ライフスタイル&ヘルス2022/9/15 更新
みなさんはおせち料理のはじまりは、いつ頃かご存じでしょうか。お正月の定番料理である「おせち」ですが、その歴史や由来を答えられる方は多くないかもしれません。そこで当記事では、おせち料理の由来や意味、歴史についてわかりやすく解説していきます。
お正月になると家族や親戚のみんなで集まって、おせち料理を食べる家庭は多いですよね。恒例行事のひとつとして楽しんでいる方も多いと思いますが、そもそもどうしてお正月におせち料理を食べるのでしょうか。
この記事ではおせち料理の由来や意味・歴史について、大人も子どもも一緒に学べるようわかりやすく解説していきます。
おせちの歴史がはじまったのは、弥生時代だといわれています。弥生時代といえば、稲作が盛んになり小さな国々が生まれ出した頃です。
その頃、中国から季節を体系化する「暦」の風習が伝わり、「節(せち)」を季節の変わり目とする文化が広まりました。
それから人々は「節」すなわち「季節の変わり目」ごとに、収穫を神さまに感謝を示すためにお供えものをするようになりました。その風習は「節供(せちく)」と呼ばれ、次第に定着していったのです。
お供えもの自体は「御節(おせち)料理」と呼ばれ、それが現代の「おせち」の由来になったといわれています。
おせち料理のはじまりは弥生時代。中国から伝わってきた暦の風習が、おせちの起源になっていることはわかりましたね。
それでは、おせち料理を食べる習慣は、いつ定着したのでしょうか。おせちの歴史をさらに深く知っていきましょう。
おせち料理が文化として定着したのは、奈良時代〜平安時代の頃だといわれています。この頃には天皇を中心とする政府が生まれており、「節」の儀式が宮中行事(皇居でおこなう年中行事)で執りおこなわれていました。
「節会(せちえ)」と呼ばれる不老長寿を願う儀式では、「御節供(おせちく)」というお祝いの料理が提供されたといいます。
さらに平安時代には「五節会(ごせちえ)」という特別な5つの節日に宴会が催され、そのすべての会で御節供が振る舞われていました。
貴族の間で親しまれていた御節供が一般に広まったのは、江戸時代に入ってからです。
江戸時代になると、幕府は特別な5つの節日(五節句)を祝日として制定します。五節句が民間行事化されたことで、文化は一般の人々の間にも広まっていきました。
五節句のなかでもとくに大切にされていたのがお正月です。新年を迎える節日は最も重要な日であるとされ、大晦日からおせち料理を準備し、元旦とともに家族で新年を祝福する料理を食べる習慣が生まれたといいます。
江戸時代におせち料理が定着したあと、現代のスタイルに近い"お重に詰めるおせち"が生まれたのは明治時代です。
重箱が使用されるようになった理由としては、「箱を重ね合わせる」重箱に料理に詰めることで、「めでたさを重ねる」という意味を込めるためという説が有名です。
また、たくさんの料理をコンパクトにまとめられたり、人々に振る舞いやすかったりという利便性から、お重スタイルが重宝されたという説もあります。
おせち料理の種類は全部で5種類で、「祝い肴」「口取り」「焼き物」「酢の物」「煮物」に分けられます。
4段重の場合は、1段目に祝い肴、2段目に口取りと酢の物、3段目に焼き物、4段目に煮物を詰めます。一方、3段重の場合は、1段目に祝い肴と口取り、2段目に酢の物と焼き物、3段目に煮物を詰めるのが一般的です。
祝い肴とは、お祝いの席でいただくお酒の肴のこと。お正月に欠かせない3品の料理を指します。
おせち料理はもともと「今年も豊作でありますように」という祈りを込めて、神さまに捧げていました。祝い肴には五穀豊穣、不老長寿、子孫繁栄といった新年に願うべき思いが込められていることから、おせちの必須料理となったのです。
ニシンの魚卵である数の子は、鮮やかな金色が特徴でコリコリとした食感を楽しめる料理です。「二人の親から大勢の子どもが生まれますように」といった子孫繁栄の願いが込められています。
