味わいを楽しみたい方はロース肉がおすすめといえるでしょう。

【ステーキ】ロース肉・ヒレ肉の違い

白い皿にのったステーキと色鮮やかな野菜

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とんかつと同様に、ステーキもあっさり派はヒレ肉、濃厚派はロース肉を選ぶのがおすすめです。ヒレ肉は柔らかさを活かすため、レア焼きにするのがイチオシ。上品な味わいなので、わさびや塩こしょうなどでシンプルに味付けすると、肉のおいしさをダイレクトに感じられます。

ロース肉は、口の中でトロッととろける脂身と柔らかな赤身を同時に楽しるのがポイント。また霜降り部分が多いので、ステーキにすると見栄えよく仕上がるのも魅力です。

ロース肉・ヒレ肉のカロリー・タンパク質・脂質を比較!

豚肉

豚肉は大きく「大型種肉」と「中型種肉」に分かれます。流通している豚肉の大半は大型種肉です。

豚ロース肉(100gあたり)
大型種肉のカロリー......248kcal
・中型種肉のカロリー......275kcal

大型種肉のタンパク質.....19.3g
・中型種肉のタンパク質......18.3g

大型種肉の脂質......19.2g
・中型種肉の脂質......22.6g(※1,2)

豚肩ロース肉(100gあたり)
大型種肉のカロリー......237kcal
・中型種肉のカロリー......241kcal

大型種肉のタンパク質......17.1g
・中型種肉のタンパク質......17.7g

大型種肉の脂質......19.2g
・中型種肉の脂質......19.3g(※3,4)

豚ヒレ肉(100gあたり)
大型種肉のカロリー......118kcal
・中型種肉のカロリー......105kcal

大型種肉のタンパク質......22.2g
・中型種肉のタンパク質......22.7g

大型種肉の脂質......3.7g
・中型種肉の脂質......1.7g(※5,6)

牛肉

牛肉は「和牛肉」「輸入牛肉」「乳用肥育牛肉」「交雑牛肉」などに分けられます。ここでは和牛肉と輸入牛肉の数値を見てみましょう。

牛リブロース肉(100gあたり)
・和牛肉のカロリー......514kcal
・輸入牛肉のカロリー......212kcal

・和牛肉のタンパク質......9.7g
・輸入牛肉のタンパク質......20.1g

・和牛肉の脂質......56.5g
・輸入牛肉の脂質......15.4g(※7,8)

牛肩ロース肉(100gあたり)
・和牛肉のカロリー......380kcal
・輸入牛肉のカロリー......221kcal

・和牛肉のタンパク質......13.8g
・輸入牛肉のタンパク質......17.9g

・和牛肉の脂質......37.4g
・輸入牛肉の脂質......17.4g(※9,10)

サーロイン(100gあたり)
・和牛肉のカロリー......460kcal
・輸入牛肉のカロリー......273kcal

・和牛肉のタンパク質......11.7g
・輸入牛肉のタンパク質......17.4g

・和牛肉の脂質......47.5g
・輸入牛肉の脂質......23.7g(※11,12)

牛ヒレ肉(100gあたり)
・和牛肉のカロリー......207kcal
・輸入牛肉のカロリー......123kcal

・和牛肉のタンパク質......19.1g
・輸入牛肉のタンパク質......20.5g

・和牛肉の脂質......15.0g
・輸入牛肉の脂質......4.8g(※13,14)

阪急のおすすめ豚肉・牛肉商品4選

1. 「精肉専門店 つの田」鹿児島県産かごしま黒豚テキカツ用(ロース)8枚入り

台の上にのっている鹿児島県産かごしま黒豚テキカツ用のロース肉
4,644円

臭みがなく柔らかな食感が魅力の、南州農場産かごしま黒豚のロース肉です。ロース肉8枚が計800g入り。ステーキやとんかつにすると、かごしま黒豚ならではのほのかな甘味を堪能できます。自宅用にも、贈答用にもおすすめのひと品です。

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2. 「精肉専門店 つの田」鹿児島県産かごしま黒豚しゃぶしゃぶ用セット(ロース・肩ロース・バラ)630g

木の箱に鹿児島県産かごしま黒豚ロース・肩ロース・バラが入っている
3,240円

鹿児島県産かごしま黒豚のしゃぶしゃぶ用セットです。ロース、肩ロース、バラの3種類が計630g入り。ロースはマイルドで柔らかな食感を、肩ロースは豚肉の濃い旨味を、バラは脂身のおいしさを堪能できます。肉の食べ比べをしたい方にもおすすめです。

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3. 「精肉専門店 つの田」国内産黒毛和牛焼肉用(肩ロース)500g

木の板の上に並んでいる黒毛和牛の焼肉用肩ロース
8,640円
「精肉専門店 つの田」が目利きした、こだわりの黒毛和牛の肩ロース肉です。霜降りがバランスよく織り込まれているのが特長で、肉と脂の旨味の両方を楽しめます。とても柔らかく、口の中でとろけるような食感をぜひ一度味わってみてください。
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4. 「すき焼きと牛まぶし ももしき」大和牛A4等級 シャトーブリアンステーキ用牛肉

黒い皿の上に塩こしょうがまぶされたシャトーブリアンがのっている
10,800円

祝い事や大切な記念日の食事にぴったりな、ステーキ用のシャトーブリアンです。シャトーブリアンはヒレ肉のなかでもっとも肉質がよいとされる部位。驚くほど柔らかな食感と上品な味わいを楽しめます。120gのシャトーブリアンが2枚入りです。

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ロース・ヒレの違いをマスターしておいしく味わおう

ロース肉は適度に脂がのっており、赤身と脂のバランスのよい味わいを楽しめるのが魅力。対してヒレ肉はほとんど脂がなく、しっとりと柔らかな赤身を楽しめます。それぞれの特徴をマスターして、メニュー選ぶときや料理をするときに役立ててくださいね。

【参考文献】

※1 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」ぶた/[大型種肉]/ロース/脂身つき/生

※2 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」ぶた/[中型種肉]/ロース/脂身つき/生

※3 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」/ぶた/[大型種肉]/かたロース/脂身つき/生

※4 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」/ぶた/[中型種肉]/かたロース/脂身つき/生

※5 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」ぶた/[大型種肉]/ヒレ/赤肉/生

※6 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」ぶた/[中型種肉]/ヒレ/赤肉/生

※7 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」うし/[和牛肉]/リブロース/脂身つき/生

※8 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」うし/[輸入牛肉]/リブロース/脂身つき/生

※9 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」うし/[和牛肉]/かたロース/脂身つき/生

※10 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」うし/[輸入牛肉]/かたロース/脂身つき/生

※11 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」うし/[和牛肉]/サーロイン/脂身つき/生

※12 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」うし/[輸入牛肉]/サーロイン/脂身つき/生

※13 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」うし/[和牛肉]/ヒレ/赤肉/生

※14 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」うし/[輸入牛肉]/ヒレ/赤肉/生

(2022/08/26参照)

※商品情報や販売状況は2022年08月25日時点でのものです。
現在の情報と異なる場合がございますが、ご了承ください。