ライフスタイル&ヘルス2022/12/20 更新
お盆と同じく、日本の仏教行事として知られるお彼岸。言葉としては聞いたことがあっても、具体的にどんな行事かはっきりとはわからない方がいらっしゃるかもしれません。そこで本記事では、お彼岸の時期や行事内容、お盆との違いなどを解説。この記事を読んで、お彼岸に関する基本を押さえてくださいね。
お彼岸とは春と秋におとずれる、ご先祖さまを供養し、感謝をささげる期間。この時期にはご先祖さまがいる世界と、わたしたちがいる世界がもっとも近づくとされています。日本独自の仏教行事でもあり、この期間にはお墓参りや法要、仏壇仏具の掃除、お供えなどをするのが通例です。
「お彼岸」は「至彼岸」という言葉を略したもので、サンスクリット語の「paramita(波羅蜜多、パーラミタ)」が語源です。「彼岸に至る」という意味を持ち、迷いや煩悩の世界から、悟りの世界へ至ること、またそのための修行のことを指します。
お彼岸とお盆はどちらもご先祖さまの霊を迎え入れ、供養する仏教行事です。一番大きな違いは、行事がおこなわれる時期。お彼岸は春と秋ですが、お盆は夏におこなわれます。
また、お盆は家に帰ってくるご先祖さまや故人の霊を迎え入れることを目的としていて、お彼岸はあの世とこの世がもっとも近づく日に、ご先祖さまの霊を供養することを目的としています。
お盆では自宅の前に提灯を下げたり、馬と牛に見立てたきゅうりやなすを置いたりといった、具体的な儀式がありますが、お彼岸にはとくにそういった決まり事はありません。
お彼岸は期間は春分の日と秋分の日を中日とした前後3日間のこと。そのためお彼岸は一年に2回おとずれ、それぞれの期間は7日間です。では、なぜこの時期をお彼岸と定めたのでしょうか。
仏教において極楽浄土は西方にあるとされていて、太陽が真東から昇り真西に沈む春分の日・秋分の日は「この世と極楽浄土がもっとも通じやすい日」とされてきました。この時期にご先祖さまを供養することで、極楽浄土に近づけると考えられたのです。
このような理由から、お彼岸は春分の日・秋分の日を中心におこなわれるようになったといわれています。
お彼岸にすることと聞いてイメージするのは、やはりお墓参りです。春の彼岸は冬の寒さが落ち着いて暖かくなり、秋の彼岸は夏の暑さが和らぐ時期。気候が穏やかで過ごしやすく、お墓参りにも行きやすいでしょう。
お墓参りはお彼岸期間の中日にあたる春分の日・秋分の日に行くのがベストだとされています。祝日でもあるので、家族そろって出かけるのにもうってつけです。ただし、絶対にこの日でないといけないという決まりはないので、行きやすい日を選ぶようにするといいでしょう。
自宅に仏壇がある場合は、仏具も含めて掃除をしてきれいにします。掃除が終わったらお供え物をして、手を合わせながら感謝の気持ちと供養の心を伝えるようにしましょう。
お供え物の定番は、ぼたもち/おはぎやお彼岸団子、お花、果物など。もちろん、それ以外のものを用意しても大丈夫です。食べ物をお供えする場合は、故人が生前好きだったものを用意するといいですよ。
六波羅蜜とは、この世で生きたまま彼岸に至る(悟りに至る)ためにおこなう6つの修行のこと。お彼岸の時期には、この6つの修行を1日ひとつずつ修めるといいと考えられてきました。
六波羅蜜には、「見返りを求めず、他人のために惜しみなく善行を施すこと=布施(ふせ)波羅蜜」「常に静かな心を持ち、動揺しないこと=禅定(ぜんじょう)波羅蜜」」といった修行があります。
いずれも人として生きるうえでは大事なことばかり。この機会に、普段はなかなかできない六波羅蜜を実践し、日頃のおこないを振り返ってみるのもいいかもしれません。
春彼岸には「ぼたもち」を、秋彼岸には「おはぎ」をお供えするのが通例です。両方とももち米・あんこを使った食べ物ですが、牡丹の春が咲く春には「ぼたもち」、萩の花が咲く秋には「おはぎ」と呼ばれます。小豆の赤色に邪気が払う効果があるなど、ぼたもち/おはぎを供える理由には諸説あるようです。
地域によっては、お彼岸団子と呼ばれるものをお供えする風習があるところも。お彼岸の初日に供えるものを「入り団子」、お彼岸の最終日にお供えするものを「明け団子」と呼びます。地域によって団子の形や、お供えする数に違いが見られるのが特徴です。
花・果物もお彼岸のお供えの定番です。お花に関しては、通年でお供えする菊やユリのほか、春にはキンセンカやフリージアを、秋にはリンドウやケイトウと、季節の花を選ぶのもいいですね。果物は旬を迎えた日持ちのするものを選び、高坏や盛器などお供え用の器に盛り付けるのが通例です。
お彼岸に精進料理をお供えすることもあります。仏教では殺生を嫌うので、料理をお供えする場合は肉・魚介類は使わない精進料理に仕立てるのが通例です。
このほか、故人が生前好きだった食べ物・飲み物を用意するのもいいでしょう。その際はお酒や肉、魚などを避けるようにすると、仏教の教えに反することがなく、安心してお供えできますよ。
お彼岸は春分の日・秋分の日を中日とした、前後7日間。この期間にはあの世とこの世がもっとも近づくとされ、お墓参りや仏壇の掃除、お供えなどをおこなうのが通例です。お彼岸には故人が好きだった食べ物を用意して、霊前で手を合わせるようにしましょう。
※商品情報や販売状況は2022年12月20日時点でのものです。
現在の情報と異なる場合がございますが、ご了承ください。
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