ライフスタイル&ヘルス2022/12/22 更新
「お彼岸とお盆の違いは何か」と聞かれたら、どう答えますか?漠然とはわかっていても、違いを明確に説明するのは意外とむずかしいのではないでしょうか。この記事では、お彼岸とお盆の時期や目的、お供え物、お墓参りをする理由などにフォーカスし、違いを詳しく解説します。
お彼岸もお盆も「ご先祖様を供養する日本独自の習わし」です。
仏教の世界では、ご先祖様のいるあの世を「彼岸」、私たちが生きているこの世を「此岸(しがん)」と呼びます。お彼岸は、彼岸と此岸の距離が一番近くなる春と秋の年2回おこなわれ、ご先祖様をより近い距離でご供養する行事です。
お盆は、ご先祖様の霊を彼岸から此岸(家)に迎え入れてご供養をする、夏の行事。お彼岸とお盆では、時期と目的が異なることをまずはおさえておきましょう。
春と秋の年2回おこなわれるお彼岸。春のお彼岸は3月の「春分の日」を中日(なかび・ちゅうにち)とする7日間、秋のお彼岸は9月の「秋分の日」を中日とする7日間です。お彼岸の初日を「お彼岸の入り」、最終日を「お彼岸の明け」と呼びます。
仏教の世界では彼岸は西に、此岸は東にあるとされ、彼岸と此岸がもっとも近づくのがお彼岸の時期。距離が近く思いが通じやすい時期に、ご先祖様のご供養をすることがお彼岸の目的です。
また、お彼岸の時期に自身が精進することで、より彼岸に近づけるとされています。
日本では年に2回、昼と夜の時間がほぼ同じになる日があります。それが、春分の日と秋分の日。太陽が真東から昇って真西に沈み、昼と夜の時間が等しくなるため、彼岸と此岸が一番近づく日とされています。春分の日と秋分の日に合わせ、お彼岸も年2回おこなわれるようになりました。
春分の日は3月21日前後、秋分の日は9月23日前後ですが、国立天文台が太陽の動きを観測して毎年日付を定めており、年によっても異なります。春と秋のお彼岸は春分の日と秋分の日を中日として計算されるため、毎年お彼岸の時期も変わってくるのです。
お盆の時期は8月(8月13日~16日)が一般的ですが、地域によっては7月(7月13日~16日)や8月中旬から9月中旬にお盆をおこなう場合もあります。
地域による違いが生まれたのは、明治時代に新しく太陽暦(グレゴリオ暦)が取り入られたことがきっかけ。従来通り、旧暦(太陰太陽暦)のまま8月にお盆をおこなう地域もあれば、新暦にならって7月におこなう地域もでてきたことが要因です。
お盆は、ご先祖様を彼岸から此岸(家)にお迎えしてご供養することが目的。お盆の最終日には、ご先祖様を彼岸へと送り出します。
お彼岸もお盆も、ご先祖様のお墓へお参りすること、お墓やお仏壇をきれいに掃除することは共通しています。ただし、お彼岸とお盆では、お墓にお参りすること自体に違う意味合いがあることをご存じでしょうか。
彼岸と此岸が一番近くなるお彼岸の時期に、ご先祖様が眠るお墓にこちらから出向いてお参りをし、ご先祖様へ思いを伝え、ご供養をおこないます。
お盆の初日は、彼岸から此岸(家)に里帰りされるご先祖様をお迎えするためにお墓にお参りし、お盆の最終日は彼岸に帰られるご先祖様をお見送りするためにお墓参りをします。
お供えするものの基本は「香」「花」「灯明」「浄水」「飲食」とされています。具体的には、お線香や季節の花、ろうそく、お水、精進料理や果物などをお供えするのが一般的。香りが強い花や食べ物、鉢植え、つる状やトゲのある植物はNGです。
これ以外にお供えするものとして、お彼岸とお盆それぞれに特有のものをご紹介します。
年に一度、彼岸から此岸に里帰りされるご先祖様をお迎えするために、目印となるよう、ろうそくや提灯をお供えするのが習わしです。そうめんをお供えする地域も多くあり、彼岸に戻られるご先祖様が荷物をまとめる際にひもとして使うためだともいわれています。
春のお彼岸には、春に咲く牡丹の花にちなんだぼた餅を、秋のお彼岸には秋に咲く萩の花からおはぎをお供えするのが慣例です。また、彼岸団子と呼ばれるお団子をお供えする地域もあり、お団子の形や積み方にも地域による違いがみられます。
お彼岸の時期には、「お彼岸法要・彼岸会(ひがんえ)」と呼ばれるご先祖様の合同法要が寺院で開催されます。菩提寺がある場合やお寺との付き合いがある場合は、彼岸会に参加するとよいでしょう。
寺院との付き合いがない場合は、お墓にお参りをしてご先祖様をご供養します。
お盆特有の飾り付けをした「盆棚(ぼんだな)」と呼ばれる祭壇をお仏壇の前か横に用意し、ご先祖様をおもてなしします。提灯やほおずき、きゅうりとなすで作る馬や牛の人形(ご先祖様の乗り物)などを飾り付けるのが一般的ですが、地域によって特色があるのも特徴です。
ご先祖様を此岸(家)へお迎えするときは、目印として玄関先やお墓などで迎え火を焚く風習があります。送り火はご先祖様が彼岸へお帰りになるときに焚かれ、京都の五山送り火や長崎の精霊流しなどのように、地域で大規模におこなうものも。集合住宅や火を焚けない場合などは盆提灯を灯します。
お盆には「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と呼ばれる合同法要が寺院で執りおこなわれます。寺院との付き合いがある場合は、参加するとよいでしょう。また、親族や親しい方々を招き、ご先祖様を偲んで会食をするケースも多く、新盆の場合は新盆法要の後に会食もおこなうのが通例です。
お彼岸とお盆は、時期も目的もおこなう内容にも違いがあります。それぞれの違いを理解すると、お墓参りひとつをとっても、心の持ちようが変わってくるのではないでしょうか。お彼岸とお盆の時期には、ご先祖様への思いを深め、心を込めてご供養してくださいね。
※商品情報や販売状況は2022年12月22日時点でのものです。
現在の情報と異なる場合がございますが、ご了承ください。
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