ツヤツヤとして甘い黒豆には「マメに働いて元気に過ごせますように」や「しわが寄るほど長生きできますように」など、勤勉や健康に関する願いが込められています。
田作りとはカタクチイワシの幼魚を乾燥させたものを炒め、調味料で味付けした料理です。
昔はイワシを田んぼの肥料にしていたことから「田作り」と呼ばれるようになり、豊作の願いが込められるようになったといいます。
関西では数の子、田作りとならんで「たたきごぼう」が祝い肴とされています。
たたきごぼうは、シャキシャキとした食感が特徴的でどんな具材とも合うひと品です。ごぼうは地に根を張って育つことから「長寿」「延命」といった願いが込められているといいます。
口取りとは、別名・口取り肴と呼ばれ、おせち料理のなかでもはじめに提供するお酒の肴のことです。かまぼこや栗きんとんなど、さまざまな料理が当てはまります。
紅白かまぼこは、薄い紅色のふちどりが入ったかまぼこと、真っ白なかまぼこを用いた紅白カラーの料理です。紅色には「魔除け」、白色には「清浄」といった意味が込められています。
スイーツのような甘さのある伊達巻きは、渦巻状の見た目もかわいらしく子どもからの人気も高い料理です。巻物のような見た目が書物を連想させることから「学業成就」の願いが込められるようになったといわれています。
錦卵とは、黄色と白色の重なりが美しい卵料理です。黄身と白身によって表現される色合いは金や銀を連想させ、「豪華な財宝」という意味が込められているといいます。
栗きんとんは、濃厚な甘さがクセになる人気おせち料理のひとつです。鮮やかな金色もお重のなかで美しく映えてくれます。
きんとんは漢字で「金団」と書けることから「金運上昇」や「商売繁盛」の意味が込められているそうです。
昆布巻きとは、ニシンなどの魚を昆布で巻いたおせちの定番料理です。「養老昆布(よろこぶ)」という文字合わせから、健康や長生きを願う意味が込められています。
焼き物とは、縁起のよい海の幸を炭火で焼いた料理のことです。焼くだけでなく、煮付けて供されることも。鯛や海老など、見た目も豪華で色鮮やかな食材はおせちの定番でしょう。
おせちの鯛料理には、鯛の姿焼きのほか焼いた切り身を詰めた料理など、さまざまなものがあります。
「めでたい」という語呂合わせや「魔除け」の意味がある真っ赤な色合いから、縁起がよいとされています。
ブリは、煮付け料理が定番でしょう。出世魚であるブリは、その名の通り「出世」を願う縁起のよい魚だといわれています。
海老の焼き物は、焼いて腰が曲がったような見た目から「長寿」の意味が込められています。また、脱皮を繰り返して成長することから、「新たに生まれ変わる=成長・発展」を意味することも。
貝類のなかでは、アワビやハマグリ、コブシなどがよくおせち料理に使われます。
寿命が長いアワビは「不老長寿」の願い、貝殻が対になっているハマグリは「夫婦円満」、小さなコブシはフクダメという別名を持つことから「福がたまりますように」という願いがそれぞれ込められているそうです。
煮物は煮しめや筑前煮が定番で、根菜類など山の幸をたっぷりと使った料理です。地域によって作り方や味付けは異なるため、全国各地でさまざまな煮物料理がおせち料理として食べられています。
煮物に入れる具材には、それぞれ縁起のよい願いが込められているので、代表的な具材の意味を紹介していきます。
里芋(八つ頭)は、ほろっとやさしくほぐれる食感が魅力的な煮物にぴったりな食材です。
里芋は掘り起こしたときに小芋をたくさん連れて出てくることから「子宝に恵まれますように」「子孫が繁栄しますように」といった意味が込められています。
れんこんは、シャキシャキと食感がよく、煮しめや筑前煮の主役になれる食材です。れんこんに空いた穴から先をのぞけることから「未来の見通しがよい」という意味が込められています。
くわいは、丸い茎部分から芽が伸びた変わった形状をした野菜です。煮物との相性がよく、お正月には欠かせない食材のひとつでしょう。芽が飛び出た見た目から「芽出たい(めでたい)」という言葉が連想され、縁起がよいとされています。
