国民の祝日として親しまれている春分の日は、他の祝日とは違い、いつなのか定められていません。この記事では、春分の日の概要と日付が年によって違う理由、今後10年の春分の日の予想日を解説。

合わせて、春分の日がなぜ祝日とされているのか、春分の日の過ごしかたとこの時季に旬を迎える食べ物もご紹介します。

春分の日とは?

山の田舎の風景の上の時間変化 - 春分のロイヤリティフリーストックフォト

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季節の変化を表す二十四節気のひとつである春分の日は、一年のうちで昼夜の長さがほぼ同じになる日です。天文学では春分の日が春の始まりとして分類されており、名実ともに春の暖かさを実感できる頃といえるでしょう。

内閣府によると「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日として、国民の祝日に制定されています。

春分の日は年によって日付が変わる

春分の日は法律によって具体的な日付が定められておらず、国立天文台が公表する「暦要項」の記載において確定します。毎年3月20日もしくは21日とされていますが、春分の日が年によって違うのはなぜでしょうか。

日付の決定には太陽と地球の運行状態が大きく関係しています。太陽が移動している通り道を「黄道」、地球の赤道を天まで延長したものを「天の赤道」といいます。

黄道と天の赤道が交わる2点を、それぞれ「春分点」「秋分点」と呼び、太陽が春分点を通過する瞬間を含む日を春分の日としています。地球の運行状態は常に変化しており、暦にズレが生じるため、春分の日は日付が決まっていないのです。

春分の日が祝日とされている理由

国民の祝日は、天皇皇后両陛下が常に国民の幸せを祈って執りおこなう祭儀である、宮中祭祀が由来となっているものがあります。春分の日もそのひとつで「春季皇霊祭」に由来しています。「自然のあらゆる生命が若々しく盛り上がる時」として、戦後に国民の祝日として採用されました。

2023~2033年までの「春分の日」の予想日

国立天文台の公式ホームページでは、2050年までの春分の日の予想が発表されています。ただし、地球の運行状態は常に変化しているので、必ずしも予想通りになるとは限りません。あくまで参考としてご覧ください。

2023年......3月21日(火)

2024年......3月20日(水)

2025年......3月20日(木)

2026年......3月20日(金)

2027年 ......3月21日(日)

2028年 ......3月20日(月)

2029年 ......3月20日(火)

2030年 ......3月20日(水)

2031年 ......3月21日(金)

2032年 ......3月20日(土)

2033年 ......3月20日(土)

春分の日にすることは?

墓の前で祈る家族 - 墓のロイヤリティフリーベクトルアート

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春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ」祝日です。具体的にはどのように過ごすのでしょうか。お彼岸との関わりを通してみていきましょう。

お彼岸との関係

仏教では、わたしたちが生きる煩悩に満ちた現世を「此岸」、煩悩から解放された極楽浄土を「彼岸」と呼んでいます。太陽が真東から出て真西に沈む春分の日は、此岸と彼岸が最も通じやすくなる日とされ、この日に先祖を供養すると極楽浄土に行けると考えられてきました。

これが春のお彼岸にお墓参りをする習慣になったとされています。

春分の日の食べ物

春分の日の食べ物といえば「ぼたもち」です。材料として使われる小豆の赤色は魔除けや邪気を払う力があるとされ、お彼岸にご先祖様にお供えしていた風習が、食べる習慣になったといわれています。

同じくお彼岸にお供えする精進料理や、この季節に旬を迎えるふきのとうや菜の花、桜鯛も定番の食べ物です。

春分の日は毎年3月20日から21日のいずれか

春分の日は、地球の運行状態によって変わり、毎年3月20日から21日のいずれか1日です。戦後、春分の日が国民の祝日として定められたのは、この日に執りおこなわれていた宮中祭祀である春季皇霊祭に由来します。

春分の日は春のお彼岸の中日にあたり、お墓参りをしてご先祖様を供養する日でもあります。ぜひ、ぼたもちなど、この時季ならではの食べ物をお供えしてみてはいかがでしょうか。

※商品情報や販売状況は2022年12月23日時点でのものです。
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