おめでたい一年のはじめに食べるおせち料理に、なぜ煮物を入れるかご存じですか?本記事ではおせちに煮物を入れる意味やそれぞれの具材のいわれ、自宅でおいしく作れる煮物のレシピなどを紹介します。余りがちな煮物のリメイク方法や、阪急で人気のおせちもピックアップ!ぜひチェックしてみてくださいね。

おせち料理に「煮物」が入っている意味を知ろう!

丸い赤と黒のお重に入った飾り切りが施された煮物

iStock.com/Tamiko Ihori

たくさんの料理が並ぶおせち。伊達巻きや海老、黒豆などと並んで欠かせないのが煮しめですよね。おせちに入る食べ物にはそれぞれ縁起の良い意味がありますが、煮しめにはどんな意味があるか知っていますか?

本記事ではおせちに煮しめを入れる意味や具材のいわれ、煮しめのレシピやおいしく作るポイントなどをチェック。煮物がどのくらい日持ちするかやリメイク方法も紹介します。

おせち料理の煮物「煮しめ」の意味・由来

赤い四角いお重に入った煮物と、丸い皿に取り分けられた煮物と箸

iStock.com/yumehana

煮汁がなくなるまでじっくり煮詰める調理法「煮しめる」からその名がついた「煮しめ」。地域によって具材は若干異なりますが、にんじんやれんこん、里芋などをたっぷり入れて作るのが特徴です。

さまざまな食材をひとつの鍋で作ることから、煮しめには「親族が仲良く、末長く繁盛するように」という縁起の良い意味があります。

おせちの重箱には3段のもの、4段のものがありますが、煮しめは一番下の段(三の重)に入れましょう汁気がある場合はよく切り、ほかの料理と混ざらないように詰めるのがポイントです。

おせちの煮物に入っている食材の意味・いわれ

里芋・八つ頭

種芋に複数の小芋がつく野菜である里芋。その見た目から、「子宝に恵まれるように」という意味があります。また、八つ頭は里芋の仲間です。「八」は末広がりの意味もあり、縁起が良いとされています。

れんこん

れんこんの断面を見ると、穴がたくさんあることがわかりますよね。その穴から先が見えるため、「未来の見通しが良くなるように」という思いが込められています。煮しめ以外にも酢れんこんとしておせちに入れることが多い縁起の良い食材です。

にんじん

普段の料理にも使われる定番野菜のにんじんは、梅の形に飾り切りすることで新年にふさわしい意味となります。梅は冬から春にかけて花を咲かせる植物。ほかのどの花よりも早く咲くことから、昔から縁起の良いものとして知られていました。

ごぼう

根菜の代表ともいえるごぼうは、地中までしっかり根を張る野菜です。"根がしっかりしている=土台が安定している" とされ、「その土地に根を張って一家繁盛を願う」という意味を持ちます。

こんにゃく

煮しめには、中心がねじれたこんにゃくが入っています。形が手綱に似ているため「手綱こんにゃく」と呼ばれることも。そのねじれ(結び目)を縁結びとかけて、夫婦円満を象徴する縁起物とされています。良縁を掴む意味も込められていますよ。

しいたけ

昔は高級品といわれていたしいたけ。正月やお祝い事などによく使用されていた食材です。おせちに入れる場合は六角形に切って亀の甲羅に見立てることも。亀は長寿の象徴とされ、「長生きできるように」という意味が込められています。

くわい

今はあまり広く知られていないくわいは、冬野菜のひとつです。茎の部分から特徴的な大きな芽が出ることから、「出世できるように」という意味があります。また、"芽が出る" と "めでたい" をかけて縁起物として扱われてきました。

おせちの煮物は地域で違う?煮しめのあれこれ

丸い丼皿に入った筑前煮と木の箸と箸置き

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煮しめと筑前煮の違い

筑前煮は鶏もも肉や根菜などを油で炒め、砂糖やしょうゆ、みりんなどで味付けした福岡県筑前地方の郷土料理のこと。一方で、具材は炒めず、かつ煮汁を残さずに味を染み込ませるのが煮しめです。具材や見た目が似ていますが、厳密には調理方法が異なる料理といえます。

また、地方によって味付けや具材が異なる煮しめですが、筑前煮は筑前地方の作り方を基本としているため味付けや具材ににそこまで地域差はありません。

地域による煮物の違い

地域によって煮物の味付けや具材も異なります。関東は砂糖としょうゆがベースで濃いめの味付けが基本。関西では出汁をしっかりめに取り、薄口しょうゆとみりんで味付けすることが多いです。

また、北海道ではなるとなどの練り物を入れる地域もあります。東北地方では山菜や焼き豆腐を入れるのも定番です。具材や味付けには厳密な決まりがないため、地域・家庭によって味わいに違いが出る料理といえます。

おせちの煮物「煮しめ」のレシピ

1. 煮しめ.png

ごぼう、れんこんや山芋、鶏肉、しいたけなどを、甘辛く煮て仕上げる煮しめ。水分が出にくいのが特徴で、おせちの三の重の具材としても定番で、お花などの飾り切りが華やかな印象を与えます。

各具材の下ごしらえをしたら、それらを鍋でじっくりと煮ていくだけで完成しますよ。おいしく作るコツは、落とし蓋をすること。水分が少ないレシピのため、落とし蓋をして煮汁が全体にいきわたるように調整しましょう。

レシピはこちら|macaroni

煮しめを上手に作るポイント

ガス火にかけられた銀色の鍋

iStock.com/Seiya Tabuchi

ポイント1. 具材は均一の大きさに切る

たくさんの具材が入る煮しめ。それぞれ同じくらいの大きさに切ることで、火の入りも均一になります。味の染み込み具合や具材のやわらかさもちょうど良くなり、より食べやすくなりますよ。仕込みの際は意識してみましょう。