ゆり根は、甘みと苦みのバランスがよい野菜です。ウロコのような茎が花びらのように重なっていることから、「歳を重ねていけますように」「仲よくいられますように」といった意味が込められているといいます。
こんにゃくは、煮物料理の主役にも脇役にもなれる優れもの。おせち料理では、ねじれた手綱のような形に結ぶことが多く、その形状から「縁を結ぶ」「良縁」といった願いが込められているといいます。
酢の物は、口の中をさっぱりさせる箸休めとなる料理のことです。
紅白なますは、大根とにんじんを短冊状に切って色合いよく和えた料理です。紅白なますは、見た目から「水引」を連想させることから、お正月というめでたい日に縁起をもたらす料理だとされています。
菊花かぶは、日本の国花である菊をモチーフに、かぶに切り込みを入れて作る料理です。菊には「邪気をはらう」という意味があり、菊花かぶには「邪気をはらい長生きする」という願いが込められているといいます。
コハダの粟漬けは、出世魚であるコハダを粟と一緒に酢漬けにした料理です。コハダを塩でしめ、酢に漬けたあと、蒸したり焼いたりして、そこに粟や唐辛子を加えて漬け置きして作られます。出世魚であるコハダを使うことから「出世しますように」という願いが込められているそうです。
味わい深い出汁をベ ースにして作られた料理が詰められた、老舗料亭のおせち。お正月にふさわしい上品な味付けは気品がただよい、新年から明るい気持ちにさせられます。厳選された山の幸と海の幸が勢ぞろい。お正月から胸もお腹もいっぱいに満たしてくれることでしょう。
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おせち料理に欠かせない数の子や田作りの照り煮、栗きんとん、海老のツヤ煮など、縁起のよい料理が詰め合わされた、彩りも美しい京のおせち料理です。具材はどれも旬の食材を使用。新年のはじまりにぴったりなごちそうをいただきましょう。
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11,880円
1段重でありながら、充分な食べごたえを感じられるおせち「宝梅」の和風。栗きんとんや海老の焼き物など、なにわの味を伝承した具材がたっぷりと詰まっています。長くの間愛されつづけている自慢のおいしさを、ぜひ堪能してみてください。
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食材にこだわり、各地で厳選された食材を使って仕上げた自慢のおせち「美味きわみ」和風。車海老の塩焼きなど、おいしさに自信のある料理がお重いっぱいに詰め合わされています。彩りも華やかでお重の蓋を開けた瞬間から楽しめる逸品です。
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一年の幸せを願う元旦には、旬の食材を取りそろえた「秀梅」吉盛りで食卓を囲んでみませんか。国産牛ヘレ肉の生姜煮やブリの照り焼き、北海道産いくらの醤油漬け、国産うなぎの山椒煮など、家族を笑顔にする豪華な料理がふんだんに詰まっています。
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おせち料理の起源は弥生時代であり、宮中行事に振る舞われていた豪華な料理がおせちの原型となりました。江戸時代になると、庶民の間でもおせちがお正月の定番料理に。
このように、何気なく食べていたおせちの由来には興味深いストーリーにあふれています。お正月には、おせちの歴史をたどりながら食べてみるのも楽しいかもしれませんよ。
※商品情報や販売状況は2022年09月15日時点でのものです。
現在の情報と異なる場合がございますが、ご了承ください。
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