ポイント2. 調味料を入れる順番に気をつける

調味料を入れる順番も重要です。砂糖より先にしょうゆを加えると甘味が染み込みにくくなります。しょうゆは砂糖を入れたあとに加えましょう。また、照りや風味を加えるみりんは最後に入れると、見栄えも良くなりますよ。

ポイント3. 具材を別々で煮て色味良く仕上げる

具材を別々に煮ると、鮮やかな色味に仕上げることができます。おせちの煮しめは見た目も大切です。少し手間はかかりますが、ぜひ別々で煮る調理方法を試してみてください。すべての具材を別々で煮る必要はありません。食材の特性を考えて、3つほどの鍋に分ければ大丈夫ですよ。

ポイント4. 調理工程で出たアクは丁寧に取る

煮物を作る際に必ず出るアク。これは具材に含まれている苦味やくさみ、えぐみの原因となる成分です。すべてを取り除くのはむずかしいですが、可能な限り丁寧に取ることですっきりとした風味の煮しめになりますよ。

ポイント5. 落とし蓋を使う

煮しめには、煮崩れしやすい里芋やにんじんといった具材も含まれています。煮崩れしてしまうと見栄えが悪く、おめでたい席の料理が台無しに。そうならないためにも、落とし蓋を活用しましょう。煮崩れを防ぐだけでなく、煮汁が対流するため食材に味が染み込みやすくなりますよ。

芽が出る縁起物!くわいの煮物のレシピ

2. くわいの煮物.png

日本と中国でしか栽培されていない、オモダカ科の野菜「くわい」を使った煮物です。だしの風味が染み込んで、上品な甘さとほんのりと苦味のある味が楽しめますよ。芽が出た縁起の良い形も魅力的。

おいしく作るためには、きちんとアク抜きすることがポイント。皮をむいたくわいはすぐに塩水に浸けてからゆでこぼすことで、しっかりとアク抜きができます。あとは煮汁でコトコト煮込むだけで完成です。

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おせちの煮物を作るタイミング・日持ち

ついたくさん作ってしまうおせちの煮物。もともと保存食として作られていたおせちは日持ちさせるため、少し濃いめの味付けにするのが基本です。

味を濃いめにし、煮汁をしっかり飛ばした煮しめであれば、常温で4日ほど保存できますただし、味が控えめだったり、水分が十分に飛んでいないと傷みやすくなります。

数日間に分けておせち料理を準備する場合は、1日目や2日目ではなく、3日目~最終日に煮物を作るのがおすすめ。また、作ったあとは菌の繁殖を防ぐため、最低1日1回は火を入れてくださいね。

おせちの煮物の詰め方・盛り付け方

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iStock.com/maroke

おせちの煮物は、重箱の3段目(三の重)に入れるのが一般的。1段目には祝い肴や口取りなど前菜的なもの、2段目には肉・魚などのメイン料理を入れます。

重箱にきれいに詰めるポイントは、「形がしっかりしたもの」を優先的に詰めること。詰める順番は、"奥から手前に" を意識すると見栄えがよくなります。

また料理を十分に冷ましてから詰めることで、形が崩れにくくなるのでおすすめです。盛り付けを美しく見せたいときは、"葉らん" や "松葉" などの「あしらい」を活用するのも良いでしょう。

おせちの煮物をリメイクする方法

食べきれない場合は煮物をリメイクしても良いですね。簡単にカレーやグラタンにするのがおすすめです。和風の味付けから洋風になるため、食べやすくなりますよ。

ほかには炊飯器を使って炊き込みごはんにするアレンジも。しっかり味が付くため、おにぎりにしたりしてもおいしいですよ。

阪急で人気のおすすめおせち3選

1.「京料理 美濃吉」和風 冷凍美濃吉-202

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21,600円

京都の懐石料理店「美濃吉」が誇る、上質な品々を詰め込んだおせち。かまぼこや伊達巻き、田作りなど、鉄板のメニューがたっぷり詰め合わされています。そのほか、海老旨煮やあわび旨煮など豪華な品も。こちらは2~3人でバランスよく食べられる2段重の商品です。冷凍保存品のため、日持ちしやすいのもうれしいところ。

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2.「日本料理 なだ万」単品おせち16品目セット なだ万-16品

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21,600円

にしん昆布巻きや鰆の西京焼き、栗きんとんなど、16品目が単品パックで入ったおせち商品。重箱入りではなく各料理がパッキングされているため、器に盛って楽しみたい場合におすすめ。3~4人前で、家族で一緒に食卓を囲む際にぴったりです。名店の味わいを堪能したい方はぜひ。

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3.「ホテル椿山荘東京」和風・洋風 冷凍椿山荘-253

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27,864円

8角形の上品な箱に入った、和洋折衷のおせちです。都会にありながらも静けさのある「ホテル椿山荘東京」で作られた、絶品の数々が堪能できます。たこの照り焼きやキングサーモンの西京焼きなどが大胆に盛り付けられており、見映え抜群です。伝統的な日本料理も味わいつつ、西洋料理も楽しみたい方におすすめ。

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意味や作り方のコツを知っておせちの煮物を楽しもう

根菜や里芋、しいたけなどがたくさん入ったおせちの煮物。おせちに入れる意味や食材のいわれを知ると食べるのも楽しくなりそうです。コツを掴めばおいしい煮物が簡単に作れますよ。ぜひ次のお正月に試してみてくださいね。

※商品情報や販売状況は2022年09月26日時点でのものです。
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